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2017年10月28日 (土)

この10月は、ちょっと「城巡り」

やはり「日本の城」に向かうと気持ちが落ち着きます

 この10月は所要であちこちと行くことが多かったので・・・・・・ついでに立ち寄れた「城」を取りあげるが、「城」を前にすると気持ちが騒ぐので無く、落ち着くところが不思議である。

(ついでに勉強)日本の城の天守閣は5つタイプに分類されている
 
 ■ そのまま現存している天守
     ①現存天守 : 江戸時代からのそのまま現在に残った天守
 ■ 復元した天守
     ②木造復元天守 : 図面をもとに忠実に復元
     ③外観復元天守 : 図面の外観のみ復元
 ■ 忠実な再現なし
     ④復興天守 : 天守はあったが忠実な再現はせず
     ⑤模擬天守 : 本来は天守なしの場合に作られたもの 

 

■ [犬山城] (現存天守)  2017.10.10

Photo
                        
 この犬山城を訪れるのは今回で二度目。「現存天守」は日本には12のみですね。そのうちの一つがこの愛知県犬山市・木曽川のほとりの小高い山の上の犬山城だ。これは室町時代の天文6年(1537)に建てられたもので、国宝(通称:白帝城)だ。
 天守は現存する日本最古の様式とか(望楼型・三層四階地下二階・複合式天守)。築城者は、織田信康(織田信長の叔父)。信長・秀吉・家康が奪い合い、歴史の荒波を生き残った城。中の急な階段を上ると本物という実感があります。

Img_0258
                                   (天守最上階よりの眺め)

(参考)
「現存天守」
 全国見渡してわずか12城しかない。それは弘前城、松本城、丸岡城、犬山城、彦根城、姫路城、松江城、備中松山城、丸亀城、松山城、宇和島城、高知城、の12城。
 第二次世界大戦までは名古屋城、岡山城、広島城、大垣城、福山城、水戸城、和歌山城、松前城といった城郭が現存していたんですね。戦災のため焼失してしまい、現在はこの12城を残すのとなってしまった。

[大垣城] (外観復元天守) 2017.10.7

Photo これは全国的にも珍しい4層の天守を持ち、”城下町・大垣”のシンボルの大垣城(岐阜県大垣市の街中にある)。「外観復元天守」である。
 慶長5年(1600年)の関ケ原の戦いでは西軍・石田三成の本拠地にもなっもの。
 江戸時代、寛永12年(1635年)以降には戸田家11代が十万石の城として存在。
 1873年(明治6年)に発布された廃城令により、例の如く廃城となったが、天守など建物は無事残って、1936年(昭和11年)には、天守等が国宝に指定された。しかし1945年(昭和20年)7月29日の大垣空襲により天守や艮櫓などが焼失した。
 天守は1959年(昭和34年)に、乾櫓は1967年(昭和42年)に鉄筋コンクリート構造で外観復元された。
 2011年には、焼失前の外観に近くなるように改修された。
 今年(2017年)春に、続日本100名城(144番)に選定された。
 今回は二度目の訪れだが、非常に美しい城で、内部は資料館。

■ [新発田城] (木造復元天守) 2017.10.22

Photo_2 新潟県新発田市の新発田城は、「あやめ城」とも呼ばれ、初代新発田藩主の溝口秀勝が慶長3年(1598年)に築城し、3代宣直のときに完成したもの。

 石垣がすき間なくかみ合うようにきちんと積まれる「切込はぎ」と呼ばれる美観を重視した技法でつくられ、北国の城特有の海鼠壁は全国的にも珍しいものという説明がある。

 この新発田城は、もともと本丸、二の丸、三の丸からなり、がっちりとした石垣と堀に囲まれ、新発田川の水を巡らせた平城で、11棟の櫓と5棟の門で構成されていて壮観そのものであったと言う。中でも、天守閣の代わりを果たしていたのが三階櫓(↑)だ。写真の如く3匹の鯱を配するという独特の櫓で、全国にも例がない珍しいものとか。この三階櫓、辰巳櫓が図面に沿って忠実に平成16年に復元されたもの(「木造復元天守」で貴重)。
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 雨の日に訪れたせいもあるのか、非常にしっとりと落ち着いた城址である。ここは私は今回初めて訪れた。そのまま残っている表門も立派。
 現在陸上自衛隊の駐屯地でもある。

