雑誌「ジャズ批評」ジャズオーディオ・ディスク大賞2017
毎年疑問だらけの・・・・「ジャズオーディオ・ディスク大賞」に思う
今年も恒例の雑誌「ジャズ批評」では先日発売された202号で「ジャズオーティオ・ディスク大賞2017」が発表された。中身は「インストゥルメンタル部門」と「ヴォーカル部門」とに別れての発表だが、その他にも「ジャケット部門」「メロディ部門」というのもある。
実はいつもこの大賞の結果をみて、私は不思議というか疑問というか納得に十分至らなかったというのが偽らざるところであった。
そして今回の結果にも納得度は十分でない。果たしてそれは何なのか?、回答は簡単である、つまり私の選ぶところとかけ離れたところがあるからである。
★ まず「インストゥルメンタル部門」では、上位の『Le Voyageur Sans Bagage/Georges Paczynski Trio』、 『Cold Sand/Alessandro Galati』あたりは解るのだが、あの『Ballads/Akira Matsuo Trio』が2位と、なんでこんなに上位に来るのでしょうか?。私から見れば内容の格違いの優秀盤であるあの『Flotin'In/Roberto Olzer Quartet』が7位に居るのですね。そんな事が理解不可能。
★ そして「ヴォーカル部門」では、『In The Still Of The Night/Calabria Foti』が3位(銅賞)です。これ(Foti)は初物で無いが、まああまりそれに変わりないところもの、初物に弱い「ジャズ批評」のクセそのものですね(お笑い)。
その他に銅賞に『Rearrangements Of Shadow/Cheryl Bentyne』が入っていたのは救いですけど。更に26位まで並んでいるが、『Grace/Lizz Wright』が辛うじて入って24位。驚きはなんとあの『Minione/Anna Maria Jopek-Gonzalo Rubalcaba』は、全26位の中に影も形もない。ただし、ざ~と見たところ、選考委員の中で唯一Suzuckさんが6位に入れていることが解って、お見事と言いたいのです。あれが解らないのですかね、ここの選考委員は。それでも救いは、Melanie De Biasioの名前だけでも、会談で出てきたと言うことですかね(いやはや)。
・・・・と、先ずは疑問のほんの一部を取りあげました。そうですほんの一部です。しかしこの疑問もこの号にある特集「ジャズオーディオ・ディスク大賞2017選考委員による新春大放談!!」を読んで、賛否は別としてかなり理解が出来ました。寺島靖国の”音楽とオーディオはぼくのなかでは対等”という話、これが選考基準であるなら聴き取ったオーディオ装置を加味しなかったら全くの手落ち評価になりますね。選考委員が、それぞれ別の装置で聴いての結果では・・・?、装置による差はどこに行ってしまったのでしょうか?。
それにつけても録音・再生音評価であれば、それも基準が全く不明、選考委員の考え方も全くの統一性も無い。これであれば「オーディオ評価」と「作品の内容と演奏評価」にはっきり分けた方がまだ少しは解りやすかったのではないだろうか?。
そんな疑問だらけの「大賞」を今年も見せられた感想でした。それでもこうゆう企画をして楽しもうと言うことの意欲は評価したいです。まあ商業主義がからんでの事でしょうが・・・。
そして追記ですが、この号の「MY BEST JAZZ ALBUM」(ライター編)の特集は、それぞれの個人の好みで有り、個人評価による選考で有り、この方が成る程と理解出来て面白かったですね。
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コメント
風呂井戸さま、お買い上げありがとうございます。
数々の疑問や納得いかにことも含めて、微妙な問題もあるのかな、、
と、おもいます。
特に、音楽とオーディオ装置、この比重は難しいとおもいます。
その辺は、私の中では、、なかなか決着がつかないところです。。
トラバ、ありがとうございました。
ライターの方々のマイ・ベスト、、面白いですよね。
好みの合う方に、勝手にシンパシーをよせちゃっています。笑
投稿: Suzuck | 2018年2月28日 (水) 22時45分
Suzuckさん、こちらにコメント有り難うございます。私の個人的偏見では、そうですねやはり順位を付けるのなら、その基準が大切と言うことですね。演奏とオーディオ効果を一色単に混ぜ合わせるのはやっぱり無理があると・・・・。まあそれはそれとして一年を振り返って素晴らしい盤はやはりありますので、しっかり取りあげることは意義深いと思います。是非広く聴いて頂きたいと思いますし、そうゆう盤は少しでもこのCD不振時代に広く売れて欲しいです。これがミュージック界に貢献することにもなりますので・・・。
ないしょの話ですが(笑い)、まあ、ほんとのところSuzuckさんの選考は、素晴らしいです。見るところのポイントが冴えていました。そうそうTBも有り難うございました。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年2月28日 (水) 23時48分
風呂井戸さん おはようございます。
私個人としては、音楽のウエイトが高いです。(自身良い装置で聴いてないこともありますので)もっとも録音が悪すぎると評価下がりますが…。
音楽が月並みでも録音が良く、良いオーディオで聴くと評価上がるのかもしれませんね。
確かにそう考えると評価者それぞれの装置の違いで、評価も変わるのかもしれませんね。
ところで「インストゥルメンタル部門」の11作品、まだ1枚も聴いていませんので、私には、その優劣は、言えませんが、風呂井戸さんの思われている感じだなと思います。
優秀盤と評価されているROBERTO OLZER 「Floatin’ In」は、以前からたいへん気になっていました。ぜひ入手してみたいと思います。
(ネットで探していたらdisk unionのあるアルバムタイトル下のキャッチフレーズで「日本でも人気の女性ピアニスト・・」となっていましたが…?)
投稿: baikinnmann | 2018年3月 4日 (日) 04時33分
baikinnmannさん、朝早いのですね。・・・早くからのコメント恐縮です、有り難うございます。
最近のStefano BattagliaやGOGO PENGUINなどのお話し拝見しています^^)。
そうですね、アルバム評価は例えば「レコード芸術」誌のように、演奏内容評価と録音評価を列記していますが、それがやっぱり私からみると非常に参考になりますね。もともと「好み」の絡んでくる話ですから、この両面からみても人それぞれ異なる訳で、やっぱりこの両者の混ぜ合わせ評価は、更に混乱が生じます。よって今回の「Ballads」銀賞なんてこともおきるのですね。どちらかのある意味では銀賞なんでしょうが、読者には解りません。なにせ評価者によって0点と満点の10点の混在ですから。まあそんなつもりで・・・楽しめばよいと思っています。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年3月 4日 (日) 12時24分