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2018年6月21日 (木)

話題のハイレゾCD=MQA-CD 登場 ~CD革命~ まずは日本から

CD低迷期に登場した「新CD」は、新たなCD時代を築けるか?
~ハイレゾ音源をCDに格納・保存、今までのCDプレイヤーで再生~

  (宣言) 私はこれを支持する!!

 しかし、現代のデジタル処理技術も凄いですね。オーディオ再生がその高音質化の流れの中で、ハイレゾの価値感が認められ、既にCDから離れて、デジタル・データとしてのネット配信が主流となりつつある時に、一方ではアナログ時代の高音質に再び回顧し、LPとしての価値が高まりつつある時に・・・・・なんとCDの逆襲だ。

 高音質ハイレゾCDの 「MQA-CD」 (Master Quality Authenticated-CD)が遂に登場!!
  

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 なんと、私は現在の手持ちの機器そのままで、このハイレゾCDからハイレゾ再生が出来るのである。そこで既に試みてみたのである。(ただしDACを持たないCDプレイヤーはハイレゾ再生不可)

「JAZZ  Hi-Res CD Sampler」
Unversal Music / JPN / UCCU-40126/7 / 2018


Jazz1

Cannonball Adderley、Miles Davis、John Coltrane 、Stan Getz、Joao Gilberto、Art Blakey & The Jazz Messengers、Oscar Peterson Trio、Anita O'Day、Bud Powell

Tracklist

1. 枯葉 / Cannonball Adderley、Miles Davis
2. セイ・イット / John Coltrane
3. イパネマの娘 (Stereo Version) / Stan Getz、Joao Gilberto
4. モーニン / Art Blakey & The Jazz Messengers
5. 酒とバラの日々 / Oscar Peterson Trio
6. オールド・デヴィル・ムーン / Anita O'Day
7. クレオパトラの夢 / Bud Powell
8. ザ・キャット (Album Version)

 なんと上のようなミュージシャンの1950年代の録音モノが、MQA-CDサンプラーとして登場。この時代モノが、クリアにしてメリハリのある、しかも奥行き感たっぷりの驚きの高音質で聴けるので、とにかく万歳である。これなら今後どんどんリリースして欲しい(MQA-CDの音のにじみはCDの1/400と言う)。

Mqa01Mqa02

 

  まあとにかく更なる驚きは、なんと言ってもあのCDに、これだけ高音質のハイレゾ音源の大量データをロスレスで納めてしまう圧縮技術が成功し、しかもそれを今までの一般のCDプレイヤーで読み取ることが可能にした事だ。
 ただしそのデータは、MQA-デコーダー内蔵の機器であればハイレゾ・サウンドを再生出来る(発売されたもの MQA 88KHz~348KHz/24bit)。又今までのMQA非対応機器であれば、CDと同じようにハイレゾではないが再生は可能(44.1KHz/16bit)、しかしそれも従来のCDよりは音質の改善は確実にあるという代物。

そこでハイレゾ対処法として、

 全くの従来のMQA非対応一般CD再生機でハイレゾ再生したい場合↓
      
   「MQAデコード対応DAC」を追加・・・・CDプレイヤーに接続でOK

 (私の場合) DAC内蔵のプレイヤーで、CD-ROM読み取り可能、更にUSB端子のあるプレイヤーを使っている場合↓
             
   このMQA-CDから「FLACファイル」等としてリッピング可能で、そのデータをプレイヤーに読ませれば、特に別に購入機器なしでハイレゾ・サウンドの再生可能となる。今回は私はこの方法で、特別機器の導入なしで聴いている。

 このように特徴は、データはSACDとは違って、一般CDプレイヤーで読み取り可能であって、そのデータはそのまま今までのCDのように再生出来ることと、又「MQAデコーダー」を介する事によってハイレゾ・サウンドの再生が可能という、なんとも言えない便利CDの登場となったのである。

 そしてこの6月、世界に先駆けて日本でUniversal Musicから、このMQA-CDのソフト(CD)が発売を開始したのである(一枚のMQA-CDはUHQCD仕様で約2500~3500円と従来と変わらない)。とにかく従来のCDと同じ扱いでハイレゾ・サウンドが身近になるという歴史的展開がスタートしたのである。そして価格もそう高くない。それはMQA-CD作製のプレス工場でMQA対応機器を購入するという設備投資の必要なく、通常のCDと同じようにプレス出来るからである。

 人気のあの高額な重量級LP再生は、ここに来て恐ろしいライバルの登場となった。又手元にしっかりCDとして置いておきたい輩にとっては、ネット配信データよりは確実に楽しめるものの出現となった。