 [大阪城] (復興天守) 2017.10.8

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 天下統一をほぼ手中にした豊臣秀吉によって、天正11年(1583年)に石山本願寺跡に築造が開始され、1年半かけて建てられた”大坂城”。秀吉が実力共にナンバー1となった時のもので、所謂”太閤さんのお城”と言われるものだ。屋根には三角屋根を乗っけた千鳥派風、金箔の虎の飾りを付けた黒漆喰の壁、更に金箔瓦など、まさに当時の秀吉の栄華の象徴である絢爛豪華な造りが特徴。大坂冬の陣・夏の陣とで落城したのち、江戸時代に再建されたが、残念ながら落雷によって焼失。

Photo_5 現在の天守閣は、昭和6年(1931年)に市民からの寄付によって、大阪市により初代の秀吉時代の天守を描き建てられたもの。しかし戦争によって一部は焼失したが、その後修復されて現在の姿となっている。「復興天守」の範疇に入り、かってのものの忠実な再現性は低いもので、その意味に於いては価値は低い。明治以降、”大坂城”でなく、”大阪城”と言われるようになった。
 年間100万人以上が訪れているらしい。 多くの城の中では、スケールの大きさ、派手さはナンバー1だ。大阪っぽいです。
 今年私は久しぶりに好天の日に訪れたが、観光客でごった返していて、中国を筆頭に多くの外国人が圧倒的に多く、とても歴史に心を馳せるという気分にはなれない。写真を撮って早々に退散した(写真はこの日の大阪城)。

(犬山城)

              *          *
(大垣城)

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(新発田城)

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(大阪城)

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2017年10月24日 (火)

ジェフ・ベック50周年ライブ映像版「LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL」

老兵なんと老いず・・・・50周年記念というのに

<Rock>

JEFF BECK 「LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWL」
(Blu-ray) eagle vision / USA / FBBRD5337 / 2017

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(Blu-ray Tracklist)
1) The Revolution Will Be Televised
2) Over Under Sideways Down
3) Heart Full Of Soul
4) For Your Love
5) Beck's Bolero
6) Medley: Rice Pudding / Morning Dew
7) Freeway Jam
8) You Never Know
9) Cause We've Ended As Lovers
10) Star Cycle
11) Blue Wind
12) Big Block
13) I'd Rather Go Blind
14) Let Me Love You
15) Live In The Dark
16) Scared For The Children
17) Rough Boy
18) Train Kept A-Rollin
19) Shapes Of Things
20) A Day In The Life
21) Purple Rain

1 ジェフ・ベックは、60年代にヤードバーズでデビューでしたね。その後ジェフ・ベック・グループ、ベック・ボガート&アピスやソロなどと、多彩と言えば多彩な50年経歴のロッカーだ。しかし近年はソロとしての評価が高い中、忘れがちな彼の歴史を思い起こす50周年記念ライブ映像版の登場。2016年8月10日のハリウッドボウルにおけるスペシャル・ライヴを収録している。
 登場メンバーは(→)、2016年ですから、BONESなどのお馴染み「Loud Hailer ツアー」のメンバーをベースにしている。そしてお祝いの6人のスペシャル・ゲストが登場するというパターン。しかし近年のサンタナがゲストを集めての大騒ぎほどは派手ではない。そこはジェフ・ベックの性質が出ているんでしょうね。
 なにせこの映像盤の日本ものは値が高すぎる・・・・と、言うことで一番安い輸入盤Blu-rayを待ってました。DVDよりはやっぱり画像、サウンドを考えBlu-rayってとこで。

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 Buddy Guyはよくサンタナにも顔出してますが、特に変わったところはなく貫禄と迫力のブルースですね。

