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2018年2月17日 (土)

マリア・トロMaria Toroのフルート・ジャズ「A CONTRALUZ」

フルート・フラメンコ・ジャズ

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<Jazz>
Maria Toro「A CONTRALUZ」
Jazz Activist / Imp / JA04 / 2017


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Maria Toro: Flute
Jean-Michel Pilc: Piano
Ben Street: Double Bass (1, 3, 5, 7)
Justin Brown: Drums (1, 3, 5, 7)
Israel Varela: Drums (2, 6)
Andreas Arnold: Flamenco Guitar, Bouzouki (2, 6)
Auxi Fernández: Palmas (2, 6)

 どうゆう過程で、こうした取り合わせが出来上がったのか解らないが、とにかくピアノの名人格のジャン・ミシェル・ピルクJean-Michel Pilcが全面参加しての実力派と言われている女流ジャズ・フルート奏者マリア・トロMaria Toroがリーダーのフラメンコ・ジャズ・アルバムである。
 このマリア・トロに関しては全く私は白紙状態であったと言って良い。それもそのはず、このアルバムが彼女の最初のアルバムと言うことだ。いずれにしても彼女はスペインで生まれ(1979年生まれ、そろそろ40歳に近くなっている)幼少期よりフルートに接し、そしてフラメンコには馴染んできたと言うことだろう。そして2011年にはNYに進出している。
 フルート・ジャズと言えば、昔どうゆう訳けか良く聴いたハビー・マンを思い出すが、その後はむしろイタリア・プログレッシブ・ロックでたっぷり聴いてきた。しかし考えて見ると久々にフルートを主体としたジャズ・アルバムを聴くことになったのである。
 
Jmp1w2 ピアノ参加のジャン・ミシェル・ピルク(←)は、この人もなかなかの歴戦の強者であるのだが、私は殆ど彼のピアノ・トリオにも接してこなかった。まあ名前を聞いてきた程度のところであった。彼は1960年10月19日、パリ生まれ。9歳でジャズ・ピアノを始め、ほとんど独学でマスターしたのだという。87年までは、なんとフランスの国立特別研究所に勤務してロケット開発に携わっていたが、以後音楽の道へ変わったと言う変わり者。欧米の著名な音楽家との共演や映画音楽の制作などを経て、95年にNYへ渡り、自己のレギュラー・トリオを結成している。
 何故、彼のことをここに書いたかというと、このアルバムではなかなか見事なピアノ演奏で、ここでは最も重要な役を果たして、このアルバムを引き立てているからだ。これを聴くと彼のアルバムにも手を出さざるを得ない気持ちになっている。

(Tracklist)
1.  Cocodrilos 6:58
2.  A Contraluz 5:19
3.  Babel 6:23
4.  Sus agujeros 5:37
5.  Por el reloj 6:19
6.  Gitano 3:24
7.  Te mire 7:17

 
さて、このジャズ・フルート奏者マリア・トロだが、なんと15年間の音楽的探求の結果、満を持してリリースした作品ということでアルバムとしてはデビュー作品だ。そしてジャズとフラメンコなどの要素をたっぷり取り入れてのまさにオリジナリティーそのものの世界を演じて居る。そして活動の場がNYということであろうか、このようなメンバー構成であり、華々しさばかりでなく、フルートの奏でるちょっと深遠なるところも聴かせてくれる。
 ハービー・マンはロックやボサ・ノバにフルートでのジャズ展開を演じたのであるが、このマリア・トロはフラメンコを軸にフルート・ジャズを演じているのだ。しかしメンバーはピアノ、ベース、ドラムスとオーソドックスなカルテット構成である。そして2曲はギターも参加というところだ。

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 アルバム・タイトル曲のM2. "A Contraluz"は、歯切れのよいフルート音は、ギターとピアノのバックを生かして如何にもフラメンコ調の世界を築く。M6. "Gitano"も同様だが、やはりギターが入るとフラメンコ・ムードが盛り上がりますね。。
 M3."Babel"はベースから始まり、テンポの早いステック音をバックにピアノのフルートのスリリンクな演奏でジャズを楽しめる。
 M4."Sus agujeros"静かな中に、やはりこの曲もフルート、ピアノのインター・プレイが聴きどころで、かなり息の合ったところを聴かせる。
  M5. "Por el reloj"はフルート・ソロから始まって、ドラムス、ベースがサポート、とにかく歯切れのよいフルートはなかなかのもの。後半はフルートに替わってピアノが前面に出ての演ずるところとなり、最後はカルテットの掛け合いだ。

 全体に、マリア・トロはとにかく歯切れの良いフルートを奏でるというのが信条のようで、テクニカルにも圧倒されるし、ジャン・ミシェル・ピルクのピアノも同様にそのテクニシャンぶりには驚かされるところ。

(視聴)

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