ナイトウィッシュNightwishライブ映像盤「VEHICLE OF SPIRIT」
圧巻のシンフォニック・メタル・ロックは更なる充実をして・・・・・
Nightwish「VEHICLE OF SPIRIT」
Nuclear Blast / USA / NBA 3850-7 / 2017
Nuclear Blast / USA / NBA 3850-7 / 2017
Tiomas Holopainen : Keys.
Floor Jansen: Vocals.
Marco Hietala: Bass,Vocals
Troy Donockley : Uilleannpipes, Low whistles, Vocals.
Emppu Vuorinen: Guitar
Kai Hahto: Drums
女性リード・ウォーカルで苦労したフィンランドの注目のロック・バンド「ナイトウィッシュ」、ターヤの後のアネット・オルゾンから2012年にオランダの元アフター・フォーエヴァーそしてリヴァンプAFTER FOREVER/REVAMPのフロール・ヤンセンFloor Jansen(→)を招き、更に英国のケルト・ロック・バンドYou Sloshを結成してトラディッショナルな世界を構築するドノックリーTROY DONOCKLEY(あの名ケルティック・フォーク・バンドのアイオナでの活躍が印象的)が加入しての目下の最新作は2015年の「ENDLESS FORMS MOST BEAUTIFUL」だ。
そしてその後の2015年から16年にかけて行われたワールド・ツアー「Endless Forms Most Beautiful World Tour 2015-2016」の模様を収録したライブ作品(昨年訪日も果たしている)。英国ウェンブリー・アリーナ公演と母国フィンランドのタンペレで行われた公演の2つのライブをBlu-ray2枚にフルセットで収録し更に世界各地での模様も納めてのサービスを加えたた映像版だ。
* *
■ ウェンブリー公演
取り敢えずメイン収録は英国ロンドンの”WEMBLEY ARENAもの”と言うことで、その収録セット・リストは右のとおりである。主としてニュー・アルバムからと、過去のヒットを織り交ぜての公演だ。
まあ、ツォーマスTiomas Holopainen 、 マルコMarco Hietala、エンプEmppu Vuorinenの3人は当然としても、やっぱり注目は フロール・ヤンセンだ。彼女はもともとロック・バンドにおけるヴォーカルの経験は十分なので、勿論不安は無いが、今回はナイトウィッシュに本格的参加のニュー・アルバムを引っさげての登場であり、そして以前から宣言しているようにターヤを意識しないで、自らの世界を造ると息巻いていたんで、どんなモノかと注目するわけである。
結論から言うと、このバンドとしての役割は十二分に果たしていたというところ。なにせあの体格から訴えるヴォーカル、そしてパフォーマンスは見事。そしてかねてからの経験で、ソプラノから低音部まで余すとことなくリクアーしている。ツォーマスのダイナミックな曲群をなかなかこなすのも大変だろうが、難なくロッカーとして唄い上げ演技しているところはさすがである。
ドノックリーTroy Donockley(←)の参加で、ケルテック・ムードも加味されて一層ナイトウィッシュのスタイルが厚みを持った。
今回のアルバムも、彼らは"種の起源"やリチャード・ドーキンスの生態進化学などに因んだコンセプトアルバムであっただけ、彼のUilleannpipesなどの古楽器を生かしての演奏は素晴らしい。人間の発生・進化論と自然がテーマという深遠さとダイナミックを十分にこなしている。とにかく畳み込んでくる彼らの世界は圧巻である。
ただし、心配なことにユッカ・ネヴァライネンJukka Nevalainenは病気の為、ドラマーは Kai Hahtoが務めているが、ユッカと違ってドスンバタンの迫力は少ないが、なかなか繊細なシンバル・ワークもあってこれはこれで悪くない。
■ タンペレ公演
取り敢えずメイン収録は英国ロンドンの”WEMBLEY ARENAもの”と言うことで、その収録セット・リストは右のとおりである。主としてニュー・アルバムからと、過去のヒットを織り交ぜての公演だ。
