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2019年5月30日 (木)

ジョバンニ・ミラバッシGiovanni Mirabassiのニュー・アルバム「INTERMEZZO」

イタリア・カンツォーネを演じたアルバム

<Jazz>

Gioovanni Mirabassi   Sarah Lancman 「 INTERMEZZO」
JAZZ ELEVEN / JPN / JZE11004 / 2018

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Gioovanni Mirabassi : piano  
Sarah Lancman  : vocals
Olivier Boge : saxophone

  イタリアの人気ジャズ・ピアニスト・ ジョバンニ・ミラバッシが、昨年彼のトリオと共に来日したフランス人女性ジャズ・シンガー・サラ・ランクマンとデュエットでイタリアを旅するソング集がリリースされた。曲によってはアルト・サックスが色を添えるというパターンである。

  ミラバッシはアルバム「AVANTI」(2001)以来私は彼のジャズ・ピアノのファンで、ニュー・アルバムがリリースされるとつい飛びついてしまう。

Giovannimirabassid195 (Tracklist)

1. Il Poeta
2. Estate
3. Parlami D'Amore Mariù
4. Ah, Che Sarà, Che Sarà
5. Vedrai, Vedrai
6. La Canzone Di Marinella
7. Almeno Tu Nell'universo
8. Sabato Italiano
9. Senza Fine

 これはイタリアのカンツォーネ集といったところだ。従って、イタリア風土を反映した比較的明るい恋の唄といったところか、そんなところからなんとなくロマンティックなムードに包まれるアルバムに仕上がっている。そんな訳で、あまり暗さはなく聴きやすい。サラ・ランクマンの歌は、かなり情感は込められてはいるが、どこか物悲しい哀愁と言うところではなく、やはり比較的ロマンテイックなムードの方が優先している。

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 M3."Parlami D'Amore Mariuマリウ愛の言葉を"は、1932年の映画「殿方は嘘つき」のヴィットリオ・デ・シーカの歌った曲と紹介されている。サックスとサラのヴォーカルが交錯してムードたっぷりの仕上げで、ミラバッシのピアノはバックにあって愛の唄を盛り上げていて、注目曲。
 しかし中でも私が取り上げたい曲は、M5."Vedrai,Vdrai"で、これはルイジ・テンコの1965年の人気曲だそうで、メロディーが美しく、そこには抒情的な哀感のある歌声が聴ける。
  M6."La Canzone Di Marinella"は、やや陰影のある唯一アルトサックスが歌い上げるヴォーカルなしの曲だ。
  M7."Almeno Tu Nell'universo宇宙の中にあなただけ"は、1989年サンレモ音楽祭批評家賞の曲だそうだが、ミラバッシのクラシックムードのピアノ演奏と歌い上げるサラの広い世界を展開する曲。
 M8,M9は、実のところそう注目されるというものでなかった。

 どうも結論的には、私自身の期待度が大きかったせいか若干肩透かし。しかし考えてみればこれがカンツォーネ集なのかもしれない。そんなつもりで聴くのが良いと思う。つまりミラバッシの余興のようなアルバムであった。

(参考)サラ・ランクマンSarah Lancman(vocal)
  1989年、フランス生まれ。ローザンヌ音楽大学でピアノとヴォーカルを専攻。卒業後、2012年にモントルージャズフェスティバルで国際シュア・ジャズヴォーカルコンクールで優勝。2015年よりジョバンニ・ミラバッシと活動を共にするようになり、共同設立したこのレーベル「JAZZ ELEVEN」で作品をリリースしている。

(評価) (まあ、80点と言うところでしょう)

▢ 曲・演奏・歌 ★★★★☆
▢ 録音     ★★★★☆

(視聴) 

 

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2019年5月26日 (日)

ブルース・ロックのアリー・ヴェナブル・バンドAlly Venable Band「PUPPET SHOW」

若さの女性によるハード・ロッキン・ブルース

<Blues Rock>
Ally Venable Band「 PUPPET SHOW」
Connor Ray Music / USA / CRM-1701 / 2018

