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2019年2月26日 (火)

白の世界 (その1)5題 / (今日のJazz)大橋祐子Yuko Ohashi Trio 「BUENOS AIRES 1952 」

[白の世界]
雪中撮影行 2019  (1)

              ~ 別室「瞬光残像」(https://photofloyd.exblog.jp)との連携

  今年はやはり暖冬ということになりますね。何時もならこの2月の今頃はまだまだ冬の真っ最中で、私の家の周囲にも降った雪がなんらかの形で残っているのですが・・・・、今年はすでに春のような雰囲気とまではゆかなくとも、雪などが見えなくなってきている。

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 例年のことながら、周辺の高原などには雪はそれなりに積もっているので(それでも積雪量は例年に比して少ない)、私の一つのライフワークみたいな「雪中撮影行」は、今冬も四駆車で入り込み、あとは歩いての撮影です。すでに数回行ってきた。そんな中での数枚を登場させる。

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[1] 「紫電一閃」 ~ 光がきらめくほどの瞬間。

先ほどまで雪もちらついていた曇天だが・・・ほんの少し光も射した瞬間である。 

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[2] 「外柔内剛-1」

   雪に覆われ多くのものは埋もれてしまっているが、そうしたなかでも顔を出している植物はいかにも弱弱しいが、実は強い意志を持っていて芯が強く、決して負けてはいない。春になるとその強さを見せてくれるのだ。

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[3] 「外柔内剛-2」 ~ 外見は弱々しいが、この強さはまさに手強い植物である。

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[4] 「安心立命(あんじんりつめい)」 ~ 心安らかな境地にあること。

   いまにも雪が降り出しそうな曇天の空ですが・・・・・風はなく、シーンと静まりかえった世界です。心を休ませるには最適な空間。

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[5] 「沈思黙考」 ~ 黙り込んで物事をじっくり考えること。静かに思索にふける。

(撮影機材)
CAMERA : SONY ILCE-7M3
LENS : ZEISS Vario-Tessar FE4/16-35 ZA OSS,    FE4/24-105 G OSS
FILTER : Kenko PRO1D  C-PL(W)

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[今日のJAZZ]
Yuko Ohashi Trio 「BUENOS AIRES 1952 」
Terasima Records / JPN / TYR-1065 / 2018

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Yuko Ohashi : piano
Shinibu Sato : bass
Shinji Mori : drums

 寺島靖国お気に入りのイタリアの名エンジニアであるステファノ・アメリオによるリマスター・シリーズ。これは大歓迎である。

  このところ好評のピアニスト大橋祐子の2011年の『ブエノス・アイレス 1952』をリマスターしたアルバムである。スタンダード名曲群、そして彼女のオリジナル作品3曲を収録している。アメリオの手によるピアノの響きは確かに上品な繊細なしかもスッキリ迫ってくる音に仕上げてくる。演奏はそれほど凝っているわけでもなく、まあオーソドックスと言える範疇で非常に聴きやすいアルバムだ。ただし女性ピアニストでそれらしく非常に優しいタッチと評されているが、けっしてそうとは思わない。

(Tracklist)
1. Dark Eyes
2. Someday My Prince Will Come
3. Take Me In Your Arms
4. Inner Swing
5. Sol Cubano
6. St. Louis Blues
7. Fly Over
8. Copacabana
9. Waltz Part2
10. Buenos Aires 1952
11. Over The Mountain
12. Love Is A Many Splendored Thing

(評価)

□演奏 : ★★★★☆
□録音 : ★★★★☆

(視聴)

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2019年2月22日 (金)

マッツ・アイレットセン・トリオMats Eilertsen 「And Then Comes The Night」

ECMからのリリカルにして深遠なる前進性をみる世界

 <Jazz>

Mats Eilertsen Harmen Fraanje Thomas Strønen
「And Then Comes The Night」
 
ECM / Germ. / ECM 2619 770 2569 / 2019
 
Andthencomestn

Harmen Fraanje, piano
Thomas Strønen, drums
Mats Eilertsen, bass
 
 Produced by Manfred Eicher
Recorded May 2018
Engineer : Stefano Amerio

Metriow

Me  ノルウェーのベーシスト、マッツ・アイレットセンMats Eilertsenのリーダーによるピアノ・トリオ作品である。彼はTord Gustavsenの(初期のトリオでなく)最近のQuartetなどに共演していて知るところにある。いずれにしても彼は過去に北欧系の多くのピアニストのリーダー・アルバムにベーシストとして共演している。
 このトリオは活動10年目にあたるというところで、やはりECMからニュー・アルバムがリリースされた。
 アルバム・タイトルは解説によるとアイルランド人の作家Jón Kalman Stefánssonの小説から引用されているとか、集まったミュージシャン達による持ち寄った曲集という会話的トリオ作品なんだろうか。

