アリエル・ポカックAriel Pocock「LIVING IN TWILIGHT」
若き女性ピアニストのジャズ心での挑戦作
<Jazz>
Ariel Pocock「LIVING IN TWILIGHT」
Justin Time Records / CAN / 6894402612 / 2017
Ariel Pocock アリエル・ポカック (piano, Rhodes piano, vocals)
Adrian Vedady アドリアン・ヴェダディ(bass)
Jim Doxas ジム・ダクサス (drums)
Chico Pinheiro シコ・ピニェイロ (guitar #2,5-7,10)
私の初聴き女性ヴォーカルものだが、1992年生まれ(25歳)の若き女性のピアノ弾き語りジャズ・アーティストが立派に作り上げたアルバムだ。彼女は北米中心に多くのジャズ・フェスティバルに出演しての注目株。あのヘイリー・ロレンをサポートするピアニストとしての業績もあるようだ。これは単に美人というだけでなく、なかなかの実力派とみて良いのだろう。
なんと驚きは、YouTubeに彼女の14歳時のジャズ・ピアノ・プレイがアップされている。
このアルバムも我が美女狩りを得意とする友人の手にかかったものの一枚だ(笑)。
(Tracklist)
1. The Very Thought of You
2. 500 Miles High
3. Living in Twilight
4. So in Love
5. Someone Like You
6. Saudações
7. So Long
8. I Love You
9. To Be Alone With You
10. Gonzalo's Melody
11. When You Wish Upon a Star
12. Hymn
13. Go Leave
とにかく聴きやすい疲労感なしの曲作りが第一印象。そして彼女の声質はその発音からいって、なんとあどけなさたっぷりというパターン。ふとダイアナ・パントンを連想してしまった。唄い方がよく似ている。そして若いだけあって、これはいやにポップぽいと思う曲も登場するのだが、なんとそれはアデルの"Someone Like You"(M5)であった。いやはや驚かされたのだが、歌声はやっぱりアデルのパワーには及ばない。しかしまあ彼女らしい若い女性のムードはしっかり描いている。
しかしどうも彼女の唄は、ただ下手というところではないのだが、そうかと言って上手いとは言えない。単調で抑揚も少なく、多分ピアニストから弾き語りへと発展させたのであろうが、まだまだその道は半ばと言ったところだ。しかし独特の雰囲気を持っていて、面白いと言えば面白い。特に締めの曲"Go Leave"(M13)は、ジャズとは言えないのだろうが、興味深い仕上げである。 それはそれとして一方立派に演ずるピアノは見事にジャズなんですね。 "So in Love"(M4)はじめ"I Love You"(M8)などのスタンダード曲演奏の大半は、中盤から演奏中心になるパターンが多いが、基本的にはピアノ・トリオの演奏で、その方がギターを加味してのバックによるヴォーカル中心曲より明らかに仕上げは良い。ダイアナ・クラールとかいろいろと彼女から見れば弾き語りへの魅力があるのだろうが、ピアノ・トリオでもっともっと極めてゆくことが良いのではとふと思うのである(余計なお世話か?)。
アルバム後半の"To Be Alone With You"(M9) 、"Gonzalo's Melody"(M10)、 "When You Wish Upon a Star"(M11)、Hymn(M12)はヴォーカル抜きのインスト演奏。特に"星に願いを"あたりを演ずるところは若い女性っぽいところだが、結構編曲はそれなりに面白く良かったです。
(視聴)
○ "Go Leave"
○ 14歳時のArielのジャズ・ピアノ・プレイ
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