Jbsw Beth Hartの上手い歌、Jan Hammerのキーボード、ZZトップのBilly Gibbonsなど最近私はあまり観なかった連中が懐かしいと言ったら変ですが、そんな感じだ。エアロスミスのSteven Tylerのロッカーぶりはやっぱりねぇ~~ってところだ。結局ロッカーは今時若い者にはまかせられないってことですかね。こういったところはやっぱり老兵スペシャルでした。
 ヤードバーズ時代の曲、ジェフ・ベック・グループ時代の曲も上手く取り入れてお祝いムードは十分にある。ソロの代表曲もしっかり盛り込んで楽しませてくれる。
 しかし、やっぱりRhonda Smithのベース、Carmen Vandenbergのギターも格好良くてね・・・Rosie Bonesも頑張っていて、Jeff Beckの女性扱いも堂に入ってます~そのあたりはやっぱり見物。70歳過ぎてもつまり現役そのもの。そうそう"A day in the life"も更に円熟してました。

 こうしてみると、近年のジェフは上手にメンバーを入れ替えしてのソロ活動が堂に入っていて、昔の連中の方がむしろ違和感が無いでは無いというのは、私の感覚がおかしいのでしょうか。
 まあ、映像版として楽しいアルバムには相違ない。

(視聴)

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2017年10月20日 (金)

ロベルト・オルサー・カルテットRoberto Olzer Quartet作品 「FLOATIN' IN」

トランペットの加わったカルテットもなかなか・・・・

<Jazz>
Roberto Olzer Quartet 「FLOATIN' IN」
ABEAT Records / ITALY / ABJZ 168 / 2017

1

Fulvio Sigurtá (trumpet, flugelhorn)
Roberto Olzer (piano)
Yuri Goloubev (bass except 4)
Mauro Beggio (drums except 4)

recorded, mixed and mastered in August 2016 at Artesuono Studios, Cavalicco (UD), Italy, by Stefano Amerio

2  前回に続いて抒情派ピアニストのロベルト・オルサーRoberto Olzer(イタリア)の登場である。これは今年イタリアのABEATからリリースされた彼のカルテット・アルバム。過去の好評アルバムをリリースしたRoberto Olzer Trio に、オルサーの師であるエンリコ・ピエラヌンツィに賞賛を受けたフルヴィオ・シグルタFulvio Sigurtá (trumpet, flugelhorn)(→)が加わっての相変わらずの抒情派作品に仕上げたもの。

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            (Roberto Olzer)
(Tracklist)
1. Skyscapes (Yuri Goloubev)
2. Stella By Starlight (Victor Young)
3. Elm (Richie Beirach)
4. Still To Bill (Roberto Olzer)
5. Maybe Next Time (Roberto Olzer)
6. Aphrodite (Roberto Olzer)
7. Stee-Vee (Yuri Goloubev)
8. Vocalise (Yuri Goloubev)
9. Forward (Roberto Olzer)


Y Victor YoungとRichie Beirachの2曲を除いて全てオリジナル曲。それもロシアのクラシック・ベーシストからジャズに転向したユーリ・ゴロウベフYuri Goloubev(→)の貢献はここでも大きく3曲、そしてオルサー自身は4曲という全9曲が収録されている。”Roberto Olzer Quartet”と名乗っているのは、やはりオルサー主導の作品なのであろう。
 それにしても、私のこの上なく好きなRichie Beirachの"Elm "の登場には驚きつつも歓迎だった。 この曲では本来のピアノで演ぜられるあの美しい旋律はトランペットで流し、オルサーのピアノは編曲を加えつつのサポート役での曲構成である。そしておもむろに登場するBass、Drumsが曲の深遠さを役柄を心得てのごとく描く世界はお見事であった。いずれにしてもオルサーのピアノによっての曲の美しさと深みとの情景は抜群に良く、いやはや納得の仕上げである。

 私はもともとオーソドックスな、ベースとドラムスとのピアノ・トリオを愛する人間なのだが、全編、トランペットは静かに美しく旋律を哀感ある情感を込めて流すところは、決して悪くなく、心憎いと思わせる。ここで描く抒情的カルテット演奏は如何にもヨーロッパという世界のなにものでもない。こうしてオルサーもトリオから一歩踏み出した訳だが、ピアノ・トリオとは異なった世界へのアプローチは、前進するミュージシャンとしては当然の事なのだろうと思う。カルテット編成による曲に於ける役割の違いを如何に自分のものにしてゆくかという問題を克服して行かねばならないのだが、このカルテットを聴く限り、なんなくその構成を十二分にこなしているようにも思う。それは曲の流れの中での自己抑制を図りつつも、曲自身は究極は自分の憂愁の世界に導いて行くという一つの難作業が見事に結実しているためだ。
 オルサーはかってフルートやハーモニカなどとのカルテットを多く経験している為、本アルバムの作成に於いては、意外に何の抵抗もなく首尾良く纏めきったのかも知れない。

