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2016年12月10日 (土)

ショレ・ケンチッヒ・パポー・トリオCholet Känzig Papaux Trio「EXCHANGE」

ハイセンスで、クラシックであり、アヴァンギャルドである美的世界を演出

 今年秋に来日してライブを展開したんですが、私は参戦チャンスを逸してしまった・・Cholet Känzig Papaux Trio。
 実はこのアルバムを聴いて、その逃したことを悔しがっているのである。
 日本ではそれ程馴染みも無かったが、フランスのピアニストで作曲家 ショレJean-Christophe Cholet がリーダーで結成して15年を経たベテラン・ピアノ・トリオ。過去に7枚のアルバムをリリースしているようだ。ベースの ケンチッヒHeiri Känzig とドラムの パポーMarcel Papaux はスイス出身でともにヴェテラン・ミュージシャン(ケンチッヒは Thierry Lang のトリオで来日している)。

<Jazz>
Cholet Känzig Papaux Trio「EXCHANGE」
Neuklang / Europe / NCD4105 / 2015


51cq7xvub8l

Jean-Christophe Cholet(P),  Heiri Känzig(B),  Marcel Papaux(Ds)

  “CKP Trio” として名高いヴェテラン・トリオによる「美ジャズ」と評されているまさに現代ジャズのアルバム。とにかくフレンチ・ジャズ界の異能とまで言われるピアニストのショレがここに宿っている。
 収録曲12曲は全て彼らのオリジナル曲で、ピアニストのショレが9曲というリーダーとしての役割を果たしている。

Ckptrio

 オープニング曲M1.”2nd Miniature”は、ベースのアルコ奏法による異様なスタート。そしてピアノとドラムスが絡んで、余韻をうまく印象づけ、そして異次元の世界へと導くのだ。このタイトルの”Miniature”というのは、”小曲”と言う意味なのか、”細密画”というところを表しているのか、このアルバムに1st、2nd、3rd と3曲登場する。この辺りのトリックを解明しないとこのアルバムをほんとに聴いたと言うことにはならないのかも知れないと不安になりながら聴くのである。
 そして2曲目”Carrousel”も叙情的世界とは別のスリリングな展開を演じきる。又3曲目”1st Miniature”はベースが親しみのある旋律を奏でてそれを繰り返す中に、ピアノがそれとは全く異なった展開を見せながら次第に融合していくところが見事と言えば見事。しかし決して難解ではなく楽しい。
 アルバム・タイトル曲のM5.”Exchange”はやはりその意味に関心を持つが、”交換”、”交流”、”応酬”といったところなのだろうか、そんな事を意識して聴くのだが、3者の応酬が面白い。
 M6.” Hot Song”は美しいピアノが心に浸みてきて、ベースとシンバルの音がそれを支えて心安まる世界である。
  M9.”Because of Schumann”ではなんとクラシッカルな演奏をみせる。
 そしてM12.” Norfolk Song”は優しい懐かしいメロディーを聴かせて終わるところがニクイのである。

  とにかくクラシックからジャズを熟知しての3者の演奏展開は、緊張感と優しさと、そして叙情と、これらをミックスした躍動ある世界の構築で、伊達にトリオ15年以上の歴史を刻んではいない。勿論リーダーのピアノは多くを語るも、ベースの意義も大きく、又ドラムスのリズムの変化も面白い。これはやはりトリオの意味ある「CKP-Trio世界」なのである。

(Tracklist)
1. 2nd Miniature
2. Carrousel
3. 1st Miniature
4. Last Circle
5. Exchange
6. Hot Song
7. 3rd Miniature
8. Some Other Songs
9.Because of Schumann
10. Diss
11. Petite
12. Norfolk Song


(参考)
<ショレJean-Christophe Cholet の紹介>
       (諸々の紹介から・・・・引用)

Jcc  1962年生まれ。1985年、エリック・サティを輩出したことで知られるフランスの音楽院、スコラ・カントルム(ピアノ、ハーモニー、デスカント、フーガを学ぶ)にて学位を得る。正統的クラッシック音楽を基礎としながらジャズを演奏し、若い頃から作曲もしている。
 Kenny Barron, Richie Beirach, Bernard Maury等から学んでおり、多くのプロジェクトに参加している。そしてシンフォニー、ダンス、サーカス、劇、映画などのために作曲し、様々な分野のものに於いて音楽としての意味づけを成功させている。230 曲を超えるレパートリーを持っていると言われている。これまでに、Alla brève (Radio France)、ブラス・クインテットの "Turbulences"、チューバ・カルテットの"Euphonic Tuba's" Quartet、 インスト・アンサンブルの "A Piacere"、 Orchestre Symphonique Région Centre / Tours 、 Orchestre d'Harmonie de la Région Centre などに作品を提供している。
 教育にも熱心で、アマチュア・ミュージシャンも含め、多くの人を教え、インプロヴィゼーションへ導くこともしている。CA du Jazz (フランスの音楽教授資格能力 - ジャズの教師免許 - )の有資格者でもある。

(視聴)

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