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2019年9月22日 (日)

メリッサ・スティリアヌMelissa Stylianou「SILENT MOVIE」

とにかく柔らかく澄んで温かみのある美しい声は特筆ものである

<Jazz>
MELISSA STYLIANOU  「SILENT MOVIE」
Anzic Records / US / ANZ-0036 / 2012

51hxf3qajpl_20190914214701

Melissa Styianou(vo)
Pete McCann(g)
Gary Wang(b)
Rodney Green(ds) 
Jamie Reynolds(p)
Anat Cohen(ss=M2.5, bs=M4,11, cl=M9) 
Jamie Shipp(perc=M2,4,5,10,11)
Yoed Nir(cello=M4,10,11)

51hwxcsze4l  カナダはトロントに生まれたジャズ・ヴォーカリストMELISSA STYLIANOU(メリッサ・スティリアヌ)の第4作目のアルバム(2012年リリース)。実はこの歌手知らなかったんですが、1976年生れと言うことで、このアルバム制作時は30歳中頃ですね。今年リリースされた寺島靖国の「For Jazz Ballad Fans Only Vol.1」で知って、是非聴いてみたいと手に入れた一枚なんです。結論的に聴いてみて良かった一人ですね。
 実はこのアルバムは、彼女がWEBでCDリリースの為の$13,500を目標に寄付を呼びかけ、約150名の方がそれに賛同、目標金額を達成し、CD完成に至ったのだという。それ以前の三作は自主制作であったようだ。この後2014年にアルバム「NoRegrets」(同じANZICから>右上)もリリースしている。彼女は、現在、ニューヨークを拠点に活動しているようだ。

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(Tracklist)
01. Smile
02. Something in the way she moves
03. Silent Movie
04. Onde Ir
05. Hearts and Bones
06. Today I Sing the Blues
07. Hearing Your Voice
08. I Still Miss Someone
09. The Folks Who Live on the Hill
10. First Impressions
11. Swansea
12. Moon River

 最初と最後に"Smile"、"Moon River"というおなじみのナンバーが登場しています。とにかく彼女の歌う声の質が、伸びやかにして柔らかく美しく癖の無いのがいいですね。これが何と言っても強みです。寺島靖国もこれに参ったんでしょうね。
 James Taylor (M2.“Something in the Way She Moves”)の曲を聴くと、妖艶なというのでなくむしろ素直な素朴な美しさが漂っている。
 アルバム・タイトル曲M3."Silent Movie"こそ、清純さすら感じられる美しさだ。そしてM5."Hearts and Bones”のPaul Simon"の曲、更にJohnny Cash のM8.“I Still Miss Someone”などを聴くと、意外に彼女はこうしたフォークっぽい曲が好きなのかもしれない。
 M9."The Folks Who Live on the Hill "などはギターとクラリネットのバックで、静かに説得力のある歌を聴かせ、当初のイメージを完全に変えさせられた。

 彼女のデビューは1999年で、2003,2004,2006年と3回、自国のNational Jazz Awards of Canadaで、ジャズ・ヴォーカリスト・オブ・ザ・イヤーにノミネートされた様だ。ただ商業ベースにしっかり乗っているようで無く、現在2014年以来はアルバムリリースは無い。ニューヨークのジャズ・クラブで歌っているようだが、ナイトクラブ的ムードとちょっと違ったところがそんなところになっているのかもしれない。
 近年の彼女、体格はSinne Eegと同等に迫力ある。それはそれとしていずれにしても彼女の声の質、やさしいムードはこれからも支持は必ずありそうだと思うのだが。

(評価)
□ 選曲・演奏・歌  ★★★★☆
□ 録音       ★★★★☆

(試聴)

 

 

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コメント

小学生の頃、最もポピュラーなビートルズから聴き始めた割に、次第にリスナーの少ないマニアックな方向に進んできて、偏屈なリスナーになってくなあと。
普通の人が好むジャズは何かとなると、入門者向きの入口が広いコンピですよね。
ジャズを聴きたくて、とか、Verveの初心者向きコンピや今までジャズ聴いたことない人のためにとか、40枚くらい買い漁って、聴きながら仕事してて思ったのは、女性はおしゃれを求めてて、男性は酒がうまく呑めるかどうかが訴求点なんですよね。
日本人が選ぶコンピは同じような定番ばかりになるけど、アメリカ人やイギリス人が選ぶベストはちょっと違うなあ。
知らない演奏がやたら出て来るし。
これジャズに入れちゃうのなんてのも。
いくらでも知らない演奏が出てきて、結構楽しいです。

投稿: MRCP | 2019年9月25日 (水) 23時00分

MRCPさん
コメント有り難うございます。
私はもともとアルバム一枚をトータルに聴いて、ウンヌンというタイプでして、コンピレーションものって殆ど聴かないのですが、寺島靖国ものは少々選択するアーティストの好みに共感があって聴いています。
自分の好みを探ったり知ると言うことでは意味があるのかもしれませんね。

投稿: photofloyd(風呂井戸) | 2019年9月27日 (金) 12時05分

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