ニコレット・パンコヴィッツ Nikolett Pankovits 「Magia」
ジャズとはいうが・・・・トラッドぽくエキゾチックな異色の世界
<Jazz>
NIKOLETT PANKOVITS 「Magia」
NINWOOD MUSIC / IMPORT / NIN001 / 2019
Nikolett Pankovits - vocals, piano (1)
Zach Brock - violin (1,2,4,5,8,9)
Juancho Herrera - guitar (2,3,5,7,9)
Jason Lindner - piano (4,6,7,8,10)
John Benitez - upright bass (2,4,5,6,7,8,9)
Yayo Serka - drums, percussion (1,3,4,5,8,9)
Adriano Santos - drums, percussion (2,7,8)
Josh Deutsch - trumpet (4,9)
Greg Tardy - tenor saxophone (7,10)
Ferenc Nemeth - drums (6)
Keita Ogawa - percussion(2,7)
Edward Perez - upright bass (1)
Jorge Roeder - upright bass(3)
Recorded at Marc Urselli at Eastside Sound Studio , New York 2018
一口にジャズと言ってもその多様性には脅かされる。過去の歴史的変遷はそれとして、このNikolettの女性ヴォーカリストのアルバムを聴くと、うーーんと考えてしまう。彼女はハンガリー出身で、ニューヨークにて多くのアーティストの協力により録音したものと言うのだが・・・。
そして選曲も自国ハンガリー由来のものか、聴き馴染みのないものが多いが、M5."Gloomy Sunday", M8."Besame Mucho", M10."Where do You Start ?"と、定番スタンダードも収録している。
私が聴くと、ジャズらしいのはM7."Fogadj El Engem", M10."Where Do You Start ?"あたり、それもこのアルバムを聴いていて、テナー・サックスが初めて登場したからである。最初の曲M1, M2とヴァイオリンのバツク演奏でスタートして、トラッドに近いのかなぁーと思いつつ、フォークぽいとも思ったりといったところだ。なにせ歌詞はどうもハンガリー語のようだ。
そしてこのヴォーカリストのNikolettの唄は、まあクセのない歌声と言っていいのか、言い換えれば素人っぽいともいえる。
曲造りには、ヴァイオリンが結構有効な役を演じていて、なんとラテン・ナンバーのM8."Besame Mucho"でもバックを奏でていて、なんか不思議な世界である。パーカッションも響いてくるのでラテンものの雰囲気もあると言えばあるのだが、まあエキゾチックと言ってしまえばそんなところだ。
彼女は2010年から歌手デビューで、ニューヨークに住んでいる。基本的には幼少時代からのハンガリーのトラッドを歌い、アメリカ・ジャズとラテン・アメリカの音楽に影響を受けるも、いわゆる一般的ジャズ・シンガーとは一線を画した世界を構築しているようだ。純粋さとかしなやかさとか、暖かいとかいろいろと好評のようでもある。これが1stアルバムだが、これから如何に発展できるかだ。
(Tracklist)
1. Kis Kece Lanyom
2. Madarka, Madarka
3. Szaz Panasz Eg a Dalomban
4. La Dama De La Muerte
5. Gloomy Sunday
6. Don't Ask Me Who I Was
7. Fogadj El Engem
8. Besame Mucho
9. Stop for a Moment
10. Where Do You Start?
(評価)
□ (曲・歌): ★★★★☆☆
□ (録音) : ★★★★☆☆
(視聴)
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