« 聴き落としていたアルバム(2)~ヤコブ・カールソンJacob Karlzon 3 「THE BIG PICTURE」 | トップページ | ロジャー・ウォーターズRoger Watersストラヴィンスキーに挑戦「The Soldier's Tale 兵士の物語- Narrated By Roger Waters」 »

2018年9月15日 (土)

ウンサンWoong Sanのニュー・アルバム「I'm Alright」

ウィスパー・ヴォイスに、なんとブルジー、ソウルフル、ファンキーと取り混ぜての久々のフルアルバム快作

<Jazz>
Woong San「I'm Alright」
Universal Music / JPN / UCCU-1583 / 2018

51afepxgnhl

Woong San ウンサン(vocal)
John Beasley ジョン・ビーズリー(piano)
Benjamin J.Shepherd ベンジャミン・J.シェパード(bass)
Terreon Gully テレオン・ガリー(drums)
Paul Jackson Jr. ポール・ジャクソンJr. (guitar)
Charlie Jung チャーリー・ジュン (guitar)
Damon Brown デイモン・ブラウン (trumpet)

Produced by John Beasley
Recorded 12th,13th April 2018


  私は決して韓流派じゃないのだが、このウンサンは例外。彼女の過去の何枚かのアルバムもウィスパー系のヴォーカルには一目置いてきた。これは久々のスタジオ・アルバムのような気がしたが、3年ぶりらしい。実はもう年齢も45歳ぐらいだと思うのでリタイアしたのかとも思っていたが、しかしかってのポニーキャニオンからユニバーサルミュージックに移籍しての第一作品としてお目見えした。なになに健在であったのだ。そしてプロデュースがビーズリーに変わっての彼女の変化が実はこのアルバムには確かに見られるところが聴きどころ。

1896488329_2n16ubix_woongsan1

(Tracklist)

01. Smoke Gets In Your Eyes
02. Heartless
03. Bear Walk
04. Too Far
05. Love Is A Losing Game
06. I’m Alright
07. You And The Night And The Music
08. Forget Regret
09. I Love You More Than You'll Ever Know
10. I Can’t Stand The Rain
11. Tell Me Why

 オープニングはM01. "Smoke Gets In Your Eyes 煙が目にしみる"で、これはやっぱり得意のスロー・バラード調に仕上げている。しかし続く曲でこのアルバムは少々過去と違うところがミソ。
 M04. "Too Far"は、ラテン・タッチでなかなかいい。 そこにM05. "Love Is A Losing Game"はファンキー・ムード。このあたりから今回のアルバムのイメージが見えてくる。それはM10. "I Can’t Stand The Rain"で頂点を迎えるのだが、エレクトリック・ベースの低音に彼女の語るが如くのソウフルな歌声はなかなか味がある。
 このように過去の彼女のイメージから一歩脱却してのM09. "I Love You More Than You'll Ever Know溢れ出る愛を"のブルージーな曲を、ギターの味のある演奏をバックに歌い込むところはなかなか聴きどころなのだ。
 そうはいっても、アルバム・タイトルの彼女のオリジナル曲M06." I’m Alright"は、泣きギターをバックに彼女のファンも納得のラブ・バラード。M07. "You And The Night And The Musicあなたと夜と音楽と"もビーズリーのムードを盛り上げるキー・ボードによってベースが低音で語り、彼女の落ち着いたウィスパー・ヴォイスで迫るのである。 
 最後の彼女のオリジナル曲M11. "Tell Me Why"は、バックのギター、ピアノも美しく、彼女の魅惑の歌声がしっとりと聴ける。

 こうしてオリジナル曲に加え、スタンダードの「煙が目にしみる」「あなたと夜と音楽と」、ソウル曲のカヴァー(「溢れ出る愛を」、「アイ・キャント・スタンド・ザ・レイン」等)を歌い込んで、彼女のカレン・ソーザも顔負けのセクシー・スモーキー・ヴォイスの上に、多彩・多様な芸を盛り込んだ面白いアルバムとなった。

(評価)
□演奏・歌 : ★★★★☆
□録音   : ★★★★☆

(My Image Photo)

Dsc03669trw

Sony α7Ⅲ ILCE-7M3,  FE 4/21-105 G OSS, PL  Aug. 2018

(参考試聴)

|

« 聴き落としていたアルバム(2)~ヤコブ・カールソンJacob Karlzon 3 「THE BIG PICTURE」 | トップページ | ロジャー・ウォーターズRoger Watersストラヴィンスキーに挑戦「The Soldier's Tale 兵士の物語- Narrated By Roger Waters」 »

音楽」カテゴリの記事

JAZZ」カテゴリの記事

女性ヴォーカル」カテゴリの記事

コメント

こういうの聴きながら一杯できる洒落たバーなんていいですよね。昔むかーしうんと若い頃、ピアノのある銀座のバーで、弾き手のお姉さんにミスティーなんぞリクエストして大人ぶっていた頃を思い出します。

投稿: /ten | 2018年9月17日 (月) 10時17分

う、やばい! この流れでYou Tube検索してたら、The Real Groupというのに行き着いてハマってしまいました。こういうの大好きなんです。

投稿: /ten | 2018年9月17日 (月) 11時44分

/tenさん、今日わ。
 やっぱりジャズ・ヴォーカルはこじんまりとしたピアノのある酒場・・・で、と言うところですかね。
 あれ、アカペラ・グループ好きでしたっけ?。
 

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年9月17日 (月) 14時03分

アカペラ、大好きです。で、自分でもやってみたくなってしまうのでした。実は今、ベースギターが欲しくてどうしようかなと・・・

投稿: /ten | 2018年9月17日 (月) 14時34分

え、I Love You More Than You'll Ever Knowって、BSTの?
うわー私まだ子供でした。 ははは

投稿: | 2018年9月17日 (月) 15時26分

”I Love You More Than You'll Ever Know”って、そうそうアル・クーパーのやつ。このアルバムでは最も年寄りには聴きどころ(笑)。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年9月17日 (月) 15時56分

I Love You More Than You'll Ever Know
これ好きで大声出してよく歌ってました。
今日は一日YouTubeで終わりそうです。

投稿: /ten | 2018年9月17日 (月) 16時17分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ウンサンWoong Sanのニュー・アルバム「I'm Alright」:

« 聴き落としていたアルバム(2)~ヤコブ・カールソンJacob Karlzon 3 「THE BIG PICTURE」 | トップページ | ロジャー・ウォーターズRoger Watersストラヴィンスキーに挑戦「The Soldier's Tale 兵士の物語- Narrated By Roger Waters」 »