(MQAの特徴)
  MQAとは、英国Medridian(ボブ・スチュアートが1977年創立。CDプレイヤー、アンプの製造開発)が提唱した音楽データの形式。2014年に発表されたもの。その一つは、時間的ボケ、ブレを減らして高音質に(この為、ハイレゾ再生で無く従来のCD再生でも音がよくなる)、二つ目は独自の圧縮技術によって高音質を保ったままで、大量データを軽量化した。そして従来機器との互換性を確保した。更にCD音源、ダウンロード音源、ストリーミング音源の全てに対応している。

(現実のところ)
3 Universal Musicでは、このMQA-CD(高音質のデータ)とUHQCD(高音質のCD素材盤質)を組み合わせて、クラシック、ジャズ、ロック、ポップス分野で発売を開始した。

 多分、あっと言う間に日本の音楽サービスは、このCDによって展開するだろう。


(参考)      
 

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2018年6月18日 (月)

なんとなく好きな曲(1) 「Cry Me A River」~歌姫の競演

 特別な意味は無いのだが、昔からなんとなく好きな曲(歌)があるもので・・・・そのうちの一つにもう60年前の曲で、今でも女性ジャズ・ヴォーカルのアルバムにはよく登場する「Cry Me A River」だ。

 この曲は、近年ロックの大御所にもなりつつあるジェフ・ベックもギター・ソロで演じたりと、登場は延々と今日に繋がっているのだ。そこで取り敢えず最近この曲を唄いあげた歌姫を聴き比べてみようと、手元にあったアルバムから取り出して並べてみたところ十数曲となった。

         ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

Jl1 もともとこの曲は1955年にジュリー・ロンドンJulie London(1926-2000 (→))の歌唱で米国で大ヒットしたものだが、作曲・作詞者はアーサー・ハミルトンArther Hamilton(1926-)である。この曲も意外に難産で、当初は映画音楽(「皆殺しのトランペット」)として作曲されたのだが却下され、なんと映画企画者で監督・主演のJack Webbがこの曲を惜しんで、自分と離婚したばかりのジュリー・ロンドンに紹介したというのである。そしてジュリーは、ギターとウッド・ベースのデュオをバックに唄いあげてヒットとなったものだ。これによりB級女優であったジュリーは一躍歌手として脚光を浴びることになったというもの。

 私が昔初めて聴いた当時は、当然このジュリーの唄ったものだが、歌の歌詞の内容などは特に理解もせず気にもしないで聴いて気に入っていたのだが、一度は裏切りながら復縁を乞う恋人に向かって”いまさらもう遅い、川のように泣くがいい”といういやはや”恨み節”と言えるバラード曲なんですね。しかし究極はそう言いながらも受け入れる女心を臭わせるのが良いのかも。

  そして1956年には映画「女はそれを我慢できないThe Girl Can't Help It」にジュリーは特別出演してこの曲を登場させ、世界的ヒットとなった。

         ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~ ~

そこで私が作製したCD(勿論、私のプライベイトのもの)

「CRY ME A RIVER」 selected by photofloyd

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1. Jeff Beck
2. Imelda May
3. Julie London
4. Nicki Parrott
5. Cheryl Bentyne
6. Diana Krall
7. Ilse Huizinga
8. Lyn Stanley
9. Hetty Kate
10. Barbora Mindrine
11. Alexis Cole
12. Halie Loren
13. Tierney Sutton

 

  どうですか、結構興味深いメンバーが集まりました。

Imeldamay_30 ”さあ、皆うまく歌えよ・・・・”と言う感じで、Jeff Beckの演奏からスタートさせた。そして歌姫トップは、ジェフとのコンビの私が言うところのあちらの美空ひばりImelda Mayの歌から始まる(実は美空ひばりもこの曲を日本語歌詞で歌っていますが、良い音源が手元に無し)。このイメルダはロックでもジャズでも何でもこなす、上手いです。そしておもむろにJulie Londonの登場、今聴いても情感の表し方は古くさくなくお見事。そして続いて今や花形のヴォーカリストを登場させるというパターン。いやはやそれぞれ皆個性ありますね。

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 Nicki Parrottは無難に唄っていますが、ちょっと情感が少ないかな。Cheryl Bentyneはバックのトランペットが効いてジャズっぽい。Diana Krallはやっぱり独特のクラール節。Ilse Huizingaはやや大人しいかなぁ、ちょっと既成のイメージとは違う。Lyn Stanleyはバックのサックスと共に大人ムード。Hetty Kateは情感抜きの異色派。Barbora Mindrineはバックこそ違ってもジュリー派。Alexis Coleは唄い聴かせる派。Halie Loren は小節を効かしての自分派。Tierney Suttonはまさに彼女の世界で歌い込む、別の曲かと思わせる。