(Tracklist)
List

 曲は10曲収録。全曲彼らのオリジナルで占められている。そして主としてピアニストのHarmen Fraanje(オランダ) と Mats Eilertsenの貢献度大きい。
 やはりプロデューサーのManfred Eicherの元での製作で、アルバム全体の印象はECM盤そのもので、なかなか深遠なところにある。

 そしてアルバム・タイトルと関連の曲"Then Comes The Night"は8番目に登場。3者による曲となっているが、演奏も3者の主張と語りが即興的な展開で折り合って、前衛的な印象もあり興味深い。後半のThomas Strønen(ノルウェー)のドラムスのソロによる纏め上げも独創的で面白い。
 M1.M10."22"は、同曲の別バージョン。M1では、冒頭から静かなピアノの美旋律に唸らせられる。中盤からベースの響きが美しく印象的に展開。しかし全体的にはピアノの響きが抒情的な美旋律で魅力的なところに引き込まれる曲。これはベーシストのアイレットセンの曲である。このあたりもベーシストの抒情性が見てとれるところだ。
H_f M2."Perpetum"で静寂の中にも印象の変わる即興重視の展開が聴ける。3者によるメロディーはもとより印象的な音による世界描写が見事である。このあたりがこのトリオのありきたりのスタイルと違った創造性豊かな前進性を印象づけられる。
 中盤の4曲も魅力的な哀愁旋律、スティックによる繊細な音、ドラムスの主張、ピアノとベースの美しき交錯などなど聴きどころが空間の中に描かれたように展開して魅力的な演奏だ。
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 ECM的静寂の中の静謐なる深遠なる哲学的世界を美しく叙情的に描いたハイセンスの作品。しかも所謂歴史的ピアノ・トリオというパターンに飽き足らず、三者の音楽的現代性と前衛性もちゃんと織り込んでいて、なるほど彼らのハイレベルな音楽的センスを見事に示している。これにはアイヒヤーのリードも効果を上げているものと思うが、なかなか優秀にして好印象の作品である。
(評価) 取り敢えず満点である。
□ 曲・演奏 :  ★★★★★ 
□  録音     : ★★★★★
(視聴)

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2019年2月18日 (月)

ポーランドのプログレ ANAMOR 「ZA WITRAŹEM」 

メランコリーな楽曲を展開するプログレ・バンド

<Neo Progressive Rock>

ANAMOR 「ZA WITRAŹEM」 
LYNX MUSIC / POL / LM143CD-DG / 2018

Xyz

Anhsueimsa1089 アナモーANAMORはこのブログに初登場のバンドだ。彼らはポーランドの1990年代中期に結成された6人編成のもうベテラン・バンドである。どのような経過かは不明だが、ちょっと遅れて1stアルバムは2003年の『IMAGINCJE』(→)であった。もちろん私は当時から知らなかったのだが、ここに来て15年ぶりにニュー・アルバム(2nd)が登場したのである。ロック・ブログを展開しているフレさんが見つけて私も知ることになった。

  まずこのジャケの眼光を見るとやっぱり手にしたくなるロック・アルバムである。とにかくこのアルバム・タイトルも何か解らない。解らないなりきに聴くのも良しとするのがロックであって、聴いてから何か感ずればそれはそれOKとするのである。

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  なにせポーランドという国は音楽の宝庫である。”ショパンの国”としての誇りをもって、音楽というモノを大切にしている国なのだ。おそらく子供の頃からの音楽教育も充実しているのではないかと推測する。クラシック、ジャズの分野でも優れている上に、ロックも盛ん、そして他の国より目立つのがプログレッシブ・ロツクの充実度である。

(Tracklist)

