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2019年1月30日 (水)

アガ・ザリアンの久々のニュー・アルバムAga Zaryan 「HIGH & LOW」

ポーランドからの
相変わらずの美しいソフトなヴォーカルが・・・・・しかし

<Jazz>
Aga Zaryan 「HIGH & LOW」
WARNER MUSIC POLAND / IMP./ ZARYAN201801 / 2018
Hl
Aga Zaryan (Vocals)
Michal Tokaj (Keyboards)
David Doruzka (Guitars)
Slawek Kurkiewicz (Electric Bass)
Pedro Segundo (Drums,Percussion)
Lukasz Zyta (Drums #4,9)
Munyungo Jackson (Percussion #3)
Marcin Kaletka (Tenor Saxophone)
Robert Majewski (Trumpet,Flugelhorn)
Grzegorz Nagórski (Trombone)
Corbin Jones (Tuba #5,9,10)
Irena Kijewska (Background Vocals)
Recorded in Warsaw, Sep.-Oct. 2018, Polish Radio Studio S4
  いやはやポーランドの女性シンガー・アガ・ザリアンAga Zaryanの話になるのも久しぶりである。
 ここで彼女のアルバムを取り上げた最後が、ポーランドで手に入れたライブ・アルバム『LIVE AT PALLADIUM』(COSMOPLIS 070・071/2008)の紹介だったと思うので6年前の話になる。とにかく歴史的な悲劇のワルジャワ蜂起をテーマとしてのアルバム『UMIERA PIEKNO』(ポーランド2007年、EMI music poland/2010)を製作して、国家的評価をも勝ち取り頂点に立った彼女である。その後日本でも知られるようになるのだが、ポーランド・ミュージックの日本紹介はそれ程歴史が無い。彼女についても日本でのデビューは2010年になってからだった。従って彼女の数枚のアルバムは殆ど当時に纏めて注目されたのである。
 その後はアルバム『A BOOK OF LUMINOUS THINGS』(2011)を聴いたが、今後への発展におそらく問題意識にテーマがなかなか持てなかったのではと推測する。私にとってはそれ以来7年の経過がある。そしてここに久しぶりにニュー・アルハセムを聴く事になった。
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(Tracklist)
1. Back
2. High & Low
3. Not Here For Long
4. Paths
5. Spirit Voices
6. Proof
7. Dreams, Themes & Schemes
8. Turn Me On
9. A Story From A Tram (Listen, Little Man)
10. Boo To You Too
11. Geri
12. Evil

 相変わらず、彼女の歌声はソフトできつい刺激というものはない。そして充実感あるところがいい。
 ただ今回のアルバムのコンセプトは?、実はよく解らない。しかしバックの演奏はMichal Tokaj (Keyboards)を中心に、構成はジャズ・バンドそのものである。
 アルバム・タイトル曲のM2."High & Low" は、バックにトランペット、トロンボーンが入ってギターを主力に展開する如何にもジャズらしい曲。しかしどうも心に響いてこない。旋律に美しさというもが感じないためかと思う。
 ほとんどの曲はアガ・ザリアン自身が英語で詩をつけているので・・・そのあたりを聴きこまないと・・・・。
 M4 "Paths"にはバックのサックスも歌い上げるのだが、どうも曲自身がピンとこない。
 全体に暗さはなく、むしろ弾むほうが印象深い。
 ただそんな中で後半になって、M6 "Proof"、M7."Dreams, Themes & Schemes"にそれでもキーボードと彼女の唄に美しさが感じられたことは救いであった。
   又M8."Turn Me On"、M11." Geri"はしっとりと歌い込んで不思議なムードがあり、彼女の味が出ていて、この辺りはちょっと注目される。



 とにかく、このアルバムを聴くにつけ何を期待して何に感動するのか、というポイントが見つからないのである。彼女のアルバム『UMIERA PIEKNO』(2007)は、ポーランドという国の独立するまでの苦しい時代を生きてきた女性たちの心が歌われていて、そこには悲劇と陰と力強い意志とが美しく歌われたのだが、そのイメージがあまりにも強いので、このようなよりどころのないヴォーカル・アルバムを聴くと、彼女の歌がうまいだけにちょっと逆にむなしくなる。
 

0006yls0q4em06usc122[アガ・ザリアンAga Zaryan]
 1976年、ポーランド・ワルシャワ生まれの円熟女性ジャズ・ヴォーカリスト。父はクラシック・ピアニスト、母は英語教師/作家らしい。紹介ではエラ・フィッツジェラルドとマイルス・デイヴィスを聴いてジャズに夢中になったという話がある。2002年にアルバム『My Lullaby』でデビュー。2010年のアルバム『Looking Walking, Being』(日本盤は翌年発表)は、ポーランドで最も権威にある音楽賞“フリデリク”でジャズ・コンポーザー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。スタンダードからポップス、ワールド・ミュージックのフィーリングを織り交ぜ、作品ごとに多彩な味付けがある。私の推薦盤は『Umiera Piękno』。
<Aga Zaryan  Discography>
2002 My Lullaby
2006 Picking

2007 Umiera Piękno
2010 Looking Walking, Being
2011 A Book Of Luminous Things
2013 Remembering

2018 High & Low
(評価)
□ 曲・演奏・歌 : ★★★★☆
□ 録音      : ★★★★☆
*
(視聴) 参考までにアルバム『UMIERA PIĘKNO』より"MIŁOŚĆ"

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2019年1月27日 (日)

[最近のカメラ事情] スマート・(マウント)アダプターの恩恵

コンタックスNマウントレンズ(Carl Zeiss)の完全復活

          CONTAX-N → E (SONY)

