ブリア・スコンバーグBria Skonberg 「Bria」
女流トランペッターの多彩なヴォーカル・アルバム
<Jazz>
Bria Skonberg 「Bria」
Okeh / US / 88985337522 / 2016
Bria Skonberg (vocal, trumpet)
Aaron Diehl (piano)
Reginald Veal (bass)
Ali Jackson (drums, percussion)
Evan V Arntzen (harmony vocal, clarinet, tenor saxophone, percussion)
Stefon Harris (vibraphone)
カナダ出身ニューヨークで活躍する女性歌手兼トランペッター(兼ソングライター)のブリア・スコンバーグBria SkonbergのOkeh移籍第一作アルバム(彼女の通算3枚目)。
聴き慣れたスタンダード曲に加えて5曲のオリジナルを収録している。
収録曲は、全体的にはピアノ・トリオをバックに、彼女のトランペットの調べとヴォーカルが乗ってくる。その他曲によってジャズ味100%のヴィブラフォン、クラリネット、サックスも加わってのジャズ色オンパレード。
M2.”Que Sera Sera ”は、中間部のトランペットはミュートがかかっており、これがケセラ・セラ?と疑いたくなるところは、私には好感度たっぷりの演奏。
M4.は彼女のオリジナル曲。トランペットが唄ったかと思うと、がらっとムードを変えてタンゴのリズムとなり、彼女のヴォーカルがリードし、又トランペットとクラリネットの競演となってジャズそのものの味付けがゴージャスだ。
しかし続くM5.”Trust In Me ”は、ヴィブラフォンとピアノの静かな演奏に、これも弱音でのドラムスで、そこに彼女のしっとりとしたヴォーカルが聴かれ、こうゆうのは私好みなんですね。
明るさが主体の曲群の中でM10.” My Shadow ”は、ちょっとタイプは異なるがM5とともに異色で、ベースの響きと低空飛行のヴォーカル、この暗さは別のアルバムかとも思わせるが、これがあって他の曲の華もあるのかもしれない。
一方なんとM12. ”Malaguena”も登場し、トランペットの派手さと、ピアノ・トリオのそれぞれのパートを軽快な疾走と三者の綾取りを混ぜての演奏も面白い。
とにかく登場する曲調はスウィングして豪華・快活であったり、タンゴの軽快な華々しさ、かと思いきやしっとりとした曲、更にはブルース調と、その取り混ぜは多彩そのもの。
多分、このアルバムは彼女の多能力のデモ的なものであったのかもしれない。
このブリアは、1983年カナダ-ブリティッシュ・コロンビア州チリワック生まれで、30歳代半ば、これから更に充実の年頃だ。トランペッターというのも女性としては異色であるだけに、しかもなかなかの美人と条件は揃っている。まあこれからが楽しみとも言える。
ヴォーカルの質も優しく語りかけるようなロマンティック・ムードたっぷりから、軽快にして軽妙なる洒落た味付け、はたまた陰影たっぷりの都会の陰を歌い込んだりとなかなか芸達者で、期待できる。
いやはやカナダのジャズ界進出ウーマン・パワーは見事である。
(Tracklist)
1. Don't Be That Way
2. Que Sera Sera (Whatever Will Be Will Be)
3. From This Moment On
4. Curious Game
5. Trust In Me
6. I Was A Little Too Lonely And You Were A Little Too Late
7. You're Getting To Be A Habit
8. How Can It Be
9. Egyptian Fantasy
10. My Shadow
11. Wear And Tear
12. Malaguena
13. Midnight Sun
14. Down In The Deep
(視聴)
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