 こうして並べて聴いていても、それぞれに個性があって飽きないところが味噌。従ってまだまだ多くの女性ヴォーカリストがこれからも聴かせてくれることが楽しみな曲である。

Cry Me A River
             (Arther Hamilton)

Now you say you're lonely
You cry the long night through
Well, you can cry me a river
Cry me a river
I cried a river over you

Now you say you're sorry
For being so untrue
Well, you can cry me a river
Cry me a river
I cried a river over you

You drove me, nearly drove me, out of my head
While you never shed a tear
Remember, I remember, all that you said
You told me love was too plebeian
Told me you were through with me and

Now you say you love me
Well, just to prove that you do
Come on and cry me a river
Cry me a river
I cried a river over you
I cried a river over you
I cried a river...over you...

 今頃になって あなたは「淋しい」なんて言うのね
一晩中 涙に暮れながら
だったら たくさんお泣きなさい
川のように泣くといいわ(涙が川になるまで泣いてみせて)
私だって あなたの為に たくさん涙を流してきたんですもの

今さら 「すまない」なんて謝られてもね
自分がどんなに不実だったかを
だったら たくさんお泣きなさい
川のように泣くといいわ
私だって あなたの為に たくさん涙を流してきたんですもの

あなたが涙しなかった時も
私はどれほどあなたに夢中だったことか
忘れもしないわ あなたが私に言った事
恋なんて バカらしいとか
私とはもう終わっただとか

それなのに
今さら あなたは「愛してる」なんて言うのね
だったら それを証して見せて
川のように あふれる涙で
        (ネット上でみた日本語訳を拝借)



(視聴)

* Imelda May

* Diana Krall

* 美空ひばり

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2018年6月14日 (木)

(検証シリーズ) ステファノ・バターリア・トリオStefano Battaglia Trio検証  アルバム「In The Morning」

心を癒やし、深層に浸透していく神秘的世界を描く

<Jazz>
Stefano Battaglia Trio 「In The Morning」
ECM / GERM / ECM 2051 2768055 / 2015

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Stefano Battaglia(piano)
Salvatore Maiore(double bass)
Roberto Dani(drums)
Recorded April 28, 2014 Teatro Vittoria, Torino
Produced by Manfred Eicher
Engineer Stefano Amerio


Sb1w イタリアのステファノ・バターリア(バタグリア)Stefano Battaglia に関しては、ECMレーベル愛好家にて結構その筋での支持者がいるのだが、私としては、じっくり聴く機会も無かった為、ちょっと反省(笑)して、ここで聴き込こもうとしているのである。
 近作にピアノ・ソロ盤2枚組『Pelagos』(ECM/5768968/2017)がリリースされていてなかなかハイレベルの作品として評価されているが、ピアノ・トリオ好きの私としては、まずは彼のその筋の最新作はこの2015年のアルバムECM6作目の『In The Morning』であるので、そこから2011年のアルバム『The River of Anyder 』と共に聴いている。

(「In The Morning」Tracklist)
1.  In the Morning
2.  River Run
3.  Moon And Sand
4.  When I am Dead My Dearest
5.  The Lake Isle of Innisfree
6.  Where Do You Go?
7.  Chick Lorimer
(Music by Alec Wilder,  arranged by Stefano Battaglia)

 ステファノ・バターリアは、2003年に自身が尊敬しているというBill EvansやPaul Bleyなどに焦点を当ててのアルバム『Raccolto』(ECM/051117-02)でECMデビューを果たした。
 この6作目は、米国のコンポーザーであるアレック・ワイルダーAlec Wilder(1907-1980)を取りあげている。このワイルダーは、ペギー・リーとかフランク・シナトラなどが歌っていたポピュラー・ソングやクラシックの室内楽、オペラなどの作曲家として知られる人だと言うが、私は知らなかったに等しい。彼はこの作曲家の音楽世界の深い部分に引きつけられていて、ここに挑戦しているのだという。ライブ録音盤である。録音は今や注目のステファノ・アメリオであり素晴らしい。

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 曲はやっぱりイタリア的なしっとりねちこいと言うタイプでない。その分だけイタリアものとしてはちょと別モノのスッキリした抒情性である。私はこのワイルダーの曲に詳しくないので、どれもオリジナルな新曲に聴ける。そしてそれを優しく描くバターリアのピアノは美しい。なにかジャズものを聴いているとは思わない別の世界にいるような気分にもなる。

