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2017年6月16日 (金)

アーロン・パークスAaron Parksピアノ・トリオ作品「Find The Way」

メリハリある抒情派美旋律が聴けるトリオ・アルバム

<Jazz>
Aaron Parks 「Find The Way」
ECM / GER / ECM2489 / 2017

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Aaron Parks (piano)
Ben Street (double bass)
Billy Hart (drums)

Recorded Oct. 10-12, 2015 at Studios La Buissonne, Pernes-les-Fontaines

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51d09vewdvlw アーロン・パークスは、なんと10歳代の1999年からアルバム・デビューしているが、30歳になって(2013年)ピアノ・ソロ・アルバム『Aborescence』ECM/GER/3744401/2013 →)でECMデビューを果した。そして既にここで取りあげたことのあるピアニストだ。あの作品は静かな森、樹木の情景の中の一つの空想、瞑想といった世界を描いたのであろうかと思わせた神秘的情景の作品で注目したのだった。そして今回はピアノ・トリオ作品、ECM2作目である。

 彼は今やアメリカの人気ピアニストで、1983年ワシントン州シアトル生まれで、まだ30歳代の新進気鋭である。
81qjz1hm4hl__sl1400_w_2 私は出逢ったアルバムの古いものと言っても、2008年のBlueNoteレーベルのアルバム『INVISIBLE CINEMA』(with  Mike Moreno, Matt Penman, Eric Harland  Universal.M.C./JPN/UCCQ9018/2014→)であり、近年の話である。。しかしそれ以前から、女性ヴォーカル・アルバム(Monika Borzym , Rebecka Larsdotterなど)のバックでのピアノを演ずることも多く、そんな活躍して来ている。
 今回は、ECMという流れの中でのトリオ作品であって、十分堪能出来るアルバムを仕上げてくれた。

(Tracklist)
1. Adrift
2. Song For Sashou
3. Unravel
4. Hold Music
5. The Storyteller
6. Alice
7. First Glance
8. Melquiades
9. Find The Way

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(Billy Hart,    Aaron Parks,   Ben Street )

 さてこのアルバムは、冒頭の曲M1.”Adrift ”のピアノの流れは、私のあまり好きはでないミニマル・ミュージックに通ずるような奏法から始まって、オヤッと思ったがそれがそのまま続くわけでなく、期待通り美しい戦慄が流れる。この曲ドラムスの叩き込みのアクセントはかなり攻めてくるが、ピアノの美旋律とのバランスが面白い。全編ピアノの音は澄んで美しく、旋律もヨーロッパ的なニュアンスも感じられ、抒情派のムードも悪くない。
 面白いのは、トリオ・メンバーのベーシストはBen Streetと、そしてドラマーBilly Hartの力強さを感ずるダイナミックなリズム隊で、曲によっては快調でメリハリがあってなんとも言えないスリリングな流れを作り上げ、美旋律ピアノとのインター・プレイがなかなか味なもの。特にM4.” Hold Music” は、アルバムの中間部に登場する曲だが、Billy Hart のドラムス主導で異色な仕上げ。そしてそれがM5.”The Storyteller ”、M6.”Alice”に流れて、単なる抒情派ではないトリオによるやや前衛的な響きもあって、現代的なセンスのインター・プレイを聴き取れる。そこにはパークスのピアノも単なる甘いロマンティックというところに止まっていないところが見事である。

 アーロン・パークスのピアノは、全体に不思議に力みというところは感じない。それは感じられる情景を、意外に冷静な中での対応をしていて、それをハイレベルな技法によって生み出される流麗なピアノの響きでもってして表現している事のためか。
 アルバム全体に起伏もあり、抒情的な美しいメロディーも流れて来るので、私にとっては納得のアルバムだ。以前聴いたBlue Note盤の『INVISIBLE CINEMA』と比べると、むしろ取っつきやすいアルバムである。これはECM効果の結果だろうか。

(参考)  Aaron Parks  :  Discography
         The Promse  1999
         First Romance  2000
         The Wizard  2001
         Shadows  2002
         Invisible Cinema  2008  Blue Note
         Alive in Japan   2013
         Arborescence   2013  ECM
    Find The Way  2017   ECM

(試聴)

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コメント

風呂井戸さん,こんにちは。

Aaron ParksはECM第1作も,"Invisible Cinema"も非常に良かったと思いますし,来日公演でのソロ・ピアノも強く印象に残っています。彼のピアノは基本的にリリカルと言えるものですので,私にとっては,Billy Hartの起用が実は気になっていました。

Billy Hartも決して悪くはないと思いますが,どうも私の感覚では,Aaron Parksには合っていない気がします。

それでもアルバムとしては相応の出来だとは思いますが...。結局は好みの問題なんですけど。

ということで,TBさせて頂きます。

投稿: 中年音楽狂 | 2017年7月 2日 (日) 11時36分

中年音楽狂さん、興味あるコメント有り難うございます。(TBもどうも)
 おっしゃるBilly Hart が、一つの焦点ですね。あのAaron Parksの流麗にして抒情的なピアノの響きにたたき込んでくるドラムス、これをどう評価するかですね。ある意味で面白いとも思ったのですが、中年音楽狂さんのお話しのように、Aaron Parksの描く世界にどんな効果を発揮してくるか?、そんな眼でこれからも注目してみたいです。貴重な感想、参考になりました。

投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2017年7月 2日 (日) 22時15分

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受信: 2017年7月 2日 (日) 11時36分

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