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2016年10月29日 (土)

マデリン・ペルーMadeleine Peyrouxのニュー・アルバム「SECULAR HYMNS」

(ライブ録音)フォーキーでソウルフル・・・そしてフル-ジーに

<Jazz>
Madeleine Peyroux 「SECULAR HYMNS」
Impulse / JPN / UCCI-1033 / 2016

Secularhymns

Madeleine Peyroux マデリン・ペルー(vocal, guitar)
Jon Herington ジョン・へリントン(guitar)
Barak Mori バラク・モリ(bass)

2016年1月12,13日 英国-OxfordのParish Church Of Saint Mary The Virginでのライヴ録音

 
  マデリン・ペルー(1974年ジョージア州Athens生まれ)はインパルスImpulseに移籍したんですね、その第一弾アルバム。2016作1月12日にイギリスのオックスフォードにある古い教会にて、約100名の観客を入れてレコーディング。バラク・モリ(Ds)、ジョン・へリントン(g)と彼女のヴォーカルによるトリオによる演奏だ。

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 私は知らないのだが、世界的に有名だとうフレンチ・シェフのレイモンド・ブランという人が、グレイト・ミルトンという田舎に「ベルモンド ル・マノワール・オ・キャトル・セゾン」 というホテルを開き、そのイベントの一環でディナーの前に近くの12世紀の古い教会でのコンサートが行われた。そこに昨年マデリンのトリオが招待されたらしい。ところがマデリンは、そこが音響効果など良く、なかなかのお気に入りで数ヶ月後にそこで3日借り切ってライブ録音をしたのがこのアルバム。

Peyroux このブログでも彼女のアルバムは何度も取りあげてきたが、考えて見るとプロ20年のキャリアになるんですね。今時のビリー・ホリデイなんとも言われたが、ジャズ畑とは言ってもなかなか立派に彼女なりきの独特な世界を築いていて、それも私の好みとは若干違っていながらもなんとなく気になるんですね。今や、ニュー・アルバムがリリースされると、必ずそれを聴いているというところになっている。

 ヴォーカリストにしてソングライターの彼女だが、今回は全曲カヴァーでオリジナル曲はない(リストは下記)。しかもゴスペル系とトラッドからの曲が主で、スピリチュアルな世界を歌いあげる。。
 相変わらずフォーキーでフルージー、その唄い回しは意外になにげなくさらっとこなしている。しかしどこか哀愁があって、ソウフルで心に響いてくる~そんな不思議な世界なのだ。
 このトリオのベースとギターの演奏は、これまた肩の凝らないゆったりとしたもので、全体のムードはマデリンの歌声と共にトリオの息はピッタリで心安まる世界の構築に貢献している。
 異色のジャズ・アルバムだが充実度は高い。

(Tracklist)
1. ガット・ユー・オン・マイ・マインド Got You On My Mind
2. タンゴ Tango Till They're Sore
3. ハイウェイ・カインド The Highway Kind
4. エヴリシング・アイ・ドゥ・ゴナ・ビー・ファンキー Everything I Do Gonna Be Funky
5. イフ・ザ・シー・ワズ・ウイスキー If The Sea Was Whiskey
6. ハード・タイムス Hard Times Come Again No More
7. ハロー・ベイブ Hello Babe
8. モア・タイム More Time
9. シャウト・シスター・シャウト Shout Sister Shout
10. トランピン Trampin
11. イージー・カム・イージー・ゴー・ブルース (日本盤ボーナス・トラック)

(視聴) "Everything I Do Gonna Be Funky" from 「SECULAR HYMNS」

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コメント

風呂井戸さん、こんにちは、monakaです。
アルバムが出るたびに聞きたくなりますが、このアルバムは貴殿のこの記事で知ってすぐ買いました。
TBありがとうございました。

投稿: monaka | 2016年11月17日 (木) 12時48分

Monakaさん、わざわざこちらにどうもです。
 Madeleine Peyrouxって、私の女性ヴォーカルに求める世界とちょっと違うのですが、それでも聴きたくなるという意味では筆頭格です。何故か不思議な魅力があるんですね。目下は女性歌ものは、相変わらずJazzy not Jazz派が盛んであるように思いますが、彼女のようなタイプも貴重ですね。今回はロンドン郊外の古い小さい教会でのライブってところが、又なんとなく良いですね。

投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2016年11月17日 (木) 14時11分

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» なんの問題も揚げるつもりはない SECULAR HYMNS / MADELEINE PEYROUX [JAZZ最中]
JAZZヴォーカルのアルバムはほとんどかわないけれど、何人かこの人は買ってもいいと思う人がいる。もうなくなっているから改めて買うことはないけれど、ベッシー・スミスとビリー・ホリディは本当に魂を揺さぶられる。 そんな好みだから、このマデリン・ペルーと出会った時は本当に驚いた。 インパルスに移籍してデヴュー20周年のアルバムだそうで、ギター、ベースバックにシンプルにブルースを聞かせてくれている。 とっても落ち着いた雰囲気は極上のスコッチを手元に置いているような感じでそれは素晴らしいと思う。 ただしこ... [続きを読む]

受信: 2016年11月17日 (木) 12時49分

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