ジョバンニ・ミラバッシのニュー・アルバム GIOVANNI MIRABASSI TRIO 「SUMMER'S GONE」
ロマンティック・メロディストの世界は抒情的にして流麗な世界
<Jazz>
<Jazz>
GIOVANNI MIRABASSI TRIO 「SUMMER'S GONE」
CAMJAZZ / Import / CAMJ 7938-2 / 2018
CAMJAZZ / Import / CAMJ 7938-2 / 2018
Giovanni Mirabassi (piano)
Gianluca Renzi (bass except 5,7,10,12)
Lukmil Perez (drums except 5,7,10,12)
Recording & Mixing Engineer : Stefano Amerio
Recorded at Artesuono Recording Studio in Nov. 2016
Gianluca Renzi (bass except 5,7,10,12)
Lukmil Perez (drums except 5,7,10,12)
Recording & Mixing Engineer : Stefano Amerio
Recorded at Artesuono Recording Studio in Nov. 2016
イタリア人であるがパリで活躍しているピアニスト:ジョバンニ・ミラバッシGiovanni Mirabassiの久々のトリオ・アルバム(CamJazz第4弾)。前トリオ・アルバムは、ジブリ・アニメの大ファンだと公言し製作したジブリ曲集でもある『Animessiアニメッシ』(2013)であったが、どうも過去のアルバムと比して若干魅力は失せていた。そしてあれから既に4年半を経過してしまったんですね。
むしろ昨年のCamJazzからのソロ・アルバム『LIVE IN GERMANY』 が私にとっては魅力を感じたところだ。
今回の中身は全12曲中11曲がミラバッシのオリジナル曲というところが注目点。しかも彼のピアノ・ソロ曲も挿入されている。とにかくミラバッシとくれば2001年の『AVANTI!』(2001)が強力で、全てあのアルバムと比較して聴いてしまうと言う私である。あのようなソロによるものと、このトリオでは若干意味合いは異なっても、やはり彼の独特な抒情派で有りながらどこかコンテンポラリーなところがあり、又緊張感のある硬質な切れ味を加味してのメロデッックに聴かせるところが大きな魅力である。そんな意味でも待ちに待ったトリオ作品だ。
むしろ昨年のCamJazzからのソロ・アルバム『LIVE IN GERMANY』 が私にとっては魅力を感じたところだ。
今回の中身は全12曲中11曲がミラバッシのオリジナル曲というところが注目点。しかも彼のピアノ・ソロ曲も挿入されている。とにかくミラバッシとくれば2001年の『AVANTI!』(2001)が強力で、全てあのアルバムと比較して聴いてしまうと言う私である。あのようなソロによるものと、このトリオでは若干意味合いは異なっても、やはり彼の独特な抒情派で有りながらどこかコンテンポラリーなところがあり、又緊張感のある硬質な切れ味を加味してのメロデッックに聴かせるところが大きな魅力である。そんな意味でも待ちに待ったトリオ作品だ。
更にレコーディング・ミキシング・エンジニアがステファノ・アメリオというところも聴きどころである。
(Tracklist)
01. Requiem For N. F. (6:04)
02. A Dirty Job (5:02)
03. Le Voyage De Yui (3:52)
04. Quasi Quasi (5:04)
05. Ausencias (solo piano) (Astor Piazzolia)(8:08)
06. La Mélodie Du Désastre (4:32)
07. Impro 1 (solo piano) (1:06)
08. Summer's Gone (6:41)
09. My Corean Heart (4:55)
10. Impro 2 (solo piano) (0:51)
11. Nana Nana Nana (777) (5:45)
12. Valentina (solo piano) (3:01)
考えてみるとこのアルバムは、ミラバッシのオリジナル曲集であることが、久しぶりと言うか珍しい部類に入るので、興味は津々というところであった。冒頭のM1." Requiem For N. F"から透明感のあるピアノの響きが止めなく流れ、ベース、ドラムスが快調に展開する。いっや~ミラバッシ世界が始まったなぁ~と嬉しくなる。
M3." Le Voyage De Yui"は、彼独特のコンテンポラリーなフリー・ジャズっぽい演奏もしてみせる。そしてそれが良いアクセントになっている。
.そして皮肉にもこのアルバムの中では、私の場合彼がソロ・ピアノで演じたM5."Ausencias" (唯一彼のオリジナルでないPiazzoliaのカヴァー曲)が、一番お気に入りの曲になってしまった。つまりそれ程彼のソロで演ずるピアノの音は多彩でリリカルにして美しく、まさに宙を舞うが如くの展開に惚れ惚れとしてしまうのである。
01. Requiem For N. F. (6:04)
02. A Dirty Job (5:02)
03. Le Voyage De Yui (3:52)
04. Quasi Quasi (5:04)
05. Ausencias (solo piano) (Astor Piazzolia)(8:08)
06. La Mélodie Du Désastre (4:32)
07. Impro 1 (solo piano) (1:06)
08. Summer's Gone (6:41)
09. My Corean Heart (4:55)
10. Impro 2 (solo piano) (0:51)
