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2017年10月14日 (土)

ティエリー・マイラード Therry Maillard ピアノ・ソロ・アルバム 「Alone」

フランスの郷愁シャンソンを取りあげて・・・・

<Jazz>
Therry Maillard  「Alone」
L'autre / France / AD4180C / 2017

Alone

Thierry Maillard (piano solo)

 私はどちらかというと、シャンソンには弱いのですが、このアルバムはフランスのピアニストのティエリー・マイラードTherry Maillard (T・メイラード、T・マイヤールなどの日本語呼び名有り)によって、ジョルジュ・ブラッサンスGeorges Brassens(1921-81)、ジャック・ブレルJacques Brel(1929-78)、レオ・フェレLéo Férré(1916-93)というシャンソン三大巨匠(私は良く知らないのだが)がいて、その彼らの作品をとりあげたもの。

Ilcantodellemontagne  今年の1月に、ここで彼のアンドレ・チェッカレリ(ds)とディ・ピアッツア(b)とのトリオ作品『Il Canto Delle Montagne』ILONA Records/AD3689C)取りあげたが、あれが私はティエリー・マイラードというピアニストとの初めての出逢いであった。あのアルバムのピアノのクリアなタッチと美しいメロディライン更には時に加わる躍動感には驚きを隠し得なかったのだが、それによりここに彼のピアノ・ソロの登場となればごく自然に聴いてみたいと思うところなのである。

 又驚きは、ピアノ・ソロ演奏集とは言っても、3曲(M3.M8.M13)には、アコルディーナ(ピアニカのボタン式のような吹奏楽器らしい)と言う楽器の音が重なって入って、なんとなく郷愁感を盛り上げているところもある。もともとこのアルバムに取りあげられた曲は、マイラードが子供時代に両親とのヴァカンスに出るときに、いつも車の中で鳴っていたものと言うことで、彼の郷愁回顧のアルバムであるのかも知れない。

Tm1
(Tracklist)
1. CHANSON POUR L'AUVERGNAT (BRASSENS)

2. LES COPAINS D'ABORD (BRASSENS)
3. LES AMOUREUX DES BANCS PUBLICS (BRASSENS)
4. LES PASSANTES (BRASSENS)
5. ALONE (MAILLARD)
6. NE ME QUITTE PAS (BREL)
7. QUAND ON N'A QUE L'AMOUR (BREL)
8. AMSTERDAM (BREL)
9. LA VALSE A MILLE TEMPS (BREL)
10. LES TROIS POETES (MAILLARD)
11. JOLIE MOME (FERRE)
12. EST-CE AINSI QUE LES HOMMES VIVENT ? (FERRE)
13. AVEC LE TEMPS (FERRE)
14. LES POETES (FERRE)

 収録曲は、シャンソン三巨匠それぞれ4曲づつの12曲と、マイラード自身のオリジナル2曲(M5.M10)である。クラシック演奏感覚もチラッと見せるところがある郷愁の中に彼自身のアレンジが随所にみられ、かなり流麗にして躍動的な演奏を聴かせてくれるところが彼の訴える新感覚の世界なのだろう。どことなく哀愁感も感じられるが、私にとっては知らない曲が殆どで、なかなか郷愁にドップリ浸かるというところでは無く、少々解りにくいところにもあった。三巨匠ではレオ・フェレLéo Férréの曲がなんとなく感覚的には親近感が持てるところでなのかなぁ~と言うところ。
 しかしむしろ彼のオリジナル曲で有りアルバム・タイトル曲のM5."Alone"が哀愁のピアノが聴けて良いですね。こんなところからも、彼のオリジナル曲にむしろ惹かれてしまうのだが、日本人として聴く我々はそんなところなのかも知れない。

 ティエリー・マイラードは、1966年フランスPuteaux生まれで、フランスで活躍中のジャズ系ピアニストであり、コンポーザー。31歳(1997年)のデビュー作『Paris, New York』がスマッシュヒットして(これは私は聴いてないのだが)、フランスの90年代後半のピアノ・トリオ・ブームの一翼を担ってきたと言うことだ。そして昨年リリースの『Il Canto Delle Montagne』が素晴らしかったが、やはり各方面で好評で、今日を迎えている。

(試聴)

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コメント

風呂井戸さん、こんにちはmonakaです。
フランスというのは音楽の枠が大きいのでしょうね。才能ある人がいろいろな面を見せてくれるのが凄い。
TBさせていただきます。

投稿: monaka | 2017年10月16日 (月) 17時15分

monakaさん、わざわざコメント有り難うございます。
 ユーロ系のジャズになんとなく傾倒して言ってしまう私ですが、やっぱりフランスというのはこのような人の活躍をみても大きな世界を持っていることが解りますね。又monakaさんも大いに探究されての結果やそしてその評価等を我々に聞かせてください。
 TBも有り難うございました。

投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2017年10月16日 (月) 20時04分

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» ピアノ言語 Alone / THIERRY MAILLARD [JAZZ最中]
ティエリー・メイラードを聴くと、まさにフランスで一番油がのっているピアニストではないかとおもうし、それを反映して結構いろいろなアプローチのアルバムを出すことができています。 今回は、子供のころに両親の車のなかでいつも聴いていた、シャンソンの3人の巨星、ジョルジュ・ブラッサンス、ジャック・ブレル、レオ・フェレの作品をピアノのソロで演奏しています。 3人の書く4曲の間にメイラードが捧げるオリジナルを挟んだ演奏はこれは、フランス人ならばうれしくなる選曲なのでしょうね。 シャンソンはほとんど守備外... [続きを読む]

受信: 2017年10月16日 (月) 17時16分

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