ダイアナ・クラール2019年東京ライブ Diana Krall 「3 DAYS IN TOKYO 2019」
相変わらずの広範囲カヴァー曲群を披露
あの好録音マルチ・ステレオIEMマトリクス音源で登場
<Jazz>
Diana Krall「DIANA KRALL 3 DAYS IN TOKYO 2019」
Non-Official Album / XAVEL-SMS-216 / 2019
Recorded Live at Orchard Hall, Tokyo, Japan
5th, 6th, 7th November 2019
XAVEL ORIGINAL MASTER
MULTIPLE STEREO IEM SOURCES MATRIX RECORDING
ダイアナ・クラール(ヴォーカル&ピアノ)
アンソニー・ウィルソン(ギター)
ロバート・ハースト(ベース)
カリーム・リギンス(ドラムス)
いやはや、このような立派なサウンドのダイアナ・クラール・ライブ・アルバムがリリースされるとは有難いですね。
今回の2019年のジャパン・ライブも大都市、大会場、高額チケットと言うことでパスしたんですが、これだけの出来のCD盤がリリースとなれば、もはやこれで十分、我が貧弱なオーディオ・ルームと言えども大音響で手に取るように聴き取れてバンザイである。
今回は前回と違って、彼女もコンディション良好の溌剌たるパフォーマンスで会場を沸かしている。オープニングの挨拶"こんにちわ"も元気が良い。
このアルバムは東京三日間の公演で、セットリストには日替わりでかなりの相違があるので、やはりファンとなれば三日間しっかり聴きたいところ、そんな意味でも CD五枚組で、三日間全てを網羅しているところも納得ものだ。
これは近年びっくりさせられたあの評判の良い「マルチ・ステレオIEMマトリクス音源」で、オフィシャルものといっても十分以上であるパーフェクト・サウンドで優良最たる盤である。
(Tracklist)
[1st Night]
◆Recorded Live at Orchard Hall, Tokyo, Japan 5th November 2019
[XAVEL ORIGINAL MASTER : Multiple Stereo IEM Sources Matrix Recording]
(DISC 1)
01. 'Deed I Do
02. All or Nothing at All
03. L-O-V-E
04. You Call It Madness (But I Call It Love)
05. I've Got You Under My Skin
06. Devil May Care
07. Cry Me a River
(DISC 2)
01. East of the Sun (and West of the Moon)
02. A Case of You
03. I Was Doing All Right
04. Cheek to Cheek
05. Boulevard of Broken Dreams
06. The Look of Love
[2nd Night]
◆Recorded Live at Orchard Hall, Tokyo, Japan 6th November 2019
[XAVEL ORIGINAL MASTER : Multiple Stereo IEM Sources Matrix Recording]
(DISC 1)
01. 'Deed I Do
02. All or Nothing at All
03. You Call It Madness (But I Call It Love)
04. L-O-V-E
05. How Deep Is the Ocean
06. The Look of Love
07. East of the Sun (and West of the Moon)
(DISC 2)
01. Take It With Me
02. Moonglow
03. Exactly Like You
04. I Just Found Out About Love
05. I've Got You Under My Skin
06. The Night We Called It A Day
07. I Don't Know Enough About You
[3rd Night]
◆Recorded Live at Orchard Hall, Tokyo, Japan 7th November 2019
[XAVEL ORIGINAL MASTER : Multiple Stereo IEM Sources Matrix Recording]
01. 'Deed I Do
02. All or Nothing at All
03. I've Grown Accustomed To His Face
04. East of the Sun (and West of the Moon)
05. Night and Day
06. I Was Doing All Right
07. A Case of You
08. Quiet Nights Of Quiet Stars
09. I Just Found Out About Love
10. This Dream of You
ダイアナ・クラールの近作は『ターン・アップ・ザ・クワイエット』(2017)、グラミー賞ノミネートの『ラヴ・イズ・ヒア・トゥ・ステイ』(2018)と言うことになるが、スタンダード・アルバムとヴォーカル・アルバムということで、今回の来日もヴォーカリストとしての立ち位置での演奏も多く、非常に一般的に聴きやすい選曲と演奏になっている。実のところ彼女の演奏能力も高くカルテットとしての演奏もしっかり盛り込んでいる。現在の人気はヴォーカルに寄っているので、両者うまく並べての日本ファン向けのライブという内容であったと言って良いだろう。
連日披露の得意の"East of The Sun(and Ewst of The Moon)"は演奏、ヴォーカルともバランスよく披露。
又バラード調でしっとりと歌い込んでくれる曲も多く、ジョニィ・ミッチェルの"A Case of You"もいいですね。更にナット・キング・コールの"You Call It Madness"、そしてコール・ポーターの"I've Got You Under My Skin"などのギターをバックの静かに、しっとりムードは最高ですね。
更に初日のみであった代表曲"Cry Me a River"、そして二日目の"The Night We Called It A Day"は、ピアノの弾き語り、静かに美しいギターをバックのボーカルは円熟した彼女を見る思いである。
一方、初日のマイルス・デヴィスの得意曲"Devil May Care"はこのカルテットの実力発揮のジャズ演奏。又"Deed I Do", "I Just Found Out About Love" ," I Was Doing All Right"などなどは彼女らしいスウィングしたピアノ演奏も堪能出来る。特に初日の得意の"Cheek Cheek"は過去の演奏より更に快調である。
一方、ロック畑からのグリーン・ディの"Boulevard of Broken Dreams" をギターをバックにしっとりとした歌い込み、又二日目のトム・ウェイツの"Take It With Me"の弾き語りといいですね。彼女はロック曲の歌が結構ナイスなんですね。
又二日目のアンコール曲" I've Got You Under My Skin"なんかは今までに無くご機嫌で歌っているし、初日のジョニ・ミッチェルの"A Case of You"も相当ご機嫌だ。
いずれにしても、今回のジャパン・ライブは盛況であったり、彼女自身のコンディションも相当良かったようで、少なくともここで聴く東京公演はかなりご機嫌で話も多く、彼女としては珍しい明るいライブであった。ここ何年かのライブの中でも非常に充実度は高かったと言ってよい。
(評価)
□ 選曲・演奏 : ★★★★★☆ 95/100
□ 録音 : ★★★★☆ 85/100
(参考視聴)
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