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Ally Venable : Guitar & Vocals
Elijah Owings : Drums
Bobby Wallace : Bass

 久々にブルースの世界だ。そしてここに取り上げるアルバムは、20歳の女の子というか(女性と言うべきなのか)、そんなアニー・ヴェナブルと言うギタリストにしてシンガーのバンドで、自己のオリジナル曲をパワフルに展開するもの。
 近年ブルースの世界は、やや旧態然としたロック系ミュージツクの趣となつている。もともとジャズとしても原点としてのミュージックでありながらロック界に依存してしまっている。そこにこのような若き女性ミュージシャンが繰り広げるブルース・ロックは貴重と言えば貴重。これはロック・ブロガーのフレさんからの情報で聴くことになったアルバムだ。

810ymj7fhjlw  彼女は1999年テキサス州出身の今年20歳。現在話題の天才的と評価のあるブルース・ギター・ウーマン。既に何枚かのアルバムはリリースされていて、今年にはこのアルバムの後に「TEXAS HONEY」(→)がお目見えしている。しかしこの昨年のアルバムから聴いてみようと思った次第。
 そして以前には、2016年の「No Glass Shoes」でデビューと言われているが、「Wise Man」、「Train Wreck Blues」というアルバムもあるようで、そのあたりはよくわからない。いずれにしても、もはやブルース界を暴れまくっているという感があるのだ。


(Tracklist)

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Av2  収録曲全10曲、2曲にてはゲスト・ギタリストの参加はあるが、彼女ギター・ヴォーカルのバンドの演奏ものである。
 オープニングは、これを聴いてピンと来たのは、昔のジェフ・ベック・サウンドだ・・・・という事で、それなりに面白いし迫力もある。彼女の歌声は、そんなにボリュームがある訳でないが、若さがあってパワフルに訴えてくる。
 M4."Brackwater Blies"は、"なるほど"と、最もオーソドックスなロッキング・ブルースとして聴ける。
  私は、白人のブルースも、それなりに良いという人間で、スノーウィ・ホワイトなんかは好きなんですね。しかしこうした若さのハード・ロック味ブルースは、むしろ別の意味で頼もしいと感ずるようになった年寄り愛好家でもある。
 そんなところで、M7."Comport in my sorrows"が、ややスロー・バラード調で、彼女のギターもじっくり聴けて、味わいも深くて一番お気に入りになった。若きファンは多分この線だけでは納得しないだろうと思うところもあるが。

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 このアリー・ヴェナブルは、なんと幼いころからブルース・ギタリストにあこがれてギターを手にしていたという。そして12歳には地元のテキサスのステージに立ち、アニー・ヴェナブル・バンドとしてクラブに出演して天才ギタリストとして注目を浴びていたらしい。
 このアルバムは、昨年ビル・ボード・ブルース・チャートで7位に食い込んでいて、今や注目株というところだ。間違いなく、これからのブルース・ロック界をしょって立つ女性プレイヤーとして、取り敢えず取り上げたわけだ。

(視聴)  "Blackwater Blues"

 

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2019年5月22日 (水)

ジョバンニ・グイディのニュー・アルバム Giovanni Guidi 「AVEC LE TEMPS」

そこには郷愁の世界が・・・そして中盤は驚きの展開をみせる

<Jazz>
Giovanni Guidi 「AVEC LE TEMPS」
ECM / International / ECM2604 / 2019

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Giovanni Guidi (Piano) 
Francesco Bearzatti (Tenor Saxophone) 
Roberto Cecchetto (Guitar) 
Thomas Morgan(Double Bass)  João
Lobo(Drums)
 
Recorded at Studios La Buisonne in November 2017 Produced by Manfred Eicher.

