サラ・ブライトマンのニュー・アルバムSarah Brightman 「HYMN」
忘れる頃にやって来たニューアルバム・・・それは「喜びと希望」
<Popular, Classical crossover>
Sarah Brightman 「HYMN」
DECCAGOLD / USA / B0028980-02 / 2018
Sarah Brightman : Vocal
Orchestra : London Symphony Orchestra
Choirs : Crouch End Festival Choir, Spirit of David Choir
いやはや久しぶりですね、ちょっと忘れ掛かっていたサラ・ブライトマンが、5年ぶりにニュー・アルバムをリリース。そして世界ツアーに出ている。前作『ドリーム・チェイサー(夢追人』だった。しかしもう10年前のDVD+CD盤『SYMPHONY~LIVE IN VIENNA』がやはり彼女の絶頂期でしょうね。しかしこうして総決算編のようなアルバムの登場となったのだ。
アルバム・タイトル「HYMN」とは「讃歌」、内容はこのタイトルから押して知るべしといったところ。この”ヒム”は2曲目に登場する英国プログレ・バンド、バークレイ・ジェイムス・ハーヴェストの名曲で、これをカヴァーしている。
又日本ではこのアルバムは、YOSHKIが提供した共演曲” Miracle ”が収録されていると言う事からも話題にもなっている。
前作とは変わって、むしろ彼女の原点回帰的なスタンスで、ハンブルク、マイアミ、ロンドン、バンクーバー、ロサンゼルス、ニューヨーク、そしてブダペストで2年間にわたってレコーディングされたものだという。
(Tracklist)
01. Hymn Overture
02. Hymn
03. Sogni 夢 [Feat. Vincent Niclo]
04. Sky And Sand
05. Canto Per Noi私たちの為に歌う
06. Fly To Paradise [Feat. Eric Whitacre Singers]
07. Gia Nel Seno既に胸の中で (La Storia Di Lucrezia)
08. Follow Me
09. You
10. Better Is One Day
11. Tu Che M’Hai Preso Il Cuor君こそ我が心の全て
12. Miracle [Feat. YOSHIKI]
13. Time To Say Goodbye
ブライトマンは、「『HYMN(讃歌)』という言葉について、そしてそこから思いつくことは何だろうって考えたの。私にとって、それは喜び、希望と光、親近感があって安心感があるものを意味していた。それこそ自分の人生の中で私が必要としていたものだった。私がこれまでにやったきた全てのプロジェクトも全て私の感情から生まれているわ」と語っているようだ。
そんなところからもかなり壮大な「喜びと希望」と言った感覚の曲が並ぶ。バックにもオーケストラ、合唱団を惜しげも無く引っ張り込んで大きなスケールで歌いあげるところもサラ・ブライトマンのClassical crossoverの面目躍如といった感じだ。これぞ彼女の長年培った総集編と言った充実アルバム仕上げ。 フランスのヴァンサン・ニクロをフィーチャリングしたM03."Sogni夢"、クラシック・ソプラノを聴かせる彼女特有の歌い込み。
そしてレハールのオペレッタ『微笑みの国』からのアリア”M11.君こそ我が心のすべて”、これは美しく歌いあげは、お見事。
又M10."Better is One Day"のような軽快な曲もある。
更に彼女の最大のヒット曲”M13.タイム・トゥ・セイ・グッバイ”も、最新スロー・バージョンで登場。そして盛り上がり最高潮には例のYOSHIKI(X JAPAN)との夢のコラボレーション(→)が実現しているM12:"Miracle"を歌い上げる。
いずれにせよ、3オクターヴの声域を持つと言われ、ステージでの圧倒的な存在感のある歌姫サラ・ブライトマンのスケールの大きい曲群に仕上げられ、見事なアルバムとなった。多分1960年生まれだからもういい歳だ。顔も丸くなり体型もなるほど中年パターンに近づいているとは言え、なかなか健闘してのヴォーカルを披露。昔より若干声にヴォリームがなくなった感があるも頑張っている。
万人向けの良質・充実アルバムと言っておきたい。
(評価)
□ 曲・演奏: ★★★★★☆
□ 録音 : ★★★★☆
(試聴)
* * *
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コメント
日本国民にサッカー応援BGMとしてすっかり脳裏に刷り込まれているサラ・ブライトマン(英国ソプラノ歌手&女優)の「クエスチョンオブオナー」が有名ですが、「クラシカル・クロスオーバー」(クラシックとPOPS・ロックを融合させた独自の音楽スタイル)の第一人者ですね。米国ビルボード・チャートのクラシックとダンスの両音楽部門で同時1位を獲得した世界唯一の歌手のルーツは、1970年前後でロック音楽が融合発展したはピンクフロイド(プログレロック)にも大きな影響を受けていましたね。
投稿: ローリングウエスト | 2025年4月23日 (水) 11時16分