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2017年11月27日 (月)

寺島靖国選曲シリーズ「For Jazz Vocal Fans Only Vol.2」

(今年聴いて印象に残ったアルバムを-4)

これもシリーズ化でこれからも楽しめそう

<Jazz>
Yasukuni Terashima Presents
「For Jazz Vocal Fans Only Vol.2」

Terashima Records / JPN / TYR-1059 / 2017

Forjazzvocalfans

 いつの間にか、なんとなく気になって、そして楽しみに待っているシリーズと化した寺島靖国の選曲シリーズ『Jazz Bar』『For Jazz Audio Fans Only』に続いてこの『For Jazz Vocal Fans Only 』は、昨年登場して今年遂に[Vol.2]がリリースされて、いよいよ本格的シリーズ化なんでしょうね。
 とにかく近年、ジャズ畑に於けるアルバム・リリースは殆どがヴォーカリストは女性となってしまっている。まぁそれはそれで悪いことではないが・・・・従ってこのシリーズも「Female Vocal」と言ったパターンなんですね。そして一度聴いて二度三度と聴きたくなるかが・・・そこが問題で、確かに一度目でボツになったらそれはもうダメでしょうね。そんなところを指摘している寺島靖国だが、「女性ヴォーカルの魅力とは?」と自問しながら(無駄なことですね)聴いている次第である。

(Tracklist)
01.Wild is The Wind[Polly Gibbons]
02.Savanna Woman [Woong San]
03.The Party's Over [Carla Helmbrecht]
04.Fragile [Sonia Spinello Quartet]
05.Walkin After Midnight [Madeleine Peyroux]
06.What Is This Thing Called Love [Joan Viskant]
07.Devil May Care [Karen Lane]
08.Little Girl Blue [Madeleine & Salomon]
09.I Hear Music [Rebecca Kilgore]
10.My Favorite Things [Thisbe Vos]
11.Moon And Sand [Anne Ducros]
12.Do Nothin Till You Hear From Me [Nancy Harms]
13.Wouldnt It Lovely - Living Room [Kelley Johnson]
14.It Never Entered My Mind [Kristen Lee Sergeant]
15.Trouble Is A Man [Abigail Rockwell]


Polly_gibbonsM1."Wild is The Wind"はUK出身のなかなかソウフルな唄い回しのポリー・ギボンズPolly Gibbons(→)、好きか嫌いかは別にしてこのところの注目株。スタートからジャズ・ヴォーカルはこれだと言わんばかしの歌で、なかなか迫力ありますね。アルバム『Is It Me ....』(Resoname/KKJ-129)から。
M2."Savanna Woman" ウン・サンWoong Sanの登場。こうして聴くと相変わらずSexyな発声と唄い回しですね。少々前のアルバム『I LOVE YOU』(PCCY-30220)から。昨年デビュー20周年記念ミニ・アルバムVol.1『Jazz Is My Life』をリリースしている。もうベテランというところなんですね。
1919664_1460751347538985_7516762044M4."Fragile" はSonia Spinello Quartet。 ソニアSonia Spinello(→)のヴォーカルをRoberto Olzer Trioが支えるアルバム『Wonderland』(ABEAT FOR JAZZ /ABJZ162)からで、 これは聴き慣れたStingの曲。このカルテットの特徴ある味付けをしっかり作っていてお見事。先日ここで紹介したとおりで、このアルバムでも出色の曲。
M5."Walkin After Midnight" マデリンMadeleine Peyroux も登場ですね。彼女は言うことなしの彼女独特の世界、お見事。これは1996年の彼女のデビュー・アルバム『dreamland』(ATLANTIC/US)からで、もう20年前のモノ。いやは既に貫禄を感じますね。
M7."Devil May Care" カレン・レインKaren Laneの優しくそしてSexyにといったジャズ心たっぷりの曲。
Anne_ducrosM11."Moon And Sand"やっぱり アンヌAnne Ducros(→)は良いですね。実力派そのもので声も美しいし曲のムードもしっとりと聴かせてくれる。アルバム『Piano,Piano』(Dreytus/No.36674)から。
M13."Wouldnt It Lovely - Living Room"これは知らなかったKelley Johnsonの2008年のアルバム『HOME』(SAPPHIRE/US)から。結構キャリア十分の実力の歌い込み派のようだ。寺島氏は今回結構掘り下げてますね、

 まあ、ジャズ・ヴォーカルとして歌姫シリーズをこうしてメジャーに捕らわれず作り上げる寺島靖国の選曲に万歳をして、又来年の「Vol.3」に期待するのである。

(視聴)

1  Polly Gibbons

2  Madeleine Peyroux

3    Kelley Johnson

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2017年11月23日 (木)

