ヨエル・リュサリデスJoel Lyssaridesのピアノ・トリオ作品「A Better Place」
スウェーデンの若きピアニストの文学性を感ずる美旋律ピアノ・トリオ作品
<Jazz>
Joel Lyssarides「A Better Place」
PROPHONE / SWEDEN / PCD200 / 2019
Joel Lyssarides (piano)
Niklas Fernqvist (bass except 07)
Rasmus Svensson Blixt (drums except 07)
1992年スウェーデン・ストックホルム出身という若いピアニスト、ヨエル・リュサリデスJoel Lyssarides のピアノトリオ第2弾新作。前作はこのメンバーでのトリオ作品『DREAMER』で、2017年にリリースされ好評であったもの。とにかくバッハ、ラフマニノフというクラシック畑から、現代ジャズのエスビョルン・スベンソン、そしてピアノ・ジャズの大御所ビル・エヴァンス、キース・ジャレット等にインスピレーションを得て、彼が自ら書いたオリジナル曲集である。
1 Vilse
2 Circling
3 Walking Tune
4 Still
5 Eon
6 Wu Tau-Tzu
7 Fado
8 Denial
9 Meditation
10 Free at Last
11 A Betetr Place
M1."Vilse" 短い曲だが、ピアノが静かに美しく流れて、この思索的世界がいいですね。
M2."Circling" 懐かしさが沸いてくるような思い出にふけることの出来る美しい曲。
M3."Walking Tune" M1,M2と違って弾むような展開の曲。しかしどこかクラシック調の展開。
M4."Still" これはまさにクラシック的な美しさのあるピアノ曲
こんな流れが続き、M5."Eon",M6."Wu Tau-Tzu" はトリオ自身が楽しむような展開でタイナミックな面もみせて、少々スパイスを効かしている。
M7."Fado", M8."Denial" は、ピアノが奏でる優しく美しいメロディーの流れにより優雅な世界に浸れる。
M9."Meditation" この曲もどこか哀感のある懐かしさをさそう。中盤にベースが低音で歌い上げトリオの味が感じられるところ。
M10." Free at Last" 中盤のピアノとベースのユニゾンが聴きどころ。
M11."A Betetr Place" 最後はアルバム・タイトルとなる明るい曲でしめくくる。
なんと言っても美旋律が流れ詩情豊かな文学性を感ずる世界を展開しているところが特徴。このようなタイプは所謂現代ヨーロピアン抒情派ピアノ・トリオと言って良いのだろうと思う。これが北欧のリリシズムと言ったところなのだろう。
とにかくリーダーのピアニストのヨエル・リュサリデスは、ストックホルムの南ラテン音楽高等学校やストックホルム音楽大学でジャズ・ピアノ並びにクラシック音楽を学び、ピアニスト&作編曲家として幅広く活躍中と言うことで、クラシック・ムードを醸し出す現代ピアノ・トリオ作品と言ったところだ。
(評価)
□ 曲・演奏 ★★★★☆
□ 録音 ★★★★☆
(視聴)
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