 M5. " The Lake Isle of Innisfree" は、極めてECM的世界である。トリオそれぞれが一つ一つの音を大切に余韻を味わうべく展開する。15分以上の長曲であるが、途中から明解なピアノのリズムが心を癒やす如く流れ、今度はベースが心の奥に浸透して行く。そして中盤になって、シンバルとピアノによる深層の世界に・・・・と、とにかくアメリオの録音がよく静寂の中に響く音に集中してしまう神秘的世界。これは一人で静かに聴くに最高の曲で、この会場ではどんな雰囲気だったんだろうと想像してしまう。最終章では聴きやすい心地よいピアノを主体としてのリズムが流れトリオの音で満たされて、安堵の中に終わる。

 とにかく全曲きわどいパターンはなく、心に響く優しさと深遠なる響きで貫いていて、曲の合間に入る拍手の会場の音が、聴いている私にとって、ふと我に返るというところである。強いて言えば、最後の曲 M7. " Chick Lorimer" のみ異色で有り、トリオそれぞれの自由度が高い中に乱れの無いハイセンスな技巧を聴かせ、彼らのトリオとしての存在を示している。ただ優しさだけで無く、テクニシャンぶりを訴えてこれで締めくくりたかった気持ちが解るところだ。

(評価)
□ 演奏 ★★★★★☆
□ 録音  ★★★★★☆

■参考としてもう一枚のトリオ・アルバム■
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Stefano Battaglia Trio 「The River of Anyder」

ECM / GER / ECM 2151 8055 / 2011

Stefano Battaglia (p)
Salvatore Maiore (double-b)
Roberto Dani (ds)


  こちらのアルバムは、ECM的世界そのもの。私にはよく解らないが、イギリスの思想家サー・トマス・モアの著書『ユートピア』に出てくるAnyder川に流れる透き通った水をテーマにとの事。この川をはじめ他にも神話や伝説で知られる場所を彼の世界で描いたという作品。全曲Battagliaのオリジナル曲。これこそ彼らの自然から受ける時代を超えた情景を描いている叙情詩。自然と人間の高尚なる存在に目を向けさせる世界感を持ったトリオなのだ。

(視聴)

*     *

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2018年6月10日 (日)

(美女狩りシリーズ)カティア・ブニアティシヴィリKhatia Buniatishvili 「Kaleidoscope」 

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若き飛んでる女流ピアニストのムソルグスキーの「展覧会の絵」

<Classic>

Khatia Buniatishvili 「Kaleidoscope」
Sony Classical / EU / 88875170032 / 2016


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「Kaleidoscope」
Khatia Buniatishvili, piano 
Recorded: 23-26, 8, 2015  


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今や話題の女流ピアニストのカティア・ブニアティシヴィリKhatia Buniatishviliのピアノ・ソロ・アルバムとしては最新作である(2016年リリース)。彼女はまあはっきりいうと良きにつけ悪しきにつけ「飛んでるミュージシャン」ですね。
  所謂クラシック・ミュージシャンのイメージからみれば、型破りな存在である。1987年ジョージア(旧称グルジアで、女性ヴォーカルではケイティ・メルアとか、日本の相撲で言えば栃ノ心だ)生まれであるから、30歳になったところだ。6歳よりリサイタルやオーケストラとの共演を行っているというから並とは違う。又女性としての魅力を十二分に披露するところも積極的、美貌を売り物にスタイル、ファッションも堂々とアピール。そして詰まるところ彼女の演奏にも型破りなところは随所に見られ、それも今や批判組を圧倒して支持者が増えているのである。

List 
CDデビューは、2011年ソニー・クラシカル専属としてリスト作品『FRANZ LIST KAHTA BUNIATISHVILI(Sony Classical/88697766042)(→)であった。これは最近あらためて仕入れて聴いた盤。演奏は派手というかメリハリはかなりある。自由奔放さと激しい演奏を演ずるところは、アルゲリッチにも似ていると評されたところだが、その通りである。やはり少々荒々しさが勝っているかと言うところであった。

 さて話は戻って今回のこのアルバム「Kaleidoscope」の中身は・・・

〇Mussorgsky (1839 - 1881) / Pictures at an Exhibition (piano version)
  ムソルグスキー:組曲『展覧会の絵』
〇Ravel (1875 - 1937)/ La Valse  ラヴェル:ラ・ヴァルス
〇Stravinsky (1882 - 1971)/ Three Movements from Petrushka
  ストラヴィンスキー:『ペトルーシュカ』からの3楽章