現代ピンク・フロイドPink Floyd論 = 番外編-その1-

PINK FLOYD

「お祭り騒ぎ」と「総決起集会」 ~ デビュー50周年の話題

 ロックの歴史の中で日本人は最も”プログレッシブ・ロックの好きな民族”と言われているらしい(私もその構成員)。その中でも、このピンク・フロイドというロック・バンドの占める位置はまさに異常というか、怪奇というか・・・・70年代アルバムが未だにヒットチャートに登場しているところはキング・クリムゾン、イエス、E.L.P.、ジェネシスと言えどもあり得ない事実なのである。
 そのピンク・フロイドが今年はデビュー50周年と言うことで、又々騒ぎは大きくエスカレートしている。ロック・ミュージック界の低調の中では、唯一商業価値が間違いないと言うことで、ロンドンでは「ピンク・フロイド大回顧展」が開催された。このフロイドの『神秘』(1968)、そしてキング・クリムゾンの『クリムゾン・キングの宮殿』(1969)以来は完全リアルタイムでロック・ファンあった私は、長いお付き合いにふと想いを馳せるのである。

Gilmour1Waters1_2

 まあ回顧は別として、今年もピンク・フロイド絡みでは、デヴィッド・ギルモアの「飛翔ライブ=ライブ・アット・ポンペイCD+DVD発売」、そしてロジャー・ウォーターズのニュー・アルバム『is this the life we really want?』と「UA+THEM ライブ」は、もはや何をさておいてもロック界のトップニュースになってしまっているのだった。

 さて、そんな中であの奇妙な意味の解らない2014年のアルバム『永遠』で幕を下ろしたかの感のあるピンク・フロイドだが、それがどうして益々ここにギルモアとウォーターズの価値感が高揚していることが、我々をして興味の渦に陥れるのである。

 まずギルモアは、結構なことに取り敢えずはギルモアらしいアルバム『飛翔』(Columbia/88875123262)をリリースして、ようやくピンク・フロイドという重責から逃れて自分を演じた。そしてその「飛翔ライブ」を欧州南北米ツアーを展開、その中でも欧州各国の遺跡や古城、宮殿などでの世界遺産公演を敢行したのであった。
 一方ウォーターズは、なんとロック・アルバムとしては25年ぶりに『is this the life we really want?」』をリリースし、同時に「UA+THEM ライブ」南北米ツアーを半年に渡って展開、更には来年早々引き続いてオーストラリア、欧州ツアーを行う。


■ デヴィッド・ギルモア『ライブ・アット・ポンペイ』 (Sony Music/SICP-31087)

Liveatpompeii こんな流れから出てきたギルモアのライブ版
 『ライブ・アット・ポンペイ』 (SonyMusic/SICP-31087)(→)
  もちろん彼の”「飛翔」ライブ”の一会場モノである。それもCDそしてDVDと映像絡みでリリースして、”ピンク・フロイドのその昔の無人ポンペイ遺跡円形闘技場の記念すべきライブ”の再現とばかりにアッピールしているのである。
 いやはや頼もしいと言えば頼もしい、しかし如何せんギルモア女房のジャーナリストのポリー・サムソンの商業主義の展開そのもので、ギルモアの意志はあるのかないのか、派手なライト・ショーが会場いっぱいに展開、なんとお祭り騒ぎに終わってしまっている。もともとアルバム『飛翔』も、”アダムとイヴの旅立ち”という如何にもコンセプトというか思想があるのか無いのか、むしろ無いところがギルモアらしい。まあ女房の作詩頼りに彼女の発想にまかせての気軽さだ(それが良いとの見方もあるが)。
 しかしそうは言っても、あのかってのピンク・フロイド時代の曲を織り交ぜてのギター・サウンドの魅力を引っさげての展開は、それはそれファンを酔わせてくれるのである。まさにギタリストの所謂「The Voice and Guitar of PINK FLOYD」なのである。
 しかし、ウォーターズの去ったピンク・フロイドを数十年引きずってきた男が、あの昔のピンク・フロイドの円形スクリーンそままで、ピンク・フロイドは俺だと言わなければならないところに、未だピンク・フロイド頼りの姿そのままで、ちょっと哀しくなってしまうのである。

■ ロジャー・ウォーターズ『US + THEM ライブ』

Isthisthelife 一方ロジャー・ウォーターズは、70歳を過ぎた男にして、今日の混乱の時代が作らせたと誰もが信じて疑わないアルバム『is this the life we really want?」』(Sony Music/SICP-5425)(→)をリリースした。
 それはNigel Godrichとの名コンビで、”現代プログレッシブ・ロックはこれだ”と圧巻のサウンドを展開。”ロック=ギター・サウンド”の既成概念を超越したダイナミックなピンク・フロイドから昇華したサウンドには感動すらある。
 ”歪んだポピュリズムPopulism・ナショナリズムNationalismへの攻撃”と”新たな抵抗Resistのスタート”のコンセプトと相まって、ミュージック界に殴り込みをかけた。

