ニッキ・パロットNicki Parrottニュー・アルバム 「Dear Blossom」
Arborsレーベルからブロッサム・ディアリー・トリビュート集
<Jazz>
NICKI PARROTT 「Dear Blossom」
Arbors / U.S.A / ARBO194532 / 2017
Nicki Parrott (vocal, bass)
Chris Grasso (piano except 4)
Chuck Redd (vibraphone on 1,2,5,6,10,11,12,14)
Lenny Robinson (drums except 4,13)
special guests:
Engelbert Wrobel (clarinet, tenor saxophone on 3,6,9,12)
Warren Vache (cornet on 4)
Vince Cherico (percussion on 1,5,14)
とにかく多作なニッキ・パロット、ArborsやVenusから年に数枚のニュー・アルバムが登場している。”お洒落なウッド・ベースを弾きながらのコケティッシュにしてウィスパー・ヴォイス”という代名詞も板に付いている彼女のこと、人気は当然で商業ベースからも評価が高い。
今作はArborsレーベルの新作だが、ウィスパー・ヴォイスと言えば”その妖精”と言われた故ブロッサム・ディアリーBlossom Dearie(N.Y.生まれ、1924-2009)のトリビュート集だ。ふと思うに、ややコケティッシュというところでは、パロットはブロッサム・ディアリーと共通点もあるため、このトリビュートは成功確率は高いと踏む。
近年Venusレーベルからのアルバムはどちらかというとジャズからポピュラーよりの仕上げが主流で来たため、このArborsの方はジャズ本流の作品として期待してしまうところである。(前作は昨年春のピアノ・トリオ作品「STRICTOLY CONFIDENTIAL」(Arbors ARCD19449))
さて中身は勿論パロットのまろやかでコケティッシュ、ジャジーなお洒落なヴォーカルに、ビブラフォンの加わったカルテットのバックが主流で、それにトランペット名手ウォーレン・ヴァシェ(cornet)らをゲストに招き、更にクラリネット、パーカッションも時に加わっての軽妙なる小コンボ編成。
(Tracklist)
1. I Wish You Love
2. Everything I've Got Belongs To You
3. I Walk A Little Easier
4. Peel Me A Grape
5. Inside A Silent Tear
6. Devil And The Deep Blue Sea
7. Dear Blossom
8. I'm Hip
9. Tout Doucement
10. Try Your Wings
11. Surrey With The Fringe On Top
12. Rhode Island Is Famous For You
13. It Amazes Me
14. It Might As Well Be Spring
いつも思うのですが、ニッキ・パロットって力みが無くて良いですね。もともとベーシストが本職でしたから、こんなヴォーカル・スタイルになるんでしょうね。彼女は1970年オーストラリアのニューキャッスル生まれ、1994年よりニューヨーク在住ということで、今年で40歳も後半に入るところで最も充実している時ですかね。それにしても今作、相変わらず何となくキュートと言うか、乙女チックと言うか、その辺りは意外にしつこくなくてソフトでさらっとしている。そんな彼女のヴォーカル・ムードは拒否派もあまり居ないのではと思っている。
今回のこのArbors盤は、バックも充実していて、その割には出しゃばってこないため、彼女のヴォーカルも浮き出てきてやはりなかなか仕上げも上手い。そしてソフトなジャズのムードもしっかり醸し出していて洒落た爽やかな良盤ですね。
(視聴)
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