ルネ・マリーRené Marie貫禄のヴォーカル・アルバム「SOUND OF RED」
多彩なタイプを盛り込んだジャズ・ヴォーカルに堪能
<Jazz>
René Marie 「SOUND OF RED」
Motema Music / USA / MTA-CD-194 / 2016
René Marie (vocal)
John Chin (piano)
Elias Bailey (bass)
Quentin E. Baxter (drums)
GUEST ARTIST :
Romero Lubambo (guitar 6)
Sherman Irby (alto saxophone 1)
Etienne Charles (trumpet 2, 10)
Shayne Steele (background vocal 8, 11)
1955年生まれのベテラン・ルネ・マリーRené Marie(→)の近作。彼女はヴァージニア出身の女性ボーカリスト。99年、42歳の時にプロキャリアをスタートさせた遅咲きではあるが、セントルイスを拠点とするレーベルMAXJAZZ(ここにはDena DeRoseが居ますね)で多くのアルバムをリリースしている。アカデミー賞にも何回かノミネートされてきたようだ。
そしてこれは2013年以来の昨年リリースされたニュー・アルバム。とにかく還暦過ぎの貫禄十分の強力アルバムだ。
ブルース、ジャズの本場での百戦錬磨だけあって、自身のオリジナル曲によって作り上げたなかなか味のあるアルバム。意味深に唄ったり、軽く唄ったり、又ジャズ本場を唸らせるムードを醸し出したりと、そのテクニックは安心して聴く者を楽しませる。実は私はじっくり聴くのは今回が初めてなんです。
M1. ”Sound of Red”がなかなか評判なんですね。 ゆったりと流してブルース調の味を生かしたジャズで、アルト・サックスの加わったバック演奏の流れも良くなかなか聴かせる。
M2. ”If You Were Mine” この軽快な曲運びは洗練されていますね。
M3. ”Go Home”は完全に哀愁のスロー・ナンバー・フォーク・ロック。
M6. ”Certaldo”のアコースティック・ギターをバックに説得力のあるヴォーカルも見事、後半のピアノも美しい。
M7. ”Colorado River Song” はなかなか洒落た懐かしのよき時代を思い起こすジャズ。
M8. ”This is (not) A ProtestSong” 、M9. ”Many years ago”これらは懐かしのフォークっぽいナンバーで哀愁感も醸し出す。聴いていると20-30歳代のシンガーをイメージしてしまう。
M11. ”Blessings”はジャズというよりはフォーク・ロックぽい味を感じさせる曲。語りかけるところから朗々と歌いあげるところまで披露してアルバムを締めるのである。
(Tracklist)
1. Sound of Red
2. If You Were Mine
3. Go Home
4. Lost
5. Stronger Than You Think
6. Certaldo
7. Colorado River Song
8. This is (not) A ProtestSong
9. Many years ago
10. Joy of Jazz
11. Blessings
(視聴)
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コメント
久しぶりにブルージーで、味わい深い大人の女性ジャズ・ボーカルを聴いたというのが、率直な印象です。
投稿: 爵士 | 2017年3月 5日 (日) 23時43分
爵士さん、コメントどうもありがとうございます。
多種多様化するジャズ世界で、こうしたものも何かホッとする気持ちになります。やはりバックに一種の哀愁感を持っていてそれがまた共感を呼ぶのだと思いますが・・・
投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2017年3月 7日 (火) 12時48分