 そして日本の評論家の反応も面白い。何時もよく解らない事を言っている立川直樹も絶賛せざるを得ないところに追い込まれ、ロックと言う面から見ればそれこそ本物である伊藤政則は”怒り”の姿に共感し、ロックをギタリストとしてしか見れない和久井光司にはこの進化は理解不能に、最近カンバックした市川哲史の冷静な評論では、あのアルバム『風の吹くとき』のコンセプトとオーバー・ラップさせながらも、”破壊寸前の国際情勢に徹頭徹尾対峙したアジテーション・アルバムに特化した”と74歳の男の生き様に感動している。

23722640_1604990236211442_499588949 そして「UA+THEM ライブ」では、
 今回のニュー・アルバムの曲と同時に、彼の自らのコンセプトで作り上げたピンク・フロイド・アルバム『狂気』、『ザ・ウォール』、『アニマルズ』を再現している。それは今様に新解釈を加えつつ、今まさに展開している世界情勢に照らし合わせての”抵抗の姿”の展開は、”US(我々)とTHEM(彼ら)の関係”に挑戦しているのである。
 米国大統領トランプの出現は、彼に火を付けてしまった。反トランプの歌に特化した『アニマルズ』からの"Bigs (Three Different Ones)"は、トランプをしてあの歌のシャレードと決めつける。又パレスチナ問題、米・メキシコ関係問題にみる「壁」問題は、何時になっても人間の姿としての「心の壁」を含めてその存在にメスを入れている、まさに『ザ・ウォール』だ。
 しかも『狂気』の"Us and Them"に見るが如く、彼のピンク・フロイド時代の問題意識は現在に於いても色褪せていないどころか、彼の意識の高さを今にして認識させられるのである。
 (これは余談だが・・・日本に於ける安倍総理の”あの人達は”発言(これこそ"THEM")にみる危険性をも感じ得ない世相にふと想いを馳せざるをえない)
Djjhcgmuqaa_cth_3 彼は、「The Creative Genius of PINK FLOYD」とのキャッチ・コピーそのものからの展開なのである。”戦後の反省からの理想社会”からほど遠くなって行くこの今の世界情勢に、自分の出来ることはこれが全てと、彼をしてライブでの訴えに奮い立たせている。もう止せば良いのにと言うことがはばかる”戦争のトラウマ”を背負った70歳男の抵抗だ。
*
*
*

(取り敢えずは結論)

デヴィッド・ギルモア   ピンク・フロイド 
           (フロイドをどうしても越えられないその姿)

ロジャー・ウォーターズ  ピンク・フロイド 
           (フロイドに止まれない宿命的進化)

 この関係が益々はっきりした今年の情勢だった。過去のピンク・フロイドに”イコールの中に生きるギルモア”、”イコールもあるが宿命的にそれ以上を求めざるを得ないウォーターズ”。
▶かってのピンク・フロイドに酔いたい→「イコールこそに満足のファン」
▶あのビンク・フロイドは今何をもたらすのかと期待する→「イコールから発展的世界を求めるファン」
 どちらにとっても愛するピンク・フロイドの現在形であることには変わりは無い。

▼そして並の規模を越えた両者のライブは、
ギルモアは・・・・・・”お祭り騒ぎ”、
ウォーターズは・・・”総決起集会”
        ・・・・という構図は明解になった今年でもあった。


 今ここに、二つのピンク・フロイドが体感できる。これは我々にとって、これ以上のものはないのだろう。

                                  (いずれ続編を・・・)

(視聴)

David Gilmour

                 *                         *

Roger Waters


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2017年11月20日 (月)

キアラ・パンカルディChiara Pancaldiのニュー・アルバムはトリオ作品「WHAT IS THERE TO SAY」

ジャズ心満載のアルバム

<Jazz

Chiara Pancaldi「WHAT IS THERE TO SAY」

CHALLENGE Records / AUSTRIA / CR3435 / 2017

3rdw

Chiara Pancaldi(vo), Kirk Lightsey(p), Darryl Hall(b)
Special Guest: Jeremy Pelt(tp / M.4), Laurent Maur(harmonica / M.6)

Recording Date:2017年3月28日、
Recording Location:Studio de Meudon(パリ、フランス)


 イタリアの歌姫、キアラ・パンカルディChiara Pancaldiの今年録音の3rdアルバムがChallenge Recordsから、今度は当然彼女のヴォーカルとカーク・ライトシーKirk Lightsey(p)、ダリル・ホールDarryl Hall(b)のドラムレス・トリオで登場だ(2曲は、トランペット、ハーモニカが入る)。
 「ジャズ批評」で2ndアルバム『I Walk a Little Faster』は「ジャズオーディオ・ディスク大賞2015」で、"ヴォーカル部門金賞"を受賞し、あっという間に日本で知れ渡ったんでしたね、私もその口ですが・・・。そしてジャケも魅力的でした。
 ボローニャに生まれで、紹介ではクラシック、ジャズからブラジル音楽、インド古典音楽まで、多種の音楽を学んだと言うキアラ・パンカルディ。実力も当然なんでしょうが、美貌も相まっていやはや人気ジャズ歌手の座にしっかり付いていて、このニュー・アルバムも注目の作品だが、スタンダード集ですね。

