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2018年7月14日 (土)

この春のキャメルCamelライブ映像版「CAMEL Kanagawa, Japan 5.20.2018」

まだまだラティマーは健闘しています

<Progressive Rock>

[DVD] Camel「CAMEL Kanagawa, Japan 5.20.2018」

1

Live at Club Citta', Kanagawa, Japan, May 20th 2018

Andrew Latimer – guitar, vocals, flute and recorder
Colin Bass – bass guitar, vocals
Denis Clement – drums, recorder
Peter Jones – keyboards, vocals

3 つい先日行われたキャメルの”「MOONMADNESS TOUR 2018」日本ライブ”の映像版。取り敢えずはオーディエンス・ショットのブートレグですから多くを期待してはいけない。まあそれでも昔からブートレグに親しんだ私としては、まあプロショットと言う訳にはいかないが、それなりに楽しんでいる。

 とにかく'76年リリースの4thアルバムの『MOONMADNESS 月夜のファンタジア』を完全再現しての”ジャパン・ツアー2018”より、5月20日の最終日公演の模様を納めている。会場は私はこのところ暫くご無沙汰のCLUB CITTA、幸いのことに映像はアンディ・ラティマーを完璧に納められる位置でのショットで、クローズ・アップも良好である。

 思い起こせば、キャメルと言うバンドは、アンディ・ラティマーの哀愁漂う泣きのギターとピーター・バーデンスの軽快で流麗なキーボード、アンディ・ウォードの多彩なドラムスといったところで、美しいメロディと共に適度なスリリングな緊張感のある演奏を聴かせてくれた。そしてプログレ華々しい70年代には、地道な人気を保持していた。
Moonmadness 1980年以降は次第にラティマー主導のバンドとなり、むしろ私個人はそれからのほうが好みに近いのだが、 『MOONMADNESS』(→)はそれ以前のあの彼らの初期のヒット作3rdアルバム『Snow Goose』1975)の直後で注目を浴びた作品だ。キャメルとしてはタイプの移行期の作品でもある。しかし今、こうして全曲ライブでの披露というのは、やっぱりキャメル・ファンが喜ぶからだろう。

(Set List)
(Set 1) : Moonmadness
1. Intro : Aristillus 2. Song Within A Song 3. Chord Change 4. Spirit Of The Water 5. Another Night 6. Air Born 7. Lunar Sea

(Set 2)
8. Mystic Dreams 9. Unevensong 10. Hymn To Her 11. Rose Of Sharon 12. Coming Of Age 13. Rajaz 14. Dingley Dell 15. Ice 16. Mother Road 17. Hopeless Anger 18. Long Goodbyes 19. Lady Fantasy

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 セット・リストを見て解るように、アルバム『MOONMADNESS』全曲披露のファースト・セットに続いて、セカンド・セットではクラシック・ヒット・ソングスを12曲を演じた。アンディ・ラティマーや盟友コリン・バス(Bass)をはじめとするこのところのキャメル復活メンバーは不変で、デニス・クレメント(drums)と盲目のプレイヤー・ピーター・ジョーンズ(keyboards, vocals)の 四人は息ぴったりである。
2016lineuponstairway1
 今や、「キャメル」と言うバンドの形をとってはいるが、実はスタート当初とは全く別のバンドで、むしろアンディ・ラティマーのソロプロジェクトみたいなものである。私としてはキャメルは、あの伝説のライブ「PRESSURE POINT」(1984)で終わっている。
 しかしその当時のラティマー主導のアルバム『Stationary Travellar』(1984)から、そしてそれ以降のアルバム『Dust and Dreams』(1992)はじめ『Harbour of Tears』 (1996)などの一連の作品は、初期キャメル以上に私は好きなのである。従って現在はこれで十分と言えば十分。

 アンディ・ラティマーが骨髄線維症で倒れ、骨髄移植という大変な医療を受け、この大病を克服して復活の現在、こうして日本に毎年のように来てのライブというのは夢みたいな話であり、大いに喜びたいというのが私の現在の心境だ。

(評価)
□演奏:     ★★★★☆
□映像・録音:   ★★★☆☆

(参考視聴)

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コメント

「キャメル」は1978年「ブレスレス(神秘の女王)」は小生が最も気に入っているお宝物の名盤です。キャメル最高傑作として誉れ高いアルバムと言われるだけあって佳曲の連続(メロディアスなバラード、テクニカルな幻想ナンバーなどが満載)に堪能されてしまいます。冒頭から美しいギターナンバーで始まるメロディアスなテーマ曲「ブレスレス」、メロトロンやフルートに彩られた世界に一偏に嵌ってしまいました。その次は長いインストルメンタルが続く圧巻の「エコーズ」、アンドリュー・ラティマーのギターソロと続くピーター・バーデンスのキーボード、演奏もメロディも最高!これこそ叙情派プログレの王道曲っていう感じですね。

投稿: | 2024年7月 1日 (月) 17時36分

失礼しました。名前が漏れていました。

投稿: ローリングウエスト | 2024年7月 1日 (月) 17時36分

ローリングウエスト様
コメント有難うございました
 キャメルは、私の場合、昔の「スノー・グース」からロマンな世界に魅かれてのファンでしたが、「ステーショナリー・トラベラー」からのAndy Latimerの新生バンドの色合いからが又私にとっては又別の意味での評価が上がり、「Dust and Dreams」で意気投合しました。アイルランドの悲劇を描いた「Harbour of Teaars」なども忘れられないところです。抒情派にと止まらないコンセプト・アルバムとしても見事でした。
ナガイ付き合いの好きなバンドです

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2024年7月 7日 (日) 21時53分

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