エンリコ・ピエラヌンツィのニュー・アルバム Enrico Pieranunzi 「PLAY GERSHWIN」
ジャズでもなくクラシックでもなく・・・これは何なんでしょう
<Jazz, Classic>
Enrico Pieranunzi Gabriele Mirabassi Gabriele Pieranunzi
「PLAY GERSHWIN」
CAM JAZZ / IMPORT / CAMJ7939 / 2018
「PLAY GERSHWIN」
CAM JAZZ / IMPORT / CAMJ7939 / 2018
Enrico Pieranunzi (piano)
Gabriele Mirabassi (clarinet)
Gabriele Pieranunzi(violin)
ジョージ・ガーシュインと言えば、シンフォニック・ジャズと言われるクラシックとしてもジャズとしても通ずるアメリカの20世紀の作曲家だが、それを題材にしたイタリアのピアノの詩人と言われるエンリコ・ピエラヌンツィEnrico Pieranunziのニュー・アルバムの登場。
これが案の定、クラシックともジャズとも、なんとも正体の不明なアルバムの登場となった。それも彼のピアノにクラリネット、ヴァイオリンの加わったトリオ演奏によると言う不思議な世界を演じきったもの。もともとクラシックがベースと言うエンリコの事、まぁ聴いてみるとクラシック・スタイルと言ったほうが良いのかも知れない。
もともとガーシュインの曲は、管弦楽曲、オーケストラとしての演奏が主体だが、それを3人の演奏となると室内楽的スタイルで、ちょっとイメージも変わる。更にそこにはそれなりのジャズ世界を演じてきた彼のアレンジが登場するわけで、そこが味噌と言えば味噌なのだが、如何にも正体不明なアルバムなのである。
まあこのところハイドンやバッハとか、さらにドビュッシーの曲を取りあげての彼の世界を演じてきたと言う事もあるのだが、ちょっと私の期待の世界とは別方向に流れているエンリコで、その極めつきがここに登場したとも言えると思う。
(Tracklist)
01. An Americab in Paris
02. Prelude 1
03. Prelude 2 (Blue Lullaby)
04. Prelude 3 (Spanish Prelude)
05. Prelude (Melody No.17)
06. Varaazioni Un Tema Di Gershwin
07. Rhapsody In Blue
01. An Americab in Paris
02. Prelude 1
03. Prelude 2 (Blue Lullaby)
04. Prelude 3 (Spanish Prelude)
05. Prelude (Melody No.17)
06. Varaazioni Un Tema Di Gershwin
07. Rhapsody In Blue
今回のトリオは、彼の兄弟のGabriele Pieranunzi(→)のViolinと、何年かとお付き合いのあるGabriele Mirabassi (右下)のClarinetと言う構成で有り、気心知れた仲間での挑戦と言うことだと思う。まあしかしヴァイオリン、クラリネットと来れば、所謂ジャズのオーソドックスなトリオであるドラムスのようなリズム隊が居ないので、それが一つジャズ離れしたところだろう、もともとジャズ的世界とか何とかとには拘った話でも無いのかも知れない。
そこでむしろ"Prelude"の4曲のように、美しく演ずるのであるが、ピアノがリズム役を担っていて、いわゆるジャズのオーソドックスなピアノ・トリオを期待してはいけない。まあメロディーを奏でる3者のトリオであるのだが、むしろピアノより、クラリネツトとヴァイオリンの美しさがここでは前面に出でいる。
そこでむしろ"Prelude"の4曲のように、美しく演ずるのであるが、ピアノがリズム役を担っていて、いわゆるジャズのオーソドックスなピアノ・トリオを期待してはいけない。まあメロディーを奏でる3者のトリオであるのだが、むしろピアノより、クラリネツトとヴァイオリンの美しさがここでは前面に出でいる。
とにかく懐かしのガーシュインのメロディーが流れてくる。それはピアノの音であったり、クラリネットであったり、ヴァイオリンだったり美しくは演じられている。当初私はヴァイオリンがもう少しスリリングな展開をしてくれるのではと期待したが、そんなところにはなくむしろ一般的な旋律隊であった。
そしてメインは、M01. "An Americab in Paris"とM07. "Rhapsody In Blue"の2曲と言うところだ。特にM01の方は全体の流れが実に起承転結がしっかり築かれ中間部の美しさなど見事と言えば見事な仕上げであった。一方M07は、むしろこの編曲であるならオーソドックスなピアノトリオで演じてみると面白いのかもしれないと思って聴いた。
