ミケーレ・ディ・トロのニュー・アルバム Michele Di Toro Yuri Goloubev 「DUONOMICS」
ピアノとベースのリリカルなデュオ作品
<Jazz>
Michele Di Toro Yuri Goloubev 「DUONOMICS」
Caligola Records / Caligola 2249 / 2019
Michele Di Toro : piano
Yuri Goloubev : double bass
Recorded and mixed at Bess Recording Studio, Montesilvano(Peescara), on July 25 and 27, 2018
イタリアのロマン派ピアニストで注目のミケーレ・ディ・トロMichele Di Toroとロシア出身でいまやその評価がうなぎ上りのベーシスト、ユーリ・ゴロウベフYuri Goloubev のデュオ作品である。
この二人は先日取り上げたMichele Di Toro Trioで良作を残している二人であるが、このアルバムは何か思うところがあってか、ドラムス・レスのデュオで作り上げている。
1.Gentle Rain
2.B Minor Waltz
3.If I Should Lose You
4.You Don’t Know What Love Is
5.Nocturnal
6.What Are You Doing The Rest Of Your Life
7.ShwinGer
8.For All We Know
9.Darn That Dream
10.Like A Lover
スタートのルイス・ボンファの曲M1."Gentle Rain"から、ピアノの美しい調べが流れる。そして続いてビル・エバンスのM2."B Minor Waltz"と流れ、まさに欧州の叙情派のスタンダード演奏の実感が伝わってくる。
M5."Nocturnal"は、このアルバムではミケーレ・ディ・トロの唯一の曲で、静かな世界を描く。
私が最もお勧めの曲は、ミッシェル・レグランのM6."What Are You Doing The Rest Of Your Lifeこれからの人生"だ。ピアノの美しい音とメロディー、そして中盤のアルコ演奏のベースの美しさ、これはこの両者が作り上げる美しい世界でうっとりとする。
M7."ShwinGer"は、珍しくスウィングする演奏の披露。
M10."Like A Lover"の情感のある演奏で締めくくる。
トリオで演じて素晴らしいアルバムを残している二人が、その息の合ったところで抒情的世界をロマンティックにデュオで演じて、これはこれ素晴らしいアルバムを作ってくれたと私は喜んでいるのである。
(評価)
▢ 演奏 : ★★★★★☆
▢ 録音 : ★★★★☆
(視聴) "What Are You Doing The Rest Of Your Life"
* * *
[MY PHOTO]
「残雪 ~ 2019早春 戸隠高原にて」
Sony ILCE-7M3, FE4/24-105 G OSS, PL, 88mm, 1/200, f/5.6, ISO100
| 固定リンク
« エスペン・バルグ・トリオEspen Berg Trio 「Free To Play」 | トップページ | ボニー・ジェンセンのヴォーカル・アルバム Bonnie J Jensen 「SHIMMER」 »
「音楽」カテゴリの記事
- アルマ・ミチッチ Alma Micic 「You're My Thrill」(2024.11.10)
- メロディ・ガルドー Melody Gardot 「THE ESSENTIAL」(2024.11.05)
- エレン・アンデション Ellen Andersson 「Impressions of Evans 」(2024.10.31)
- アーロン・パークス Aaron Parks 「Little Big Ⅲ」(2024.10.27)
- サマラ・ジョイ Samara Joy 「Portrait」(2024.10.22)
「JAZZ」カテゴリの記事
- アルマ・ミチッチ Alma Micic 「You're My Thrill」(2024.11.10)
- メロディ・ガルドー Melody Gardot 「THE ESSENTIAL」(2024.11.05)
- エレン・アンデション Ellen Andersson 「Impressions of Evans 」(2024.10.31)
- アーロン・パークス Aaron Parks 「Little Big Ⅲ」(2024.10.27)
- サマラ・ジョイ Samara Joy 「Portrait」(2024.10.22)
「ユーロピアン・ジャズ」カテゴリの記事
- エレン・アンデション Ellen Andersson 「Impressions of Evans 」(2024.10.31)
- メラニー・デ・ビアシオ Melanie De Biasio 「Il Viaggio」(2024.10.16)
- クレア・マーティン Claire Martin 「Almost in Your Arms」(2024.10.02)
- トルド・グスタフセン Tord Gustavsen Trio 「Seeing」(2024.09.27)
- ダニエル・ガルシア Daniel Garcia Trio 「Wanderland」(2024.09.12)
コメント
またひとり注目すべきピアニストを紹介していただきました。やはりイタリア出身ですか ・・・。
投稿: 爵士 | 2019年4月28日 (日) 23時34分
爵士さん、コメント有難うございます。
もうこのミケーレ・ディ・トロも45歳ぐらいの円熟期に入ってます。私の知るところ4枚目ですかね、イタリア伝統の耽美な世界を描いてくれて私は注目しています。
さすがイタリア、層が厚いですね。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2019年4月29日 (月) 09時36分
風呂井戸さん こんにちは。
こちら私も入手してこのところのお気に入りで良く聴いています。
ディトロは、ソロも良作ありますし、ユーリとは、Playというトリオ作も良かったと思います。
今後も楽しみなピアニストですね。
投稿: baikinnmann | 2019年5月 3日 (金) 11時47分
baikinnmannさん、コメント有難うございます。
私も、このミケーレ・ディ・トロの過去の作品もお気に入りで、まずは注目の一人です。このニュー・アルバムもいいですね。イタリア恐るべしですね。
過去の作品に関しては、ここに少々書いています。↓
http://osnogfloyd.cocolog-nifty.com/blog/2018/01/jazz-bar-2017.html
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2019年5月 5日 (日) 23時59分