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  イタリアの若手ピアニストで既にここでも取り上げて来た注目株のジョヴァンニ・グイディGiovanni Guidiのトリオによる2015This Is The Day以来のECM3作目が登場。
 このアルバムは、フランスのシンガーソングライター/作曲家レオ・フェレLeo Ferre(1916-1993)の曲をトリオで演奏し、この曲は「愛と喪失」がテーマとなっているものというが、それがアルバム・タイトルであり、オープニング曲として登場。ブックレットにはその詩が載っている凝りようだ。
 そして今年の7月に亡くなったイタリアのあのトランぺッター、トーマス・スタンコに捧げたグイディのオリジナル曲 “Tomasz”で幕を閉じる。
 この2曲はなにかやるせない気持ちにさせる郷愁感たっぷりで、美しくも哀愁ある曲に浸れるのだが、その間では、ここに演奏しているバンドは、サックス奏者のFrancesco BearzattiとギタリストのRoberto Cecchettoが参加してクインテットのバントとなり、グィディのオリジナル作品とグループの即興演奏に参加し、メンバー全員が卓越した演奏でエネルギーと色彩のコントラストを描く。

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(Tracklist)

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 スタートからアルバム・タイトル曲の"Avec Le Temps"(It may take Time)が登場。この曲は今回の主テーマであるレオ・フェレの曲で、ジョバンニ・グイディ・トリオで演奏され、郷愁感たっぷりの美しく抒情的な演奏に対面できる。とにかくピアノ、ベース、シンバルの響きと究極の美しさを聴かされる。凄い。
 続く"15th of August"は、ベースのリズムにギターが美しくしっとりと歌い上げるグイディの曲だ。そして中盤からの盛り上がりにはサックスが登場。
 3曲目"Postludium and a kiss"は、5人によるインプロヴィゼーションの曲と思われる。とにかくまず美しいグイディのピアノから始まるが、サックスがまずは暴れ始め、次第に5者が入り乱れての交錯が不思議な一体感となって響いてくる。そしてそれが続く4曲目の"No Taxi"となると、一層その前衛性は高まって第1曲目とは全くの別世界。こんなクインテット演奏が彼らのエネルギーを見る思いだ。
  そしてグイディの曲"Caino", "Johnny the Liar"と続くが、次第に異空間に引っ張られるも、初期の美しさが再び見えてくる。このあたりの技法が憎いところ。
 7曲目"Ti Stimo"でギターの再び美しい世界に戻り、ピアノの美旋律が顔を出す。最後はあれだけ暴れたサックスも美しく歌い上げるのだ。
 終曲"Tomasz"は、トーマス・スタンコに捧げた曲だけあって、そこには真摯なこころでの人間愛に満ちた美しい曲としてグイディの美しいピアノの響きを中心としてしっとりと演奏される。

  とにかくこのアルバムは、寄せては返す静かな波のような郷愁誘う叙情的哀愁的世界から、クインテットの織り成すどちらかというと即興的前衛的世界とがバランスよくアルバムを構成して素晴らしい作品となっている。推薦盤だ。

(評価)

▢ 曲・演奏  ★★★★★☆
▢ 録音    ★★★★★☆

(視聴)

 

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2019年5月18日 (土)

アルゼンチンからの人気シリーズ「JAZZ SEXIEST LADIES Volume 4」

結構地道に人気があって第4巻目に・・・・

<Jazz>

V.A. 「JAZZ SEXIEST LADIES Volume 4」
Music Brokers / EU / MBB7281 / 2019

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  アルゼンチン・ブエノスアイレス出身のカレン・ソウサKaren Souza(↓)が、2006年のロックのジャズ・アレンジ・アルバム「JAZZ AND 80'」をリリースして話題になり、その後のセクシャルなジャズ・ヴォーカルで人気者になった(「Essentials」(2011), 「HOTEL SOUZA」(2012), 「Essentials Ⅱ」(2014), 「VELVET VAULT」(2017))。
  そして一気に元気の出たアルゼンチン・レーベルMusic Brokersが、カレン・ソウサの唄を中心に多くのアルゼンチン女性歌手を集めたこのコンピレーション・アルバム「JAZZ SEXIEST LADIES」シリーズを廉価でサービス・リリースして、それ以来結構人気が地道にあるようです。2013年の1stアルバムからCD3枚組でこれで4巻目ですから12枚リリースしている。お恥ずかしながら私は全曲しっかり聴いてきた。
 それもまあなんとなく聴いているにはそれなりに味があって面白いのである。
 "SEXY NIGHTS"  と"BOSSA NOVA MOODS"、 "COCTAIL CLASSICS"の3CD仕立てで全36曲と聴きごたえ十分だ。

