チェット・ベイカーChet Baker & Bill Evans「THE COMPLETE LEGENDARY SESSIONS」
[My Photo Album (瞬光残像)] Spring/2018
(我が家の庭から・・エゴノキStyrax japonicaの花 D800,90mm,1/125sec,F5.6,ISO1600 )(15,May,2018)
宝物は更なる宝物になれたか・・・・・
<Jazz>
Chet Baker & Bill Evans「THE COMPLETE LEGENDARY SESSIONS」
STATE OF ART RECORDS / Euro / STATE OF ART 81219 / 2018
New York 1958-1959
24BIT DIGITALLY REMASTERED / STEREO
トランペッター・チェット・ベイカーChet Baker(1929-1988) といえば、とにかく私にとっての名盤は『CHET~ballards by CHET BAKER』(Reverside/RLP12-299/1959)なんですが、Bill Evansとの共演をはじめ、参加メンバーも豪勢でとにかく人気盤。勿論当初はモノラル録音盤であり、それがステレオ盤になり、このところ音質重視で復刻LP盤のリリースも、又リマスター盤ということで近年はCDとしては、Chet Baker/Bill Evans 『Alone Together』 (Jazz Images/Euro/JIM38003/2016)があるのだが・・・・。
ここに来て『THE COMPLETE LEGENDARY SESSIONS』(←)というものも出ている。かってのReversideの『CHET』なども持ち合わせているのであるが、24ビット・リマスター盤ということと他のセッションの数曲追加の全15曲のアルバムリリースであってのことで買ってみたという訳である。
とにかくチェット・ベイカーといえば、悲劇のミュージシャンのレッテルは今日に於いても貼られている。1950年代半ばにおいては、所謂美男子、トランペット演奏も一級、唄も歌えると、時代の寵児とも目され、マイルス・デイヴィスをも凌ぐ人気を誇っていたわけである。
しかしこのアルバム録音当時の1950年代後半から1960年代にかけてはあのヘロインに耽溺してしまい、その為このドラッグ絡みの事件を数多く起こして、米国はじめ公演先の国でも逮捕されたりしていた上に一時服役もするという状態に陥った。
更に、1970年にはドラッグ絡みの喧嘩騒ぎで前歯を折られるという事もあったようで、演奏活動を休止したりした。その後復活したが、1975年頃より活動拠点を安堵を求めてか主にヨーロッパに移した。
そして1988年5月13日、オランダアムステルダムのホテルの窓から転落死、その原因は定かではなく自殺説もある。
ところでこのCD盤だが、名盤『CHET』 と作曲家チーム、ラーナー& ロウ楽曲集『Chet Baker Plays The Best Of Lerner And Loewe』からの合計14曲のチェット・ベイカー、ビル・エヴァンスの共演セッションを完全収録を売り物に、ボーナス・トラック1曲を加えたもの。
さて、問題のこの24BIT DIGITALLY REMASTERED の音であるが、Reversideから数年前にサービス日本盤として出されたCD(MONO/UCCO-99047)と比較してもはっきり言ってそう大きくは音質は高まったとは言えない。シンバルやフルートは右から聴こえてくるようにステレオ化は成されては居り、トランペット、サックスの響きにやや味付けを感じたが、どうもこれは私の期待が大きすぎたのか、そんなに目をみはるような大きな意味は無かった。
又私のようにBallards好きからして聴いてみると、追加のセッションものはそれ程面白い訳でも無く、これも期待は空振りであった。そうは言ってもこの時代物をこれだけの内容、そして音質向上の努力の結果には敬意を表したい。初めてのこの『CHET』ものを入手するのであれば、当然これをお勧めするところだ。
と、言うところで・・・・今や無きものに何か期待して新しい感動をつい求めてしまうのは、これぞファン気質というところか?。満足できる新しい発見があれば、それはそれ幸せと言うことだから。
(評価)
□演奏・ :★★★★★
□録音・音質 :★★★★☆☆
(参考視聴)
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