エドガー・クネヒトEdgar Knecht 「DANCE ON DEEP WATERS」
<My Photo Album (瞬光残像)> 2018-No9
「瞬光・・・・」 (Feb. 2018 撮影)
とにかくピアノの美旋律に酔う
<Jazz>
Edgar Knecht 「DANCE ON DEEP WATERS」
Ozella Music / Germ. / OZ 047 CD /2013
Edgar Knecht(p), Rolf Denecke(B)、Tobias Schulte(Dr)、Stephan Emig(Perc)
昨年の寺島靖国の人気コンピレーション・アルバム『Jazz Bar 2017』(TERASHIMA RECORDS/TYR-1061)(→)の冒頭を飾ったEdgar Knecht による"Lilofee"という曲がある。これが又何とも言えないピアノの美旋律、色々と好きでこの道は聴いてきたとはいえ、とにかく私の知らなかったピアニストである。そんなことで探ってみたのがこのアルバム。
これは2013年リリースものであって(その後のニュー・アルバムは無し)、遅まきながら寺島靖国は、2017年盤の「Jazz Bar」に選んでいるのだが、それは多分これを落としておいてはいけないと言うことだったのかも知れない。
このエドガー・クネヒトEdgar Knecht はドイツのジャズ・ピアニストだ。1964年生まれというから、既に円熟期。
これはピアノ、ベース、ドラムスのトリオに、曲によりパーカッションを加えてのカルテット作品で、1stアルバムは2010年の『GOOD MORNING LILOFEE』(OZ 032CD)で、それに続いてのこれは同メンバーによる2ndアルバムだ(Dr, Perc は若者)。それからすると彼名義のアルバム・デビューは、経過はわからないが遅咲きといえば遅咲きである。
(Tracklist)
1. Lilofee
2. Gedankenfreiheit
3. Tiefe Wasser
4. Nachttraum
5. Fenjas Lullaby
6. Schwesterlein
7. Frhling
8. Wiegenlied
全曲、エドガー・クネヒトのオリジナル曲構成だが、彼の自国ドイツのトラッド、フォークをベースにしての作品が主力のようだ。その為か、なんとも郷愁を呼ぶ優しさとメローなムードそのものの曲が出てくるのだ。彼のピアノの美旋律もこれでもかとふんだんに散りばめられている。
特にM1. " Lilofee" 、M3. " Tiefe Wasser"、 M5. " Fenjas Lullaby" とそこにある美的世界は、ユーロ独特のクラシック調のすがすがしさも感じられる。
M6. " Schwesterlein"を聴いてみて解るが、ピアノ以外にもベースにもどこか美の味付けのあるところが感じられ、その活躍も快感である。この曲は後半のアップテンポに於いてみられるパーカッションの活躍と、カルテット4者の息が合っている様は極めて印象は良い。
M7. " Frhlig"この曲のように、いかにも民族フォークの流れからの曲もある。
最後のM8. "Wiegenlied" は、ゆったりと静かな中にこのアルバムの価値感を高めるべく郷愁と思索の心の安まる世界を演出していて、クネヒトの心が滲んでいるようにも聴けた。
オーソドックスなピアノ・トリオにパーカッションを加えたこのカルテット構成は、クネヒトにとっては納得してのパターンとして演じてきているようだ。とくに長めの曲はスタートはピアノの美しく優雅な調べからスタートして、次第に後半にアップ・テンポに変化して締めくくるパターン。そのアップ・テンポにおいてパーカッションが生きてくる(M2, M4, M6)。
どこかクラシック調の流れもあって品行方正(笑)にしてオーソドックスなアルバムといったところで、あらゆるミュージック・ファンに愛されそうだ。
(評価)
□ 曲・演奏: ★★★★★ (ジャズの芸術性を極めるというので無く、あらゆるジャンルに適応する世界を描ききったところを評価)
□ 録音 : ★★★★☆
(視聴)
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コメント
初めまして。
Stephan EmigはTriosenceのメンバーでもあり、こちらではドラムで参加しております。個人的には、Turning Pointsがおすすめです。Triosenceのサイトを見ると、Tingvall TrioのOmar Rodriguez Calvo(base)が参加しているようです。この世界って繋がりが凄いですね。
投稿: mwbeaks | 2018年4月 4日 (水) 21時45分
mwbeaks さん、コメント有難うございます。
PercのStephan Emigは、そうゆう繋がりがありましたか。ここではTrio+αの「α」といった役ですね。Triosenceは、「When Time Stands Still」あたりを聴いてますが、あまり深入りしていませんでした。
ユーロの国を超えた関係は今やあたりまえのようですね。活気があってよいと思います。
投稿: 風呂井戸(photofloyd) | 2018年4月 5日 (木) 09時37分