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 とにかく、主たるはポーランド語とくるから曲名も解らないのがある。しかし、
 M1."W GÒRĘ"いっやーー、このオープニングが良いですね。重厚にしてシンフォニック、そしてギターが流れを作る。ベースがちょっと不安な展開をする。そして女性ヴォーカルが登場するが、それは美しいがやや暗めでそしてメランコリックいった感じの世界を構築する。後半のギター・ソロは説得力十分。
 M2."POD PRĄD"は、メロディの充実したヴォーカル曲。
 M4."STARS"唯一英語の歌詞の曲。意外に内向的。
 M6."PODRÓŹ DO WTEDY"やや暗めであるが、情景の美しい曲。
 M8."SZMARAGOWO"Marta嬢の歌う世界に誘い込まれるところは深遠。それに続くギターの歌いあげが聴き所。
  M9."ZA WITRAŹEM"はエンディングの曲にふさわしく、なかなか抒情的な世界で、さらに彼女のヴォーカルはしっとりと歌い、又歌いあげも哀愁感が漂っていて感動的、そして聴く者の心に迫ってくるのだ。

 もともとこのバンドはMarek Misiak(g)、Tomasz Rychlicki(g)、Roman Kusy(b)、Jerzy Misiak(dr)、Marcin Ozimek(key) と女性リード・ヴォーカルのMarta Głowackaという6人編成デスタート。当時の一つの流れであったツイン・ギター・バンドであった。しかしその後Tomasz Rychlicki(g)に替わりMaciej Karczewski(key)が加入して、ツインキーボード編成バンドに変化して今日まで来たようだ。

 したがってその特徴はシンフォニックな展開をするロック・バンドなのである。しかしギターは、かってのプログレ・バンドのように美しいソロやフィードバックによるロングトーンを取り入れ、泣きも聴かせて楽しいのだ。どちらかというとCamelのAndy Latimerが頭に浮かんだ。
 全体のサウンドの印象はRiversideにも通ずるモノを感ずる。
 ヴォーカルのMarta嬢は、もう既にそれなりの年齢にはなっているが、声の質は若い。ロック独特の叫びはみせずに、なかなか情感に満ちたメランコリックな味があって、このバンドの一つの特徴を作っている。かってのQUIDAMのEmila Derkowska嬢をちょっと感ずるところがある。

 私は強いて言えば、M1とM9がお気に入りだが、なかなか聴き所を心得たシンフォニックにして哀愁までも感じさせるメロディック・ロックだ。

(評価)
□ 曲・演奏・歌 : ★★★★☆
□ 録音     : ★★★★☆

(視聴)

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2019年2月14日 (木)

ツォーマス・トゥルネンのピアノ・ソロTuomas A. Turunen 「Ornaments of Time」

自然を見つめる思索的響きの世界

<Jazz>

Tuomas A. Turunen 「Ornaments of Time」
SKIP RECORDS / GERM. / SKP 9139-2 / 2017

Ornamentsot

Tuomas A. Trunen plays on piano (Fazioli F278 mkⅢ)
Recorded, mixed & mastered by Stefano Amerio on Sep.5-8 2017

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 このところスウェーデンのEmil Brandqvist trioの2枚のアルバム(『Falling Crystals』(SKP 9135-2)、『Within A Dream』(SKP 9141-2))で 、その美しいピアノの調べを披露しているピアニストとして気になったのがツォーマス・トゥルネンTuomas Antero Turunen である。彼の名前をみると、フィンランドのシンフォニック・メタル・ロック・グループ「Nightwish」のTuomas HolopainenとTaja Turunenを思い起こすと言うと、知る人ぞ知るということなのだが、まあそれはそれとして、とりあえずは彼のアルバムを手に入れてみた。

24301387 彼はフィンランド出身(1980年生まれ)で子供のころからピアノに接し、なんと5歳で作曲をしたといわれている。
 しかし大学では数学を専攻し、又格闘技も身に着けたりしているらしいが、その後ミュージックの世界への魅力は持ち続けていたようで、2001年からはクラシック及びジャズの本格的勉強をしてきた若き新鋭ピアニストで、ジャズ・ピアノとしてはスウェーデンにてあのLars Jansson やAnders Jorminからも教育を受けてきたという。そんなところからも抒情的なピアノ・プレイが築かれてきたのかも知れないと想わせるのだ。

(Tracklist)