 驚いたことに、今時はこうしたクラシック・アルバムに「Kaleidoscope(万華鏡)」というようなタイトルを付けるんですね。選曲がらみと演奏とで確かにそんな印象はあるのだが、又ジャケも既成観念からするとクラシックぽくない。

 さて、このアルバムの注目はやはりモデスト・ムソルグスキーの「展覧会の絵」だ。これにはもともとのピアノ版(1974年「ピアノ組曲」として発表)とオーケストラ版(モーリス・ラヴェルによる管弦楽に編曲されたもの)がある訳だが、私はCD時代になって親しんできたのは、アルフレッド・ブレンデルのピアノによる1985年録音盤「Alfred Brendel/PICTURES AT AN EXHIBITION」(PHILOPS420 156-2)(↓左)であった。(時には、オーケストラ版として、アンドレ・プレヴィン指揮ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の1985年録音盤「André Previn/PICTURES AT AN EXHIBITION」(PHIRIPS416 296-2)(↓中央)も聴いて来た)
 一方、クラシック版の話をしているのにロックの話はちょっとまずいかも知れないが、好きなのは、かってのE.L.P.のアルバム「Emerson, Lake & Parmer/展覧会の絵」(↓右)だ。

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 なんとここに来て、改めて若き女流ピアニストのこの「展覧会の絵」を聴くことになったのだった。
 勿論これはクラシック演奏なのだが・・・・私はこのカティア・ブニアティシヴィリの演奏を聴いてなんとジャズ的な世界も頭に描いていた。それは演奏にある彼女の特徴である型破り性にある。クラシック・ピアニストは、それを極めてゆくうちにジャズ・ピアニストとして自己を主張してゆくようになることが多い(アンドレ・プレヴィンはクラシックとジャズの双方をこなしている)。しかし彼女はクラシック畑に留まって古いしきたりを破りつつ独自の世界を切り開こうとしているところが、如何にも現代的な若者の世界である。

 つまりこのアルバムの「展覧会の絵」も、スタートの「ブロムナード」は極めてスローにしてソフトであって、まずここから何が起こるのかと不安と期待を抱かせる、この手法も悪くは無い。それも「グノーム」にてのインパクトを聴かせたいのだろう。彼女の得意の速弾きから考えると「古い城」も遅めのソフトにゆったりしている。それも「ブィドロ(牛車)」になっても打鍵は強くなるもるも、まだスローな流れは続く、そして「ザムエル・ゴールデンベルグとシュムイレ」では速緩と強弱の変化はかなり強め、 「リモージュの市場」になって早い展開をみせ、続く「カタコンプ」は再び極端にゆったりと変化。 「にわとりの足の上に建つバーバ・ヤーガの小屋」の強打音と早い流れに入って、成る程これを印象づける一つの手法であったのかと思う。 「キエフの大門」は壮大に展開するところは頂きだ。

Kb2 不安定なリズム感と躍動感、全体的な無計画さというところを指摘もされる彼女だが、見方によっては大胆でありながらも繊細さをも持ち合わせ、意表を突く演奏で結構楽しめる。独自の音楽を聴かせようとする試みはクラシック界でも今や貴重な存在だろう。
 もう一つ、なんと言って良いか、ライブ演奏での彼女は時として犯すミスタッチや曲の流れの独自解釈による破綻も美貌や演技で帳消ししてしまうという離れ業があるようだが、今やそれを容認しているクラシックを聴く方も時代の変化の中にいるのだなぁ~と思うのである。

(評価)
□ 演奏 ★★★★☆
□ 録音 ★★★★★☆

<Khatia BuniatishviliのDiscography & Biography>
2011年 Franz Liszt ピアノソロアルバム
2012年 Chopin 協奏曲(パリ交響楽団、パーヴォ・ヤルヴィ指揮)
2014年 Motherland ピアノソロアルバム
2016年 Kaleidoscope ピアノソロアルバム
2016年 DVD/BLUE-RAY リスト・ベートーヴェンピアノ協奏曲(イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団、ズービン・メータ指揮)
2017年 Rachmaninoff ラフマニノフピアノ協奏曲第2・3番(チェコ・フィルハーモニー管弦楽団、パーヴォ・ヤルヴィ指揮)

