アレッサンドロ・ガラティAlessandro Galatiのニュー・アルバム「COLD SAND」
アレッサンドロ・ガラティ・トリオが澤野から登場
澤野工房であるから、北見柊のライナーが付いている。そして・・・・
Listen to the silence -静謐を聴け
彼方なる天より滴る美音の雫
イタリアが生んだピアノの魔術師
Alessandro Galati が創造する「音時空」
・・・・と、言う発売前の宣伝文句に圧倒されますね。これがほんとなら絶対に買いです(笑)。
<Jazz>
Alessandro Galati Trio 「Cold Sand」
ATELIER SAWANO / JPN / AS 155 / 2017
Alessandro Galati: piano
Gabriele Evangelista: bass
Stefano Tamborrino: drums
Recorded on 13,14 September at Artesawano, Cavalicco, Udine, Italy
(Tracklist)
01. Cold Sand
02. Mob Sick
03. Lucy's Eyes
04. Nina
05. Nothing Much to Say
06. Schosty
07. Here, There & Everywhere
08. Here
09. There
10. Everywhere
11. Nowhere
12. Uptown
前回のイエローのアルバム・ジャケから今回は薄ブルーですね。アルバム・タイトルの「Cold Sand」そのものです。
とにかく今回のアルバム、個々の曲は勿論それぞれ素晴らしいが、とにかくアルバム・トータルに私は絶賛してしまう。”澤野工房よくやってくれました”というところ。
私はアレッサンドロ・ガラティは、あの1994年に録音したクラシック・カーのジャケ・アルバム『Traction Avant』に痺れてからのお付き合いだ。今作はあの作品は私の場合勿論リアルタイムではないのですが、20年経ってのものなんですね。私にとってはいよいよ彼のトリオの最高峰に到達した感があります。ここに来るまでには彼のアグレッシブな実験作もあって、それを乗り越えてこのアルバムに到達した嬉しさは格別である。
ライナーの北見柊の表現する「透明感のある音色、空間の広がりを感じさせる演奏、そして何より、我々の琴線に触れるオリジナルのメロディ・ライン」という当にその世界である。
収録曲12曲、M07”Here, There & Everywhere ”はLennon-McCartneyの曲で、それ以外10曲ガラティのオリジナルである。
とにかく全編哀愁に溢れたピアノの音とメロディが、なんと言えない空間を持ちながら心の奥に滲みこんでくる。
M8.” Here ”、M09. ”There” などが典型的だが、ベ-スとドラムスがピアノの響きを浸透させてワンテンポ遅れて畳み込んでくる。この絶妙なタイミングもたまらなく快感だ。いっやーー、そして確かにこの深遠な世界は久々の感覚になる。
又M01. ”Cold Sand”、M05. ”Nothing Much to Say”のメロディー・ラインはもうたまらなくその流れに浸りきれる。
これはおそらく日本のガラティ・トリオ・ファンを意識してのサービス作品集ではないだろうか?、それ程日本人である我が心に響くのである。
そして今年はまだ早いのに、今年度のナンバー1に取りあげられることになるだろうと思う快作である。 ユーロ・ジャズに傾倒していて、こんな一枚に出会えることはほんとに幸せを感ずる。
(参考視聴)
(試聴)
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コメント
やっと待望の新作ですね。それも澤野から。「買い」以外の何ものでもありませんね。
投稿: 爵士 | 2017年2月28日 (火) 16時56分
爵士さん、こんばんわ。
そうですね、かっての叙情的なBluegleen盤もよかったですが、先般のVVJ盤もなかなかでした。今回は澤野からです。これは「頂き」といったところでニンマリしているんです。
投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2017年2月28日 (火) 18時48分
風呂井戸さま、このアルバムも良かったですね。
彼の演奏を聴いていると、ピアノ音ってこんなに美しく弾くことができるんだ、、って、思います。
録音その他も、、澤野工房だと安心ですよね。
まさに、、イタリアの哀愁ですよね。
甘く、切なく、、琴線に触れるメロディライン。
期待を裏切りませんでした。
投稿: Suzuck | 2017年3月 3日 (金) 18時10分
suzuckさん、コメントありがとうございます。
そうそうイタリアの哀愁です。私はそれに弱いんです。昔はイタリアのプログレッシブ・ロックに捕らわれたことがありましたし、イタリアってそうした土壌がしっかり歴史的にできているんですね。
イタリアに行ってみるとあそこの野郎連中は、ガサツでとてもそんな感じが受け取れないんですが、もう少し深入りすると解るのかもしれません。
そうそう「ジャズ批評」のSuzuckさんの昨年の総まとめの記事しっかり読ませていただいてます(笑)。
投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2017年3月 4日 (土) 09時33分