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2019年5月 6日 (月)

スコット・ハミルトンのテナー・サックス Scott Hamilton 「nocturnes & serenades」

夜のムードで・・・・しっとりと

<Jazz>

Scott Hamilton 「nocturnes & serenades」
Concord Music / VICJ-61380 / 2006

Ns

Scott Hamilton : Tenor Saxophone
John Peace : Piano
Dave Green : Bass
Steve Brown : Drums

 もともと私はジャズを聴いているのに、不思議に思われているのは、「トランペットもの、サックスものをあまり聴いていないのでは」と指摘されるんです。実はそれはその通りであって、大体がピアノ演奏が中心になっている (もちろん、女性ヴォーカルものは当然好きなんですけどね)。
 それは何に起因するかと言うと、実はアメリカン・ジャズのビック・バンドものがどうも苦手なのです。1930年代のルーズベルト大統領による景気回復のための禁酒法の解禁、ニューディール政策などの下、ビック・バンドによる社交ダンス用の伴奏演奏であったスウィング・ジャズとしてスタート。それから次第に観賞用となるのだが・・・・。
 一方、私はロックを聴くのにと不思議がられるが、ロックの強烈な炸裂とは全く別物で、とくにラッパものを中心に更にサックスも加わってのビック・バンドの圧倒的な音にはどうもついてゆけない。ロックといっても、プログレ系を中心に聴いてきたのだが、ゴシック・メタル、シンフォニック・メタルなどは結構好きなんですね。しかしジャズとなると深夜のムードに期待するか、美しいメロディーをリリカルに演奏してもらうところに期待してしまうといったところ。
 しかし、ミュートを効かしてのトランペットの夜のムードは好きですし、サックスでも最も一般的なテナー・サックスものでもしっとりと演奏してくれるものは好きなんですね。しかし未聴のものも多いために・・・・時に過去のものも喜んで聴いているんです。そんな中で今夜は爵士さんお勧めのスコット・ハミルトンScott Hamiltonを聴いています。

List2

  収録曲は十分楽しめる上の10曲。

Scott_hamilton_1  アルバム・タイトルで分かる通り、ノクターンとセレナーデである。つまり夜のムードのオンパレード。ここまで優しくしっとりとサックスを吹いてくれれば、私にとっては"何をか言わんや"というところだ。
 そんなところから、すべてOKなんですが、あえて個人的には、M1."Man with horn", M2."Autumn Nocturne", M4."I'm Glad there is You", M10."A Portrait of Jenny" あたりは私好みのサックスの魅力を十二分に聴かせてくれるのである。

 スコット・ハミルトンは、1954年ロード・アイランド州プロビデンス生まれ 。幼い頃よりピアノとリトル・クラリネットを習い、10才代にはテナー・サックスに転向し、1976年NYに進出したという、22歳の時ですね。得意のテナー・サックスに関しては、いずれにしても多彩な演奏を聴かせるが、真骨頂はバラードの演奏というところに尽きる。そして懐かしのジャズ世界に我々を連れて行ってくれる。多くのミュージシャンとの共演があるが、カール・ジェファーソン率いるコンコード・レコードを中心に活躍し、コンコード・オールスターズや自己のクインテットで数えきれないぐらいの多くのアルバムを録音している。

 

(評価)
▢ 選曲、演奏 : ★★★★★☆
▢ 録音    : ★★★★★☆

 

(試聴)

 

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