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2018年3月21日 (水)

ジャズとオーディオ 寺島靖国「テラシマ円盤堂~曰く因縁、音の良いJAZZ CD ご紹介」

<My Photo Album (瞬光残像)>       (2018-No6)

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「待つ」   (Feb. 2018 撮影)

オーディオ的感覚でジャズを聴く楽しさ

<書籍>
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寺島靖国「テラシマ円盤堂~曰く因縁、音の良いJAZZ CD ご紹介」


音楽の友社 2018年3月1日発行

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 こうゆう書籍の発行されるのは歓迎ですね。主たる内容は雑誌「STEREO」雑誌と「レコード芸術」に連載された記事の総集編である。今やジャズ愛好家の中では知らない人はいないと言われるぐらいのジャズ評論家であり、寺島レーベルでCDのリリース、そして本来のジャズ喫茶のマスターというトリプルに活躍中の寺島靖国の執筆ものだ。

 なんといっても、「STEREO」誌の「寺島円盤堂」は2013年からの56題、毎月一題であるので5年分。又「レコード芸術」誌の「クラシック・ファンのための音のいいJAZZ CD」が60題、これも5年分という総集編。興味のある私にはいっぺんにこうして見れるのは有り難い。もう忘れていたものも多く、懐かしく見れるところも楽しいのである。

Photo_2▶ 巻頭言「オーディオでジャズを楽しむ悦楽」
寺島靖国と言えば、ジャズ・ファンであると同時にオーディオ・ファン。なにせここでも書いているが、彼はCDの評価に音楽とオーディオどちらに重きを置くかという事になると、それは”7:3”でオーディオという位の大将である。これはまさに極端だろうと思うが、私だったらと考えると”7:7”と言いたいですね。それじゃ10を越えていると言われるが、”5:5”とは言いたくない。つまり両方極めて重要と言いたいのです。こんな話は余談だが、そんなファン心をしっかり掴んだ寺島靖国の話は100%賛成とは言わないが、極めて興味深く又参考になる話なのである。
 もともと今日の若者には、かってのオーディオ・ブームなんかは知らないわけで、とにかく秋葉原の電気街は殆どがオーディオ関係で一色になった時代を過ごしてきた私のような高齢者は、極めてオーディオには関心があるのである。

総集編「寺島円盤堂」
 
ここで面白いのは2013年8月号の「ジェーン・モンハイトはCDを聴くにかぎる」ですね、ジャズ・クラブのライブに赴いたら、ロシアの中年婦人がジェーン・モンハイトの顔をして現れた。・・・・と、やはり女性ヴォーカルは、CDによって性能の良いオーディオ装置で、自分にとって魅力ある女性を頭に描きつつ聴くのが良いってことですかね。
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 一方この企画の中でも、やはり録音技師の重要性を訴えていますね、特に注目は最近のイタリアのステファノ・アメリオ(ex : Alessandro Galati Trio盤など)(→)、フランスのヴァンサン・ブルレ(ex : Georges Paczynski Trio盤など)ですね。この点は私も最近非常に注目しているところです。彼はブルレがお気に入りのようだが、私はどちらかと言えばアメリオですね。

「クラシック・ファンのための音のいいJAZZ CD」
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寺島靖国とすれば、ヘイリー・ロレン(→)とかカレン・ソウザはやっぱり注目株のようですね。
 又イゴール・ゲノー・トリオのアルバム『ROAD STORY』の低音を代表的に録音の素晴らしさを書いています。実は私はこのアルバムのリリース当時に、このブログで取りあげているんですが、私の評は”このトリオはなかなか三者のバランスのとれた演奏の展開で、今後も私のような抒情派には向いている。まさに期待株である。又、このアルバムは録音も良く、ピアノの音は勿論、ベースの響き、ドラムス、シンバルの音などクリアーで良い”と当時書いていて、フムフムと寺島靖国の評価にニンマリしているんです。
 又面白いのはキース・ジャレットは嫌いのようだが、私のお勧めの1980年代末のアルバム『Changeless』(ECM/POCJ-2016)は評価しているようですね。

▶ 「寺島靖国ジャズオーディオ世界」
 さて、この本には上記の2つの総集編の他に、巻頭言と「寺島靖国ジャズオーディオ世界」と称して①から⑧までの8つの特集も収載されている。

Contralaindw①ジャズオーディオ世界遺産 ~この音を聴け CDベスト10
   
Bobo Stenson Trio「Contra La Indecision」(→)が入ってます
②巻頭対談 寺島靖国Vs後藤雅洋「ジャズとオーディオの濃密な関係」
   
かってのシャズにはJBLという絶対論が懐かしい
③クロスポイント/音楽とオーディオの交差点~お気に入りディスクは、こんなシステムで 対談寺島靖国×山之内正(オーディオ評論)
   
ジャズとオーディオ・システムの関わり方
④試聴室のオーディオシステムとジャズ喫茶Megのオーディオシステム
   
CD再生の装置に於けるポイント-ケーブルの話、スーパーツイーターの話
⑤ジャズオーディオ、気になる機器探検
   
スピーカー論
⑥クロスポイント/音楽とオーディオの交差点~お気に入りディスクは、こんなシステムで 対談寺島靖国×鈴木裕(オーディオ評論)
⑦「メグ・ジャズ・オーディオ愛好会」イベント紹介/林正儀
   
人それぞれのオーディオ感覚
⑧「寺島レーベル推薦盤レビュー」音で聴くジャズを実践。オーディオファンにも好評なCD/林正儀

 なかなかここまで多くのジャズ・アルバムを取りあげて、オーディオ的感覚で聴いて行こうという評価をするのもそう多いわけでなく、その為結構面白く見れた本でした。
 もともと寺島靖国は、ピアノ・トリオ・ファンであったり、ユーロ・ジャズに興味は深いと言うことなど、私からみればその点も同感であって、そんな為かこの冊子は親近感を感じた点でもあったかも知れない。
 更に現実的なオーディオ機器における装置の改善のポイントなどの話の特集もあって、そこそこに興味をそそって参考になったというところです。

(PS) 私はステファノ・アメリオStefano Amerio派という話をしましたが、その好例は、Alessandro Galatit『WHEELER VARIATIONS』(SCOL-4024)にて聴くことが出来ます。

(参考視聴) 寺島靖国ジャズ喫茶「Meg」

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コメント

音楽が徒歩で持ち歩けるようになってから、HiFiオーディオへの興味がなくなったような気がいたします。音への集中度が希薄になるから、聞くものも替わってきたし、逆に集中してると危ないですからね。

で、今電車乗ってこれ聴いてます。車内ノイズに負けない音です。

https://www.youtube.com/playlist?list=PL1Tb6ck0XlCFar_7x1vItAVN413aMoq_u

投稿: nr | 2018年3月21日 (水) 15時02分

nrさん、こんにちわ。お久しぶりです。
やっぱりあの辺りからですかね・・・。
 私は聴くとなると自宅、電車、車の3っですかね。当然その環境によって聴くモノも異なってくる。気分によっても異なってくる。
 若い連中にとっては、自宅で一人でゆったり聴くなんて環境は今や無いのでしょうね。とすればオーディオ環境はおのずから徒歩、電車、車ですか?。それだと当然聴く曲のジャンルは決まってくるし、CDなんたるモノも不要になるわけだ。これじゃオーディオ界も寂しい限りですね。
 オーディオってやっぱり年寄りの遊びだったか?。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年3月21日 (水) 18時12分

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