 Img_1542trw_2  私は、かって35mmフィルム一眼レフカメラを主力とした時には、NIKONでもなく、CANONでもなく、Carl Zeissレンズで楽しませてくれたCONTAX-N1(2000年10月発売、AF=TTL位相差検出方式、レンズ内ピント駆動)(→)が主力でした。しかし京セラがカメラから撤退して、このカメラは打ち止めとなってしまったわけだ。したがって今日のようにデジタル時代になっても、このカメラのレンズをAFなども含めて当時のまま使いこなせるカメラは存在していない状況だった。しかし・・・・・・

 フルサイズ・ミラーレス・カメラの充実によって、とにかく嬉しいことが起きている。ミラー・レスの為レンズマウントからセンサーまでの距離(フランジ・バック)が短いために、今まで使われてきた35mmフィルム一眼レフ・カメラのレンズが、マウント・アダプターによって、各メーカーのものがぼぼ完璧にそのメーカーの壁を越えて各機種に使える条件が揃ってきた。

 とにかく目下はカメラ界の話題はフルサイズ・ミラーレス・カメラの時代と言って良い。先行し流行を作ったSONY、そして追いつけ追い越せのNIKONCANONそしてLUMIXと華々しい。
 おかげで、かってのカメラ・レンズをそれらに使えるようにする工夫も併行してエスカレートしているのだ。

 ここで取りあげるのは、今や消滅したフィルム・カメラの名機CONTAX-N1の遺産(レンズ)を、最も現在先に進んでいるSONYのミラーレス・デジタル・カメラ(α7シリーズ・Eマウント)で使えることが試みられたのである。

00000003215771_a01_4■ ① マウントアダプター「KIPON CN1-NEX 」

 これは早くからSONYのレンズ群がまだ手薄であったため、35mm一眼レフCONTAX-N1の純正レンズのラインナップである人気のカール・ツァイスのレンズ群をSONYフルサイズ・ミラー・レス機に使えるようにしたマウント・アダプターである。
 しかしこのアダプターは絞りを持ってはいたが、レンズ機能の優秀なオートフォーカスは使えず、マニュアルフォーカスとしての使用に止まっていた。
 これは私も使用していたものである。
  その後、このKIPONでは、オートフォーカス対応アダプター「KIPON CN1-S/E AF」を登場させたが、N1における機能まではほど遠いものであった。

■ ② スマート・アダプター「fringer SMART ADAPTAER FR-CNSE Mark Ⅲ」

Frcnse02tr ところが、ここにこのFringerから「FR-CNSE Mark Ⅲ」が登場するに至り、こちらは、下のような機能をそろえてしまった(2017年登場、2018年その優秀性実証)。
 *コンタックスNマウントレンズでのAF撮影が可能
 *撮影した画像の焦点距離、露出などの情報はExifデータとして記録
 *NAM-1(コンタックス645レンズ用のマウントアダプター)と併用可能
 *ボディ内手ぶれ補正機構対応
 *コンティニュアスAF(AF-C)に対応
 *PC端末とのUSB接続で、ファームウェアのアップデート可能

 こちらの機能復活は見事であった。当初私は躊躇していたのだが使ってみて驚いたのである。もっとも優れたところは、SONYα7(もちろんα9も)はフルサイズ機で有るために、本来のコンタックスN1と全く同様の画角の感覚と合焦スピード(位相差式)でコンタックスN1レンズのオートフォーカスが抵抗なく使えるというところに至った。これによりこのレンズが完全復活させたのである。いやはやこれはまさに快適、勿論ソニー機の優秀さによって、露出、ボディ内手ぶれ補正機能(本家コンタックスN1より優れているとも言える)等は有効で、更にコンティニュアスAFまで対応してしまう。
(↓ SONY α7にアダプター「FR-CNSE Mark Ⅲ」を介してCONTAX-N1レンズ(Vario-Sonnar T* 3.5-5.6/28-80)を装着した状態)

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 このようなものは外国でも評判で、「スマート・(マウント)アダプター」と呼ぶようになった。日本でもそれが定着しつつある。これはフルサイズ・ミラーレス機が登場してそしてブームになったことから始まった訳で、ニコン、キャノンでも先頃登場させたフルサイズ・ミラーレス機には、純正に自己メーカーの過去の一眼レフ・カメラのレンズを使えるように、スマート・アダプターをそろえている。他メイカーのレンズに対しても次第に同様な事が第三メーカーも加わってこれから盛んに行われようとしているのだ。

 カメラごとにレンズをそろえなければならないのはユーザーには負担が大きい。従ってこのような優秀なアダプターはまさに歓迎であるし、一端消滅したカメラもその命であるレンズがスマートアダプターにより有効に使われることは大歓迎と言う事だろう。

「FR-CNSE Mark Ⅲ」により、完全復活したContax N mount lens群

<Carl Zeiss>
Makro-Sonnar T* 2.8/100
Planar T* 1.4/50
Planar T* 1.4/85
Tele-Apotessar T* 4/400
Vario-Sonnar T* 2.8/17-35
Vario-Sonnar T* 3.5-4.5/24-85
Vario-Sonnar T* 3.5-4.5/70-200
Vario-Sonnar T* 3.5-5.6/28-80
Vario-Sonnar T* 4.0-5.6/70-300

 (参考) KIPON vs FRINGER

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2019年1月23日 (水)

ケイト・マクギャリー Kate Mcgarry 「THE SUBJECT TONIGHT IS LOVE」

透明感あるしっとりとしたヴォーカル

<Jazz>
KATE MCGARRY  KEITH GANZ  GARY VERSE
「THE SUBJECT TONIGHT IS LOVE」

Binxtown Records / JPN / RCIP-0282 / 2018
Album

Kate McGarry - Vocals / Piano (07)
Keith Ganz - Acoustic & Electric Guitar / Bass
Gary Versace - Piano / Keyboard / Organ / Accordeon