Chiara_01w(Tracklist)
1.  Everything I Love
2.  Black is the Color Of My True Love’s Hair
3.  Born To Be Blue
4.  What Is There To Say
5.  I Don’t Mind
6.  A Timeless Place
7.  Reverse the Charges
8.  Medley - When You’re Smiling - On the Sunny Side of the Street
9.  Love Came
10.  Since I Fell For You

 まず印象は前作同様イタリア的ではないですね。つまりNY本場ジャズの様相だ。それはトリオとしてお互いのインプロヴィゼーションがしっかり盛り込まれていて、トリオのインタープレイが如何にもジャズなんですね。スタンダードをしっかり歌い熟してのどこかジャズ・クラブを感じさせるムードです。でもしっかりスタジオ録音なんですね。

 M2. "Black is the Color Of My True Love’s Hair"などは、しっとりとした歌い込みと演奏で始まり、中盤はスウィングしての洒落た展開。
 M4. "What Is There To Say"は、アルバム・タイトル曲で、トランペットが入る。これはクラシック・ジャズの雰囲気でやっぱり夜のムードで聴かせてくれます。
 M.6  "A Timeless Place" このアルバムのスウィング・ジャズ曲の中にあって、これもしっしりとしたなかなか異色の質の高い曲だ。ハーモニカの独特のムードとかみ合ってピアノも美しく、彼女の歌声も不思議な世界に導いてくれる。
  M8. "Medley - When You’re Smiling - On the Sunny Side of the Street"を聴くと、スタンダード曲と言っても、このトリオなりきの感覚によるセンスが、アドリブ・編曲を見事に展開していることが解る。

 彼女のヴォーカルは結構高音が主力なんですね。私好みからすると、ちょっとイマイチなんですが、しかしその彼女のアカペラも聴かれるし堂々の歌唱です。そしてベース、ピアノがしっかりスウィングしていて、曲によってはソロに近い演奏を聴かせてくれながら、トリオとしての味を盛り上げているところがお見事。
 いやはや3rdアルバムとは思えない円熟を感じ取れる。抒情的な哀愁の世界とは全く別のジャジィーな魅力を感ずるにはピッタリです。

(試聴)

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2017年11月16日 (木)

ソニア・スピネロSonia Spinello Quartet 「WONDERland」

(今年聴いて印象に残ったアルバムを-3)

やや陰影のある優しさのヴォーカルとロベルト・オルサー・トリオの美が聴きどころ

<Jazz>
Sonia Spinello Quartet「WONDERland」
ABEAT Records / ITA / AB JZ162 / 2016

Wonderland1
Wonderland2_4
Sonia Spinello(vo)
Roberto Olzer(p)
Yuri Goloubev(b)
Mauro Beggio(ds)
featuring
Bebo Ferra(g)
Fabio Buonarota(flh)

 なんといってもRoberto Olzer Trioをバックにしての女性ヴォーカル・アルバムと言うことで、取り敢えずは聴いたものだ。ヴォーカリストはソニア・スピネロSonia Spinelloで、「ジャズ批評」で2016年の「JAZZ AUDIO DISC AWARD 2016-VOCAL」の金賞を取っている。「ジャズ批評」もちょっと新しもの好きのような気もしましたけど。この女性は私はこのアルバムで初めて知ったもので、イタリアの歌手だがそんなに若くはなさそうだが詳しいことは解らない。彼女名義のアルバムはこれが最初ではないかと思われる。

Wonderlandlist

  これも何故だか解らないが、スティーヴィー・ワンダーの曲がずら~と並んでいる(何ででしょうね?)、10曲中5曲もだ。だからアルバム・タイトルは「WONDERland」となっているのかも知れない。あとは彼女自身の曲3曲とスティングとベーシストのゴロウベフY.Goloubevの曲1曲づつである。
 ヴォーカルの質はどちらかというと陰性、明るいというものでは無い。それはこのアルバムとしての表現なのか、もともと彼女の素質なのかこれも実は知らないのだ。又彼女の発声の高音部は私の好みとは少々異なっているが、中・低音に魅力を持っている。

13600294_1749377958676321_822137421  M1."Visions"の出来が良いですね。この仕上げはスピネロのヴォーカルとのマッチングも良く、オルサーのピアノ、ゴロウベフのベースが又退廃的なムードに抒情的な美しさを盛り上げますね。これはなかなかとスタートでこのアルバムではトップ・クラスの出来。
 M3."Fragile"はStingのポピュラーな曲。なかなか味なフィーリングで聴き応えがある。この曲は良く聴くのだが、彼女らしさというか、彼女の特徴をしっかり出して唄われている。これは寺島靖国の今年の『for Jazz Vocal Fans Only Vol.2 』(TYR1059)にも選ばれている。
 M4."Sorry"は、スピネロ自身のオリジナルの曲で、哀感があって良いです。このアルバムでの彼女の曲では出色。Flugelhornが生きています。
 M2.、M5.、M6.ではギターが入るが、どうもこのアルバムでは彼女とのマッチングに魅力が発揮出来ていない印象を受け、感動の仕上げは至っていなかった。
  M7."Too shy to say"は、ベース・ソロから始まって、彼女の優しさのヴォーカルが入り、するとピアノがそれを支えるという流れで、シンバル音とピアノの力まない繊細な流れは聴きどころ。