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(Tracklist)

CD ONE : SEXY NIGHTS
01 Ain’t No Sunshine (Late Night Jazz Mix) - Karen Souza
02 White Flag - The Cooltrane Quartet
03 Too Good at Goodbyes - Cassandra Beck
04 I Just Wanna Stop - Michelle Simonal
05 Cryin’ - Sarah Menescal
06 Say Say Say - Eve St. Jones
07 Every Rose Has Its Thorn - Dinah Eastwood
08 Sure Know Something - 48th St. Collective
09 Back to Life - The Cooltrane Quartet
10 My One and Only Love - Karen Souza
11 Treat You Better - Stella Starlight Trio
12 Stay (I Missed You) - Urselle

CD TWO : BOSSA NOVA MOODS
01 Hunting High and Low - Sarah Menescal
02 All the Love - Amazonics
03 It’s My Life - Ituana
04 Maniac - Urselle
05 Girl, You’ll Be a Woman Soon - Groovy Waters
06 Hope of Deliverance - Bristol Love
07 Cars and Girls - Groove Da Praia
08 Groove is in the Heart - The Cooltrane Quartet
09 Undercover of the Night - Cassandra Beck
10 Latch - Groove Da Praia feat. Shelly Sony
11 Together Forever - Os Digitalistas
12 Lady - Lila Frascara

Sarahmenescaltrw CD THREE : COCKTAIL CLASSICS
01 Take on Me (Electrobossa Mix) - United Rhythms Of Brazil
02 Learn to Fly - Ituana
03 Smile (Bossa Nova Mix) - Cassandra Beck
04 Not Fade Away - Scubba feat. Michelle Simonal
05 I Want It That Way - The Cooltrane Quartet
06 Heaven - Eternal Trip
07 It’s Over - Dual Sessions
08 Rain Fall Down - Banda Do Sul
09 Virtual Insanity - Groove Da Praia
10 Down to Earth - Cassandra Beck
11 Torn - 48th St. Collective
12 Sultans of Swing - George White Group

 

52777690_1063203720548946_80554753728561  このアルバムも当然Karen Souzaを中心に展開。特に CD-1"SEXY NIGHTS"には彼女の唄が2曲登場。そして私はよく知らないのだが、前作にも登場しているTHE Cooltrane Quartetが健闘していて、このカルテットはピアノ・トリオ+女性ヴォーカル仕立てといところなのか、なかなかセクシーな味も出している。
 更にMichelle Simonalや、ボサノバで売り出し中のSarah Menescal(右上)も同様に女性を意識させるべく妖艶な味付けのヴォーカルを披露。
 さすがに今回は、Flora Martinzの名前は見られないが、Cassandra BeckとかEve St.Jonesなどが相変わらず登場している。日本でそれほどポピュラーに知れ渡っているわけではないが、こうしてアルゼンチン関係の女性軍の多くが、セクシーに歌い上げていて面白い。
 よく知らないが、Lila Frascara(右下)というシンガーもなかなかの声に可愛らしさもあって注目してしまった。彼女はTHE cooltrane Quartetのヴォーカルを務めているのも事実である。

 こうした気楽に聴き流せるアルバムも・・・・意外にしっかりファンを持っているんですね。まさかこうして4巻までリリースしてくるとは思わなかった。この4巻目リリースは実は知らないでいたのだが、我が美女狩りを得意としている友人からの紹介で、このアルバムを知る至った次第である。

(評価)

▢ 企画・曲・歌 ★★★★☆
▢ 録音     ★★★★☆

(参考視聴1)

 

(参考試聴2) Sarah Menescal

 

 

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ナナカマドの開花 (我が家の庭から・・・・)

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2019年5月14日 (火)