  さてここに今年リリースの二連発のオルサー作品に恵まれたが、前回紹介のアルバムは、ピアノ・ソロであった為、次作は再びピアノ・トリオ作品に期待してしまうところだ。

(視聴)

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2017年10月18日 (水)

ロベルト・オルサーRoberto Olzer の ピアノ・ソロ・アルバム「Torre Del Lago」

祖母への感謝の贈り物

<Jazz>
Roberto Olzer 「Torre Del Lago」
ATELIER SAWANO / JPN / AS 158 /2017

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Roberto Olzer plays Fazioli Grand Piano F278 (solo)
Recorded on May 15,2017 at Artesuono Recording Studio Udine, Italy
Recorded, Mixed & mastered by Stefano Amerio

 ちょっと一瞬見入ってしまうほど心にしみ入る静寂な風景をジャケットにしたイタリアのロベルト・オルサーRoberto Olzer のピアノ・ソロ・アルバム。タイトルは「Torre del Lago」、これはイタリア、トスカーナの地名のようである。その地は、あのイタリアのオペラの作曲で有名なジャコモ・プッチーニ(1858 - 1924年)が愛したと思われる土地で、彼の人生の殆どを過ごしていたのだという。いずれにしてもこのアルバムで、オルサーはプッチーニの曲を多く採用していることの結果、このタイトルになったのかも知れない。

 又アルバムには、”彼の言葉”が記されているが、その内容から見ると、2016年にトリオで来日しての公演中に、彼を音楽へと導いてくれた愛する祖母が本国で亡くなったのだった。そして家族全員で愛していたプッチーニの曲をここに演じて、その彼女への感謝と追憶の想いをこのアルバムに込めたと言うことのようだ。

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(Tracklist)
1. Luiza
2. Mi chiamano Mimi
3. Pezzo in La
4. 7/8, Attesa
5. We Will Meet Again
6. Coro a bocca chiusa
7. In Her Family
8. Remembering Pramila
9. Sentimentale
10. Straight to the Dream
11. Sono andati? Fingevo di dormire
12. Torre del Lago
13. La Grazia e discesa dal cielo
14. Epilogo
Bonus Track:5/4Johnnes Bickler,Vissi D'arte Giacomo Puccini

Puccini_0_2 プッチーニGiacomo Puccini(→)の曲を中心としての14曲だが、プッチーニとは、どちらかというとオペラの作曲家という印象であるが、私はオペラって少々苦手なんです。しかし「マノン・レスコー」「トスカ」「蝶々夫人」などは極めて有名だが、ここに取りあげられた曲群は、オルサーの編曲もあるためか、私にとっては初めての曲のように聴いたところだ。
 そして5曲はオルサー自身のオリジナル曲。その他、スタートはA.Carlos Jobinの曲の"Luiza"だが、とにかく優しいと言う一言の世界。M5."We Will Meet Again"はBill Evans、M7" In Her Family"はPat Metheny、更にM10."Straight to the Dream"はEnrico Pieranunziと、広くカヴァーもしている。しかしそれもオルサーの敬虔な気持ちに特化された演奏の世界に変容している。
 クラシックとかジャズのピアノ・ソロというジャンルを越えて、彼の心を込めた心優しく美しく仕上げたアルバムである。特にプッチーニの曲、M11. "Sono andati? Fingevo di dormire"は、優しい郷愁と哀感の世界で素晴らしい。そして彼の曲M14. "Epilogo"で静かに幕を閉じるのである。
 ただ、ボーナス曲があって、彼の感傷に溺れているだけでない姿を見ることが出来た。それには、これからの彼の生きる道への決意のような明るさと力強さを聴かせて全編の締めくくりをしているように私には聴き取れたのである。

