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2019年6月 7日 (金)

ロバータ・ガンバリーニRoberta Gambariniのヴォーカル・アルバム「DEDICATIONS」

三大女性シンガーのエラ、サラ、カーメンのカヴァー集だ

<Jazz>

Roberta Gambarini 「DEDICATIONS」
55 Records / JPN / FNCJ-5566 / 2019

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Roberta Gambarini : vocals
Jeb Patton : piano

Recorded at Alley Cat Production(USA) on 14,Jan,2019

イタリア出身で米国でニューヨークを拠点に活躍で知られるジャズ・ヴォーカル女性シンガー、ロバータ・ガンバリーニRoberta Gambariniのアルバムだ。これは三大女性シンガー、エラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、カーメン・マクレエに捧げる日本限定のアルバムで来日記念盤でもある。従って、彼女らの定番曲をカヴァーした新録音集。
 バックはJeb Pattonのピアノのみで、むしろデュオといった作品だ。

Rg2_1 (Tracklist)

1. Lady Be Good / How High The Moon
2. As Time Goes By
3. Willow Weep For Me
4. Blame It On My Youth
5. Two For The Road
6. Lullaby Of Birdland
7. It Don't Mean A Thing
8. Misty
9. I Can't Give You Anything But Love

 彼女自身ジャズ教育者であるだけあって、簡単に言うとしっかりしたヴォーカル、歌いこんだ実質的で張りとか艶とかをもって情感たっぷりに歌う。いわゆるセクシーな崩しとかするタイプではない。むしろイタリアっぽくハートフルな面のほうが前面にあって、しかも可憐さとは逆にホットなパワーすら感ずる。その為、現在広くジャズ・ファンには受け入れられるタイプと思う。
 過去のジャズ・三大シンガーを取り上げているので、若干ややオールド・ジャズ感はあるが、それでも彼女自身の唄として仕上げているので聴きがいはある。つまりイタリアっぽいところはちゃんとあるのだ。
 又、ピアニスト・ジェブ・パットンも同年代でおそらく息があったのであろう、どちらかというと彼のピアノも昔ながらのジャズを心を込めて引くというタイプであり、この企画にはピッタリといったところ。

 私としては、M3."Willow Weep For Me", M6"Lullaby Of Birdland"など聴きなれた曲が登場して聴きやすいが、何といっても好きな曲M8."Misty"をまず取り上げたいが、これもなかなか味のあるヴォーカル、つまり彼女の情熱と力学を感ずる仕上げで、しっかりじっくり歌いこんでいて、推薦曲というところだ。
 やはり歌唱に自信があるせいか、バックはピアノのみであるため、歌声そのものが味わえる作品となっている。

512reyinpsl ロバータ・ガンバリーニは、1972年イタリア・トリノ生まれで今や40歳代後半になっての円熟期シンガーだ。1991年にはリーダー作も発表していて、1998年に米国に渡ってニューイングランド音楽院(ボストン)で学んでいる。渡米早々にセロニアス・モクク・インターナショナル・ジャズ・コンペテションで3位に輝いて注目されたとか。もうキャリヤー30年となるシンガーだけあって米国中心に国際的な活躍と共にジャズ教育者としての道も歩んでいる。
  過去のアルバムに「You Are There」(2007),「So in Love」(2009 ↑),「Easy to Love」(2005)などがある。

(評価)

▢ 選曲・歌  ★★★★☆
▢ 録音    ★★★★☆

(参考視聴)

 

 

 

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