List


Tuomasforest 収録曲は上のような12曲で、トラディショナルの2曲を除いて10曲は彼の手による曲で、完全なピアノ・ソロ・アルバムである。
  オープニングのM01."I heid her and said goodbye..."から、抒情的美旋律のクラシック調のピアノの調べが流れる。
 そしてほぼ全編、美しい自然に向かって詩的な感覚で眺めた哲学的・抒情的な演奏で占められている。

 ジャケをみると息子そして母のメモリーに捧げるアルバムと記されていて、自己のファミリーに想いを馳せた演奏集とも言えるようだ。
 2曲のトラディショナルも彼の地と関係したものであろうか、心安まる美しさに満ちている。

 ピアノもFazioliF278を使っており、又録音、ミックスの技術者として Stefano Amerio を起用していて、かなり美とリアリティーを意識して作られたアルバムであることは容易に想像され、そんな意味でも聴き応えある。

(このアルバム・ジャケは何を描いたのか、じっと見ても解りません。水のしぶきのようにも見えますが・・・・どなたか解りますか ? )

 彼はEmil Brandqvist trioの重要なピアノを担当しており、これからユーロ・ジャズのやや前衛性を加味した抒情的ピアノ演奏として益々目を離せない存在になりそうだ。

(評価)
□ 曲・演奏 : ★★★★★☆
□ 録音   : ★★★★★☆

(試聴)

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2019年2月10日 (日)

エンリコ・ピエラヌンツィのニュー・アルバム Enrico Pieranunzi 「PLAY GERSHWIN」

ジャズでもなくクラシックでもなく・・・これは何なんでしょう
<Jazz, Classic>
Enrico Pieranunzi  Gabriele Mirabassi  Gabriele Pieranunzi
「PLAY GERSHWIN」
CAM JAZZ / IMPORT / CAMJ7939 / 2018
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Enrico Pieranunzi (piano)

Gabriele Mirabassi (clarinet)
Gabriele Pieranunzi(violin)

 ジョージ・ガーシュインと言えば、シンフォニック・ジャズと言われるクラシックとしてもジャズとしても通ずるアメリカの20世紀の作曲家だが、それを題材にしたイタリアのピアノの詩人と言われるエンリコ・ピエラヌンツィEnrico Pieranunziのニュー・アルバムの登場。
 これが案の定、クラシックともジャズとも、なんとも正体の不明なアルバムの登場となった。それも彼のピアノにクラリネット、ヴァイオリンの加わったトリオ演奏によると言う不思議な世界を演じきったもの。もともとクラシックがベースと言うエンリコの事、まぁ聴いてみるとクラシック・スタイルと言ったほうが良いのかも知れない。
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もともとガーシュインの曲は、管弦楽曲、オーケストラとしての演奏が主体だが、それを3人の演奏となると室内楽的スタイルで、ちょっとイメージも変わる。更にそこにはそれなりのジャズ世界を演じてきた彼のアレンジが登場するわけで、そこが味噌と言えば味噌なのだが、如何にも正体不明なアルバムなのである
 まあこのところハイドンやバッハとか、さらにドビュッシーの曲を取りあげての彼の世界を演じてきたと言う事もあるのだが、ちょっと私の期待の世界とは別方向に流れているエンリコで、その極めつきがここに登場したとも言えると思う。
(Tracklist)
01. An Americab in Paris
02. Prelude 1

03. Prelude 2 (Blue Lullaby)
04. Prelude 3 (Spanish Prelude)
05. Prelude (Melody No.17)
06. Varaazioni Un Tema Di Gershwin

07. Rhapsody In Blue

V4w  今回のトリオは、彼の兄弟のGabriele Pieranunzi(→)のViolinと、何年かとお付き合いのあるGabriele Mirabassi (右下)のClarinetと言う構成で有り、気心知れた仲間での挑戦と言うことだと思う。まあしかしヴァイオリン、クラリネットと来れば、所謂ジャズのオーソドックスなトリオであるドラムスのようなリズム隊が居ないので、それが一つジャズ離れしたところだろう、もともとジャズ的世界とか何とかとには拘った話でも無いのかも知れない。