ニッキ・パロットのニュー・アルバム Nicki Parrott 「from NEW York to PARIS」

ポピュラーな曲のオンパレード・・・・・味な編曲もあって楽しいアルバムに

NICKI PARROTT 「from NEW YORK to PARIS」
ARBORS RECORDS / USA / ARCD19466 / 2019

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  日本でもVenus Recordsから多くのアルバムをリリースして、ベーシストでもあり優しく親しみやすいヴォーカルで人気のニッキ・パロット(オーストラリア出身でニューヨークで活動)のニュー・アルバムの登場である。
 これはARBORS レコードからのリリースで、中身はニューヨークとパリにちなんだお馴染みの名曲集。実は私的には、彼女のアルバムはVenus Recordsものよりは、別のARBORSなどからのリリースものの方がジャズらしくて好きであったので、今回はさっそく手に入れたものである。

Members

 勿論バック演奏は、ベースとヴォーカルは彼女が担当し、上のようなメンバーでの小コンポ体制での味な編曲で、実に軽やかなお洒落な味のあるジャズ・アルバムに仕上げられている。
 彼女のヴォーカルは、やはりキュートなところはそのままに、甘く優しく万人向けの難しさのないところが魅力である。

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 収録は、上の通りの14曲で、いずれもよく聴いているという曲ばっかりだ。そしてなんといっても優雅で居心地のいいところが魅力。バック演奏も軽やかで重い雰囲気は一切ない。こうした軽妙なアルバムも時には気持ちが軽くなっていいですね。こうゆうのも音楽というものの醍醐味の一つですね。私は重く沈んだ哲学的なものとか、抒情性たっぷりのジャズものを好んで聴いているが・・・久々に春爛漫のアルバムに心を休ませています。
 とにかくニュー・アルバムが多い彼女であるが、中でもシャンソンなど徹底的に日本人も馴染んだ曲を、このようにちょっと味な編曲をしての真摯にして爽快なアルバムは実にピッタリなんですね。ニッキ・パロットも一流になりました。


(評価)
▢ 選曲、唄 ★★★★★☆
▢ 録音   ★★★★☆

(視聴)

 

[今日のMy Photo]  我が家の牡丹 2019.5

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2019年5月10日 (金)

ニコレット・パンコヴィッツ Nikolett Pankovits 「Magia」

ジャズとはいうが・・・・トラッドぽくエキゾチックな異色の世界

<Jazz>
NIKOLETT PANKOVITS 「Magia」
NINWOOD MUSIC / IMPORT / NIN001 / 2019

Magia

Nikolett Pankovits - vocals, piano (1)
Zach Brock - violin (1,2,4,5,8,9)
Juancho Herrera - guitar (2,3,5,7,9)
Jason Lindner - piano (4,6,7,8,10)
John Benitez - upright bass (2,4,5,6,7,8,9)
Yayo Serka - drums, percussion (1,3,4,5,8,9)
Adriano Santos - drums, percussion (2,7,8)
Josh Deutsch - trumpet (4,9)
Greg Tardy - tenor saxophone (7,10)
Ferenc Nemeth - drums (6)
Keita Ogawa - percussion(2,7)
Edward Perez - upright bass (1)
Jorge Roeder - upright bass(3)

Recorded at Marc Urselli at Eastside Sound Studio , New York 2018

Np1  一口にジャズと言ってもその多様性には脅かされる。過去の歴史的変遷はそれとして、このNikolettの女性ヴォーカリストのアルバムを聴くと、うーーんと考えてしまう。彼女はハンガリー出身で、ニューヨークにて多くのアーティストの協力により録音したものと言うのだが・・・。
 そして選曲も自国ハンガリー由来のものか、聴き馴染みのないものが多いが、M5."Gloomy Sunday", M8."Besame Mucho", M10."Where do You Start ?"と、定番スタンダードも収録している。
 私が聴くと、ジャズらしいのはM7."Fogadj El Engem", M10."Where Do You Start ?"あたり、それもこのアルバムを聴いていて、テナー・サックスが初めて登場したからである。最初の曲M1, M2とヴァイオリンのバツク演奏でスタートして、トラッドに近いのかなぁーと思いつつ、フォークぽいとも思ったりといったところだ。なにせ歌詞はどうもハンガリー語のようだ。
 そしてこのヴォーカリストのNikolettの唄は、まあクセのない歌声と言っていいのか、言い換えれば素人っぽいともいえる。
 曲造りには、ヴァイオリンが結構有効な役を演じていて、なんとラテン・ナンバーのM8."Besame Mucho"でもバックを奏でていて、なんか不思議な世界である。パーカッションも響いてくるのでラテンものの雰囲気もあると言えばあるのだが、まあエキゾチックと言ってしまえばそんなところだ。