 1987年グルジアのトビリシ生まれ。トビリシ中央音楽学校を卒業後、トビリシ国立音楽院に入学。6歳よりリサイタルやオーケストラとの共演を行っている。12歳から本格的に演奏活動 を行っており、ルガーノ、ジュネーヴ、ヴェルビエ、サンクトペテルブルグ等の音楽祭にも招かれて、その他多くのヨーロッパの主要なホールで 演奏会を行っている。'03年ホロヴィッツ国際コンクールでは、特別賞受賞。同年エリザベート・レオンスカヤ奨学金を付与され、同じ年、パリのフランソ ワ=ルネ・デュシャーブルのマスター・クラスに招待された。'08年にはショパン、ピアノ協奏曲第2番でカーネギーホールにデビュー。同年アルチュール・ルービンシュタイン国際ピアノコンクール3位並びに最優秀ショパン演奏賞、オーディエンス・フェイバリット賞受賞。ヴァイオリンのキドン・クレーメルのほか、指揮者パーヴォ・ヤルヴィとの信頼関係も深いとか。2011年よりソニー・クラシカルの専属アーティストとなる。  
(このBiographyは、
ネット上の記事を参照にした)

(参考視聴)

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2018年6月 7日 (木)

リン・スタンリーLyn Stanley のオーディオを意識したアルバム「THE MOONLIGHT SESSIONS Volume Two」

アナログの良さを=オーディオ・マニアに支持されて・・・・
<Jazz>
Lyn Stanley 「THE MOONLIGHT SESSIONS Volume Two」
A.T.Music/US/ATM3106/2017
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Lyn Stanley, all vocals
Mike Garson, piano
Tamir Hendelman, piano
Christian Jacob, piano
Chuck Berghofer, bass
Joe La Barbara, drums
Ray Brinker, drums
Bernie Dresel, drums
John Chiodini, guitar
Corky Hale, harp
Carol Robbins, harp
Hendrik Meurkens, harmonica
Luis Conte, percussion
Chuck Findley, trumpet
Rickey Woodard, tenor sax
Bob McChesney, trombone
The Budapest Scoring Symphonic Orchestra string players from Budapest Hungary’s Studio 22
 ”リン・スタンリーは、まさに大人のフィメール・ジャズ・ヴォーカリストですね。そして過去の誰でも知ってるポピュラーなスタンダード・ナンバーを歌い上げる。その声の質は簡単に言うと宝塚の男役そのものですね。低音にヴォリューム感があって高音部は伸びますが、澄んで清楚というタイプではなく、ちょっとマイルドに若干故意に作り上げているパターン。”
 そうですね、今回のアルバムも同じ印象だ。

Dsc_4764 彼女は特異な存在で、歌手であると同時にミシガン大学博士課程でマスメディアを学び、卒業後は米国有名企業などで働き、また幾つかの大学でも広告宣伝やマーケティングを教えるなどのキャリ アを積んで来ているのだ。又社交ダンサーとしての実績も凄い。世界プロ /アマ選手権 3位入賞など社交ダンスのナショ ナルチャンピオ ンなのだ。
   彼女自ら”International Recording Artist & Singer” と名乗っているのは、その演奏ばかりでなく、自らレコーディングに力を注いでいる為だろう。世界のオーディオ誌が彼女の歌や演奏ばかりでなくその音質を評価し、多くのハイエンドオーディオメーカーがサウンドデモに使用しているという。
 それは録音がふるっていて、1950年代と全く同様にアナログテープを用いて行われているようで、我々にとっての再生用にSA-CDによるステレオハイブリッド盤(通常のBlu-ray、CDプレーヤーなどで再生可能)やCDBaby.comなどのダウンロード音源(ハイレゾ音源)だけでなく、180グラムの重量級45回転2枚組のLPアルバム、更にオープンテープなども提供している。

Xat1245672747 このアルバムは昨年(2017年)リリースし好評アルバム『Moonlight Sessions Volume One』(→)(現在、このアルバムが入手困難)の第2弾だ。
  世界的に注目を集めていると言われているこのリン・スタンリーも、子供の頃からジャズ・ヴォーカリストには憧れていたようだが、実は遅咲きで、アルバム・デビューは、2013年でまだ5年前である。
 今作も、Steve Genewickによるオーディオファイル・レコーディング、ミックスにAl Schmitt、マスタリングはBernie Grundmanという一流陣が参加。

(Tracklist)
1.  Makin’ Whoopee
2.  The Very Thought Of You (p. Christian Jacob)
3.  That Old Feeling (p. Mike Garson)
4.  The Summer Knows (p. Christian Jacob)
5.  Over The Rainbow (p. Christian Jacob)
6.  How Deep Is The Ocean (p. Mike Garson)
7.  Angel Eyes (p. Mike Garson)
8.  At Seventeen (p. Mike Garson)
9.  You’ve Changed (p. Mike Garson)
10.  Smile (p. Christian Jacob)
11.  How Insensitive with Christian Jacob
12.  Love Me Or Leave Me (p. Tamir Hendelman)
13.  Since I Fell For You (p. Mike Garson)
14.  I’ll Be Seeing You

