ケンドラ・ロウのヴォーカル・アルバム Kendra Lou 「TO THE END OF THE WORLD」 / (photo )融雪・融氷の時
[MY PHOTO] 4
融雪・融氷の時
1. 積雪を乗り越えて融雪の時を迎える・・・
2. 厳寒の冬の雪、風に耐えた高原の花
----------------------
[今日のMUSIC]
なんとなくけだるそうに唄う自己オリジナル曲の世界
<Jazz>
Kendra Lou 「TO THE END OF THE WORLD」
CALIBRATED / EU / CALI111 / 2010
このケンドラ・ロウKendra Lou は、デンマークの女優であり歌手でもある。どうもその雰囲気は欧州風でなく、なんとなくアメリカ風の世界が感じられるところが不思議な存在。どこかなんとなくけだるそうな、ちょっと投げやり風な歌い方が特徴だ。ここで取り上げたのは2010年のアルバムであるが、私にとっては最近聴いた初物だった。これも寺島靖国が「For Jazz Vocal Fans Vol.3」で紹介していて聴いてみることになったアルバムである。しかしその後のニュー・アルバムは無いようだ。
収録12曲だが、「Black Coffee」、「Christmas card from a hooker in Minneapolis」、「Without your love」、「You go to my head」 の4曲以外は主として彼女自身よるオリジナル曲である。
まずオープニンクの曲を聴いて、なんとすぐ頭に浮かんだのはマデリン・ペルーMadeleine Peyrouxだった。どっか雰囲気が似ているのだ。
とにかくビリー・ホリデイ、エラ・フィッツジェラルド、ナンシー・ウィルソンなどからさまざまなインスピレーションを得たような話があるだけに、熱唱型ではなく、ちょっとさめた世界観をのぞかせるようであり、又フォークっぽいところもあり、しかしなんとなく遊び心が感じられ高音部にはセクシーな魅力も放っている。
M3."Black Cofee"はスタンダードで聴きなれているせいか、全曲の中で最も親しみがある。ペギー・リーにも雰囲気が似ている。寺島靖国もこの曲を取り上げているが、確かにこのアルバムでは筆頭株に出来が良い。
彼女自身のオリジナルもオルタナティブな因子はなく、それぞれゆったりとジャジィーに歌い上げる。
バックも多彩な演奏陣が集まっているがデンマークのメンバーのようで、彼女の唄とのバランスが極めてよく、唄を生かした自然な演奏である。このところのニュー・アルバムでもあれば聴いてみたいところであるが・・・どうも見当たらない。
(推薦曲) M3. "Black Coffee" 情感がうまい。
M5."Chrismas cerd from a hocker in Minneapolis" Tom Waits のこの曲はなかなか哀感もあってよい。
M7. "The Promise" 彼女自身のリジナル曲だが、なかなかクラシック・ジャズ・ムードがあって、こうゆう曲を書くのかと聴き入っている。
(評価)
▢ 曲・歌 : ★★★★☆
▢ 録音 : ★★★★☆
(試聴) "Chrismas cerd from a hocker in Minneapolis"
| 固定リンク
« シャノン・フォルセルのジャズ・ヴォーカル shannon forsell 「the nearness of you」 / (photo) 融雪・融氷の時 | トップページ | ヘルゲ・リエンのニューアルバム Helge Lien Trio 「10」 »
「音楽」カテゴリの記事
- 寺島靖国氏の看板アルバム 「Jazz Bar 2024」(2024.12.10)
- ジョン・バティステ Jon Batiste 「BEETHOVEN BLUES」(2024.12.05)
- ヨーナス・ハーヴィストJoonas Haavisto 「INNER INVERSIONS」(2024.11.25)
- コリン・ヴァロン Colin Vallon 「Samares」(2024.11.20)
- エミル・ヴィクリッキー Emil Viklicky Trio 「Moravian Rhapsody」(2024.11.30)
「JAZZ」カテゴリの記事
- 寺島靖国氏の看板アルバム 「Jazz Bar 2024」(2024.12.10)
- ジョン・バティステ Jon Batiste 「BEETHOVEN BLUES」(2024.12.05)
- ヨーナス・ハーヴィストJoonas Haavisto 「INNER INVERSIONS」(2024.11.25)
- コリン・ヴァロン Colin Vallon 「Samares」(2024.11.20)
- エミル・ヴィクリッキー Emil Viklicky Trio 「Moravian Rhapsody」(2024.11.30)
「女性ヴォーカル」カテゴリの記事
- アルマ・ミチッチ Alma Micic 「You're My Thrill」(2024.11.10)
- メロディ・ガルドー Melody Gardot 「THE ESSENTIAL」(2024.11.05)
- エレン・アンデション Ellen Andersson 「Impressions of Evans 」(2024.10.31)
- サマラ・ジョイ Samara Joy 「Portrait」(2024.10.22)
- メラニー・デ・ビアシオ Melanie De Biasio 「Il Viaggio」(2024.10.16)
「ユーロピアン・ジャズ」カテゴリの記事
- 寺島靖国氏の看板アルバム 「Jazz Bar 2024」(2024.12.10)
- ヨーナス・ハーヴィストJoonas Haavisto 「INNER INVERSIONS」(2024.11.25)
- コリン・ヴァロン Colin Vallon 「Samares」(2024.11.20)
- エミル・ヴィクリッキー Emil Viklicky Trio 「Moravian Rhapsody」(2024.11.30)
- アヴィシャイ・コーエン Avishai Cohen 「Brightlight」(2024.11.15)
コメント