 こうした女性ヴォーカル・アルバムでのロベルト・オルサー・トリオの優しさの漲ったバック演奏の美しさは、聴きどころであったもの。

(視聴)

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2017年11月13日 (月)

フレッド・ハーシュFred Herschのピアノ・ソロ 「open book」

(今年聴いて印象に残ったアルバムを-2)

ハーシュの美学を・・・ピアノの響きと余韻がベストな録音で

<Jazz>
Fred Hersch 「{open book}」
Palmetto Records / USA / PM2186 / 2017


Openbookw

Fred Hersch (piano solo)

Recorded at JCC Art Center Concert Hall, Seoul, South Korea
Track 4 recorded live in concert, November 1, 2016 / All other tracks recorded April 1-3, 2017

  注目の20分近くの話題の長曲M4." Through The Forest "(Fred Hersch)が、私の期待した彼のメロディーの美しさがあまり感じられなかった為、それ程感動モノでなかったと言うことで登場が遅くなったが・・・。しかし何度と聴いていると、そこはフレッド・ハーシュだけのことはあって、勿論彼の繊細なタッチの美学はちゃんと散りばめられているアルバムである。
  又、録音も彼の弾くピアノ(Steinway)のソロ演奏音を適当な響きと余韻を描く好録音であって、その辺りも快感のアルバムである。

(Tracklist)
1 The Orb (Fred Hersch)- (6:26)
2 Whisper Not (Benny Golson)- (6:27)
3 Zingaro (Antonio Carlos Jobim)- (7:58)
4 Through The Forest (Fred Hersch)- (19:34)
5 Plainsong (Fred Hersch)- (4:51)
6 Eronel (Thelonious Monk/Sadik Hakim)- (5:40)
7 And So It Goes (Billy Joel)-(5:57)

Fredherschw M4. "Through The Forest"は、韓国のステージでの演奏録音版、19 分にわたるインプロもので、彼はこの演奏に関して、「予め考えたアイディアもセーフティ・ネットもなく、音楽的に、感情的に、到達したいところどこにでも趣くままに演奏した」と語っているとか。近年録音された演奏の中でも確かに注目に値するモノであると思うが、"Forest森林"と言うことの何か神秘的な世界感は十分に感じられる演奏だ。そしてその繊細なるタッチのピアノ音は彼ならではの世界であると納得するところ。ただ私の求めるリリカルなメロディーによる美学というところで無かったため、ちょっと空しさも感じられたのである。
 一方スタジオ演奏版のオープニングのM1. "The Orb"の静かなるしっとりとした美しさ、 M5. "Plainsong"の優しさには堪能してしまう。A.C.JobimのM3. "Zingaro"も、心に優しく響く、なんとなくクラシックを聴いているようなハーシュの世界となって、聴き入ってしまった。 
 最後に何故かBilly Joelとなって、M7. "And So It Goes"を非常に聴きやすいメロディー・タッチでありながら哀愁も感じられるところがお見事であった。
 やっぱり”ハーシュの美学”は生きているアルバムだ。

(視聴)

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2017年11月12日 (日)

ツワブキ(石蕗)の花

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 ここに載せた花は・・・「ツワブキ(石蕗)」である。私の別のブログにも載せたんですが、とにかく私にとっては不思議な花。それはこの晩秋から初冬に咲くのですから。毎年この写真のとおり庭の一角にちゃんと花を付けるのです。

 菊に似た可愛い花は、こうして満開になると、かなり長い間愛でることができる。なんと寒さにも強く、一度地植えにするとほとんど世話する必要も無く毎年花を楽しめるのである。”花と言えば春”と単純に思っている私にはそんなことから不思議な花なのですね。

 そして、何時もこの花を見ると・・・ああ、今年ももう終わりに近づいているのか、今年は何ができたのだろうか、やっぱり何もできなかったなぁ~~と、反省させられるんですね。

 「ツワブキ」は、立冬の季語にもなっている花で、常緑多年草で、中国では「大呉風草」、台湾では「乞食碗(キッチャワ)」、韓国では「トルモウイ」と言うらしい。
 島根県「津和野」の地名は「石蕗の野」が由来とか、三重県ではツワブキの葉を敷いての押し寿司があるようだ。

 ツワブキにはピロリジジンアルカロイドという有毒物質も含まれているが、薬用にもなっているらしい。

 日本の東北から南に存在しているということで、主に海岸べりに自生する強い植物なんですね。

 今年もこの「ツワブキ(石蕗)の花」を観て、反省しているわたしでありました。

(視聴) 時には・・・演歌も(笑い)