 曲目はもうジャズ・ヴォーカルものとしてのスタンダード集で完璧。とにかくバックの演奏も、昔からのジャズを感じさせるタイプで、昔を思い出すアナログ録音の刺激の無い音が広がってなかなか快感の録音だ。
 そして彼女のヴォーカルもやっぱり昔からの流れを無視すること無く、どちらかというとオーソドックスに歌いあげる。まあこれも大人のジャズ・ヴォーカル・アルバムとして聴くとそれなりに評価して良いのだと思う。とにかく聴いていて癒やされるというか何故かホッとするところが良いですね。特にM5. "Over The Rainbow" のバック演奏のピアノのメロディーには驚きの世界(聴いてのお楽しみ)。

(評価)
□ 歌・演奏  ★★★★★☆
□ 録音・   ★★★★★☆

(視聴)

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2018年6月 3日 (日)

最近のカメラ事情(2)  高級コンパクト・フィルム・カメラの異常人気

[カメラの話題]

引き手あまたの高級コンパクト・フィルム・カメラ

「ミノルタTC-1」   「コンタックスT3」

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(上の写真は、私の所有の両機)

 写真の世界では、フィルム画像の味(特にリバーサル・フィルム)がまだ忘れられなくて、なんだかんだと言ってもカメラはフィルム・カメラだと頑張っている人も居るんですが・・・・。
 まあカメラと言えば、ここに来てもうデジタル・カメラというのが主流ですね。主流どころか既に若者ではフィルム・カメラを知らないという輩もいるんですから。
 とにかくカメラ機能も素晴らしい上に、画像もあの素晴らしかったリバーサル・フィルム画像に迫ろうとしているのであり、そしてしかもその画像は自分で自宅で全て処理できるとくれば当然のことである。更にフィルム・カメラでは考えられなかった動画が当たり前に撮影できる。それも「4K」なんて当たり前になってきているんです。

Img_1104trw しかし、しかしなんですね。今、思いもしなかった珍現象が起きているんです。それは高級コンパクト・フィルム・カメラの異常と言われるまでの高人気である( 「ミノルタTC-1」→)。
 中古カメラ店を覗いてみると、昔高額で簡単には買えなくて欲しい欲しいと思っていた高機能一流カメラが素晴らしい美品でもお小遣いで買えそうなところになってます。フィルム・カメラで需要が圧倒的に下がったためですね。もともと商品の売れ行きは、若い人が寄ってこなけりゃ駄目ですね。まあ超高級品は、まだまだ手にしたい人はいてそれなりに価格は維持している感じです。
 ところが、フィルムの良さを経験的に知っている輩は、頭の何処かにフィルム味が残っているのだが、やっぱり主力カメラは既に機能的にも便利さにおいても優位なデジタル・カメラになっている。それも又デジタルでなければ殆ど生活(仕事も含めて)において成り立たなくなっているんですね。
 ただしかし、それでも彼らは(私もその一人かも・・・)撮影対象によっては、デジタル機で撮っても、フィルムでも撮りたいという感覚をやっぱり満たそうとする。そこで登場するのが、サブ・カメラにフィルム機を持つという世界である。サブ・カメラであるから、携帯に便利、扱いに便利なモノが良い。しかも高性能機であればなお良い。そこで登場するのがかって一世を風靡した高性能の超コンパクト・35mmフィルム・カメラである。

  思い起こせばそうでした超コンパクト・フィルム・カメラ「ミノルタTC-1」(大きさ99X59X29.5mm)が登場したのは1996年で、一世を風靡したんでした。今から約20年前の話である。
Img_1072trw2  もともと、高級コンパクト・カメラに力を注いだのは、ドイツのツァイス・イコン社のコンタックス・カメラを引き継いだヤシカ・京セラだった。1984年に「コンタックスT」を登場させ、1990年には「コンタックスT2」を発売していたのだが、そこに登場した「ミノルタTC-1」の大成功に刺激され、2001年に「コンタックスT3」(→)に発展させ発売した。これが最後の高級コンパクトとなる。コンタックスは勿論主力は一眼レフ開発製造する中での話だ。

