ペトラ・ヴァン・ナウスPetra van Nuis 「because we're night people」
女性ヴォーカルを堪能したかったら・・・これだ!
<Jazz>
Petra van Nuis & Dennis Luxion 「because we're night people」
MUZAK.Fab./ JPN / MZCF1378 / 2018
ペトラ・ヴァン・ナウスPetra van Nuis (vocal)
デニス・ラクションDennis Luxion (piano)
2018年3月14日 録音
Live recording at PianoForteChicago
女性ヴォーカリストのペトラ・ヴァン・ナウスPetra van Nuisは、近年アンディ・ブラウン(多分、夫)のギターをバックにしたジャズ・ヴォーカル・アルバムで好評を得てきていたが、この新作品はピアノのみをバックにしてのヴォーカル・アルバム。ピアニストには、まさにベテランのデニス・ラクションDennis Luxionを迎え、彼は如何にも優しく親密に一歩ひいて彼女に寄り添い支えるプレイに徹している。
その作り上げられた世界は、大人の静かな夜を描く彼女の知性派を感じさせる歌声が何の邪魔になる音の無い空間に響き渡ってくる。なんと言ってもアルバム・タイトル「because we're night people」と言うのが、ふるってます。
(Tracklist)
1. Street Of Dreams
2. Night People
3. The Piano Player
4. Moonlight Saving Time
5. You And The Night And The Music
6. While My Lover Sleeps
7. Small Day Tomorrow
8. Dreamsville
9. No Moon At All
10. The Night We Called It A Day
11. Shadows Of Paris
12. Black Coffee
13. Count Your Blessings Instead Of Sheep
とにかくラクションのピアノはリリカルにして流麗で、ムード作りに於いては最高である。そして彼女のヴォーカルは、どちらかというと技巧の凝らした巧さというのはなく、むしろ素直な歌い方で、ジャネット・サイデルほど上手いわけでは無いがどこか似ている。今回私は初めて彼女のアルバムをしっかり聴いたのだが、そうそうダイアナ・パントンもふと思い出したというそんなタイプの歌声である。
とにかくアルバム全編を通して、しっかり歌詞をかみしめて歌いあげているところは好感が持てる。
彼女は、米シンシナティ出身。クラシック・ピアニストの父親の影響で幼少期より音楽に接してきて、11歳でシンシナティ・オペラ・カンパニーでデビュー。大学卒業後もミュージカル・タレントとして活動したようだが、ギタリストのアンディ・ブラウンの影響でジャズ・シンガーに転向したという。シンシナティやニューヨークでの活動を経て、2004年からシカゴに拠点を移し、2009年にはブラウンとのデュオ作『Far Away Places(いつも二人で)』を発表。これが日本でも2011年にリリースされファンを獲得している。
これは女性ジャズ・ヴォーカルそのものというアルバムだ。
(推薦曲) "You and The Night and The Music", "The Night We Called It A Day", "Black Coffee"
(評価)
□歌・演奏 :★★★★☆
□録音 :★★★★☆
(試聴)
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