シモーネ・コップマイヤーSimone Kopmajer 「SPOTLIGHT ON JAZZ」
キュートから円熟味の加味されたロマンチィック・スタイルへ
<Jazz>
Simone Kopmajer 「SPOTLIGHT ON JAZZ」
Lucky Mojo / EU / LMR 1801 / 2018
Simone Kopmajer (Vocals)
Terry Myers (ts,cl)
Paul Urbanek (p)
Martin Spitzer (g)
Karl Sayer (Bass)
Reinhardt Winkler (Drums)
オーストリア出身のジャズ・シンガーでヴィーナス・レコードからデビューしたシモーネ・コップマイヤーSimone Kopmajerのニュー・アルバム。ジャズ・スタンダードにスポットライトを当てたそのままのタイトルの付いたアルバムの登場だ。これはVenusでなくLucky Mojo Recordsからのリリース。彼女は最近は米国での活動も多い。
私の知る限りだと、かっては"シモーネ"と言う名前でアルバムがリリースされていた。私が持っているのはデビュー当時のアルバムを二枚組にしたVenus Recordsの"The Best Coupling Series"のもので、『Moonlight Serenade 』+『 Romance』(VHCD-1147/2013 →)である。この当時はキュートと言った表現に当たる可愛い声でのジャズを歌ったアルバムであった。これはもともと2003年に彼女のデビューした時のもので(彼女は1981年生まれであるから、当時22歳)、もう15年前になる。従って今回のアルバムはどんなムードか、若干彼女の変化に興味を持ちつつこれを聴いた訳だ。
(Tracklist)
1 Spotlights 3:56 *
2 Pennies From Heaven 5:10
3 You Don ́T Call Me 3:30
4 Mighty Tender Love 4:17 *
5 Poinciana 6:46
6 Dig That Riff 4:00
7 Remember Jeannie 6:58 *
8 Struttin ́ With Some Barbecue 4:08
9 Exactly Like You 4:44
10 A Gift From Buddy 4:40
11 Stompin ́ At The Savoy 4:25
12 We ́Re Goin ́ In 4:32
13 Mood Indigo 4:04
14 Dig That Riff 3:02
(*印:Simoneのオリジナル曲)
それでもあのキュートは残しつつ若干卒業して、適当に垢抜けた円熟味が加味され大人のジャズヴォーカル色が加わったロマンテイック・スタイルになった彼女をこのアルバムで聴ける。
バックはピアノ・トリオにテナー・サックス、ギターが加わって、ジャズの条件はしっかりとそろえている。全体に標準的なサウンドで、荒れることの無い、コンテンポラリーな変化も無い大人しいバックで、やはり彼女のヴォーカルを主体とした演奏だ。
実は彼女の前作『Good Old Times』は昨年リリースされたアルバムだが私は聴いてなかった。その中身はロック・ポップスに近いモノだったようだが、今回はしっかりジャズ・シンガーを表に出している。
オープニングのM1,"Spotlights"から、やや陽気な展開で、その流れはアルバム全体の印象となっている。まあ声の質から言っても深刻さの無いお手軽ジャズ・ヴォーカル・アルバムとして聴くのがよいのだろうと思う。
私的は M2、M3、M5あたりは落ち着いたムードで好感。
M10 "A Gift From Buddy"と M13 "Mood Indigo"の2曲は、大人のムード仕立てで、このアルバムでは出色。
(評価)
□ 歌・演奏 : ★★★★☆
□ 録音 : ★★★★☆
(視聴)
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コメント
ビーナスレコードからハワイアンだ、クラシックだ・・となんか変な方向へ行ってしまったので最近聴いていませんが、ジャージー回帰のようですね。
投稿: 爵士 | 2018年12月24日 (月) 23時22分
爵士さん、コメント有り難うございます。
今作はVENUSではありません。ご本人はこちらの方がやりたかったのでしょうか。それにつけても彼女としては良いアルバムを作ったと思います。進歩しています。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2018年12月25日 (火) 08時32分