Special Guests
Ron Miles - Trumpet (12)
Obed Calvaire - Drums (09)
Katemcg  ジャズ・ヴォーカリストと言っても一味違うフォーク、ソウルの味のある独特の世界をゆくソング・ライターでもあるケイト・マクギャリーKate McGarryの最近作。
 とにかく彼女の描く世界は凜として透明感あるしっとりとした心潤うところにあり、それを生かすべくバックは夫のKeith Ganzのアコースティックなギターを主体にシンプルそのもので、たっぷり彼女の歌声を手に取るように聴く事が出来る。又キーボードはGary Versace が、ピアノ、オルガン、アコーディオンなどをこれ又シンプルに演じ、彼女のヴォーカルを前面に押し上げるべく落ち着いた演奏を聴かせるのである。

(Tracklist)


Tracklist1


 今作もアコースティックなバツク演奏に支えられて気品あるアルバムに仕上がっている。
   M1."Prologue"と"M12.Eplogue"があってアルバム・トータルにリラックスした心に通う世界を心地よく聴かせる。
 M2."Secret Love"のように馴染みの曲も、完全にアカペラに近い雰囲気で物語をゆったり語るがごときケイト節で歌いあげて好感。
 M3."Climb Down"のようにKeith Ganzの味のあるギターで、優しさと叫びと歌うブルース調も聴かせ味わい深い。
 M5."Fair Weather"M10."She Always Will"は8分に迫る曲で、静かにアコースティックに演じられるピアノとギターそしてベースも美しく、物語を聞かせる如くのヴォーカルは見事。
 アルバム中盤から後半へのM7、M8、M9 も、落ち着いた世界をしっとりと歌い上げる。
 M11."Indian Summer"、 ピアノもギターもシンプルに静かな世界をしっとりと構築する。そして彼女のヴォーカルもそんな雰囲気を更に品良く歌ってくれる。
 こうした作品はジャズといっても一種独特の味があり、豪勢なリズムたっぷりの世界とは完全に異にする。そのため好き好みでは分かれるところにもあるとみる。一日を振り返って夜に一人で静かに物思いにふけり聴いているにはベストなアルバムである。
*
ケイト・マクギャリーKate McGarryは、1970年生まれ今年で49歳になる。アイルランド系米国人。米・マサチューセッツ州出身のジャズ・ヴォーカリスト。マサチューセッツ大学アマースト校へ進学、ジャズとアフロ・アメリカン・ミュージックの学位取得。卒業後は「ワン・オクロック・ジャンプ」のメンバーとして活動。その後ロサンゼルスへ移り、クラブで歌ったり、ハリウッドで映画やTVの仕事をもしている。
 92年に初アルバム『Easy To Love』(2016年に再発、VTL015)を発表。以後アルバム『Show Me』(2001)、『Mecy Streets』(2005)、『THE TARGET』(2007)、『Girls Talk』(2012)をリリース。2009年のアルバム『IF LESS IS MORE...Nothing is Everything 』はグラミーにノミネート。国内外のクラブやフェスのほかラジオへも出演、ニューイングランドやマンハッタンの音楽学校では教壇にも立つという。
(評価)
□ 曲・歌・演奏 :★★★★★☆
□ 録音      :★★★★☆
(視聴)

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2019年1月19日 (土)

ザーズZAZの4thアルバム「EFFET MIROIR~心、重ねて~」

ちょっと大人の味も出ての新境地のアルバム登場
*
  ストリート・ミュージシャンからのスーパー・スター”タッシュ・スルタナ”登場で刺激を受けると、そうそう忘れてはいけないフランスの”ZAZ(Isabelle Geffroyイザベル・ジュフロワ 1980-)”がいる。しかもなんと久々のニュー・アルバムが登場しているので、当然ここに取り上げるのだ。
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<Chanson, Jazz, Rock, Pop>

ZAZ 「EFFET MIROIR~心、重ねて~」
Waner Music France / JPN / WPCR-18126 / 2018
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*
 前作「PARIS "~私のパリ~"」(2014)以来、4年ぶりの4作目となる本作。今回は”日仏同時発売”されたということで、日本での彼女の”人気の高さ”が裏付けられている。
  2010年のデビュー・アルバム「ZAZ~モンマルトルからのラブレター」 (RESPECT RECORD/RES180)がフランスでは大ヒットして、日本にも伝わってきたわけだ(2010年、フランス・アルバム・チャートにて8週連続1位を記録した)。ストリート・ミュージシャンとして鍛えられたところに魅力をはらんでいて、曲自身の魅力としては、シャンソンはもちろん、フォーク、ブルース、アヌーシュ(ジプシー)・スウィング、ロックなどが加味して、ジャズ的アプローチが結実しているところにある。 更にそれに加えて、特にヒット曲”私のほしいもの”でも感じられるように、若いなりきの生き様に一つの”確固たる信念”とも思えるものが見えているところも魅力の一つだったように思う。
 そして時は流れフランスの大シャンソン歌手エディット・ピアフの再来と言われるまでに成長して、彼女のややハスキーな魅力の歌声で、しっかりフランスはじめ世界各地で確固たる地位を築いてきた。そんな中で久々のニュー・アルバムの登場をみたわけだ。

(Tracklist)
1.Demain c'est toi 明日はあなたのもの
2.Que vendra 何が起きようが我が道をゆく
3.On s'en remet jamais もう一度あなたの声を
4.J'aime j'aime 好き好き
5.Mes souvenirs de toi あなたの思い出
6.Toute ma vie 私の一生
7.Je parle 私は話す
8.Resigne-moi 私にかまわないで
9.Ma valse ワルツ
10.Si c'etait a refaire またやり直せたら
11.Pourquoi tu joues faux どうして調子はずれなの
12.Plume 羽根のように
13.Nos vies 私たちの人生
14.Saint Valentin ヴァレインタインデー
15.Laponie ラップランド
*
  このアルバムには15曲登場するが、今作の特徴はかってのヒット曲のカヴァーでなく、全てオリジナルだ。彼女自身の曲の外、フランスの新進気鋭の一連のミュージシャンが提供した曲であることだ(彼女がそれに詩を担当したものもある)。
  曲のタイプは、シャンソンをベースに南米音楽、ポップ、サルサ、ロックなど様々なジャンルをクロス・オーヴァーしたものでジャジーな雰囲気もある。まさに「ザーズの世界」が堪能できる。これらはパリ、ブリュッセル、そしてモントリオールで制作されたものだという。