C3w そこでむしろ"Prelude"の4曲のように、美しく演ずるのであるが、ピアノがリズム役を担っていて、いわゆるジャズのオーソドックスなピアノ・トリオを期待してはいけない。まあメロディーを奏でる3者のトリオであるのだが、むしろピアノより、クラリネツトとヴァイオリンの美しさがここでは前面に出でいる。
 とにかく懐かしのガーシュインのメロディーが流れてくる。それはピアノの音であったり、クラリネットであったり、ヴァイオリンだったり美しくは演じられている。当初私はヴァイオリンがもう少しスリリングな展開をしてくれるのではと期待したが、そんなところにはなくむしろ一般的な旋律隊であった。
 そしてメインは、M01. "An Americab in Paris"M07. "Rhapsody In Blue"の2曲と言うところだ。特にM01の方は全体の流れが実に起承転結がしっかり築かれ中間部の美しさなど見事と言えば見事な仕上げであった。一方M07は、むしろこの編曲であるならオーソドックスなピアノトリオで演じてみると面白いのかもしれないと思って聴いた。
 M06."Variazioni Un Tema Di Gershwin"のみエンリコによる曲と思われるが、即興的ニュアンスも感じられるも、特に引きつける魅力はあまり感じられなかった。

  ガーシュインのポピュラーな曲は、結構ジャスで演奏されてきているので、そんなところかと最初は思ったが、なにせこの構成のトリオであって、まぁ~ジャズ的ムードは期待しない方が良い。ところが一方クラシックとして聴けば、結構美しく演奏してくれているのだが、ちょっと変なアレンジもあって意外性も顔を出してすんなり行かない。はっきり言うと中途半端なんですね。こうゆうのを好んで聴くのはどうゆう人なのかとむしろそっちに興味を持つところである。まぁ私の愛聴盤にはなりそうもないものであった。
(評価)
□曲・演奏 : ★★★★☆
□録音:   ★★★★☆

(視聴)

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2019年2月 5日 (火)

アレッサンドロ・ガラティのニュー・アルバム Alessandro Galati 「Live from The Inside Out」

トリオはやっぱりライブが楽しい!!

<Jazz>

Alessandro Galati 「Live from The Inside Out」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1077 / 2019


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ALESSANDRO GALATI(PIANO)
GABRIELE EVANGELISTA(BASS)
STEFANO ATKINSON(DRUMS)

Recorded in 2015-2018 in The Cities of Pisa, Prato, Roma, Bolzano, Palermo.

 このブログを見ると解ると思いますが、私はとにもかくにもアレッサンドロ・ガラティのファンである(ここでは12回目の登場だ)。それはアルバム『TRACTION AVANT』(VVJ007/1994)の感動以来なんですね。
 今回、こうして前回に続いて彼のニュー・アルバムの感想を書くということは、何とも幸せ感いっぱいで有るのだ。寺島靖国の努力から生まれたのでしょうが、今回「ソロ版(『Augustine』(TYR-1078))」とこの「トリオ・ライブ版」が同時にリリースされるという快挙があったのです。

 そしてここでは、この2枚組のトリオ・ライブ版のほうに注目してみる事にした。”アレサンドロ・ガラティ・トリオ”というのはこのところ不変のメンバーで(上記)、これもお互いの関係が上手くいっていると言うことなんでしょうね。ピアノ・トリオといってもベース、ドラムスの活動もしっかりしていてはじめて楽しめるのでありますからね。

A_g_2(Tracklist)
Disc 1
1. L'incontro
2. Sorry I've Lost Your Number
3. Nina
4. Seals
5. How Deep Is The Ocean

Disc 2
1. Casi Abstemia
2. Trampin’
3. Taylor Without Scissors
4. Cherokee



<Disc-1>
 M1-1. "L'incontro"は、アルバム『On A Sunny Day』からの曲だが、うーん寺島靖国はこれから攻めてきたかと、やはり優しく美しく美旋律を大切にしてのライブ・アルバムであることを窺い知れる。
  M1-2"Sorry I've Lost Your Number"も美しい。そしてさらにスリリングな展開が圧巻でそれが美旋律との対比が聴きどころ。3者それぞれが演奏しがいのある曲だろうと思うのだ。聴く方も納得モノ。強弱・遅速の織り交ぜが素晴らしい。ガラティ様々の11分越えの長曲。これを聴いただけでもこのアルバムを買った価値は十分。
 やっぱりM1-4. "Seals"が登場します。この曲があってガラティといったところですので9分とじっくり展開ですね。
 そしてM1-5." How Deep Is The Ocean"が凄い。このスタンダードがこうなるんですね、まさにトリオ作品、3者の美学とパワーが炸裂、これぞライブの醍醐味だ。あっと言う間の11分12秒。

