ロベルト・ボナティROBERTO BONATI TRIO 「BIANCO IL VESTITO NEL BUIO」
圧巻!トリオのスリリングな抽象音の展開
<Jazz, Free jazz>
ROBERTO BONATI TRIO 「BIANCO IL VESTITO NEL BUIO」
Parma Fronntiere / Italy / PF CD001 / 2012
Recorded Live at the Festival Verdi/ParmaJazz Frontiere festival in Teatro Regio, Parma(Italy) on Oct. 21, 2011
Alberto Tacchini (piano)
Roberto Bonati (acoustic bass)
Roberto Dani (drums, percussion)
これも寺島靖国のアルバム「for Jazz Audio Fans Only Vol.9」(2016)から知ったアルバム。
リーダーはイタリア・ジャズ界のベーシストであり作曲家にして音楽の研究家といったほうがよいロベルト・ボナティRoberto Bonati(→)だが、どうも2011年にイタリアにおける二つのジャズ・フェスティヴァルのコラボによって結成を為しえたピアノ・トリオのようだ。
しかしこれがフリー・ジャズ世界のインプロヴィゼイション指向のトリオによるスリリングにして、しかもECM的世界を描く圧巻のアルバム。凄いところはそれが叙情性すら感じさせるところだ。既に5年前のアルバムなのだが、今にして納得している私である。
ライブものであるが、録音が又素晴らしく良い。トリオのそれぞれの楽器の響きが手に取るように迫ってくる。そして三者それぞれに優劣無く一つ一つの音を重要視して曲仕上げをしている。こうした様は3人の演奏の技術的レベルの高さがなければ成り立たないところで、更にその上に音楽というものに研究家としての造詣が深いと言うことが解るのだ。
スタートのM1.”Tacea La Notte Placida ”からあっという間にこの世界にのめり込まされる。それは5曲目にやってくるアルバム・タイトル曲” Bianco Il Vestito Nel Buio ”(暗闇に揺れる白いワンピース)という異様な空間に、余韻を生かした音によって導かれるのだ。
M4.”Settembre ”は、多分”九月”の意味だろうが、ふと淋しさを感じさせる演奏に陶酔するのは私だけの感覚だろうか。
M7.” Lacrymosa”のピアノの描く哀れにして悲壮な美しい叙情性にも感動だ。
こんなムードは、このようなライブものであると、拍手が意外に気分を壊すのだが、なんと全曲終わった時のみ拍手は収録されていて、このあたりのアルバム造りにもセンスが感じられた。
(Tracklist)
1. Tacea La Notte Placida
2. MiserereII
3. End Of March
4. Settembre
5. Bianco Il Vestito Nel Buio
6. Early Morning
7. Lacrymosa
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Roberto Bonati, Bjergstred Jazz Ensemble
「Nor Sea Nor Land Nor Salty Waves : a Nordic Story」
(PARMA FRONTIERE / ITA / PFCD003 / 2016)
ノルウェーのビックバンドとコラボし、実験色の強いシンフォニックな色合いを付けたジャズイなアルバム。私にとっては難解のフリージャズから現代ミュージック調のもので、トラッド風の曲も感じられるが、安易な気持ちでは寄りつけない。
1. Prophecy of the Völva
2. Nor Sea, nor Land, nor Salty Waves - Part I
3. Nor Sea, nor Land, nor Salty Waves - Part II
4. Wolves’ howling and Swans’ Song
5. Fimbulvetr
6. Wolf Age and Bloody End
7. Nocturnal
8. Eagle
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(視聴)
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