リサ・ハニガンLisa Hanniganのニュー・アルバム「AT SWIM」
何故か、心安まる魅力の歌声に浸れる・・・・
他が真面目じゃないと言う訳じゃないのですが、このアルバムは何となく真面目な印象を受けるんですね。その”真面目って何だ?”と言われるとそれも困るのですが・・・。とにかく襟を正して聴かないと・・・と言った世界。
しかしこうした世界も時には心が洗われて良いものです。
とにかくアイルランドの歌姫リサ・ハニガンLisa Hanniganの第3作目の魅力のアルバム。
<Indie Falk, Alternative/Indie Rock>
Lisa Hannigan 「AT SWIM」
Play It Again Sam/Hostess / UK / HSEY3618 / 2016
”楽天的な明るさの世界”ではない。どちらかというと”やや陰影のある美しさ”といったところか。久しぶりに聴き入ってしまったアルバム。
これは彼女の5年ぶりの3rdアルバムであるが、ちょっと彼女の経歴を見てみると・・・・アイルランド出身(1981年生まれ)、名門トリニティ・カレッジで美術史を学んだ才色兼備の女性シンガー・ソングライターということだ。。2008年にデビューアルバム『シー・ソウSea Sew』を発表し話題になる。その後2011年、2作目『パッセンジャーPassenger』は、"誰もがリサと恋に落ちる"という見出しを付けたほどの魅力の作品となり、アイリッシュ・アルバムチャートで1位を獲得。一躍アイルランドを代表する歌姫としての地位を確立。2012年に初来日している。
2015年、アカデミー賞にもノミネートされたアイルランドのアニメーション作品『ソング・オブ・ザ・シー 海のうた』で声優としても出演しているらしい。
このアルバムのM1.”Fall”は、そのデモ映像に見るように”己の内になる何かと戦っている姿を表現した”という世界のようで、”精神的な力の意味”などが唄う気持ちの中では描かれているのか?。
M2.”Prayer For The Dying”の美しさは格別である。ここには愛と死が歌い込まれているようだ(この曲の雰囲気は、ちょっとRumer を思い出してしまったが)。
いずれにせよ、このアルバムは、リサのやわらかで浮遊感ある優しい歌声により、しかも囁くような癒やしのヴォーカル技法によって、聴く者にはアイルランドという風土を感じつつ不思議な世界に導かれるのである。
基本的には、人間の愛と死、歴史的な不幸な過去と現在の姿、人の悲しみや幸せを感じ合うことなどを唄う世界の作品とみて良いようだ。従ってややダークではあるが、歌声の美しさ、優しさでその我々に迫るところは”安らぎ”となる。
ちなみにこのアルバムのプロデュースを手掛けたのはザ・ナショナルのギタリストであるアーロン・デスナーAaron Dessnerで、リサ・ハニガンも名前を連ねている。
これを書いていて思いだしたのだが、このリサ・ハニガンは、あのジャズ界の大御所ハービー・ハンコックと共演していて、ハンコックの2010年の異色のアルバム『IMAGINE PROJECT』の中のBob Dylanの曲”The Times,They are A' Changin' ”を唄っており、一味加えるのに貢献していた。あのアルバムでは私の好きな曲なので参考までに。
(Tracklist)
01. Fall
02. Prayer For The Dying
03. Snow
04. Lo
05. Undertow
06. Ora
07. We The Drowned
08. Anahorish
09. Tender
10. Funeral Suit
11. Barton
(視聴)
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