<Disc-2>
 M2-1. "Casi Abstemia" では、ガラティのピアノが美しい旋律を奏でるが、ライブらしく9分以上の曲となっている。アルバム『SEALS』では約5分の曲であった。ここではベースも旋律を奏でたり、ドラムスのスティックの音が印象的で、このあたりはライブの魅力である。
 ガラティの美旋律だけでない面の M2-2. "Trampin’"を登場させてアルバムにアクセントを上手く付けている。この曲では美旋律というよりは3者のインタープレイが楽しめる13分になろうとする長曲。スタジオ盤と違ってドラムスのソロも聴き所となっているし、そこに入っていくピアノも頼もしい。やっぱりライブは良いですね。
 最後はスタンダードのM2-4. "Cherokee"で仕上げですね。ドラムスの奮戦とベースの主張、ピアノの盛り上がりと語り、3者の鬩ぎ合いが楽しめる。

Alessandrogalatitrioa_2

 今回は、ソロとトリオ・ライブの2タイトルでのリリースで、2019年の幕開けをしっかり楽しませていただいたのだが、やはりソロの美旋律も良いのだが、このトリオ・ライブ盤に私は軍配を挙げる。もともと両者の狙いは違うのだから比較というのもおかしいところだが、やっぱりジャズはトリオが良いですね、しかもライブが。録音もしっかりしている。・・・・今年のベスト・アルバム間違いなし。

(評価)

□ 演奏・曲 : ★★★★★
□ 録音   : ★★★★★

(視聴) "CHEROKEE"

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2019年2月 2日 (土)

アレッサンドロ・ガラティのニュー・アルバム Alessandro Galati 「Augustine」

全編、繊細な優しさ美しさに満ちている

<Jazz>
Alessandro Galati 「Augustine」
TERASHIMA RECORDS / JPN / TYR-1076 / 2019

Augustine

ALESSANDRO GALATI (PIANO SOLO)

 1007803908イタリアの名ジャズ・ピアニストのアレッサンドロ・ガラティを引っ張り込むに成功したアルバム『Sheads of Sounds』(TYR1062)を昨年リリースした寺島靖国だが、ここに最新作が早くも登場した。今作はガラティのピアノ・ソロ作品『Augustine』(TYR1076)とトリオでのライブ録音作品『Live From The Inside Out』(TYR1077)(→)と、2タイトルが同時発売となった。

 まずここで取りあげるのはそのソロ作品。確かにこれはガラティのソロによる小品集といったところで、17曲が収録されている。彼の曲が6曲で、その他は比較的ポピュラーな曲で占められて居る。
 これは彼が何かを求めて作り上げた作品というのでなく、あくまでも日本のファン向けのサービス版といったところを感じさせる。

(Tracklist)

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  ガラティの世界には、3面ぐらいの多彩さがあるが、このソロ録音はピアノの繊細さ、そして美しさ、優しさのみに目的化された最新録音作品だ。トリオ作品に見られる情緒豊かな優しさの面がたっぷりこのソロ全編に満ちていて、如何にも寺島靖国版といったところに仕上がっている。

Trentinoinjazz

  トップの曲M1." In Beijing"は、アルバム『On a Sunny Day』で楽しませてくれた美旋律の曲で、このアルバムのスタートに相応しい。そして彼の名曲M6. "Seals"も登場する。
 又ふと懐かしさに見舞われるのは、M7. "Theme From Sunflower"(映画「ひまわり」のテーマ=ソフィア・ローレンが頭に浮かびました。いやー懐かしい)、坂本龍一の M9. "Merry Christmas Mr. Lawrence"(「戦場のメリークリスマス」)と、心が熱くなる。
 又、ちょっと気になったのはイタリアのルイジ・テンコの曲がM12. "In Qualche Parte Del Mondo"(世界のどこかで)はじめ3曲も登場するのだが、これはガラティが非常に愛しているミュージシャンであるとの事と言うことらしい。

 とにかく全編ガラティがスタジオで一人物思いに耽りながら、周囲のことは気にせずしっとりと情感を込めて演奏した曲群という印象である。深夜に心休めるには最高のアルバムだ。

(評価)
□演奏 : ★★★★★
□録音 : ★★★★☆

(参考試聴)  Alessandro Galati  "Seals"

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