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 結局のところ、この「ミノルタTC-1」と「コンタックスT3」がこのコンパクト機市場では大成功した。ちなみにニコン35Ti,28TiとかリコーGR1,GR21,GR1sなども存在していたが、高性能を維持してのここまでのコンパクト化には追いつけなかった。(→後ろがニコン35Ti、前が小型のミノルタTC-1(この写真は借用)

 当然これらのカメラはもう生産はされていない訳で(2005年まで生産)、そこで中古市場では、「ミノルタTC-1」と「コンタックスT3」を求めての協奏曲が起きているのである。なんと考えて見れば、このミノルタもコンタックスも既にそのブランドは消滅してしまっているところが哀しい物語であるだが・・・・。

 この2機は、超小型ながら、その性能の良さは今日でも万人の認めるところである。特にコンタックスの場合は、その名はドイツ由来であるために、今や外国でも「コンタックスT3」(ゾナー35mm F2.8)は引き手あまたである。

Dsc03006tr2w 一方「ミノルタTC-1」も千代田光学以来の伝統を注ぎ込んだロッコール・レンズ(G-ROKKOR 28mm F3.5)の評価が高く(このレンズは後にレンズのみでも発売された程の代物)、カメラも最小機であって外国でも中古探しが盛んのようだ。

Img_1107trw_2 ミノルタは古くは1973年から1976年にライカの小型版「LEITZ minolta CL」(今も私の愛用機→)という小型名機を製作してドイツをも唸らせた歴史があり、小型機への伝統的歴史がある。

 現在「ミノルタTC-1」「コンタックスT3」両機は、中古で有りながら十数万円で取引されている。驚きですね、「ミノルタTC-1」の新品価格(定価)は十数年前に148,000円だったと思いますが、実際はそれよりかなり安く手に入った。「コンタックスT3」は、98,000円だった。
 
 時代の流れで考えてもみなかったことが起きてくる。今日(このデジタル・カメラ時代になって)、フィルム・カメラとして最も人気のあるのが、この高級コンパクト・カメラになろうとは夢にも思わぬ事であった。こうして技術を注ぎ込んで丁寧に仕上げられ、中身の濃い高性能機というのは、時代の流れの中でも、常に魅力を発揮するということが実証され事実となったのである。

MINOLTA TC-1=レンズシャッター: 8~1/750sec、 レンズ: 固定式G-ROKKOR 28mm F3.5、 露出計: 中央重点測光 スポット測光、 AE: 絞り優先AE、 使用電池: CR123リチウム電池

CONTAX T3 =レンズシャッター: 16~1/1200sec、 レンズ: SonnerT35mmF2.8、 露出計: 2分割外部測光、 AE: プログラムAE 絞り優先AE、 AF: 外光パッシブ式、 使用電池: CR2リチウム電池

(参考視聴)

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2018年6月 1日 (金)

時事問題・・・・とんでもない事を連想しました

[今日の余談]

いやはや、とんでもない事を連想してしまいました

このところ社会問題の焦点は、

   ▼安倍首相に纏わる「森友、加計問題と官僚の国民からの背信行為」
   ▼日大アメフト部反則行為から端を発した「大学の行政構造的問題」
 
   ・・・・・この両者は全く類似点あって、今の社会情勢の象徴的現象だと。
   ・・・・・それぞれの自浄作業(自民党と日大)は殆ど期待薄ですね。

  安倍首相の国会での答弁や、そして今回の立憲民主党の枝野党首らとの党首討論における安倍首相の口八丁の多弁をテレビ中継画面でみて・・・・・ふと、とんでもない事件を思い出しました。

17a957w それは・・・・1995年(もう昔話になってきた)の”ああ言えば、こう言う”を捩(もじ)ったところの・・

 「ああ言えば上祐(じょうゆう)、こう言えば上祐(じょうゆう)

  ・・・・というのが、広く国民に話題になった話。
 地下鉄サリン事件直後のオーム真理教の知る人ぞ知る教団の広報責任者上祐史浩の多弁。

  なんだか質問者に対する対応が似ているんでしょうかね?・・・ふと安倍首相から上祐史浩を連想してしまったんです。

9w_2 現在は・・・・

 「ああ言えば安倍(あっかんべ)、こう言えば安倍(あっかんべ)
        
    ・・・・・というところでしょうか。

  この連想の両者にみるような・・・・「ぺちゃぺちゃ口八丁の多弁であるのは、真実を覆い隠した詭弁であることが多い」
 と、言うことを昔から教えられて来たが、この歳になってもそれが間違いだと思うことは殆どありません。

 そこで心配は、この安倍首相の状態が、まさかその通りで無ければ良いのですが。
(参考視聴)




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