映像で観るサラ・マッケンジーSarah McKenzieのピアノ&ヴォーカル
今やダイアナ・クラールを追う有力な弾き語りピアニスト
(・・・・と、言うと大げさか?)
<Jazz>
① [DVD] Sarah McKenzie 「Jazz San Javier 2016」
Live at 19 Festival de Jazz de San Javier, Murcia, Spain, July 29th, 2016 (70min)
Sarah McKenzie - piano
vocals Jo Caleb – guitar
Pierre Boussaguet – bass
Marco Valeri – drums
ジャズ・ピアノを軽やかにこなしての明るいヴォーカルでこのところ人気モノになりつつあるサラ・マッケンジー、昨年ここでアルバム『PARIS IN THE RAIN』(UCCI-1037)(→)を取りあげたのだが、来日したりで日本でも美貌も相まって人気を獲得しつつある。
そんなところで、やはりブートであってもライブ映像版を観たいとう心境で、このところ観ているDVDの紹介だ。
これは2016年のスペインに於けるライブ収録。彼女の通常のスタイルのギターの入ったピアノ・カルテット構成だ。冒頭から彼女のヴォーカルが満開。例の如く軽やかで明るい。
(Tracklist)
01. Onwards And Upwards
02. I Won't Dance
03. We Could Be Lovers
04. That's It, I Quit!
05. Don't Tempt Me
06. I Got The Blues Tonight
07. Moon River
08. When In Rome (I Do As The Romans Do)
09. Love Me Or Leave Me
10. Quoi, Quoi, Quoi
11. At Last
12. The Lovers' Tune
13. Embraceable You
なんと言っても、映像に耐える美貌がいいですね。ピアノ・タッチも軽やかで、スウィングする演奏が多く、ジャズとしては極めてオーソドックス。ここではアルバム『PARIS IN THE RAIN』がリリースされた前年だが、アルバム収録されている曲の3曲(M01, M08, M13)をも演奏している。こうしてライブ映像で観ても、声の質は高音までクリアで清楚感がある。しかし今一つ聴いて痺れるところがないのがちょっと寂しい。M06." I Got The Blues Tonight"のブルース・タッチでも、もう少し哀感が欲しいと思うところ。
ギターのみのバックで彼女のスローバラードがM07. "Moon River"、 M13. "Embraceable You "の2曲で披露されている。ここではヴォーカルの力量が問われるところだが、天性の歌い込みの上手下手が出てしまうところで、上品さの感じるところところは良いのだが、その為少々情感に乏しい感じだ。まあそのあたりが又良いというファンもいてそれはそれ結構な事である。私から見ると、やっぱり彼女はピアニストにウェイトがあるのだなぁ~と思うところなのだが・・・・。
しかしこのタイプはカルテット仲間との相性はむしろ良さそうで、観る者にとっては快感でもあった。
② [DVD] Sarah McKenzie 「Monteu Jazz Festival 2017」
Live at Montreux Jazz Festival 2017 (90min)
Sarah McKenzie: vocals & piano
Geoff Gascoyne: bass
Hugo Lippi: guitar
Donald Edwards: drums
Warren Wolf: vibraphone
こちらは、昨年2017年のMonteu Jazz Festival における彼女の上のようなメンバーでのクインテット構成によるライブ・パフォーマンス、約90分に納めている。この時の特徴は最近あまり編成されないビヴラフォンが加わっていることで、これによって一味ムードが変わっている。彼女の清楚感あるヴォーカルからして、このパターンがなかなか面白いと思った。
(List)
0:17 Road Chops
5:39 I Won't Dance
10:41 We Could Be Lovers
16:31 Paris In The Rain*
22:07 One Jealous Moon*
28:54 The Secrets Of My Heart
35:32 Small Feats
42:00 I've Got The Blues Tonight
51:15 Tight
58:45 Triste*
1:05:08 I'm Old Fashioned*
1:12:19 The Lovers' Tune
1:22:04 Embraceable You*
演奏曲目は13曲だが、最新アルバム『PARIS IN THE RAIN』と時期が一致していているため、アルバムの5曲(*印)がここで演じられている。
そして彼女のなんとなく上品で清楚感あるヴォーカルとピアノ・プレイで楽しませてくれる。又このライブでは、メンバーそれぞれのソロ演奏も十分に取り入れられていて楽しいライブになっている。このあたりはアルバムと違った楽しみ方が出来るところだ。
彼女は、オーストラリア、メルボルン出身。ウエスト オーストラリアン アカデミー オブ パフォーミング アーツでジャズの博士課程を修了。その後、アメリカのバークリー音楽院に入学し、卒業後は、パリを拠点として活動している。ジャズ曲コンポーザー、ピアニスト、ヴォーカリストと活躍している。これまでに下記の4枚のアルバムをリリースしているが、嫌みの無いところが取り柄として聴いてきた。これからどのように発展して行くかも楽しみなプレイヤーと言って良いだろう。ダイアナ・クラールの痺れる味には、まだまだと言うところだが・・・。
(Sarah McKenzie - Discography)
Don't Tempt Me (2011)
Close Your Eyes (2012)
We Could Be Lovers (2014)
Paris in the Rain (2017)
(視聴)
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