Zaz1


 M1."明日はあなたのもの"で、おやっと思うほどの彼女の成長が感じられる。未だ見ぬ我が子に想いを馳せて、しっとりと歌いあげる。いっや~大人のムードだ。
 
M2."Que vendra何が起きようが我が道をゆく"から続く曲は、いつものザーズの流れで、リズムを刻み意志の強さを歌う。
 
M3、"On s'en remet jamaisもう一度あなたの声を"、M4."J'aime j'aime好き好き"は、シャンソンと言うよりは”ロックのザーズ節”の展開だ。
 M5 ".Mes souvenirs de toiあなたの思い出"は、ちょっぴり淋しさのシャンソン曲。こうした曲は彼女はうまくなりましたね~~。
 M8. "Resigne-moi私にかまわないで" この曲はこのアルバムではかなり重要な位置にある訴えも重い。彼女のミュージシュンとしてここまで進歩・発展した充実の曲。このアルバムの一つの頂点。
 M9、M10 は再び自分を取り戻していくシャンソンとロックの2曲。
 このように、彼女のこの数年間を振り返り、そしてこれからの人生に向かってゆく決意のような曲展開になっている。
 M13."Nos vies私たちの人生" 重なり合う不思議な人生を歌いあげる。そこには展望が描かれている。
 M14 ."Saint Valentinヴァレインタインデー"は、ちょっと印象的な歌。”私はいつもここにいる”と存在感を訴えているのか、それとも開き直り?
Guillaumeponcelettrw_2 M15."ラップランド"この最後の曲は印象的。殆ど彼女の唄というよりは語りでしめられているが、その美しさは抜群で、かってなかった彼女の別の世界が見えてくる。これは彼女の詩に注目のフランス若手ピアニストのギヨーム・ポンスレGuillaume Poncelet(1978-)(→)(おそらく彼のアルバム「Quatre Vingt Huit(88)」からの曲"Morning Roots"だと思う)が曲を付けたもので、「極北の地」に対する”憧れ”なのか、未来に自己を求める姿が見えてくる。
 印象深いのは”過去の息を吐き出し、新たに息を吸い込む”のくだりであり、おそらく自分をもう一度見つめ直して歩む決意を歌っているのではと想像するのだが・・・それにつけても美しい曲、往年のフランス映画のシーンのようだ。
 なかなか全編トータルに彼女が自己を見つめてこれから新しい道を進もうとする意志のようにも感ずるアルバムで、彼女の歌声と言い、曲の変化といい、なかなかの上出来アルバムの登場だ。進歩を感じた。
(評価)
□ 曲・演奏・歌 : ★★★★★☆
□ 録音      : ★★★★★☆
(視聴)

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2019年1月15日 (火)

[久々の衝撃]一人バンドのタッシュ・スルタナTASH SULTANA 「FLOW STATE」

パーフェクトなシンガー&マルチ・インストゥルメンタリスト"一人バンド"の初のフル・アルバム

 今のようなネット社会になる前(1980-1990年代)のパソコンが普及してきた頃、もう30年以上前の話だが、「パソコン通信」という電話回線を使ってのパソコンとホスト局とのサーバとの間での通信手段があって、そこで全国の諸々の愛好者と仲間を作って参加者のみのクローズドな会話をしてきたものだ。その当時の「PC-VAN~ Rock」のロック仲間から新年早々、最近ジャズに現(うつつ)を抜かしている私に、年賀状での推薦があった。それがこの”衝撃のタッシュ・スルタナ”だ。

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<Psychedelic Rock,  Altanative Rock>

TASH SULTANA 「FLOW STATE」

Lonely land Records / EU / 19075870562 / 2018

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Tash Sultana : Guitar, vocals, bass, piano, keyboards, trumpet, drums, pan flute, mandolin, saxophone, percussion

Produser : Tash Sultana
Engineered by Nikita Miltiadou、Dann Hume
Mastered Andrei Eremin

 
Ts2 オーストラリア・メルボルン出身のシンガーソングライター、マルチ・インストゥルメンタリストの23歳の才女タッシュ・スルタナTash Sultanaの初のフル・アルバム。
 なにせ、ギター、トランペット、サックス、パン・フルート、グランド・ピアノ等15種以上の楽器を自ら演奏。3歳から始めたというギターはジミ・ヘンドリックスに喩えられる程の腕の持ち主で聴く者を唸らせる。彼女はメルボルンの繁華街スワンストンで長年ストリートミュージシャンとしての活動してきた。
 2008年から2012年までは”Mindpilot”というバンドのボーカリスト、メルボルンでいくつかの賞を受賞。その後ソロで活動を開始、2016年頃よりYoutubeにてパフォーマンス映像を公開し評判を呼びSNSで大きな注目を集めた。公開曲「Jungle」がオーストラリアチャート39位を記録し、現在までに5,000万回以上のストリーミングを記録する。2017年にはオーストラリアの権威ある賞、ARIAミュージック・アワードにて4部門にノミネート。現在はアメリカ、イギリスを中心にドイツ、フランス、ニュージーランド、イタリア、カナダなどワールドツアーを敢行中、ソールドアウトが続出とか。今年のコーチェラにも初出演するなど勢いが止まらない。

