チャリー・ヘイデンとブラッド・メルドーのデュオ作品登場 Charlie Haden & Brad Mehldau 「LONG AGO and FAR AWAY」
<Jazz>
Impulse! / International / 678 950 0 / 2018
Brad Mehldau : Piano
Recorded at The Christuskirche in Mannheim, Germany on Nov. 5. 2007
これは2007年のドイツ・フェスティバルの一環として行われたライブ。それは教会でのステージを収録されたものらしい。そのためか全曲、とにかく優しさ溢るる演奏だ。もともとヘイデンの流れは何時も優しさに溢れているのだが、メルドーとここまで優しいアルバムを作ってくれて喜んでいるのである。

1.Au Privave
2.My Old Flame
3.What'll I Do
4.Long Ago And Far Away
5.My Love And I
6.Everythings Happens To Me
1993年ヘイデンがメルドーの演奏を観て気に入ったことから話は始まったようで、二人は1996年にリー・コニッツとのトリオ『Alone Together』(BlueNote)、2011年にはポール・モチアンが入ったトリオで『Live At Berland』(ECM)の二枚のライブ版を録音している。
とにかく聴くが一番という素晴らしいアルバム。教会といってもそう大きなところではなさそうで、非常に親密なるムードでの二人の対演を納得の世界で堪能できる。
*

M1."Au Privave"と、アルバム・タイトル曲M4."Long Ago And Far Away"は、やはり彼らのフリー・ジャズのニュアンスを演じてはいるが、しかしけっして乱れること無く、説得力のあるピアノとベースのデュオ作品となっている。
一方M2."My Old Flame"とM3."What'll I Do"では、優しくメロディアスで美しい両者の演奏には心も洗われる。
そしてM5."My Love And I"となると、メルドーの優しく美しいメロディーが流れ、中盤からはこれまた心が安まるヘイデンのベースが響き、それを弱音で澄んだ音での美しいピアノがサポートとしてゆく。この流れはもう何も語る必要の無い安堵の世界。そして最後はベースの最弱音で終わる。
M6."Everythings Happens To Me"も、教会とは言えこの安らぎ感は最高峰。
晩秋に素晴らしいアルバムが届いた。
(評価)
□演奏 : ★★★★★
□録音 : ★★★★★☆
(My Image Photo)

