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2019年7月25日 (木)

エルELLEのファースト・アルバム「SO TENDERLY」

美しいガラティのピアノをバックにウィスパー・ヴォイスで

<Jazz>

ELLE 「SO TENDERLY」
TERASHIMA Records / JPN / TYR-1081 / 2019

Sotenderly

Elle (vocal)
Alessandro Galati (piano)
Guido Zorn (bass)
Lucrezio De Seta (drums)

Ag1   初お目見えのエルElle本人が期待していたとおりの、日本盤としてはビックリのデビュー・アルバムですね。これは寺島レコードとイタリアのピアニストのアレッサンドロ・ガラティAlessandro Galati(→)とのプロジェクト、その結果の産物なんですね。ガラティはジャズ畑での私の最も愛するピアニストであり、その彼に見いだされたというエルであるが、彼女がイタリアのジャズ・クラブで歌っているのを見つけたようだ。
 そんな結果生まれたアルバムであるので、ガラティの優しい美旋律の生きたピアノ・トリオの演奏で、彼女のヴォーカルがしっとりと聴ける。それはまあウィスパー・ヴォイスという世界ですね。寺島靖国もお気に入りとか・・・そうなれば聴かねばならない一枚となってます。

(Tracklist)

1. How Insensitive
2. Tenderly
3. Time After Time
4. These Foolish Things (Remind Me Of You)
5. Moon River
6. The Nearness Of You
7. Body And Soul
8. Over The Rainbow
9. I Wish You Love

Safe_image

 やはり日本向け仕上げか、ポピュラーなスタンダード曲を中心に収録されている。
  そして成る程M1."How Insensive"での冒頭からソフトにしてマイルド、やや物憂いエルのウィスパー・ヴォイスが迫ってくる。続くM2."Tenderly"でもその流れは続き、中盤にガラティのソロに近いピアノ、そしてGuido Zornのベースが聴かれ、成る程ガラティの優しく美しくといった演奏もテーマになっていることが解る。
 とにかくエルはもともとはオペラ歌手も務めたとはいうが、極力抑えた発声で夜のジャズ・ムードを盛り上げている。
   しかし、その点はアルバム作りにも有能なガラティのこと、M3.,M4ではメディアム・テンポ曲を配して、そして再びM5."Moon River"、M6."The Nearness Of You"はスロー・テンポに仕上げている。そして彼女のややハスキーで語りかけるような歌声が相変わらず続く。それならむしろM3.,M4.ではもう少し明るく歌い上げたほうがアクセントがあって良かったのではとも思ったところである。まあ私にしてみれば、肩の力を抜いたガラティの美しい旋律のピアノを聴けるのであまり文句はないのだが、とくにそれはM6.M8."Over The Rainbow"の中盤にも顔を出して、しっとりとした中に美しさがあるピアノは出色である。まあこれが目当てでこのアルバムを手に入れているというところもあって、取りあえず満足のアルバムであった。

Trentinoinjazz

 エルに関しての情報は少ないのだが、ボサノバ曲を自作自演していたふしもあり、かなりの実力派か。年齢も30歳代 ?。又こうして聴いていると彼女の押さえられたややハスキーなウィスパリング型の声はむしろ作られたもので、かなり透明感のある声を持っている様子も窺える。そしてかなりチャーミングな面も持っていそうだ。又これからのガラっと変わった発展もありそうな予感がする。

(評価)

□ 選曲・歌・演奏  ★★★★☆
□ 録音       ★★★★☆

( 試聴 目下、この関係の映像等は見当たらないので・・・ちょっとお預け)

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コメント

「これはこれは !! ・・・」というしかなさそう。HMVのHPで視聴してみましたが、声が儚くてがラティのセンスに合いそうですね。

投稿: 爵士 | 2019年7月25日 (木) 23時09分

  爵士 さん、コメントありがとうございます。
 全編、このパターンのヴォーカルは、ちょっと逆にイライラするところもあって・・・・と(いろいろいと織り交ぜた中なら良いのですが)、この梅雨明けには向いてませんね。
 Elleは、それなりの歌手のようですからこれから発展してほしいです。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2019年7月26日 (金) 10時23分

寝やすいというメリットがあります。
昨日はRolling Stonesのストリート・ファイティング・マンやジャンピン・ジャック・フラッシュなんかで、それ行くぞと、1時まで仕事して、エルを聴きながら夢の世界へ。
今日は、メリッサ・カラードのスウィング・ヴォーカルを聴きながら、調子よく、仕事してます。

投稿: MRCP | 2019年7月27日 (土) 00時45分

MRCPさん、コメント有り難うございます。
 成る程・・・寝やすいというメリットねぇ、そうかもしれません。
 そうですか、Melissa Collard で、仕事の能率アップですか、彼女を聴くんですね、スウィング・ジャズとはいえバラード調もあって馬鹿にしたもんではないですね。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2019年7月27日 (土) 17時06分

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