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2016年12月14日 (水)

ヨアヒム・キューンJoachim Kühn 「Birthday Edition」

革新的ジャズ・ミュージックへの道

514ydjifhl 今年もYasukuni Terashima の『for Jazz Audio Fans Only vol.9』 (13アーティストの13曲)(→)を楽しんで来たのですが、そこに登場する曲で気になったものが納まっているアルバムを聴いているんです。こんな具合に「for Jazz Audio ・・・」は、私の知らなかったところとか、暫く忘れていたところに焦点を当てる一つの手段として定着してきています。

  まずはヨアヒム・キューンJoachim Kühn です。

<Jazz>
Joachim Kühn Birthday Edition
「Trio Kühn Humair Jeny-Clark」
「Europeana」

ACT Music / Germ / 6017-2 / 2014

Birthdayedition

 このアルバムはCD2枚組でCD1は Berlin での '87 & '95年のライブもの

<CD1> 「Trio Kühn Humair Jeny-Clark」
       Live at JazzFest Berlin '87 & '95

Joachim Kühn (p)
Daniel Humair (ds)
Jean-François Jenny-Clark (b)
Recorded live at JazzFest Berlin by SFB / rbb (Rundfunk Berlin-Brandenburg), Music previously unreleased
M1~3 recorded at the Berlin Philharmonie, November 6, 1987
M4~6 recorded at Auditorium im Haus der Kulturen der Welt, November 3, 1995


A2566671258884687_jpeg_21. Pastor
2. Easy to read
3. Heavy birthday
4. Heavy hanging
5. Guylene
6. More Tuna


 これはまず1枚目。このアルバムのタイトルになっているヨーロッパ屈指と言われるトリオによる未発表ライブ音源。ベースにはJ.F.ジェニー・クラーク(1998年死亡)、ドラムにはダニエル・ユメール。
Danielhumairdr  とにかく私が何時も納得してしまうこのレーベルACTのリアルなサウンドをまず評価ですね。1987年と1995年のライブ録音だが、まさに彼らの演奏のステージの中に居るような錯覚を起こすほど素晴らしい。
 そして肝心の演奏も・・・例の如くダイナミズムとスピード感の革新的スリリングな展開。ピアノ、ベース、ドラムスがそれぞれの役割を主張しつつお互いのインタープレイが、録音の良さによって見事に描かれている。
  私はこの冒頭のM1.”Pastor”に圧倒されてグーの音も出.ない状態に。
  M2.” Easy to read”は、その美しさとスリリングな展開の妙は傑出している名演。
 M3.” Heavy birthday”はヘビーで強烈。荒々しさをここまで描く気合いに脱帽。
 
<CD2> 「Europeana」
              Jazzphony No1. by  Michael Gibbs

Joachim Kühn (p)
Jean-François Jenny-Clark (b)
Jon Christensen (ds)
Music arranged by Michael Gibbs.
Soloists: Django Bates, Douglas Boyd, Klaus Doldinger, Richard Galliano,Christof Lauer, Albert Mangelsdorff & Markus Stockhausen
Radio Philharmonie Hannover NDR conducted by Michael Gibbs
Konzertmeister: Volker Worlitzsch

Joachimkuehn1_teaser_700x この2枚目は、マイケル・ギブス率いるオーケストラ・アンサンブルとヨアヒム・キューン・トリオの共演もの(全13曲)。
 民族音楽的な因子がみられる曲がある反面、やはりキューン(→)のトリオの革新的にしてアヴァンギャルドな演奏とオーケストラのクラシックな響きとの皮肉な対立・協調が面白い。
 ホルン、オーボエ、ソプラノ・サックス、トロンボーンそしてヴァイオリン等の主旋律の奏でるところとのクラシカルな曲が流れ、そこにこのトリオが食い込んで行く奇妙な曲仕立てを楽しむことになる。

 実は私の場合、やや取っつきにくさがあった為か、名前ぐらいで納得の聴き方は全くしてこなかったのが、このヨアヒム・キューンでした。今回寺島靖国の企画によって、初めての気分で接することが出来て喜んでいるところだ。このアルバムの宣伝文句は ”東ドイツに生まれ、冷戦時代に西側に亡命するなど、苦難にも満ちたヨアヒム・キューン。ヨーロッパに生を受けたものとしての音楽的なルーツをめぐる表現と、革新的表現が詰まった作品。今後の活動にも注目のアーティストの歴史的リリースです!”・・・と言うところで、参考になる。

(参考視聴) Joachim Kühn Piano solo

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コメント

ヨアヒム・キューンは後追いも含めて、全部ではないけど追っかけしてましたが、若い頃に聴いたせいかどうか、このCD1枚目のトリオのアルバム群がやはり最高です。ここまでスリリングな三位一体感を出してくれるピアノ・トリオはなかなかいないと思ったので...。改めてこの未発表演奏を聴いて良かったでした。結果的にCD2枚目はダブり買いになってしまいましたけど。

TBさせていただきます。

投稿: 910 | 2018年2月 1日 (木) 11時35分

910Kudoさん、わざわざコメント・TB有り難うございます。このスリリングな世界を演ずるトリオのインパクトは凄いですね。
 New Trioの方はどうなんでしょうかね。いずれ聴いてみたいと思っています。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年2月 1日 (木) 20時56分

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