11. Nana Nana Nana (777) (5:45)
12. Valentina (solo piano) (3:01)
考えてみるとこのアルバムは、ミラバッシのオリジナル曲集であることが、久しぶりと言うか珍しい部類に入るので、興味は津々というところであった。冒頭のM1." Requiem For N. F"から透明感のあるピアノの響きが止めなく流れ、ベース、ドラムスが快調に展開する。いっや~ミラバッシ世界が始まったなぁ~と嬉しくなる。
M3." Le Voyage De Yui"は、彼独特のコンテンポラリーなフリー・ジャズっぽい演奏もしてみせる。そしてそれが良いアクセントになっている。
.そして皮肉にもこのアルバムの中では、私の場合彼がソロ・ピアノで演じたM5."Ausencias" (唯一彼のオリジナルでないPiazzoliaのカヴァー曲)が、一番お気に入りの曲になってしまった。つまりそれ程彼のソロで演ずるピアノの音は多彩でリリカルにして美しく、まさに宙を舞うが如くの展開に惚れ惚れとしてしまうのである。
*
だからと言って、トリオ演奏が劣るわけで無く素晴らしい。特にアルバム・タイトル曲であるM08." Summer's Gone"が心を引きつける。ここにはロマンティック・メロディストの面目躍如なるミラバッシのピアノの音が澄みわたって美しく響き、しかも詩情をたっぷりと感じるところを演じてくれる。
そしてアメリオの録音は、ピアノ・トリオとは言え、けっしてベース、ドラムスをないがしろにしない。三者をものの見事に配置する。従ってドラムス、シンバルの音も冴え渡り、ベースも心地よく響き、そんな中で、ミラバッシのピアノが非常に多くの音を多彩に演ずる。ふとピアノ・ソロ演奏かと思わせるところがあるくらいだが、ベース、ドラムスの二者はスパイスと高揚感を持たせてくれる役目は十分に果たしてくれる。
とにかくミラバッシの抒情的で流麗な演奏は、如何にも独特の世界であって、どの曲を聴いてもその美しさに圧倒される。それはイタリア人の歌心なのか、ピアノで演ずる端麗美と詩情と多彩な音により構築するメロディーには彼以外の何物でも無いと聴けばすぐ解るところにある。
とにかくミラバッシの抒情的で流麗な演奏は、如何にも独特の世界であって、どの曲を聴いてもその美しさに圧倒される。それはイタリア人の歌心なのか、ピアノで演ずる端麗美と詩情と多彩な音により構築するメロディーには彼以外の何物でも無いと聴けばすぐ解るところにある。
久々にミラバッシのトリオ盤を手にしてご機嫌なのである。
(評価)
□曲・演奏 : ★★★★★☆
□録音 : ★★★★★
□曲・演奏 : ★★★★★☆
□録音 : ★★★★★
(参考視聴) 今回のニュー・アルバム映像はまだ見当たらないので、過去のものを・・
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コメント
随分と早い入手ですね。私はこれからと思っていますが、風呂井戸さんの表では期待できそうですね。
『AVANTI!』(2001)と比較して聴いてしまうのはわたしも同じです。
投稿: 爵士 | 2018年11月29日 (木) 22時33分
爵士さん、こんばんわ。
今回のミラバッシのトリオ盤はかなり期待していました。オリジナル曲が多いことが一つの注目点でもあります。彼のコンテンポラリーな面の表れてくる曲もあって少々難しいところもありますが、惚れ惚れする曲もあって納得しています。特にアルバム・タイトル曲が注目です。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年11月29日 (木) 23時21分
トラバをありがとうございました。m(_ _)m
美しいメロディと流麗なピアニズム、、聴き惚れますよね。
全編、イタリア叙情が詰まってます。
ご推薦していらっしゃる2曲は私も好きです。
最初と最後もオシです。笑
こちらからもトラバしますね。
投稿: Suzuck | 2018年11月30日 (金) 17時23分
Suzuckさん、コメント・TB有り難うございます。このアルバムはトリオとピアノ・ソロとの混在ですが、両者にいい演奏があって納得しています。Suzuckさんと好みは一致してますね^^)。
又、録音が見事です。トリオとしてのバランスが良いし、音も見事でした。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年11月30日 (金) 19時27分
風呂井戸さん おはようございます。
早速ですが、私はAVANTI!、DAL VIVO!、AIR、PRIMA O POI、TERRA FURIOSA、2011年のiADELANTE!の6枚所有していて何れも愛聴盤です。
私も『Animessiアニメッシ』にはちょっとがっかりしてしまい、上記の6枚で良いかなと思ったりしていました。
今回、記事を拝見させていただいて新作が出たのを知りえたのですが、『LIVE IN GERMANY』についても過去の記事を拝見し、両作品試聴して、今回は、お正月に聴こうと『LIVE IN GERMANY』の方を注文しました。
いつも大変参考になる記事ありがとうございます。
投稿: baikinnmann | 2018年12月 9日 (日) 06時37分
baikinnmannさん、コメント有り難うございます。
「Live in Germqny」と「Sumer's gone」の対比はなかなか難しいですね。ソロとトリオの性格の相違というモノも加味しなければならないと思いますが、ミラバッシの流麗にして多彩な音を演じきるところは、ソロとしてもトリオにも匹敵するものを持っていると思ってます。
ただこの二つのアルバムは若干性格を異にしていると思いますし描く世界も異なっていると受け止めてますので、出来れば両者を聴きき比べての又お話しを期待しております。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年12月 9日 (日) 19時36分