  これまでは、インストを含む2枚のEP『Instrumentals』、『Notion』を発表しており、今回この初のフル・アルバムにはシングル「Free Mind」、「Salvation」、「Harvest Love」など全13曲を収録。

 とにかくステージ上には一人だけ。足元や手元に多くのペダルやエフェクター、サンプラー、キーボード、ギター等を置き、全てを操って音を重ねていくパフォーマンスで圧巻。


Ts1_2(Tracklist)
1. Seed (Intro)
2. Big Smoke
3. Cigarettes
4. Murder to the Mind (Album Mix)
5. Seven
6. Salvation
7. Pink Moon
8. Mellow Marmalade
9. Harvest Love
10. Mystik (Album Mix)
11. Free Mind
12. Blackbird
13. Outro
(All songs written by Tash Sultana)

 収録13曲、全てが彼女のオリジナル、そしてオール楽器も全て彼女が演奏。
 ストリート・ミュージシャンと言うと、フランスのZAZを思い出しますが、総じて技量が高いのが特徴だ。このタッシュは例外で無いどころか、それ以上の楽器の演奏能力が高いのとヴォーカルが見事というところは、近年見たことのないハイレベルだ。それは当に衝撃!。

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 M1." Seed (Intro)"澄んだギター・サウンドからスタート。そして美し響くヴォーカルが次第にレゲェ調に・・・・冒頭から魅力的。
  続くM2. "Big Smoke"から前半だけ聴いても衝撃が走る。
 曲展開は当に「タッシュ・スルタン節」だ。サイケデリックな展開の中に、R&Bであったり、レゲェ、ヒップポップが絡んだり、ポップな要素がたっぷり盛り込まれている。
 そしてギターは、エレキを中心に全ての要素が絡む奇っ怪さ。美しさ、リズムカル、泣き、早弾きと、恐ろしくなるギター・プレイだ。キーボードも説得力有り。
 ヴォーカルは、ソウルフルであり、時にクールに、又展開によりパワフルに、情熱的に、と多彩。
 M7. "Pink Moon"こうしっとりと歌われると、これが又たまりませんね。情感が伝わってくる。声域の広さも感心します。
 M9. "Harvest Love" このようなスローな曲の情感も半端じゃない。
 M12. "Blackbird"ギタリストの本領発揮。フラメンコ調を臭わせたりギター・テクニックはお見事。そしてギター・サウンドはM13. "Outro"へ続き美しく終わる。このあたりもニクイところだ。

 いやはや恐ろしいミュージシャンが現れました。これぞ何年に一人の逸材だ。なんとなく低調なミュージック界を奮起すべく背負って立つプレイヤーが登場したと言って間違いない。私にとってはアデルの出現時より圧倒的に衝撃は大きい。

 (評価)
□ 曲・演奏・歌 : ★★★★★
□ 録音      : ★★★★★☆
     
 (視聴)

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2019年1月12日 (土)

リン・エリエイル Lynne Arriale Trio 「GIVE US THESE DAYS」

硬派で爽快なプレイの女流ピアニスト作品

<Jazz>
Lynne Arriale Trio 「GIVE US THESE DAYS」
ChallengeRecords / AUSTRIA / CR73453 / 2018

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Lynne Arriale (piano)
Jasper Somsen (bass except 9)
Jasper van Hulten (drums except 9)
Kate McGarry (vocal on 9)
Recorded Decem, 18-19, 2017 at MotorMusic Studioa, Belgium

39051739w 米国ベテラン女性ピアニストのリン・エリエイルLynne Arrialeとオランダ出身のイェスパー・サムセン(b)とイェスパー・ファン・フルテン(ds)の二人と組んだトリオ作品(→)。ベルギーでの録音だ。

  リンは、知る人ぞ知るピアニストだが、長い経歴の中で幾つかの作品がある。しかし実は私は全く知らないということではないが、ちょっと片聴き程度のところだった。と言うとお解りでしょうが、所謂ユーロ系の叙情派とは全く異なって、むしろ今となればアメリカン・ジャズの古典的流れにある”現代ハード・パップ・ピアノの王道をゆく正統派”と表現されるタイプなのだ。しかし彼女の活動の広さを物語るように、今回のこのアルバムはユーロ製作である。

 しかし、彼女の演ずる曲(以前のアルバム『With Words Unspoken』(Digital Music Products/518/2016)に登場する"Where Or When")が、昨年末の寺島靖国の『For Jazz Audio Fans Only Vol.11』に登場して、おやっと、ちょっと関心を抱いたと言う事と、フォーク、ソウル、ジャズに通ずる女性シンガーのケイト・マクギャリーの名もスペシャル・ゲストとして見えた為、ここらで一度はしっかり彼女のアルバムも通して聴いておこうと、この最近作を手に入れた次第。

 彼女は1957年ウィスコンシン州ミルウォーキー生まれ、ピアニスト&作曲家として国際的に演奏活動を行うほか、ノースフロリダ大学でジャズを教え、各国でもワークショップなどを開催。又様々なコンクールで審査委員を務めるという既にもはや重鎮。


Lynne72145ew(Tracklist)
1. Woodstock
2. Appassionata
3. Finding Home
4. Give us These Days
5. Slightly Off-center
6. Another Sky
7. Let it be
8. Over and Out
9. Take it with Me


 これは本流のピアノ・トリオである。そして女流ピアニストということは感じさせない歯切れのよいメリハリのあるピアノ・タッチが特徴といってよいだろう。基本的にはスウィングする流れからの発展形。
 それはジョニ・ミッチェルの曲M1. "Woodstock"の冒頭から見事に展開する。しかもこの曲では、進行するにつれ昂揚のある流れから次第に徐々に盛り上がって、遂に見事なる華を全開する硬派の爽快にして豪快なプレイに驚かされる。
  一方M4. "Give us These Days"のアルバム・タイトル曲では、その心に染み入る抒情的な美しさを演じてくれる。この彼女のオリジナル曲を、アルバムタイトルに持ってきたと云ところからも、彼女はこのようなちょっと物思いにふけるロマンティックな線も大切にしていることと推測できる。
 
