チャンピアン・フルトンChampian Fulton 「After Dark」
アメリカン・ジャズの楽しめる道に浸る・・・・
(Champian Fulton)
<Jazz>
Champian Fulton 「After Dark」
Gut String Records / U.S / GSR022 / 2016
Champian Fulton (piano and vocals)
David Williams (bass)
Lewis Nash (drums)
Stephen Fulton (trumpet & flugelhorn) tracks:1,4,6,7
オクラホマ州出身のまだまだ若い(1985年生まれ)女流ジャズ・ピアニストにしてヴォーカリストのチャンピアン・フルトンの純アメリカ的ジャズ・アルバム。最初の1曲目からミュートを効かせたトランペットがムードを盛り上げる。ニューヨーク・タイムズでも彼女のことを「メインストリーム・ジャズ・シーンにおいて、魅力溢れる若きディーバ」と評されたとか。
(ただしこのアルバム・ジャケ、洗練されたところの感じないちょっとダサいところが少々難ですが・・・・・)
これは彼女のピアノ・トリオ作品でも有り、それにStephen Fultonの trumpet と flugelhornが4曲に加わっているが、このトランペッターは多分父親なんですね。そんな微笑ましいアルバムだ。そしてそこに彼女のヴォーカルを乗せていて、NYのナイトクラブの雰囲気を味わえる作品といったところ。それはもともと彼女はSarah Vaughan、 Billie Holiday、 Helen Humes を聴いて育ったという話からも押して知るべしであろう。
ブルースの女王Dinah Washington によってポピュラーになった歌を集めたアルバムということだが、チャンピアンは、ピアノを弾き語りで主としてピアノ・トリオ・ジャズとして聴かせてくれる。Dinah Washington はブルースと言ってもジャズ畑での活動であったわけで、その流れを十分汲み取って、これは完全なジャズ・アルバムとして仕上がっている。
しかしどうもチャンピアンの声の質とその独特なやや粘度の高い発声テクニックは、私好みのところとちょっと違っているんですが、しかしむしろ演奏面でしっかりアメリカ感じ取れるところに楽しませてもらう因子がある。だいたい曲の中盤はトリオ演奏を楽しむパターンで、ピアノ演奏も気分良く聴けて解りやすいので、これでジヤズの原点的良さも知ることが出来るのだ。特にM10.”Baby Won't You Please Come Home”あたりはその典型ですね。又M11.”Midnight Stroll”は、これはインスト曲で、よき時代のジャズの雰囲気をたっぷりとピアノ演奏を中心に聴かせてくれる。
(Tracklist)
1. Ain't Misbenhavin'
2. That Old Feeling
3. What a Defference a Day Made
4. Blue Skies
5. Keepin' Out of Mischief Now
6. A Bad Case of the Blues
7. Travelin' Light
8. Mad About the Boy
9. All of Me
10. Baby Won't You Please Come Home
11. Midnight Stroll
彼女のアルバムは既に何枚かあって、ヴィーナス・レコードが扱っていたんですが、これは彼女名義のレーベル作品であるところをみると、ヴィーナスとの関係は打ち止められたのか、日本離れ?ちょっとそのあたりは確かな情報はない。
(試聴)
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コメント
お久しぶりです。ヴィーナスにこんな人いましたか。知りませんでした。独特な癖もありますが、確かに、ピアノがそれを補って、なかなかわかりやすいですね。
投稿: 爵士 | 2017年2月26日 (日) 23時09分
爵士さん、こんにちわ。
2011年頃にヴィーナスからアルバム「Soetimes I'm Happy」なるものがでてますね。私も聴いては無かったんですが。
ヴォーカルの質は人それぞれの好みがありますから・・・しかしトリオ演奏は非常に取っつきやすいです。
一応はマークすることにしています(笑)。
投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2017年2月27日 (月) 09時51分