ルイージ・マルティナーレLUIGI MARTINALE TRIO「face the music」
音楽的センスが漂っている粋なトリオ
<Jazz>
LUIGI MARTINALE TRIO「face the music」
ABEAT Records / ITA / AB JZ 549 / 2015
Luigi Martinale (p)
Reuben Rogers (b)
Paolo Franciscone (ds)
Recorded by Alberto Macerata at Play Studio, Bricherasio, (CN) Italy
on January 15th, 16th, 2014
寺島靖国選曲シリーズ『for Jazz Audio Fans Only Vol.10』(TYR-1060)で知ったアルバムだ。実はこのルイージ・マルティナーレ・トリオLuigi Martinale Trioに関しては、私は白紙状態。このシリーズに選ばれた事から興味を持せていただいた。まだまだ私の守備範囲の狭さを実感させられた。
このアルバム、ここに選ばれたと言うだけあって録音も秀悦。リアルな音と曲としての配置と残響が見事にバランス良く再生される。なんと寺島靖国自身のアルバムは、ちょっとリアルなところを追求するが為に、曲としてのバランスをどうしても欠いてしまうのだが、そんな意味でもこれはさすがに音楽のイタリアというところである(昨年末リリースされて評判だった大橋祐子の『ワルツNo.4』(TYR-1054/1055)の”スタジオ盤”と比較してみると面白い)。
ピアニストのルイージ・マルティナーレは1963年生まれと言うことだから今年で54歳、円熟期ですね。彼はトリノ音楽院でクラシック音楽を学んで、ミラノのジュゼッペ・ヴェルディ音楽院ではエンリコ・ピエラヌンツィにジャズを学んでいる。
このアルバムもベースにリューベン・ロジャースReuben Rogers を迎えての音楽的センスの満ちあふれたアルバムに作り上げている。
(Tracklist)
収録曲は10曲中6曲はルイージ・マルティナーレ自身のオリジナル曲。スタートのThelonoous Monkの曲"Ask me now"を聴くと、三者のバランスも良くなかなか粋なトリオだと言うことが解る。
M2."Caress" 、マルティナーレの曲が登場すると、成る程ユーロ・ジャズのメロディーの美しさが迫ってくる。明らかにこの曲を挟むM1.M3.のモンクの曲とは本質的に異なるところが見えてくる。それでかえって私の求める魅力度が高まってくる。
M4.Coots/Lewisの"For all we Know"はしっとりと演奏され、ピアノが美しく流れちょっと想いに耽ることが出来る。後半にベース・ソロも気持ちを落ち着かせてくれる。
M5からM9までマルティナーレの曲が続くが、寺島靖国にも選ばれたM7."Breath"が良いですね。ピアノが高音で流す部分のメロディーはエレガントで美しく魅力たっぷり。展開もふと題名のように"囁(ささ)き"が感じられる。
M9."Indian Trick"のリズム展開は、異色的で面白い。
このアルバムは好録音も後押ししていると思うが、なかなか達人のトリオ・ミュージックとして捉えることになったもの。彼の他のアルバムも聴いてみたいと思っているところだ。
(視聴)
(Solo) Luigi Martinale
* *
(Trio) Luigi Martinale Trio
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コメント
風呂井戸さんこんばんわ。
Martinaleの歌心あるピアノ良いですね。
トリオ以外では、ソロ作「ARIETIS AETAS」もなかなか良いと思います。
今回ご紹介いただいた作品は、まだ入手しておりませんが、機会を見て入手してみたいと思います。
(このところちょっといろいろ買い過ぎてしまってますので)
投稿: baikinnmann | 2017年11月 6日 (月) 20時10分
baikinnmannさん、コメント有り難うございます。
私はMartinaleは、このアルバムが初めてで過去のモノは未知でした。baikinnmannさんは既に守備範囲に入っているんですね。そうですか、お勧めのようですし、ソロ作品は一度は聴いてみたいと思う人ですね。機会をみてアタックしてみたいと思います。どうも有り難うございます。
投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2017年11月 6日 (月) 20時44分