M7. "Let it be"は、お馴染みビートルズの曲だが、変にしつこさが無く意外にサラっとしていて原曲も生かしての編曲部もなかなか聴きごたえある。
 
M9. "Take it with Me"は、トリオものでなく、しっとりと聴かせるシンガーKate McGarry が登場する。ピアノとヴォーカルのデュオ作品だ。曲はトム・ウェイツのもので、これが私のもう一つの目当てであったもの。そのムードは抱擁感に包まれて味わい深く良いですね。実はもう一曲ぐらい聴きたいといったところ。

 結論的には、ジャズの先生の基本をクリアした充実作品として聴いた。

(評価)
□ 曲・演奏 : ★★★★☆
□ 録音   : ★★★★☆

(視聴) "Give Us These Days"

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2019年1月 8日 (火)

平成の終わりは平和の終わりでは困る? 2019年米国と日本の不安

「平成の最後の年」の始まりに・・・・・平成は何だったのか?

 新しい年を迎えてようやくここに来て新年の騒ぎから一段落。ふとこの新元号(年号)年の前途に想いを馳せると、何故か不安というか落ち着かない気分になるのは私だけであろうか。
 明治以来の「一世一元の制」による「平成」も、平成天皇の退位することから始まった歴史的意味論。”平成明仁天皇(1933-)は歳を取った、そして国民の象徴から降りる”という意味は何なんだろうかと、つまり「象徴論」にもふと疑問を持ちながらのこの日本の歴史に一つのけじめが付けられようとしている平成31年。

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 しかしそれ以上に世界は激動の様相を呈してきた。

① 米国トランプ政権の世界攪乱 

Donald_trump2w 歪んだポヒュリズムPopulismからの自国第一主義の成せる技。国際機関・機構の無視。大衆の欲求不満や不安を煽ってリーダーとしての大統領の支持の源泉とする手法が愚行にも行われれば、民主政治は衆愚政治と化し、一般庶民大衆のエネルギーは自由の破壊、集団的熱狂に向かってしまう危険性。
 
ナショナリズムNationalismの台頭を促進させるに至る。
 
リベラリズムLiberalism(啓蒙思想から生まれた近代思想の社会自由主義Social Liberalism)に相対する新自由主義neoliberalismの負の部分の露呈。
 
リバタリアニズムLibertarianism(古典的自由主義=自主自立、福祉政策の否定、所得再分配製作の否定)の蔓延。
 
米中貿易戦争=米国派遣の維持

 「新自由主義neoliberalism」
 特にこの「新自由主義neoliberalism」をよく知る必要がある。1979年英国サッチャー首相、1981年に就任したレーガン大統領以来の英・米国における主流的経済思想であり、日本に於いても小泉内閣がその顕著な姿を示したのだが、それは安倍内閣に繋がっている。
 価格統制の廃止、資本市場の規制緩和、貿易障壁の縮小などの下に、特に民営化と緊縮財政などの政府による経済への影響の削減などの経済改革政策であったものが、 国家による福祉・公共サービスの縮小(小さな政府、民営化)に繋がり、大幅な規制緩和、市場原理主義の重視は、それによって社会の一部の構成員への富の集中と貧困層の増大を生む結果となっている。

 世界的レベルで見ると、資本移動を自由化するグローバル資本主義は新自由主義を一国規模から世界規模まで拡大したものともみられている。しかしそれが丁度日本の平成時代に、あっと言う間に世界の主流となったのだ。しかしその結果、それに極端に相対する流れを生むきっかけにもなってしまった。”グローバリゼーションによって加速する人の移動や外国の文化的影響を排し、国民国家という枠に回帰しようという志向性をもつ思潮”が反グローバリズムであり、なんとこの数年急速に成長している。トランプ以来顕著となったのは、反EU(ヨーロッパ連合)や反自由貿易、反移民などを掲げる思潮・イデオロギーや政党などが世界各地に台頭したことだ。そして急速に勢いを得ている。これらの思潮は、ある意味では歪んだポピュリズムとしての性格を示してきたこのトランプ時代の産物でもあると言えるのか。

 しかし米国にはこの新自由主義は決して崩れない基調がある。そしてトランプの出現は何をもたらしているのか、彼の政策は国境を越えて経済活動拡大し利潤極大化を目指す多国籍企業とは別ものであり一見”反新自由主義”のように見えるが、それは”反グローバリズムを装った新自由主義に自己中心主義の上乗せをしているに過ぎない”との見方が正しいようだ。現に合法的移民は積極的に受け入れているし、不法移民は徹底的に否定している。"征服民族である彼の言うオリジナル米国人"の存在と利益を最優先しているだけだ。それにしてもあの暴言、不節操と言う表面(おもてづら)とは別に、国民の支持を得るアメリカ的何かが確実に存在している。それを我々は知らねばならないのではないか。

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 このところのミュージック界では”トランプ批判”が目立つ。先陣をきったロジャー・ウォーターズの2018年12月までの二年間に及んだ世界ツアー「US+THEM tour」上左)、 ラテン・アメリカの血の入ったインドラ・リオス・ムーアの叫びのアルバム「CARRY MY HEART」 (上中央)、そしてここに来てのアントニオ・サンチェスのアルバム「LINES IN THE SAND」(上右)の登場、更にあのアイドル・テイラー・スウィフト(右)ですら公然と批判を述べた。これらのこのようにトランプ批判の流れと犠牲になっている人々への想いを寄せる心は強まっている。これは何を物語っているかは自ずから知れるところである。