Samerio2b アルバム作成に当たって、録音、ミックスなどの技術は、このところ評価の高いStefano Amerio(→)が担当して、スリリングなジャズ・トリオ録音時とちょっと異なり、刺激の少ない優しさと適度な余韻のあるところに仕上げている。
 又使われているピアノはイタリアらしく、このところオルサーは拘って使っている名高い「Fazioli Grand Piano F278 」 である。こんなところも聴きどころの一つである。

(視聴)

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2017年10月14日 (土)

ティエリー・マイラード Therry Maillard ピアノ・ソロ・アルバム 「Alone」

フランスの郷愁シャンソンを取りあげて・・・・

<Jazz>
Therry Maillard  「Alone」
L'autre / France / AD4180C / 2017

Alone

Thierry Maillard (piano solo)

 私はどちらかというと、シャンソンには弱いのですが、このアルバムはフランスのピアニストのティエリー・マイラードTherry Maillard (T・メイラード、T・マイヤールなどの日本語呼び名有り)によって、ジョルジュ・ブラッサンスGeorges Brassens(1921-81)、ジャック・ブレルJacques Brel(1929-78)、レオ・フェレLéo Férré(1916-93)というシャンソン三大巨匠(私は良く知らないのだが)がいて、その彼らの作品をとりあげたもの。

Ilcantodellemontagne  今年の1月に、ここで彼のアンドレ・チェッカレリ(ds)とディ・ピアッツア(b)とのトリオ作品『Il Canto Delle Montagne』ILONA Records/AD3689C)取りあげたが、あれが私はティエリー・マイラードというピアニストとの初めての出逢いであった。あのアルバムのピアノのクリアなタッチと美しいメロディライン更には時に加わる躍動感には驚きを隠し得なかったのだが、それによりここに彼のピアノ・ソロの登場となればごく自然に聴いてみたいと思うところなのである。

 又驚きは、ピアノ・ソロ演奏集とは言っても、3曲(M3.M8.M13)には、アコルディーナ(ピアニカのボタン式のような吹奏楽器らしい)と言う楽器の音が重なって入って、なんとなく郷愁感を盛り上げているところもある。もともとこのアルバムに取りあげられた曲は、マイラードが子供時代に両親とのヴァカンスに出るときに、いつも車の中で鳴っていたものと言うことで、彼の郷愁回顧のアルバムであるのかも知れない。

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(Tracklist)
1. CHANSON POUR L'AUVERGNAT (BRASSENS)

2. LES COPAINS D'ABORD (BRASSENS)
3. LES AMOUREUX DES BANCS PUBLICS (BRASSENS)
4. LES PASSANTES (BRASSENS)
5. ALONE (MAILLARD)
6. NE ME QUITTE PAS (BREL)
7. QUAND ON N'A QUE L'AMOUR (BREL)
8. AMSTERDAM (BREL)
9. LA VALSE A MILLE TEMPS (BREL)
10. LES TROIS POETES (MAILLARD)
11. JOLIE MOME (FERRE)
12. EST-CE AINSI QUE LES HOMMES VIVENT ? (FERRE)
13. AVEC LE TEMPS (FERRE)
14. LES POETES (FERRE)

 収録曲は、シャンソン三巨匠それぞれ4曲づつの12曲と、マイラード自身のオリジナル2曲(M5.M10)である。クラシック演奏感覚もチラッと見せるところがある郷愁の中に彼自身のアレンジが随所にみられ、かなり流麗にして躍動的な演奏を聴かせてくれるところが彼の訴える新感覚の世界なのだろう。どことなく哀愁感も感じられるが、私にとっては知らない曲が殆どで、なかなか郷愁にドップリ浸かるというところでは無く、少々解りにくいところにもあった。三巨匠ではレオ・フェレLéo Férréの曲がなんとなく感覚的には親近感が持てるところでなのかなぁ~と言うところ。
 しかしむしろ彼のオリジナル曲で有りアルバム・タイトル曲のM5."Alone"が哀愁のピアノが聴けて良いですね。こんなところからも、彼のオリジナル曲にむしろ惹かれてしまうのだが、日本人として聴く我々はそんなところなのかも知れない。

 ティエリー・マイラードは、1966年フランスPuteaux生まれで、フランスで活躍中のジャズ系ピアニストであり、コンポーザー。31歳(1997年)のデビュー作『Paris, New York』がスマッシュヒットして(これは私は聴いてないのだが)、フランスの90年代後半のピアノ・トリオ・ブームの一翼を担ってきたと言うことだ。そして昨年リリースの『Il Canto Delle Montagne』が素晴らしかったが、やはり各方面で好評で、今日を迎えている。

(試聴)

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2017年10月10日 (火)

アルゼンチンからの続編 「JAZZ SEXIEST LADIES Ⅱ」

取り敢えず楽しみましょう!!