まあ、ツォーマスTiomas Holopainen 、 マルコMarco Hietala、エンプEmppu Vuorinenの3人は当然としても、やっぱり注目は フロール・ヤンセンだ。彼女はもともとロック・バンドにおけるヴォーカルの経験は十分なので、勿論不安は無いが、今回はナイトウィッシュに本格的参加のニュー・アルバムを引っさげての登場であり、そして以前から宣言しているようにターヤを意識しないで、自らの世界を造ると息巻いていたんで、どんなモノかと注目するわけである。
結論から言うと、このバンドとしての役割は十二分に果たしていたというところ。なにせあの体格から訴えるヴォーカル、そしてパフォーマンスは見事。そしてかねてからの経験で、ソプラノから低音部まで余すとことなくリクアーしている。ツォーマスのダイナミックな曲群をなかなかこなすのも大変だろうが、難なくロッカーとして唄い上げ演技しているところはさすがである。
ドノックリーTroy Donockley(←)の参加で、ケルテック・ムードも加味されて一層ナイトウィッシュのスタイルが厚みを持った。
今回のアルバムも、彼らは"種の起源"やリチャード・ドーキンスの生態進化学などに因んだコンセプトアルバムであっただけ、彼のUilleannpipesなどの古楽器を生かしての演奏は素晴らしい。人間の発生・進化論と自然がテーマという深遠さとダイナミックを十分にこなしている。とにかく畳み込んでくる彼らの世界は圧巻である。
ただし、心配なことにユッカ・ネヴァライネンJukka Nevalainenは病気の為、ドラマーは Kai Hahtoが務めているが、ユッカと違ってドスンバタンの迫力は少ないが、なかなか繊細なシンバル・ワークもあってこれはこれで悪くない。
■ タンペレ公演
そしてもう一つ彼らの本拠地フィンランドのタンペレTampereで行われた公演も別の一枚のBlu-rayに納められている。こちらは更に画像は良好で音質も標準をクリアしている。彼らのステージでの息の合ったプレイも見もので価値がある。この第3期ナイトウィッシュは一層充実を果たしていて、ツォーマスの満足の域にある表情が見られホッとするのだ。
このメンバーのオフィシャル映像は"WACKEN open air live show"の『Showtime, Storytime』(2013年)以来だが、比較すると格段に内容共に良くなっている。
このメンバーのオフィシャル映像は"WACKEN open air live show"の『Showtime, Storytime』(2013年)以来だが、比較すると格段に内容共に良くなっている。
* *
さて、ここで余談だが、止めておけば良いのに、どうしてもフロール・ヤンセンとターヤを比較したくなる。そこで何年か前のライブの改良Blu-ray映像版『End Of An Era』があるので取り敢えず面倒だが比較してみたのだ。やはり”Eva Dream”、”Nemo”などの曲を比べるとターヤのヴォーカルのオペラテイックな魅力には敵わない。しかし、まあそうは言っても現在のところ、現行ナイトウィッシュはやはりロック・パワーのフロール・ヤンセンの魅力、そして音楽的にはシンフォニックな完成度が更に高くなっており、そのスケールの大きさはまさに敵なしの存在と言って良いと言えるのだ。
(参考視聴)
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コメント
来ましたね♪
ターヤと比較までしちゃったらダメですよ(笑)。ただ、ターヤに今のデスボイスまで歌えるワケじゃないでしょうから、フロールの迫力と幅の広さに軍配ありでしょうか。
これだけのバンドなのにどこかこじんまりしたライブになっちゃってるのが勿体無いなぁとの印象を受けてしまったのは、全開のWackenが凄すぎたからでしょうか…。
投稿: フレ | 2017年3月11日 (土) 23時17分
フレさん、お早うございます。
もう今更ターヤは出すべきでは無かったですかね。
確かに、フロールはソプラノからデスまで、時にオペラティックにと幅が広いですね。彼女もアフター・フォーエバーからここまで登ってきたという感があって、ステージ・アクションも「力」を感じます。
現ナイトウィッシュはツォーマスも満足しているでしょうね。
投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2017年3月12日 (日) 09時06分