800pxpresident_barack_obama_2 更に興味あることはバラク・オバマ元米国大統領が、アメリカの音楽チャートの上位に初登場したニュースだ。彼の名前は俳優でシンガーのクリストファー・ジャクソンChristopher Jacksonの曲「One Last Time (44 Remix)」に、ゴスペルシンガーのベベ・ウィナンスとともにフィーチャーされ、曲中には彼が、初代米国大統領のジョージ・ワシントンの辞任挨拶を引用した演説が盛り込まれている。ビルボードのHot R&Bソングチャートで急浮上したのである。このよって来たるところは・・・と問う事も、米国の良心を知る上に必要だ。

② 安倍政権下の諸問題

 あの昭和・平成時代では歴代総理の中でトップの圧倒的人気のあった小泉純一郎以来の「新自由主義neoliberalism」、つまり”小さい政府、規制緩和、社会保障費圧縮などの構造改革”と”市場原理主義の重視をする経済改革政策”は続いて来た。
 これは国家による富の再分配を主張する自由主義liberalismや社会民主主義Democratic Socialismと対立する面を持っている。そしてその性格はこの安倍時代に明確になり、その結果もたらしたものとして、格差の拡大、国富は1%の富裕層と大企業に集約が進んでしまっているのではないだろうかという批判に耐えられるか。

Photo_2  ▶誰もが認める安倍総理の独裁化、中央官庁エリート社会の墜落、企業の経営倫理の崩壊
 
安倍自民党のおごりと不誠実
 
官僚の文書改ざん・財務省の道義崩壊と腐敗
 
御用マスコミ、そしてテレビを代表する国民総無関心化路線へ
 
国防費の増大 
 
外国人労働者はまさか現代の奴隷制度なのか
 
対北朝鮮、対韓国の日本政策の危険性
 
北方領土問題と平和条約の意義
 
異常とも言える日本の自然災害
 
捕鯨問題と国際機関からの脱退の意味するもの
 
沖縄基地問題と対米関係
 
学問と教育の軽視、教育者・研究者環境の劣悪化

 まだまだ取りあげるとキリがない。新元号に期待して希望的に今年は全てが動く年であることは事実だが、しかし米国にそして日本に問題が山積みされている。さらに世界的には欧州には英国(EU脱退)からイタリア(政治的混迷)、フランス(反マクロン経済政策運動)、ドイツ(リベラル・メルケル首相の支持低下と新興右翼政党「AfD」)をはじめ新たな問題が山積みとなり、中近東、中国、東南アジア、南アメリカのどこをみても戦後の反省から築いてきたものの崩壊が進みつつある。
 少なくとも日本に於いては・・・・意外に大切なのは、ある人がいみじくも言った”この現実にみる西洋思想の弱点が浮き彫りの中では、原点の東洋思想の良い点に今こそ目を馳せ、極めるところ儒教の真髄である「仁・義・礼・智・信」ぐらいは基礎に持って動くべきだ”まさにそうあって欲しいものである。

(取り敢えず・・・・・)
Photo_3 こんな時代に間違いのない道を歩む為に今必要な事は、日本の昭和時代の戦争の反省からの再スタートとその経過から、平成の30年をしっかりそれなりに分析し、これからの時代を評価出来るものを持つ事だと思う。

 実はその意味に於いても、学者をはじめ歴史研究者の語ることは勿論それなりに重要であると思うところだが・・・もう少し砕けた話としては、昨年友人から紹介された本がある。それは右の赤坂真理という1964年東京生まれの女流作家の講談社現代新書「愛と暴力の戦後とその後」(2014年第一刷発行現在第11刷)(→)である。私からすると日本の戦後の歴史の一大事件「60年安保闘争」に関して全く関わっていない人達の書き物は評価が難しいところにある思って来た。しかし現在60年安保闘争に関わった人間は少なくとも75歳以上といってよい。早く言えば後期高齢者に当たる。今や昭和の時代の、平成の時代の若い人達こそ、現状の日本をリードする人間である。その為に現状を知るためにも日本の歴史を知り語るべきと思う。そんな時にこのような事を書く人間が居るということを含めて興味深く読んだ本であるので取りあげた。

(その他の参考書)
「新自由主義の自滅 日本・アメリカ・韓国」
    菊池英博 著            文春新書 2015
「アベノミクスの終焉」
    服部茂幸 著            岩波新書 2014
「新自由主義-その歴史的展開と現在」
    デヴィド・ハーヴェイ著      作品社   2007
「新自由主義の復権-日本経済はなせ停滞しているのか」
    八代尚宏 著            中公新書 2011

(試聴)

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2019年1月 5日 (土)

エミール・ブランドックヴィスト・トリオEMIL BRANDQVIST TRIO 「WITHIN A DREAM」

全編通して・・・美しき詩的な叙情に包まれて

<Jazz, Contemporary Jazz>
EMIL BRANDQVIST TRIO 「WITHIN A DREAM」
Skip Records / Jermany / SKP9141-2 / 2018

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Emil Brandqvist : drums, percussie, klokkenspel, synthesizer
Tuomas Turunen : piano, celesta
Max Thornberg : contrabas. Gast

Martin Brandqvist : fluit, klarinet, basklarinet, percussie

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 スウェーデン、イエテボリ出身のドラマーであるエミール・ブランドックヴィストEmil Brandqvist の結成したピアノ・トリオのアルバム。とにかく美しさと懐古的心情の美、抒情性などの語り尽くせない美しいアルバム。ドイツからのリリースである。
 その手法はジャズといってもクラシックに近いピアノ・プレイを主軸に、ドラマーのリーダー・アルバムとは思えない美旋律Contemporary Jazzだ。これには勿論ピアニストのTuomas Turunen の力も大きいと推測する。

List
Recorded and mixed at S.Grammofonstudion,Gothenburg,Sweden,Noveber 1-5 and December 2017 by Åke Linton