 彼女は2010年から歌手デビューで、ニューヨークに住んでいる。基本的には幼少時代からのハンガリーのトラッドを歌い、アメリカ・ジャズとラテン・アメリカの音楽に影響を受けるも、いわゆる一般的ジャズ・シンガーとは一線を画した世界を構築しているようだ。純粋さとかしなやかさとか、暖かいとかいろいろと好評のようでもある。これが1stアルバムだが、これから如何に発展できるかだ。

(Tracklist)

1. Kis Kece Lanyom
2. Madarka, Madarka
3. Szaz Panasz Eg a Dalomban
4. La Dama De La Muerte
5. Gloomy Sunday
6. Don't Ask Me Who I Was
7. Fogadj El Engem
8. Besame Mucho
9. Stop for a Moment
10. Where Do You Start? 


(評価)
□ (曲・歌): ★★★★☆
□ (録音)    : ★★★★☆

(視聴)

 

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2019年5月 6日 (月)

スコット・ハミルトンのテナー・サックス Scott Hamilton 「nocturnes & serenades」

夜のムードで・・・・しっとりと

<Jazz>

Scott Hamilton 「nocturnes & serenades」
Concord Music / VICJ-61380 / 2006

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Scott Hamilton : Tenor Saxophone
John Peace : Piano
Dave Green : Bass
Steve Brown : Drums

 もともと私はジャズを聴いているのに、不思議に思われているのは、「トランペットもの、サックスものをあまり聴いていないのでは」と指摘されるんです。実はそれはその通りであって、大体がピアノ演奏が中心になっている (もちろん、女性ヴォーカルものは当然好きなんですけどね)。
 それは何に起因するかと言うと、実はアメリカン・ジャズのビック・バンドものがどうも苦手なのです。1930年代のルーズベルト大統領による景気回復のための禁酒法の解禁、ニューディール政策などの下、ビック・バンドによる社交ダンス用の伴奏演奏であったスウィング・ジャズとしてスタート。それから次第に観賞用となるのだが・・・・。
 一方、私はロックを聴くのにと不思議がられるが、ロックの強烈な炸裂とは全く別物で、とくにラッパものを中心に更にサックスも加わってのビック・バンドの圧倒的な音にはどうもついてゆけない。ロックといっても、プログレ系を中心に聴いてきたのだが、ゴシック・メタル、シンフォニック・メタルなどは結構好きなんですね。しかしジャズとなると深夜のムードに期待するか、美しいメロディーをリリカルに演奏してもらうところに期待してしまうといったところ。
 しかし、ミュートを効かしてのトランペットの夜のムードは好きですし、サックスでも最も一般的なテナー・サックスものでもしっとりと演奏してくれるものは好きなんですね。しかし未聴のものも多いために・・・・時に過去のものも喜んで聴いているんです。そんな中で今夜は爵士さんお勧めのスコット・ハミルトンScott Hamiltonを聴いています。

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  収録曲は十分楽しめる上の10曲。

Scott_hamilton_1  アルバム・タイトルで分かる通り、ノクターンとセレナーデである。つまり夜のムードのオンパレード。ここまで優しくしっとりとサックスを吹いてくれれば、私にとっては"何をか言わんや"というところだ。
 そんなところから、すべてOKなんですが、あえて個人的には、M1."Man with horn", M2."Autumn Nocturne", M4."I'm Glad there is You", M10."A Portrait of Jenny" あたりは私好みのサックスの魅力を十二分に聴かせてくれるのである。