 <Jazz, Lounge, Rock>

V.A 「JAZZ SEXIEST LADIES volumeⅡ」
Music Brokers / Argentina / MBB7249 / 2017

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 特にジャズとなれば、”なにはともあれ難しい事を言わずに聴きましょう”と言う発想は、最もオーソドックスなのかも知れない。そしてそんな時には打って付けと言うことで、こうしたアルバムの登場だ。これは続編で、前作『JAZZ SEXIEST LADIES 』(Music Brokers/MBB7238/2017)をここで紹介したのは今年の春。そして結構好評であったのか「Ⅱ」の登場となったのである

 いやはや立派なCD3枚組。当然Karen Souzaをトップに配置して なんと36曲のオンパレード。Music Brokersレーベルのアルゼンチン世界に馴染みのある女性シンガーを配置。聴いてみると全てジャズといよりはポップ系も含まれてはいるが、女性特有のセクシームードを十二分に歌い込んでいるオムニバス盤。それぞれ既発売の元のアルバムがあっての寄せ集めであって、なるほど経費もかからず上手い企画でもある。今回も美女狩りを得意とする我が友人から聴かせてもらうことになったもの。それも我々のような変な意味じゃ無く物好きな輩が巷には存在しているので成り立つんでしょうな。

Pp91b(Tracklist)

 CD1
1 Souza, Karen - Creep 03:29
2 Anakelly - Love Never Felt So Good 03:06
3 Menescal, Sarah - Don't Speak 04:11
4 Martinez, Flora - Captain Of The Heart 04:10
5 Cooltraine Quartet, The - Purple Rain 03:56

6 Starlight, Stella Trio - Don't Let Me Down 03:52
7 Dixon, Deborah / Les Crossaders - A Hard Day's Night 02:54
8 Jazzystics / Souza, Karen - Personal Jesus 03:17

Flora_m29 Says, Betty - Blue Moon 02:55
10 Scubba - Viva La Vida (Bossa Version) 04:08
11 Costa, Deise / Os Digitalistas - Ray Of Light 03:40
12 Amazonics - Born To Be Alive 04:02


CD2
1 St. Jones, Eve - Space Cowboy 03:25
2 Jazzystics - Starboy 03:42
3 Starlight, Stella Trio - Get The Party Started 02:57
4 Souza, Karen - Paris 03:18
5 48th St. Collective - Rat In My Kitchen 03:46
6 Martinez, Flora - The Scientists 04:28
7 Groove Da Praia - Walking On The Moon 04:12

Sarahmenescal2b8 Ituana - Disorder 04:26
9 St. Jones, Eve - I Only Want To Be With You 03:49
10 Cooltraine Quartet, The - Holding Back The Years 03:58
11 Simonal, Michelle - All Apologies 03:53
12 Les Crossaders / Benson, Julie - Think For A Minute 04:14

 CD3
1 Simonal, Michelle - With Or Without You 03:41
2 Souza, Karen - Wicked Game 04:04
3 St. Jones, Eve - Breakout 04:09
4 Anakelly - Under The Milky Way 04:34
5 Menescal, Sarah - Adventure Of A Lifetime 03:56
6 Simonal, Michelle - Believe 04:06

Hqdefault27 Bellestar - Love Will Tear Us Apart 02:57
8 Mendes, Celso / Lua - My Cherie Amour 02:38
9 Scubba / Moraes, Ivette - The Sweetest Taboo 04:06
10 Souza, Karen - Everyday Is Like Sunday 03:37
11 Martinez, Flora - True Colors 03:08
12 Starlight,Stella Trio - Sorry 03:48