M06."Variazioni Un Tema Di Gershwin"のみエンリコによる曲と思われるが、即興的ニュアンスも感じられるも、特に引きつける魅力はあまり感じられなかった。
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そしてメインは、M01. "An Americab in Paris"とM07. "Rhapsody In Blue"の2曲と言うところだ。特にM01の方は全体の流れが実に起承転結がしっかり築かれ中間部の美しさなど見事と言えば見事な仕上げであった。一方M07は、むしろこの編曲であるならオーソドックスなピアノトリオで演じてみると面白いのかもしれないと思って聴いた。
M06."Variazioni Un Tema Di Gershwin"のみエンリコによる曲と思われるが、即興的ニュアンスも感じられるも、特に引きつける魅力はあまり感じられなかった。
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ガーシュインのポピュラーな曲は、結構ジャスで演奏されてきているので、そんなところかと最初は思ったが、なにせこの構成のトリオであって、まぁ~ジャズ的ムードは期待しない方が良い。ところが一方クラシックとして聴けば、結構美しく演奏してくれているのだが、ちょっと変なアレンジもあって意外性も顔を出してすんなり行かない。はっきり言うと中途半端なんですね。こうゆうのを好んで聴くのはどうゆう人なのかとむしろそっちに興味を持つところである。まぁ私の愛聴盤にはなりそうもないものであった。
(評価)
□曲・演奏 : ★★★★☆
□録音: ★★★★☆
(視聴)
□録音: ★★★★☆
(視聴)
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コメント
風呂井戸さん こんにちは。私もこちらを見つけて入手も考えましたがCam Jazzのページで少し試聴し、結果今回は見送っていました。
ミュージシャンのやりたいことと、聴く側として期待外れのケースもありますね。
確かに人により感じ方は違うので、良いと評価される方もいらっしゃるとは思いますが。
投稿: baikinnmann | 2019年2月10日 (日) 17時20分
baikinnmannさん、こんばんわ。
Mads vindingの「2nd. TRIO」のお話、あちらで拝見しています。彼とEnrico Pieranunziのアルバム「The Kingdom」は素晴らしかったですね。あのようなトリオ作品なら諸手をあげて歓迎なんですが・・・、このトリオの目的は何なんでしょうかね?>どうも私には解りません。おっしゃるように、良いと評価されれば、評価した方が幸せなんでしょうが、私は残念ながら無理でした。
このところのEnrico は、私にとっては当たり障りが大きいんです。昔の方が良かった。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2019年2月10日 (日) 18時34分
風呂井戸さん,こんにちは。
私はこのアルバム,ストリーミングで聞きましたが,全然ダメでした。はっきり言ってEnrico Pieranunziのよさが全然出てないって感じですかねぇ。
多作なEnrico Pieranunziゆえ,作品も玉石混交ですが,ストリーミングによって,自分の好みに合うかどうかを確認してから購入できるようになって結構助かってます。当然,これも買ってません(爆)。
投稿: 中年音楽狂 | 2019年2月11日 (月) 12時26分
中年音楽狂さん、コメント有難うございます。
多分、私も購入前に聴いていたら買ってないと思います。
CDをプレイヤーにセットして、その聴き始めが期待で一番楽しい時なんですが・・・これはそうした感動はありませんでした。
昔のジャック・ルーシェのバッハなんかは、非常に楽しく聴いたのですが・・・・。そこにはジャズの遊び心もちゃんと有ったんですが。このエンリコのガーシュインには、名人なりきの余裕と遊びがあるのでしょうが、私の能力では無理でした。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2019年2月11日 (月) 23時40分
そうですか。ピエラヌンツィ・ファンの私ですが、このアルバムは、直感的に手を出す気にならなかったのですが、正解のようですね。
投稿: 爵士 | 2019年2月17日 (日) 23時32分
爵士さん、おはようございます。
残念ながら、ピエラヌンツィのジャズを聴きたいと思ったら、ちょっと「?」でしたね。しかもGershwinというのも私はあまり魅力を感じませんでした。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2019年2月18日 (月) 09時26分