 スコット・ハミルトンは、1954年ロード・アイランド州プロビデンス生まれ 。幼い頃よりピアノとリトル・クラリネットを習い、10才代にはテナー・サックスに転向し、1976年NYに進出したという、22歳の時ですね。得意のテナー・サックスに関しては、いずれにしても多彩な演奏を聴かせるが、真骨頂はバラードの演奏というところに尽きる。そして懐かしのジャズ世界に我々を連れて行ってくれる。多くのミュージシャンとの共演があるが、カール・ジェファーソン率いるコンコード・レコードを中心に活躍し、コンコード・オールスターズや自己のクインテットで数えきれないぐらいの多くのアルバムを録音している。

 

(評価)
▢ 選曲、演奏 : ★★★★★☆
▢ 録音    : ★★★★★☆

 

(試聴)

 

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2019年5月 2日 (木)

ボニー・ジェンセンのヴォーカル・アルバム Bonnie J Jensen 「SHIMMER」

オーソドックスなジャズ・ピアノとワイルドなヴォーカル

<Jazz>
Bonnie J Jensen 「SHIMMER」
Gats Production / IMPORT / SHIMMER / 2017

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Bonnie J Jensen : (voc/p)
Graham Jesse(sax/fl)
Matt McMahon(p)
Phil Stack(b)
James Muller(g)
Nicolas McBride(ds/perc) 

 ニュージーランド出身で、現在シドニーを拠点として活躍しているボニー・ジェンセンBonnie J Jensenの2010年に自主制作盤としてリリースされていたアルバムだが、日本未公開ものだった。そして2017年に日本入荷したもの。ここにきてのニュー・アルバムという訳ではないが、我が美女狩りを得意とする友人よりの勧めによって聴くことになったもの。
 彼女はシンガーであるが、ピアニストでもあり作曲家でもある。取り上げる曲はジャズ、ロック、ラテンなど広い。美貌とともに人気者ののようだ。

 (Tracklist)
1.Spend a little Time With Me
2.Here Comes the Rain Again
3.Bluesette
4.Without a words
5.Sweetest Somebody I Know
6. Higher Ground
7. Everybody's Cryin' Mercy
8. If You Love Somebody
9. Come Take My Hand
10. My Romance
11. Stoken Moments
12. First Love's Call

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  曲調は比較的オーソドックスなジャズ、スウィンギーな流れとブルージーな世界。そして歌声はかなり中低音に魅力を発揮してのワイルドと言ってよいタイプだ。もともとNorah Jones, Claire Martin  Linda Perttersson などを意識しているようだ。官能的なところとソウルフルなところ、さらには甘さもあるというオールラウンド・タイプ。
  彼女はピアニストだが、完全な弾き語りではなく、このアルバムではバックにピアニストもエントリーしている。
                                       *
 冒頭のM1."Spend a Little Time With Me" からサックスが、そしてピアノ、ギターもと、かなり賑やかな演奏に乗ってのヴォーカル曲。華々しいジャズ・ヴォーカルかと思ったが、M2."Here Comes The Rain Again"はスロー・バラードでバックのギターが美しく、M4."Without A Words"はフルートが効いてじっくり歌いこんでくる。声は嫌味のないところで高音も伸びるが、中低音のヴォリュームが見事である。この線の仕上げは私好みだ。
  M5."Sweetest Spmebody I Know"のようにボサ・ノバもこなしている。
  M7."Everbody's Cryib' Mercy"のブルース調もギターとともに聴きどころであり、
  M10."Romance"なども朗々とした歌あげて見事である。
  M12."First Love's Call"最後にしっとりとした説得力のある歌いこみでなかなかいいです。
                                      *
 全体の印象はやはりワイルドであるが華々しさのあるヴォーカルである。そしてバックはJames Mullerのギターが印象に残るが、更にFlugel horn Violin, Cello, Viola なども加わる曲もあって豪華仕立て。

   彼女のアルバムで見当たるのは、この「SHIMMER」以外には目下「Blue Joy」(2004)、「The Sapphire Tree」(2007)の2枚ぐらいですね。

(評価)
▢ 曲・演奏・歌 : ★★★★☆ 
▢ 録音            : ★★★★☆


(試聴)

 

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