All Songs written by Emil Brandqvist - exept M4(Tuomas Turunen ) and M12(Tuomas Turunen and Max Thornberg  )

 

 14曲全曲オリジナル、10曲はリーダーのEmil Brandqvist により、残る2曲がTuomas Turunen と Max Thornberg によるもの。

 M1、M3 とクラシカルな響きの美しいTuomas Turunen のピアノの調べで、どこか懐かしさを思い起こさせるムードに包まれる。
 M5 田園の水の流れを描いたと想わせ、終わりの盛り上がりが面白い。
 M6."Dream"夢心地の美しさ。
  M7."星空の下で"と言うところか、静かな北欧の散りばめられた星空の下に美しい情景が浮かぶ演奏。
 M8. いかにも抒情的、哀愁の淋しさ
 M10, M11 ここでもピアノのメロディーを支えるが如くのベース、ドラムス。それは究極の美しさだ。

 ここまで、リーダーがドラマーで「詩的」「美」「牧歌的な静」「哀愁」「懐かしさ」を描くトリオ作品は珍しいのではないだろうか、しかもアルバム全編を貫いている。まさに希有なアルバムだ。
 ここまでの徹底ぶりに、驚きと感動で聴き入ってしまったアルバム。

(Emil Brandqvist : Diacography)
2013: Breathe Out
2015: Seascapes
2016: Falling Crystals
2018: Within a Dream

(評価)
□ 曲・演奏 : ★★★★★☆
□ 録音   : ★★★★★☆

(視聴)

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2019年1月 1日 (火)

謹賀新年 2019  ウォルター・ラング Walter Lang Trio 「Translucent Red」

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明けましておめでとうごさいます

今年もよろしくお願いします

             平成31年 元旦

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           ◇          ◇          ◇

日本レーベルのリリースも板について・・・日本人好み盤だ

<Jazz>

Walter Lang Trio 「Translucent Red」
Atelier Sawano / JPN / AS164 / 2018

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Walter Lang (piano)
Thomas Markusson (bass)
Sebastian Merk (drums)

 前作に続いて、Atelier Sawanoからのドイツのウォルター・ラングのピアノ・トリオ・ニュー・アルバムの登場。しかしアルバム・ジャケが凄い赤ですね。これを見ると情熱的な激しい内容のアルバムかとしり込みをしていました。そもそもウォルター・ラングは二つの顔を持っていてリリカルなサウンドを持ち味とするこのメンバーのピアノ・トリオと、一方Trio ELFのようなテクノ・サウンドによる世界とがある。
 しかし私好みはこちらのメンバーのトリオであるが、Atelier Sawanoからの前作『Full Circle』(AS-151/2016)は、なんとなく若干不満足であったため、今作の”赤ジャケ”をみると、更に若干尻込みして居たのです。しかしブログ友爵士さんから私のようなタイプは”これを聴かなきゃダメよ”と言う意味と思うが、お薦めが有って聴くに言ったと言う話。
 
  しかしラングは日本との関係に積極的ですね。今や、CD販売流通も世界的には冬の時代。日本はそれでもまだまだ世界から見るとCD派もいて、ミュージシャンにとっては有り難い国であるのかも知れない。さらに曲1曲を聴くというのでなく、アルバム通して聴きたいというところにもあるのかもしれない。

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(Tracklist)
1. Nancy (with the Laughing Face)
2. Afterglow
3. I Wonder
4. Translucent Red
5. La Musa
6. Precious Love
7. Soon
8. I Loves You, Porgy
9. Still Gone
10. They Didn’t Believe Me
11. Any Old Days
12. Sevilla
13. Dawn Song

 M1. "Nancy" これは女の子の名前だろうか、冒頭から優しいピアノの響きが伝わってくる。優しく女の子を見守る姿だろうか。タイトルを見ずに聴いていると、決して夜のムードでなくむしろ新年の静かな朝に通ずる雰囲気。
 M2. "Afterglow" 残照だ。更に優しいピアノの調べからスタート、ベース、シンバルも同様に優しさの溢れた響き。
 M4. "Translucent Red" ”透き通った半透明の赤”ということだろうか、アルバム・タイトル曲だが、その意味すねところは解らないが、これが又メロディーも優しくノスタルジックな抒情性豊かで聴き惚れる。
 M6. "Precious Love" 尊い貴重な愛、こうした曲を聴くと人間の世界が美しく見えてくる。
 M7. "Soon"そしてM9. "Still Gone"、M11." Any Old Days"と、郷愁をさそう。
 M10They Didn’t Believe Me、M12." Sevilla"は珍しく優しさの軽快な曲
 最後はM13. "Dawn Song"夜明け、未来への展望で納めるところがニクイところ。

 いやはや全編通して「優しさ」「懐かしさ」「優美」「叙情」「希望」「愛」など溢れた曲群で一貫している。彼が日本をイメージしているのかその点は解らないが、レーベルAtelier Sawanoの面目躍如たるアルバム作りとなっている。更に技術陣としてイタリアのステファノ・アメリオを起用し、レコーディングから音質まで素晴らしくあのECMアルバムを連想する世界に至っている。
 意外にこのアルバムを評しているブログは少なく、ここに新年早々に是非とも聴いて頂きたいアルバムとして取りあげた。

(参考)ウォルター・ラングWalter Lang
1961年ドイツ・シュヴェービッシュ・グミュント 生まれ。 アコーデオンとピアノを演奏する父と祖父のもとで育った。ボストンのバークリー音楽院とアムステルダム芸術大学でピアノと作曲を学んでいる。トリオは世界中をツアーしており、なんと言っても特に日本のジャズファンから愛されていて、親日家。このところ澤野工房からアルバムをリリース。

(評価)
□ 曲・演奏 : ★★★★★☆
□ 録音   : ★★★★★☆

(試聴)

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