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2017年11月 9日 (木)

大橋祐子トリオ「ワルツNo.4」

(今年聴いて印象に残ったアルバムを-1)
 もう11月、これからあっという間に年末になってしまうんですね。となれば、今年聴いたアルバムを整理しておくことにする。

スタジオとホール録音、「迫真の疲労」と「快感」の違い

<Jazz>
YUKO OHASHI TRIO 「WALTZ No.4」
TERASHIMA Records / JPN / TGCS-9672/9673 / 2017

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大橋 祐子(piano)
佐藤 忍(bass)
守 新治(drums)
Recorded by 江崎友淑 (オクタヴィア・レコード)
Recorded by 佐藤宏章 (ランドマークスタジオ)

 寺島レコード10周年特別企画として昨年末にリリースされたアルバム。ジャズ・ピアニスト大橋祐子の4作目としてピアノ・トリオ作品を録音に凝って作成されたもの。もともと寺島靖国はオーディオ的にジャズ・アルバムを聴いてきた人であるし、こんなスタジオ録音(寺島サウンド)vsホール録音(大間知サウンド)の2枚組CDとして我々に聴かせてくれたのである。
 大橋祐子(東京都八王子市出身)は、もともとクラシック・ピアノを学び、2010年に寺島レコードより『PRELUDE TO A KISS』(TYR1018)でデビュー。その後の諸作に好評を得てきた女性ピアニスト。現在、佐藤 忍(bass)、守 新治(drums)とトリオを結成している。

★ このアルバムの注目点は、オーディオ的に楽しめると言うところだ。先ずは寺島靖国の納得のスタジオ録音、これには寺島靖国プロデューサーとランドマークスタジオ佐藤宏章によるもの。最近は「哀愁とガッツ」というタイトルが有名になった録音。そして今回は、なんとエソテリック社顧問にして、数々の高音質録音に携わる大間知基彰が、アコースティック録音でのオーディオ・マニアに絶大な信頼を得るオクタヴィア・レコード江崎友淑エンジニアと組んだ稲城市立iプラザホールにおける録音の2本立てのCD2枚組。

20170325014811_deco_2【DISC.1】 ホール録音盤
Recorded by 江崎友淑 (オクタヴィア・レコード)
サウンド・プロデュース:大間知基彰 (エソテリック株式会社)
2016年10月5日稲城市立iプラザホール録音

(Track List)
01. セント・ジェームズ病院 (Traditional)
02. エストレリータ (Manuel Ponce)
03. メキシコ (Harvie Swartz)
04. ホーム (Michel Petruccani)
05. ラヴ・ミー・テンダー (Traditional / Elvis Presley)
06. アイ・シンク・アイ・クッド・ビー・ハッピー (Magne Furuholmen)
07. ソー・イン・ラヴ (Cole Porter)
08. プルメリア (Yuko Ohashi)
09. ワルツ #4 (Yuko Ohashi)
10. セント・ジェームズ病院 (別テイク) (Traditional)


【DISC.2】 スタジオ録音盤
Recorded by 佐藤宏章 (ランドマークスタジオ)
サウンド・プロデュース:寺島靖国 (寺島レコード)
2016年9月30日横浜ランドマーク・スタジオ録音

(Track List)
01. セント・ジェームズ病院 (Traditional)
02. エストレリータ (Manuel Ponce)
03. メキシコ (Harvie Swartz)
04. 哀しみのダンス (Leonard Cohen)
05. ダニー・ボーイ (Traditional)
06. アンカー (Yuko Ohashi)
07. アワ・スパニッシュ・ラヴ・ソング (Charlie Haden)
08. アインダ・ベム (Marisa Monte)
09. ニュー・デイズ (Yuko Ohashi)
10. オヴァート (King Fleming)



 約一週間の間隔を開けての同メンバーによる演奏の2タイプ録音であるが、最初の3曲は若干演奏が違うが同一曲。やはり"セント・ジェームズ病院"が聴きどころ。
 まずはなんと言っても寺島サウンドのスタジオ盤の迫力。とにかく生々しいリアルな迫真のサウンド。 切れ味とソリッド感が抜群で有り、低音の重さと迫力も十分。まあドラマチックというところです。
 一方ホール録音は残響も含めてホール感はしっかりとあり、同一のピアノ(Steinway & Sons D274 Concert Grand Piano)とは思えない音色だ。まあこうゆうのをエレガンスな音と言うのだろう。バックのベース、ドラムスは、これは明らかにそのもののバックでの支えに録音されていてトリオ三つ巴というよりは、ピアノ中心主義だ。

