ブルース・ロックのアリー・ヴェナブル・バンドAlly Venable Band「PUPPET SHOW」
若さの女性によるハード・ロッキン・ブルース
<Blues Rock>
Ally Venable Band「 PUPPET SHOW」
Connor Ray Music / USA / CRM-1701 / 2018
Ally Venable : Guitar & Vocals
Elijah Owings : Drums
Bobby Wallace : Bass
久々にブルースの世界だ。そしてここに取り上げるアルバムは、20歳の女の子というか(女性と言うべきなのか)、そんなアニー・ヴェナブルと言うギタリストにしてシンガーのバンドで、自己のオリジナル曲をパワフルに展開するもの。
近年ブルースの世界は、やや旧態然としたロック系ミュージツクの趣となつている。もともとジャズとしても原点としてのミュージックでありながらロック界に依存してしまっている。そこにこのような若き女性ミュージシャンが繰り広げるブルース・ロックは貴重と言えば貴重。これはロック・ブロガーのフレさんからの情報で聴くことになったアルバムだ。
彼女は1999年テキサス州出身の今年20歳。現在話題の天才的と評価のあるブルース・ギター・ウーマン。既に何枚かのアルバムはリリースされていて、今年にはこのアルバムの後に「TEXAS HONEY」(→)がお目見えしている。しかしこの昨年のアルバムから聴いてみようと思った次第。
そして以前には、2016年の「No Glass Shoes」でデビューと言われているが、「Wise Man」、「Train Wreck Blues」というアルバムもあるようで、そのあたりはよくわからない。いずれにしても、もはやブルース界を暴れまくっているという感があるのだ。
(Tracklist)
収録曲全10曲、2曲にてはゲスト・ギタリストの参加はあるが、彼女ギター・ヴォーカルのバンドの演奏ものである。
オープニングは、これを聴いてピンと来たのは、昔のジェフ・ベック・サウンドだ・・・・という事で、それなりに面白いし迫力もある。彼女の歌声は、そんなにボリュームがある訳でないが、若さがあってパワフルに訴えてくる。
M4."Brackwater Blies"は、"なるほど"と、最もオーソドックスなロッキング・ブルースとして聴ける。
私は、白人のブルースも、それなりに良いという人間で、スノーウィ・ホワイトなんかは好きなんですね。しかしこうした若さのハード・ロック味ブルースは、むしろ別の意味で頼もしいと感ずるようになった年寄り愛好家でもある。
そんなところで、M7."Comport in my sorrows"が、ややスロー・バラード調で、彼女のギターもじっくり聴けて、味わいも深くて一番お気に入りになった。若きファンは多分この線だけでは納得しないだろうと思うところもあるが。
このアリー・ヴェナブルは、なんと幼いころからブルース・ギタリストにあこがれてギターを手にしていたという。そして12歳には地元のテキサスのステージに立ち、アニー・ヴェナブル・バンドとしてクラブに出演して天才ギタリストとして注目を浴びていたらしい。
このアルバムは、昨年ビル・ボード・ブルース・チャートで7位に食い込んでいて、今や注目株というところだ。間違いなく、これからのブルース・ロック界をしょって立つ女性プレイヤーとして、取り敢えず取り上げたわけだ。
(視聴) "Blackwater Blues"
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コメント
ジェフ・ベック的、なるほど、そういう角度で聴けましたか…。ブルースの尺度から聴いていたからあまりその発想はなかったんですが、見事、言われてみれば(笑)。
クロスオーヴァーな音楽世界、ブルースやジャズでもそれが起きてて、まだまだ色々と若い世代による斬新なミクスチュアが出てきそうですね。
投稿: フレ | 2019年6月 2日 (日) 20時35分
年甲斐もなくこの手は結構お気に入りなんです。フレさんには良い情報を頂きました。
ブルースをこうして演ずるところは健気(けなげ)で、更なる充実を期待してしまいます。
投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2019年6月 2日 (日) 22時54分