at IIZUNA-KOGEN on Nov.2018
(試聴)
| 固定リンク
« アレキサンドラ・シャキナAlexandra shakina「All The Way」 | トップページ | アンナ・マリヤ・ヨペクの新作 Anna Maria Jopek 「ULOTNE幻想」 »
「音楽」カテゴリの記事
- ロジャー・ウォーターズRoger Waters 「Roger Waters With Eric Clapton / Chicago 1984」(2019.12.12)
- エミール・ブランドックヴィスト Emil Brandqvist Trio 「SEASCAPES」(2019.12.07)
- 寺島靖国プレゼンツ「For Jazz Audio Fans Only Vol.12」登場(2019.11.28)
- 中村 真 Makoto Nakamura Trio 「Time Remembered」(2019.12.02)
- サン・ビービ-・トリオ Søren Bebe Trio 「ECHOES」(2019.11.24)
「JAZZ」カテゴリの記事
- エミール・ブランドックヴィスト Emil Brandqvist Trio 「SEASCAPES」(2019.12.07)
- 寺島靖国プレゼンツ「For Jazz Audio Fans Only Vol.12」登場(2019.11.28)
- 中村 真 Makoto Nakamura Trio 「Time Remembered」(2019.12.02)
- サン・ビービ-・トリオ Søren Bebe Trio 「ECHOES」(2019.11.24)
- ヨエル・リュサリデスJoel Lyssaridesのピアノ・トリオ作品「A Better Place」(2019.11.19)
「ブラッド・メルドー」カテゴリの記事
- ブラッド・メルドー2019年ライブ Brad Mehldau Trio 「HYOGO 2019」「LIVE IN UTRECHT 190510」(2019.08.22)
- チャリー・ヘイデンとブラッド・メルドーのデュオ作品登場 Charlie Haden & Brad Mehldau 「LONG AGO and FAR AWAY」(2018.11.15)
- ブラッド・メルドーBrad Mehldau 「After Bach」(2018.03.14)
- ウォルフガング・ムースピールWOLFGANG MUTHSPIELのクインテット・アルバム「 RISING GRACE」(2016.12.07)
- ブラッド・メルドー・トリオBrad Mehldau Trio 「BLUES AND BALLADS」(2016.06.11)
「チャーリー・ヘイデン」カテゴリの記事
- Keith Jarrett American Quartet 「Complete TOKYO 1974」(2019.11.09)
- チャリー・ヘイデンとブラッド・メルドーのデュオ作品登場 Charlie Haden & Brad Mehldau 「LONG AGO and FAR AWAY」(2018.11.15)
- 聴き落としていたアルバム(1)~ゴンザロ・ルバルカバGonzalo Rubalcaba「charlie」(2018.09.07)
- チャーリー・ヘイデンCharlie Haden (with C. Baker, E. Pieranunzi, B. Higgins) 「Silece」(2017.04.08)
- チャーリー・ヘイデン & ゴンサロ・ルバルカバ 「TOKYO ADAGIO」(2015.06.19)
コメント
風呂井戸さん こんばんわ。
メルドーのベースとのデュオ作品は、これまであまりないと思いますが、こちら良さそうですね。
記事拝見しさっそくネット注文しました。
届くのが楽しみです。
投稿: baikinnmann | 2018年11月17日 (土) 00時00分
baikinnmann さん、お早うございます。
私は、ヘイデン、メルドー両者のファンですが、優しい良いアルバムをリリースしてくれました。近年のメルドーはそれなりの名手の世界に入っていて、少々私には難解なところがあるのですが、このアルバムはヘイデン流の優しさを支えるが如く、そして自己の表現を演じていて、ナイスです。今年のお勧め盤です。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年11月17日 (土) 09時39分
元々チャーリー・ヘイデンのデュオ作は好きなので、ここに新たに1枚加わってくれたのは良かったです。しかも相手がメルドーとくれば。10年以上前の録音ですが、今ではヘイデン参加作を聴けるのも貴重です。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2018年11月20日 (火) 14時07分
910さん、コメント・TB有り難うございます。
実は、ヘイデンとメルドーのデュオがあるとは知りませんでした。こうして今となっては貴重ですし、中身がこれ又嬉しい優しさで、喜んでいます。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年11月20日 (火) 15時52分
風呂井戸さん,こんばんは。TBありがとうございました。
こうして,Charlie Hadenの死後でも,残された音源がリリースされていくということは大変ありがたいですし,デュオの相手がBrad Mehldauなら尚更です。
ここでの二人の静かな対話を聞いていると,シンパシーを感じ合うミュージシャンのやり取りって気がしますね。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2018年11月20日 (火) 22時56分
中年音楽狂さん、TB有り難うございます。
ヘイデンの優しさに、メルドーがこのような形で美しく優しく乗ってくれてこの上ない曲群でしたね。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年11月21日 (水) 09時14分
風呂井戸さま、トラバをありがとうございます。
最後の小さな小さな一音まで優しい響に溢れていましたね。
おっしゃるように、全編、甘さに満ちているわけではなく、1曲め、4曲めは、、スパイスがばっちり効いている。
でも、彼らの演奏歴を考えると、寸止め的な感じですし。。
「寄り添い、相手をいたわる」という、気持ちに溢れていると思いました。
トラバしますね。
投稿: Suzuck | 2018年11月22日 (木) 17時58分
Suzuckさん、コメント・TB有り難うございます。
アルバム全編の印象は、”優しさあふるる”と言ったところですが、おっしゃるとおりM1、M4が「スパイスが効いた」という表現がぴったりですね。
しかしヘイデン+メルドーの魅力は、奥深いですね。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年11月23日 (金) 08時26分