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2019年5月30日 (木)

ジョバンニ・ミラバッシGiovanni Mirabassiのニュー・アルバム「INTERMEZZO」

イタリア・カンツォーネを演じたアルバム

<Jazz>

Gioovanni Mirabassi   Sarah Lancman 「 INTERMEZZO」
JAZZ ELEVEN / JPN / JZE11004 / 2018

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Gioovanni Mirabassi : piano  
Sarah Lancman  : vocals
Olivier Boge : saxophone

  イタリアの人気ジャズ・ピアニスト・ ジョバンニ・ミラバッシが、昨年彼のトリオと共に来日したフランス人女性ジャズ・シンガー・サラ・ランクマンとデュエットでイタリアを旅するソング集がリリースされた。曲によってはアルト・サックスが色を添えるというパターンである。

  ミラバッシはアルバム「AVANTI」(2001)以来私は彼のジャズ・ピアノのファンで、ニュー・アルバムがリリースされるとつい飛びついてしまう。

Giovannimirabassid195 (Tracklist)

1. Il Poeta
2. Estate
3. Parlami D'Amore Mariù
4. Ah, Che Sarà, Che Sarà
5. Vedrai, Vedrai
6. La Canzone Di Marinella
7. Almeno Tu Nell'universo
8. Sabato Italiano
9. Senza Fine

 これはイタリアのカンツォーネ集といったところだ。従って、イタリア風土を反映した比較的明るい恋の唄といったところか、そんなところからなんとなくロマンティックなムードに包まれるアルバムに仕上がっている。そんな訳で、あまり暗さはなく聴きやすい。サラ・ランクマンの歌は、かなり情感は込められてはいるが、どこか物悲しい哀愁と言うところではなく、やはり比較的ロマンテイックなムードの方が優先している。

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 M3."Parlami D'Amore Mariuマリウ愛の言葉を"は、1932年の映画「殿方は嘘つき」のヴィットリオ・デ・シーカの歌った曲と紹介されている。サックスとサラのヴォーカルが交錯してムードたっぷりの仕上げで、ミラバッシのピアノはバックにあって愛の唄を盛り上げていて、注目曲。
 しかし中でも私が取り上げたい曲は、M5."Vedrai,Vdrai"で、これはルイジ・テンコの1965年の人気曲だそうで、メロディーが美しく、そこには抒情的な哀感のある歌声が聴ける。
  M6."La Canzone Di Marinella"は、やや陰影のある唯一アルトサックスが歌い上げるヴォーカルなしの曲だ。
  M7."Almeno Tu Nell'universo宇宙の中にあなただけ"は、1989年サンレモ音楽祭批評家賞の曲だそうだが、ミラバッシのクラシックムードのピアノ演奏と歌い上げるサラの広い世界を展開する曲。
 M8,M9は、実のところそう注目されるというものでなかった。

 どうも結論的には、私自身の期待度が大きかったせいか若干肩透かし。しかし考えてみればこれがカンツォーネ集なのかもしれない。そんなつもりで聴くのが良いと思う。つまりミラバッシの余興のようなアルバムであった。

(参考)サラ・ランクマンSarah Lancman(vocal)
  1989年、フランス生まれ。ローザンヌ音楽大学でピアノとヴォーカルを専攻。卒業後、2012年にモントルージャズフェスティバルで国際シュア・ジャズヴォーカルコンクールで優勝。2015年よりジョバンニ・ミラバッシと活動を共にするようになり、共同設立したこのレーベル「JAZZ ELEVEN」で作品をリリースしている。

(評価) (まあ、80点と言うところでしょう)

▢ 曲・演奏・歌 ★★★★☆
▢ 録音     ★★★★☆

(視聴) 

 

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コメント

新譜ですか。視聴版を聞いた限りでは、微妙ですね。そもそもミラバッシの歌伴てどんなコンセプトなんでしょうか。

投稿: 爵士 | 2019年6月 5日 (水) 10時19分

爵士さん、こんばんわ。
イタリア・ローマのバチカン宮殿前の二人の写真(合成写真っぽいですけど)のジャケから・・・いろいろと想像して期待していたアルバムですけど、私的には、それほど・・・と言ったところです。Mirabassiの息抜き的余興でしょうね。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2019年6月 5日 (水) 20時16分

コメントをありがとうございます。

私的には、哀愁ある曲の数々を、優しく…そして、エモーショナルに仕上げていいるとおもいます。
ミラバッシのピアノは、美しさにに溢れ、躍動感もあり、時に優しく、時にエキサイティング、いわゆる、、歌伴という感じには思えなかったんですが。。。いろんな意見があるとおもいます。

http://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2019/06/post-5e119e.html

投稿: Suzuck | 2019年6月15日 (土) 07時55分

Suzuckさん、コメントありがとうございます。
そうですね、私には私なりきのミラバッシのイメージが出来上がってしまっていて、カンツォーネをこのように演ずるところは余興的に聴こえてしまうんですね。悪くないのですが・・・期待したところからちょっと空しかったというところです。アニメッシもそんなところがありました。まあしょうがないですね。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2019年6月15日 (土) 23時00分

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