W
                                                (寺島靖国)
 これ程異なる音となると、いやはや録音が如何に重要か思い知らされる。
 さてそこで結論を言ってしまおう。とにかく「スタジオ録音」寺島サウンドは凄い。聴いてみればもう文句は言えない迫力である。聴き始めのM01. "セント・ジェームズ病院 "を聴いた瞬間ゾクっとする迫真の迫力音。さてそこは凄いのだが、このCDを聴いていって解るが、ピアノ、ベース、ドラムスが同一の迫力で迫ってきて、そしてこの音ですから、数曲聴くとまず「疲労」に陥る。
 一方、このCDの後に「ホール録音盤」を聴くとベース、ドラムスの音が少々空しくなる。・・・・が、数曲聴き込んでいくと、その繊細にして優しさの音に快感の世界に流れ込むのである。
 さあ、この違いにどちらに軍配を挙げるのだろうか?、それはもう好みの世界であってということになる。さてそこで私の場合であるが、まず聴く時の状態でどちらかを選ぶことになるだろう。ガンガン聴きたい高揚した気分の時は、「スタジオ盤」。夜などに一人でゆったりと安らぎを求めて聴きたいときは「ホール盤」ということになるだろう。つまり両方欲張りだが欲しくなるのであるが、ミュージックを聴き込むとなればホール盤なんでしょうかね。

Photo ★ 最後に大橋祐子のピアノ演奏は?、と言うところだが・・・・目下過渡期ですね。 "セント・ジェームズ病院"はそれなりにジャズ色も感じられ意志がみられるが(10曲目の別テイクが良い)、しかし"エストレリータ"はどこでも聴かれる単なる演奏であって聴く人の心を呼び起こすところは無い。 " ソー・イン・ラヴ"は余韻の使い方に一歩前進あり。 "ワルツNo.4"そして"アンカー"は自己の曲だけあって聴き応えあり。 "哀しみのダンス"は、中盤以降の編曲部になってようやくそれらしくなる。 "アワ・スパニッシュ・ラヴ・ソング"は、こうした美旋律をどう熟すかがポイントだが、味付けはもう一歩。
  (余談)大橋祐子って鼻から口の辺りがダイアナ・クラールに似てますね(特に横顔)。ヴォーカルはどうなんでしょうか?。まさか親父声では?。

(視聴)   「ワルツNo.4」に関する映像が見当たりませんでした・・・・取り敢えず↓

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2017年11月 5日 (日)

ルイージ・マルティナーレLUIGI MARTINALE TRIO「face the music」

音楽的センスが漂っている粋なトリオ

<Jazz>

LUIGI MARTINALE TRIO「face the music」
ABEAT Records / ITA / AB JZ 549 / 2015


61jpjmedv9lw

Luigi Martinale (p)
Reuben Rogers (b)
Paolo Franciscone (ds)
Recorded by Alberto Macerata at Play Studio, Bricherasio, (CN) Italy
on January 15th, 16th, 2014

 寺島靖国選曲シリーズ『for Jazz Audio Fans Only Vol.10』(TYR-1060)で知ったアルバムだ。実はこのルイージ・マルティナーレ・トリオLuigi Martinale Trioに関しては、私は白紙状態。このシリーズに選ばれた事から興味を持せていただいた。まだまだ私の守備範囲の狭さを実感させられた。

Rmtrio このアルバム、ここに選ばれたと言うだけあって録音も秀悦。リアルな音と曲としての配置と残響が見事にバランス良く再生される。なんと寺島靖国自身のアルバムは、ちょっとリアルなところを追求するが為に、曲としてのバランスをどうしても欠いてしまうのだが、そんな意味でもこれはさすがに音楽のイタリアというところである(昨年末リリースされて評判だった大橋祐子の『ワルツNo.4』(TYR-1054/1055)の”スタジオ盤”と比較してみると面白い)。
  ピアニストのルイージ・マルティナーレは1963年生まれと言うことだから今年で54歳、円熟期ですね。彼はトリノ音楽院でクラシック音楽を学んで、ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院ではエンリコ・ピエラヌンツィにジャズを学んでいる。
 このアルバムもベースにリューベン・ロジャースReuben Rogers を迎えての音楽的センスの満ちあふれたアルバムに作り上げている。

(Tracklist)

List

  収録曲は10曲中6曲はルイージ・マルティナーレ自身のオリジナル曲。スタートのThelonoous Monkの曲"Ask me now"を聴くと、三者のバランスも良くなかなか粋なトリオだと言うことが解る。
 M2."Caress" 、マルティナーレの曲が登場すると、成る程ユーロ・ジャズのメロディーの美しさが迫ってくる。明らかにこの曲を挟むM1.M3.のモンクの曲とは本質的に異なるところが見えてくる。それでかえって私の求める魅力度が高まってくる。
 M4.Coots/Lewisの"For all we Know"はしっとりと演奏され、ピアノが美しく流れちょっと想いに耽ることが出来る。後半にベース・ソロも気持ちを落ち着かせてくれる。
 M5からM9までマルティナーレの曲が続くが、寺島靖国にも選ばれたM7."Breath"が良いですね。ピアノが高音で流す部分のメロディーはエレガントで美しく魅力たっぷり。展開もふと題名のように"囁(ささ)き"が感じられる。
 M9."Indian Trick"のリズム展開は、異色的で面白い。

