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2017年3月 8日 (水)

ジョヴァンニ・ミラバッシGiovanni Mirabassiのピアノ・ソロ・ライブ 「LIVE IN GERMANY」

これはミラバッシらしい音の洪水に溢れたアルバムだ

<Jazz>
Giovanni Mirabassi「LIVE IN GERMANY」
CAM Jazz / ITA / CAMJ79102 / 2017.2

Gmjermanyw

Giovanni Mirabassi (piano) solo
Recorded on 16 Sept. 2014 at Bauer Studio, Ludwigsburg

  私はあのアルバム「AVANTI」 以来、イタリア出身でフランスで活躍しているのミラバッシGiovanni Mirabassiのファンなんですが、このライブ・アルバムの購入は若干躊躇していたんです。それも近作の2016年「NO WAY OUT」は、彼の一つの挑戦がみえて良かったんですが、 「VIVA V.E.R.I」、「Animessi」あたりが、実はそれ程面白くなかったせいかも知れない。
 ところが、そうこうしている時に爵士さんからこのアルバムを薦められました。いっやー、このアルバムは成る程あのミラバッシらしさが聴かれて喜んでいるんです。それも彼のかなり力みの無いリラックスした姿を感じ取れるんです。

 このアルバムは、ドイツでのステージ・ライブものなんだが、どうゆう訳か?エラ・フィッツジェラルド、メルセデス・ソーサ、エディット・ピアフ という3人のシンガーに捧げるという酒肴なんですね。
 エラ・フィッツジェラルド(Ella Jane Fitzgerald、1917- 1996年)はコール・ポーター、ジョージュ・ガーシュィン、アントニオ・カルロス・ジョビンなど唄ったし、メルセデス・ソーサ(Haydée Mercedes Sosa, 1935 - 2009年)はアルゼンチン・フォルクローレの女性歌手である。
 そしてエディット・ピアフ(Édith Piaf, 1915 - 1963年)は、フランスのシャンソン歌手で、有名な”ばら色の人生”とか”愛の賛歌”等のヒットがある。何故この3人三様の全く異なった歌手を選んだのかよく解らないが、とにかく共通点は人間模様、喜びと哀しみ、熱い情熱と陰のある憂愁 と・・・・多彩な人生模様といったところなのか。それによって彼の心の一部を覗かせてくれているんです。

Mirabasshi01(Tracklist)
1. Sous Le Ciel De Paris (J. Dréjac - H. Giraud) 4:31
2. Canción Con Todos (A. Tejada Gomez - J. C. Isella) 4:42
3. The Man I Love (I. Gershwin - G. Gershwin) 6:21
4. Hymne À L’Amour (E. Piaf - M. Monnot) 3:29
5. Sólo Le Pido A Dios (L. Gieco) 5:51
6. Mercedes (G. Mirabassi) 3:58
7. My Old Flame (S. Coslow - A. Johnson) 5:11
8. J' M'en Fous Pas Mal (M. Emer) 5:44
9. Ella (G. Mirabassi) 6:17
10. Duerme Mi Tripón (O. Galíndez) 4:43
11. Bewitched (L. Hart - R. Rodgers) 4:48
12. Edith (G. Mirabassi) 5:03
13. I've Grown Accustomed To Her Face (A. J. Lerner - F. Loewe) 2:56


 いやはや、これはやはりミラバッシですね。非常にポピュラーな曲を演じているのだが、それぞれ1曲1曲の展開が複雑な展開を加味させて、何か一度に二つ以上の曲を聴いているような気分になります。
 まずはオープニングM1. ”Sous Le Ciel De Paris”で、このソロ・コンサートの意味を聞かせるが如くシャンソンがミラバッシ流のピアノの音の洪水で満たされるのである。
 今回はあの気になる唸りを上げるような熱演と言うよりは、かなりさらりとした演奏をベースにしているので、違和感なく気楽に聴けるところが良いです。ただライブということで曲間に拍手が入って、どうも私の感覚だと、ミラバッシの世界にのめり込めずにやや客観的に冷静に聴くというところになってしまうのですね。記録と言うよりは聴かせるアルバムとして、拍手を入れたかったら最後だけで良かったのでは?。
 しかし彼はやっぱり技法としては尋常なパッサージ・ワークではないですね。これだけ単調なメロディーでありながらも、そこに聴かれる音の多彩さに圧倒されます。
 アルバム全体で見ると、後半になるにつれ優しさが溢れてきて、心も落ち着いてホッとする世界に連れて行ってくれます。

(ジョヴァンニ・ミラバッシ紹介=http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2012/11/giovanni-miraba.html 参照)

(視聴)

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コメント

CAM Jazz でのミラバッシにかなり不完全燃焼を感じていましたが、やっと彼らしくなりました。JAZZとはいえ、やっぱり、プロデューサーが大きく影響するのでは ・・・。

投稿: 爵士 | 2017年3月 9日 (木) 17時54分

爵士さんもそんな印象だったんですね。
 CAMJazzでは、何か一つの転機を求めていたんでしょうかね。
 発展性のある過程というのは必ずあると思いますので・・・これからのミラバッシは又更に発展してほしいと期待しています。

投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2017年3月 9日 (木) 18時24分

風呂井戸さん、こんにちはmonakaです。CAMでミラバッシで一寸期待が大きすぎた、と言うより広い幅の中の演奏、今回はこれで良し、次はまた別のをというのもあってほしい。

投稿: monaka | 2017年3月15日 (水) 11時46分

monakaさん、コメント、TB有難うございます。
 今回のミラバッシはライブものですし、それなりに聴衆へのサービスを楽しくやっているというところでのアルバムではないでしょうか?
 トリオでのニュー・スタジオ盤としてアルバムをリリースということになると、また別の気合がはいるのではないでしょうかね?、それがどんな姿になるのかというところが興味津々です。

投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2017年3月15日 (水) 20時30分

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