  とにかくこうしたものは、いろいろと言わずに聴いてみるのが一番。ここでもやっぱり貫禄はこの分野では目下誰もが認めるKaren Souzaですね、4曲登場している。又前作同様New Bossa系のSarah Menescalとか、映画でも人気のキュートな発声のFlora Martinezとか、更にこれも発声があどけなさを売りにしているようなMichelle Simonalなど主として前作と変わらぬ布陣で楽しませてくれる。ちょっと気になるのはStella Starlight Trio という知らないバンドが、前作からも登場しているのだが、女性シンガーをフィーチュアーしているのかこのレーベルによく登場している。
  取り敢えずサービス価格で大量に適当に楽しめるというところで、星★★★★☆。

(試聴)

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2017年10月 5日 (木)

シャヒン・ノヴラスリShahin Novrasli 「Emanation」

ジャズの真髄を心得ているかと思わせる展開
~民族性をしっかり確保しつつ~

<Jazz>

Shahin Novrasli 「Emanation」
Jazz Village / AUS / JV570141 / 2017


Novrasli

Shahin Novrasli(p, vo 6), James Cammack(b), Andre Ceccarelli(ds),
Erekle Kolava(perc), Didier Lockwood(vln 3,6)

 Audio Mixers: Shahin Novrasli; Vincent Mahey. Liner Note Authors: Shahin Novrasli; Didier Lockwood. Recording information: Studio Sextan, Malakoff, France (04/2016)

 シャヒン・ノヴラスリShahin Novrasli は、1977年生まれのアゼルバイジャンの首都バクー出身のピアニスト。これがなかなか若さを越えた技量と民族的センスをしっかり持った曲を展開する。アゼルバイジャンとはどうも馴染みがないが、南コーカサスに位置する共和制国家だという。北はロシア、北西はグルジア、西はアルメニア、南はイランと国境を接する国で、東はカスピ海に面している。こう説明を聞くとなんとなくイメージが湧いてくる。
 昔ヨーロッパから日本に帰ってくる航空機のルートに「南回り」といって、この上空を通って、インド、タイ経由で日本に帰ってきたが、この辺りは上空から見るとまさに日本とは全く違った広大な黄色の大地の世界だ。しかしアゼルバイシャンは山岳と緑に恵まれている。そしてこうみると何となくその曲のタイプが想像されるところだが、”コーカサスの文化とヨーロッパの古典音楽とジャズを融合したユニークな独自の音楽を切り拓いている”と紹介されている。
 このアルバムは基本的にはピアノ・トリオだ。ただそれに曲によってパーカッション、そしてヴァイオリン(M.3, M.6)が加わったりしている。

Shahinnweb(Tracklist)
1.  Emanation
2.  Song of Ashug
3.  Saga
4.  Jungle
5.  Misri Blues
6.  Ancient Parallel
7.  Tittle Tattle
8.  Yellow Nightingale
9.  Land

  •  全曲ノヴラスリのオリジナル曲。なんとなくクラシック・ムードを漂わせるのだが、やっぱりコンテンポラリーの範疇か。
      M6."Ancient Parallel"を聴けば、突然ヴォーカルが登場してビックリ、いやはやこれは中近東方面だと実感する。そんな民族性の強い曲も登場するが、この曲の終盤にはなんと前衛的なジャズに突入する。
     M4. "Jungle"のベースの唸るリフも凄いがピアノのインプロヴィゼーションは見事。
     M8."Yellow Nightingale"などは、同様にベースの唸りでスタートして、完全にフリー・ジャズに突入、ここでもインプロヴィゼーションの掛け合い風な展開もお見事だ。そしてその流れは快感で、次第に引き込まれて言ってしまう。

     シャヒン・ノヴラスリは”5歳からクラシック・ピアノの専門教育を受け、若くして高い評価を受けていた彼だが、アゼルバイジャンの民族音楽"ムガーム"とジャズの融合を成し遂げた音楽家ヴァギフ・ムスタファ・ザデの影響のもと、ジャズの世界へ。96年に自国のコンサヴァトリーに入学以降、キース・ジャレット、チック・コリア、ビル・エヴァンスを研究”と紹介されている。そう思って聴くと、成る程と思わせるところがないではない。これだけスリリングな曲展開をするのだが、どことなく哀愁が漂っているところが私をして魅了させられてしまうのである。更に、M9." Land"などのパーカッション、ドラムス、ベースそしてピアノのそれぞれの音の間の置き方など、とても若さの範疇で無く円熟したミュージシャンの世界と思わせる。

