マッツ・アイレットセン・トリオMats Eilertsen 「And Then Comes The Night」
<Jazz>
Produced by Manfred Eicher
Engineer : Stefano Amerio
★
ノルウェーのベーシスト、マッツ・アイレットセンMats Eilertsenのリーダーによるピアノ・トリオ作品である。彼はTord Gustavsenの(初期のトリオでなく)最近のQuartetなどに共演していて知るところにある。いずれにしても彼は過去に北欧系の多くのピアニストのリーダー・アルバムにベーシストとして共演している。
(Tracklist)
★
やはりプロデューサーのManfred Eicherの元での製作で、アルバム全体の印象はECM盤そのもので、なかなか深遠なところにある。
そしてアルバム・タイトルと関連の曲"Then Comes The Night"は8番目に登場。3者による曲となっているが、演奏も3者の主張と語りが即興的な展開で折り合って、前衛的な印象もあり興味深い。後半のThomas Strønen(ノルウェー)のドラムスのソロによる纏め上げも独創的で面白い。
M2."Perpetum"で静寂の中にも印象の変わる即興重視の展開が聴ける。3者によるメロディーはもとより印象的な音による世界描写が見事である。このあたりがこのトリオのありきたりのスタイルと違った創造性豊かな前進性を印象づけられる。
中盤の4曲も魅力的な哀愁旋律、スティックによる繊細な音、ドラムスの主張、ピアノとベースの美しき交錯などなど聴きどころが空間の中に描かれたように展開して魅力的な演奏だ。
ECM的静寂の中の静謐なる深遠なる哲学的世界を美しく叙情的に描いたハイセンスの作品。しかも所謂歴史的ピアノ・トリオというパターンに飽き足らず、三者の音楽的現代性と前衛性もちゃんと織り込んでいて、なるほど彼らのハイレベルな音楽的センスを見事に示している。これにはアイヒヤーのリードも効果を上げているものと思うが、なかなか優秀にして好印象の作品である。
□ 曲・演奏 : ★★★★★
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コメント
ECM的な、という言葉を使っていいのかどうか分かりませんが、ECM的ないい塩梅のピアノ・トリオでした。フリー・インプロヴィゼーションと思われる3人の名義の曲もありますが、そこにも調和がある感じで、すんなりと聴ける、いかにも北欧的なジャズという感じでした。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2019年3月 5日 (火) 06時23分
910さん、コメント、TB有難うございます。
何時も、ECM評価は楽しみに拝見しています。
私がこのアルバムに手を付けたのは910さん、Suzuckさん方々の評価が気になったというところもあります。私はECMのアルバムは2/3は納得派といっても良いかもしれません。フリー・インプロヴィゼーションの色付けが、おっしゃるように、このアルバムとしての価値を高めているのも事実と思います。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2019年3月 5日 (火) 18時04分
風呂井戸さん,こんばんは。TBありがとうございました。
まさにECM的なサウンドだと思いますが,こういう透徹な響きには無条件で反応してしまう私です。いかにも北欧的案響きと言ってもよいかもしれませんが,この響き,やはりはまります。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2019年3月 5日 (火) 18時33分