 このアルバムは好録音も後押ししていると思うが、なかなか達人のトリオ・ミュージックとして捉えることになったもの。彼の他のアルバムも聴いてみたいと思っているところだ。

(視聴)
(Solo)      Luigi Martinale

 
                             *            *

(Trio)     Luigi Martinale Trio

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2017年11月 1日 (水)

寺島靖国選曲シリーズ「For Jazz Audio Fans Only Vol.10」

(ミュージック鑑賞の秋)

Tt2
      (このところLP復活で、古き名機のDENON DP-80が頑張ってます)

オーディオ・ファンを楽しませてくれるジャズ・アルバム10巻目
~好録音のピアノ・トリオを満喫~

<Jazz>

Yasukuni Terashima Presents
「For Jazz Audio Fans Only Vol.10」

Terashima Records / JPN / TYR-1060 / 2017

Forjazzaudiofansonly10

 2001年スタートの寺島靖国選曲のコンピレーション・シリーズの『Jazz Bar』も既に16年となり、年1枚での16巻をなんとなく聴いて来た。そしてここに取りあげるそれに継ぐシリーズとして、これも既にいつの間にか10年となる『For Jazz Audio Fans Only 』、今年で10巻目となった。これも私は取り敢えず楽しみにしているシリーズで、既に聴いたアルバムからの曲も収録されているのだが、やっぱり聴いてしまうのである。
 寺島靖国の選曲は録音にも拘りがあってのことで、『Jazz Bar』に登場する曲群もオーディオ・ファン向けでもあるが、この『For Jazz Audio Fans Only 』シリーズは更にその点が強調されている。又曲もどちらかというとピアノ・トリオが主力であるため、その点は私好みとも一致していて、既にこれによって知ったマイナーなトリオも過去にあって、結構楽しませて頂いているのである。そして10年目の「Volume 10」を、ここで少々紹介する事とする。

(Tracklist)
1. Estate [The Kirk Lightsey Trio]
2. Les Rails enchevetres [Georges Paczynski Trio]
3. Spring Lingers [Alf Haggkvist Trio]
4. Laberinto [Sergio Gruz Trio]
5. St. James Infirmary [大橋祐子トリオ]
6. Elm [Roberto Olzer Quartet]
7. Pap [Carsten Daerr Trio]
8. Drum Afterlude [Carsten Daerr Trio]
9. Breath [Luigi Martinale Trio]
10. Noble One [Scott Earl Holman Trio]
11. When My Anger Starts To Cry [RGG]
12. Then Goodbye [Michael Salling Trio]
13. Fit To Fly [Guido Santoni Trio]

 2曲目は、あのシンバルの響きを代表に驚きのサウンドであったGeorges Paczynski Trioのアルバムだが、ここでは既に紹介した『LE VOYAGEUR SANS BAGAGE』(ASCD161101)から"Les Rails enchevetres"が取りあげられている。これはフランスのヴァンサン・ブルレVincent Bruleyによる録音・ミックスもので、数年前の作品からそのリアルなサウンドで話題になってきており、そのメンバーによる今年のリリースもの。

Walz4w M5. "St. James Infirmary" は、大橋祐子トリオだ。寺島レコード・アルバム『WALZ 4』(TYR-1054)(→)から。スタジオ録音の他、大間知基彰氏が、オーディオ・マニアに評価の高いオクタヴィア・レコード江崎友淑エンジニアと組んだホール録音などが別にCD一枚あって話題になったもの。オーディオ・マニアに喜ばれた。

 M6."Elm"これもここで既に取りあげた Roberto Olzer Quartetのアルバム『FLOATIN' IN』(ABJZ168)からの、Richie Beirachの曲だ。私の愛する曲では最右翼のもので、これはトリオにトランペットが加わった良演奏、録音はこれも名手イタリアのStefano Amerioだ。

61jpjmedv9lw M9. "Breath" この曲は知らなかったが、イタリアのLuigi Martinale Trioによるもので、なかなか情緒のあるピアノ・トリオ演奏と好録音で気持ちが良い。アルバム『face the music』(ABJZ549)(→)からで、ピアニストのルイジ・マルティナーレのオリジナル曲が6曲収録されていて、この曲はその内の1曲。彼はエンリコ・ピエラヌンツィに多々指導を受けてきたようであるが、今年で50歳代半ばになり円熟期。

5169yse82l M12. "Then Goodbye"も良いですね。デンマークの Michael Salling Trioですが、アルバム『Nice Vibrations』(CALI087)(→)からだ。スウィングするジャズ心とヨーロッパ的リリシズムが合体した感のあるこれも愛すべきアルバム。
 

 今回の選曲もなかなか味なもので、ナイスなコンピレーション・アルバムが出来上がった。本来オムニバスものは余り好まないのだが、これは選ばれ採用されるモノが、ピアノ・トリオが主力であってその為私は大歓迎ということになるのであった。又今時の名技術陣による好録音合戦を目の当たりに体験できる。そんなところも注目点。

(試聴)

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