     いやはやなかなかジャズ心と、民族の味の深さと、ピアノという楽器の曲に於いての占める位置を達観した世界とのミックスされたミュージックを作り上げたこのアルバムには脱帽の敬意を表したい。お見事。
  •  
  • (視聴)

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    2017年10月 1日 (日)

    マティヤ・デディクMatija Dedićのピアノ・トリオ作品        「From The Beginning」

    華麗なタッチの流麗なピアノが魅力

    <Jazz>
    Matija Dedić 「From The Beginning」
    Dallas Records / EU / DALLAS 570 / 2009

    Fromthebeginning

    Matija Dedić : piano
    Jeff Ballard : drums
    Larry Grenadier : bass

     このアルバムに至ったのは、これもまた寺島靖国の『FOR JAZZ DRUMS FANS ONLY Vol.1』(Terashima Records/TYR1057)に取りあげられたこのトリオの曲"From The Beginning"を聴いたためだ。とにかく洗練された演奏ぶりと、そしてトリオ・メンバーに興味を持ったからである。

    7075dfe95d07bd88145f 実はこの肝心のクロアチア出身のピアニストのマティヤ・デディクMatija Dedić(1973年ザグレブ生まれ)を私は知らなかった 。このアルバムは、2009年リリースのピアノ・トリオ作品だ。 むしろリズム隊のブラッド・メルドー・トリオのドラマーのあるジェフ・バラードJeff Ballard 、ブラッド・メルドーやパット・メセニーとの関係で知られるベーシスト、ラリー・グレナディアLarry Grenadier が参加していることが興味を持った要因でもある。

    Jeffballardw メンバーからみると、その筋ではかなりの評価を得ていると推測するところだが、このマティヤについては、思いのほか情報は少ない。日本では知る人ぞ知ると言った所なのだろうか。いやはや私の世間の狭さを痛感させられた。
     CD2枚組の全12曲、マティヤMatija Dedićのピアノ・ソロも4曲登場し、彼のオリジナル曲が半分の6曲を占めている。こうして見ると、これは完全に彼の作品ということになるのだが、メジャー・デビュー作だったのか?。

    List_2

    Larrygrenadierw スタートの(CD1)M1."Rrom the beginning"が寺島靖国に選ばれてた訳だが、ジェフ・バラードJeff Ballardのドラムスから入って、ピアノがおもむろに登場する。そのピアノは極めて華麗で、無理に主役に踊り出ず、続いてベースがピアノに変わって流れの主役になり、中盤以降は三者のトリオ・プレイが楽しめる。なかなか洒落た演奏だ。
     そして(CD1)M4."W.A.M."は、おもっいっきり三者のジャズの乗りを展開する快感の曲。 (CD1)M6."You are Too beautiful"では、スローナンバーで流麗なピアノの華麗さ、繊細さは当に”ビューティフル”そのもの。 (CD1)M5."Angela"及び(CD2)M3."Marina's dilemma",M6."Dr.A"は、ピアノ・ソロで完全にクラシック世界をベースにした美しいジャズを聴かせる。
     (CD2)M2."Nardis"、(CD2)M5."Bye,bye blackbird"の三者のインタープレイは、その華麗さに圧倒される曲。 (CD2)M4."Lush life"もその洒落た美しさは卓越している。

     このトリオは、流麗なピアノが魅力と同時に、ジャズの醍醐味と味を知り尽くしたかのようなリズム隊によって、お互いが出しゃばること無く華麗なタッチで仕上げているところが魅力。それにしてもピアニストのマティヤ・デディクMatija Dedićはこれからも相当に期待してよいプレイヤーにしてコンポーザーと思う。日本では、このアルバムより後の2015年のアルバム『Sentina』 (BLUE BAMBO/US/PWBBM021)で支持を得たようだが、近作に『DEDICATED』(ears&eyes Records/2017)があり、是非ともアプローチしたいところだ。

    (試聴)

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