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2017年1月12日 (木)

ウォルター・ラングのもう一つの顔=TRIO ELF 「MusicBoxMusic 」


新世代感覚のテクノ・サウンドをベースにしたピアノ・トリオ作品

<Jazz>
TRIO ELF 「MusicBoxMusic」

Yellowbird / GER / YEB77652 / 2016

Musicboxmusicw

(TRIO ELF)
Walter Lang : piano
Gerwin Eisenhauer : drums
Peter Cudek : bass

 あの優しく美しく伝統的ピアノ・トリオを演じてくれるドイツのウォルター・ラングWalter Lang 、彼の奏でるピアノの透き通った音色はロマンチシズムに満ちた世界を感じさせてくれる。それは何とも言えない心地よさだ。
 その彼の結成しているウォルター・ラング・トリオ(近作↓参照)とは別に、彼にはもう一つの顔がある。それがTRIO ELFである。

  (参照)ウォルター・ラング・トリオWalter Lang Trio 「Moonlight Echoes」(2015)

Trioelfw_2  このTRIO ELFは、ピアノ・トリオをベースに、ドラムンベースやテクノ的なエレクトロ・サウンドを操るとう超現代的トリオ演奏を展開する意欲作を演ずる(10年前に結成)。

 とにかくあのウォールター・ラングが優しく端正な美的な世界から、一歩発想を変えての一つの創造的挑戦的世界なのである。
 しかしこのアルバムを聴いてみると、ラングの透明性にしてロマンチシズムに溢れた演奏はところどころに顔を出し、何故か聴く者をほっとさせるのではあるが・・・・・?。
 しかしその美しさと対比してのやや緊迫感のある展開を示すM7.” Usain”などは、そのこうする二面性の存在の意味とその目的に簡単には納得するのは難しい。
 M8.”Lullaby for a weaking child”では、そこに聴けるラングのピアノは何時もの彼の特徴の粘質で無いさっぱりとした美的抒情性をもって聴かせてくれる。このあたりは納得だが。
 しかしM10.”Stadium”のピアノの重低音でのスタートで、続く展開はテクノ的リズムでの進行、この意味はあまり解らない。
 M11.” Suq”今度は Bassの重低音でスタートするが、その後の軽い展開が不可思議。あまり魅力が感じられるという曲でない。

 やっぱりおおよそその展開が奇妙で、なんだか目的がよく解らない。この異種の共存があまり彼の演ずるところとの意味づけにどんな位置づけになるのか疑問を感ずるのだ。挑戦は解るがちょっと中途半端と言わざるを得ない。

 結論的には、そんな中にもやっぱりトリオとしての味を追求している事の意義を持っていることは事実だ。そうしたところに興味のある者は聴いてみても価値はある。ただしほんとにこれが、参照として挙げたWalter Lang Trioの「Moonlight Echoesに惚れ込んで聴く人を魅了するのだろうか?ちょっと疑問の世界であった。

(Tracllist)
1. Emptiness
2. Krumm
3. Prléude to ELF Police
4. The ELF Police
5. Tripolis
6. Salutation to the Sun
7. Usain
8. Lullaby for a weaking child
9. Dance da Fita
10. Stadium
11. Suq

(視聴)

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