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2019年10月19日 (土)

ロバータ・ガンバリーニRoberta Gambarini 「DEDICATIONS」

説得力十分のジャズ・ヴォーカルの自信作・・・三大女性ジャズ・ヴォーカリストに捧げる

<Jazz>

Roberta Gambarini 「DEDICATIONS」
55 Records / JPN / FNC J-5566 / 2019

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Roberta Gambarini ロバータ・ガンバリーニ (vocal)
Jeb Patton ジェブ・パットン (piano)

2019年1月14日ニュージャージー州サウスオレンジSouth OrangeのAlley Cat Productions録音

 イタリア・トリノ出身で米国にてジャズを学び活躍しているロバータ・ガンバリーニ(1972年生れ)のアルバム。彼女に関しては10年前にアルバム「EASY TO LOVE」(IOR 77084)で話題になったことは何となく覚えているが、その後特に歩みを追ってこなかったが、我が友人よりこのアルバムを教えられて、なんとなく興味を持って聴いたというところだ。
 まず注目点はピアノとのデュオで歌い上げるところだ。これはなかなかヴォーカルに自信がないと出来ない技、そして第二の注目点は、歴代女性ジャズ・ヴォーカリストのエラ・フィッツジェラルド、サラ・ヴォーン、カーメン・マクレエの三人に捧げられた一編であることだ。これもヴォーカルに自信のある現れであるとみれる。

 

Rg1 (Tracklist)

1. Lady Be Good / How High The Moon
2. As Time Goes By
3. Willow Weep For Me
4. Blame It On My Youth
5. Two For The Road
6. Lullaby Of Birdland
7. It Don't Mean A Thing
8. Misty
9. I Can't Give You Anything But Love

 なかなかじっくり歌い込むタイプですね。そしてドラマチックな歌唱というのは当たっていると思う、それは結構艶のある歌声で低音から高音までしっかり発音してのヴォーカルは評価に値する。ボストンのニューイングランド音楽院で学んでのアメリカ・デビューを果たしたというだけに実力派だ。ムーディーに歌うジャズ・ヴォーカルと違ってなかなか迫力すら感ずるところはアメリカン・ジャズ世界でどのように迎えられるいるのか、ちょっとその点は不明だが、こうして順調にアルバムをリリースしているところは見事である。とにかくM2."As Time Goes By"ではドスの効いたという表現にあたる歌い舞わしもみられるのだ。
 パットンのピアノはジャズ・ピアノそのもので、ムード作りに貢献しているが、とにかく彼女の迫力ある歌声が響きわたって、バランスからみてこのコンビでよかったのかと私は若干思ってしまうが、それが又いいという評価もあるのだろうと想像しているのである。
 そしてやっぱり聴き慣れているM3."Willow Weep For Me"そしてM4."Blame It On My Youth"と流れていって解るのだが、従来のジャズ・ヴォーカルと一線を画していて、柔軟・弾性・張り・躍動・情感と人一倍優れていて、希有に感ずるところもあるヴォーカルだ。
 聴き慣れたと言えうか、私の好きな曲M8."Misty"では、やはり彼女の人並み外れた歌唱力に感心してしまうのだ。

 まあ、後は好みと言うことになるが、近年の女性ジャズ・ヴォーカルのパターンとは違って説得力十分で、むしろそれが好き嫌いの別れるところにあるかと思うが・・・・。私の場合は時にはこのタイプも面白いと聴いた。

(評価)
□ 選曲・歌 ★★★★☆
□ 録音   ★★★★☆

(参考視聴)

 

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